「ペットの高齢化問題ってなんだろう」と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高齢化が問題となっている日本では、人間と同様にペットの高齢化も問題となっています。「誰が老いていくペットの面倒を見るのか」が最大の課題です。

本記事では、ペットの高齢化問題の原因や体の変化、対処法について解説していきます。

ペットの高齢化とは

ペットの高齢化とは

平成22年の「動物愛護に関する世論調査」では、ペットを飼育している年齢層は50代が最も多い結果となりました。比較的年代の高い人々がペットを飼っていることが分かります。

調査を鑑みるとペットの高齢化とは、「老世帯の増加」「ペットの長寿命化」という事実が深く関連しているといえるでしょう。

老世帯の増加

老世帯とは、人間の高齢者世帯のことです。さらに言えば、老世帯が高齢化したペットの面倒を見る「老・老・老世帯」が増えています。

例えば50代でペット(犬猫)を飼ったとしましょう。犬猫の寿命は約10年前後なため、飼い主様はペットの面倒を少なくとも60代までしなくてはいけません。

年齢を重ねて70代や80代になれば、老人ホームへの入居も考えるでしょう。ペット可の老人ホームは少ないため、ペットの今後のことも考えなくてはならないのです。

ペットの長寿命化

ペット医療の進歩が進んだことで、日本でも約3年間のうちに犬の平均寿命が人間換算で2歳ほど伸びました。そのため、シニア期と呼ばれる7歳でも元気に生きる犬猫が増加しています。

ペット用の介護用品だけでなく、健康的なペットフードも増えたことでペットの長寿命化は進んでいると考えられるでしょう。

高齢化したペットの体の変化

高齢化したペットの体の変化

長寿のペットが増加しているとはいえ、高齢化したペットの体には否応なく加齢の症状が現れます。

「生活習慣の変化」「筋力の低下に伴う排泄の変化」「皮膚や聴力・視力の変化」などは、いずれのペットにも起こり得る変化です。慌てずにペットの老化現象を理解し適切に対処しましょう。

生活習慣の変化

生活習慣の変化として、食事や運動、睡眠が以前とは異なってきます。食欲の減退や不自然な徘徊、途中で何度も起きてしまう浅い睡眠などが見られるでしょう。

また、高齢になるにつれて室内の環境変化にも敏感になります。犬の場合は、不安から夜鳴きをする確率が多くなるため、ベッドを飼い主様の近くに置くようにしましょう。

猫の場合は、高い場所を好みますが、高齢になると登ることができなくなります。お気に入りの場所に行けないストレスを解消するために、スロープなどを使って自力で登れる工夫をしてあげてください。

筋力の低下に伴う排泄の変化

老化による筋力の低下で排泄が難しくなることがあります。ペットの自力での排泄が難しい場合は、獣医師に相談してください。飼い主様が排泄介助をする方法もあります。

しかし、間違ったやり方をすると、ペットの肛門を傷つけかねません。排泄介助を行うことが決まったら、必ず獣医師の指導を受けてください。

また、猫の場合は足腰が弱くなった影響で成猫のときにできていた高いジャンプができなくなる可能性もあります。意図的に高い家具を取り除き、キャットタワーの高さも調節しましょう。

皮膚や聴力・視力の変化

高齢になってくると、猫の場合はグルーミングが上手くできないようになります。毛並みの艶もなくなり、同時に皮膚疾患も増えるでしょう。

被毛の多い犬や猫を飼っている場合は、飼い主様自らブラッシングを頻繁に行うようにしてください。毛並みも整うようになり、皮膚疾患も見つけやすくなります。

また、高齢化したペットは聴力や視力も低下します。加齢による病気が原因で失明や失聴の危険もあるため、常日頃から健康に気を使った食事や運動を心がけましょう。

高齢化したペットに関する対処法

高齢化したペットに関する対処法

高齢化したペットには適切な対処法が必要です。「半年に一回の健康診断は必須」「ペット保険に加入する」「健康的な食事と適度な運動」などが主な対処法になります。同じ家族の一員として、できる範囲の介護や介助をしてあげてください。

半年に一回の健康診断は必須

病気にかからないため、なおかつ病気の早期発見・早期治療のためにも半年に一回の健康診断は必須です。まだ健康な頃から、かかりつけの獣医師を早めに見つけておきましょう。

長年にわたり半年に一回の健康診断を同じ獣医師により受けていれば、病気のときも安心です。

ペット保険に加入する

人間と異なり、ペットの入院や手術には高いお金がかかります。費用を抑えるためにも、ペット保険に加入しましょう。加入の際には、飼い主様の飼っているペットが保険対象内か必ず確認してください。

健康的な食事と適度な運動

高齢化したペットには、健康的な食事と適度な運動が何よりの栄養になります。ただし、シニア用の食事内容と散歩量に変更してください。食事の固さや歩く距離も気をつけなくてはいけません。

飼い主様がご高齢の場合は、食事の用意や運動をペットシッターに頼むこともできます。ほかにも、高齢化したペット専門のトリマー協会もあり、安心してペットのトリミングを任せることも可能です。

ペットの高齢化に伴う介護とは?

ペットの高齢化に伴う介護とは?

ペットの高齢化に伴って、ペットに対する介護も必要になります。「床ずれの予防」「食事量の調節」「歩行用ハーネスの準備」など、細かい部分まで丁寧に行うことが大切です。

床ずれの予防

高齢化したペットは筋力が低下し足腰が弱ると寝たきりになる可能性があります。睡眠時間が長くなるため、必然的にベッドにいる時間も長くなるのです。

その結果として、床ずれにより皮膚が傷つく恐れがあります。加齢により皮膚も弱まっているため、床ずれを予防するために「タオルケットを敷く」「体の向きを変える」などの対策を講じましょう。

食事量の調節

高齢化したペットは若くて元気だった頃と同じ食事量を食べることはできません。柔らかいものを少しずつ食べられるように食事量を調節する必要があります。

さらに、免疫力を落とさないためにも、毎回の食事をきちんと食べているか確認することが大切です。こちらも飼い主様がご高齢で毎日の食事の用意や確認が難しい場合はペットシッターを雇ってください。

歩行用ハーネスの準備

高齢化により歩くことが難しくなるペットも多いでしょう。歩きづらくなったペットでも散歩ができるように、歩行用のハーネスを準備しておくと便利です。

ハーネスを着用しながらの運動を心がけて、ハーネスに慣れるようにしてください。高齢だからといって運動を全くしないのは良くありません。ペットそれぞれに合った適切な運動量を守ることが大切です。

高齢化に負けず愛するペットと最後まで笑顔で過ごそう

高齢化に負けず愛するペットと最後まで笑顔で過ごそう

本記事では、ペットの高齢化問題の原因や体の変化、対処法について解説しました。今やペットも高齢化して、介護が普通になる時代です。

人間が作った食事や製品がペットを長生きさせています。人間とペット、両方が高齢化に負けず、最後まで笑顔で過ごせるように対処していくことが大切です。

COCOペットでは、コラムにて動物の情報を発信しており、ペットを飼育するにあたっての必要な知識を学ぶことができます。