シニア犬の食事について悩んでいる方には「シニア犬に牛乳をあげてもいいのか」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、シニア犬向けの牛乳のご紹介のほか、犬用と人間用の牛乳の違い、あげる時の注意点をご紹介します。牛乳を食事に混ぜてあげたいと考えている方、さまざまな味を味あわせてあげたいと考えている方は、ぜひご一読ください。

シニア犬に牛乳はあげるのは避けるのが良い

シニア犬に牛乳をあげようとした際、人間用の牛乳をあげようと考えている方もいらっしゃるでしょう。本来、牛乳は栄養豊富で人間にとっては健康に良い食品のひとつです。しかし、人間と犬では必要な栄養は異なります。

そのため、年齢に関係なく犬に対して人間用の牛乳は、おすすめできません。絶対にあげてはいけないというわけではありませんが、極力避けるようにしましょう。理由としては、下痢や乳糖不耐症などの体調不良を起こす可能性があるためです。

犬用牛乳と人間用牛乳の違い

そもそも犬用牛乳と人間用牛乳には違いがあるのか、知らない方も多くいらっしゃるでしょう。人間用の牛乳には以下が含まれています。

  • タンパク質
  • 脂質
  • 炭水化物
  • カルシウム
  • ミネラル

また、人間用の牛乳には乳糖が約60%含まれています。

しかし、犬用の牛乳には乳糖が約30%のみです。そもそも犬は乳糖を分解する酵素、ラクターゼを人間ほどは持っていません。乳糖の多い人間用の牛乳を犬が飲んでしまうと、うまく分解できない可能性があります。

シニア犬用牛乳の選び方

シニア犬用牛乳の選び方

シニア犬向けに、犬用の牛乳を選ぶ際のポイントについてご紹介します。シニアは成犬時よりも身体の機能が低下しているため、含まれている成分などにより気を付ける必要があります。以下の内容を確認し、最適な牛乳を選びましょう。

粉か液体のどちらかを選ぶ

犬用の牛乳には、粉タイプと液体タイプのふたつがあります。保管しやすさを考える場合は、粉タイプを選びましょう。大容量サイズも多く、保管はもちろん、フードにふりかけて使うといった柔軟な使い方が可能です。

ただし、溶かしてから飲ませるため、飲めるようになるまでに時間がかかります。液体タイプの場合は、そのまま飲ませるため手軽に牛乳をあげられるのは魅力です。容量はさまざまですが、一度開けたら冷蔵庫に保管し、なるべく早く使い切る必要があります。

乳糖カットや乳糖分解酵素のものを選ぶ

犬にとって乳糖は摂りすぎると、体調不良を起こす可能性があるため、乳糖があまり含まれていないものが良いでしょう。愛犬の健康を守るためには、牛乳に含まれている栄養素のほか、乳糖の量についても確認が必要です。

愛犬にあげる際は、母乳に成分が近いうえ、乳糖の少ないヤギミルクが良いでしょう。年齢を問わずに飲めるため、シニア犬でも問題なく与えられます。

シニア犬に牛乳をあげるメリット

シニア犬に牛乳をあげるメリットとして、手軽に水分補給と栄養補給ができる点があります。シニアになると喉の乾きに鈍感になり、若い頃よりも水分を摂らなくなります。また、動く量が減るため、食欲が減退する場合もあるでしょう。

おやつやごはんに牛乳を混ぜると、手軽に足りていない水分や栄養素を補えます。特に水分不足が気になる夏場には、熱中症対策にもつながるため、様子を観察しながら与えましょう。

シニア犬に牛乳をあげるときの注意点

シニア犬に牛乳をあげる際は、いくつか注意しておくべきポイントがあります。犬の健康に関わるため、事前にしっかりと知っておきましょう。以下ではアレルギーや乳糖不耐症について、4つの注意点をご紹介します。

乳糖不耐症

犬は牛乳に含まれる、ラクトースという乳糖を分解する酵素があまり多くありません。そのため、牛乳を多く摂取してしまうと小腸で消化吸収をうまく行えず、下痢などの体調不良を起こしてしまいます。

この体内で乳糖を分解できない状態を乳化不耐症といいます。下痢自体は一過性のため、起こしてもあまり心配はありません。しかし、犬の健康を守るためにもあげ過ぎないよう注意しましょう。

アレルギー

犬のなかには、牛乳に対してアレルギーを持っている場合もあります。乳製品のアレルギーは比較的見られ、タンパク質が原因と考えられています。症状は下痢だけではなく、以下のようなものがあります。

  • 皮膚が赤くなる
  • 湿疹があらわれる
  • 脱毛
  • 嘔吐

下痢は乳糖不耐症でも出る症状ですが、アレルギーは身体のあちこちに症状が出ます。皮膚に変化がある場合は、口・目・耳まわり、脇の下や内股に出ます。少しでも異変が出たら、すぐに病院へ相談しましょう。

カロリーや栄養素

牛乳は脂質が多くカロリーが高いため、飲みすぎるとカロリーオーバーとなってしまいます。肥満になる可能性もあるため、牛乳を飲ませた後はその分のカロリーを食事から引くようにしましょう。

また、カルシウムが豊富なため、シュウ酸と結びついて尿結石を起こす可能性もあります。カロリーや栄養素に注意をして、与えましょう。

目安量を守る

牛乳は100gあたり63Kcalと、高カロリーです。そのため、愛犬の健康のためには目安量を守る必要があります。以下は、ドギーマンのペット用ミルク成犬用の目安量です。

体重目安摂取可能目安量
超小型成犬(5kg以下)10〜100ml
小型成犬(5〜11kg)100〜200ml
中型成犬(11〜23kg)200〜350ml
大型成犬(23〜40kg)350〜500ml

あくまで目安のため、ごはんやおやつとのカロリーと合わせてカロリーオーバーにならないよう計算しましょう。

シニア犬向けの牛乳おすすめ3選

シニア犬向けの牛乳おすすめ3選

シニア犬向けの牛乳を、3つご紹介します。シニアの身体を考えて作られているものや、子犬からシニアまで年齢を問わずに飲めるものもあります。愛犬にあった商品はないか、ご確認ください。

ドギーマン ペット用ミルク シニア用

「ドギーマン ペット用ミルク シニア用」は、シニアが安心して飲めるように作られたシニア専用の牛乳です。無乳糖のため、お腹を壊す心配はありません。また、ビタミンやミネラルのほか、グルコサミンやコンドロイチンなどの栄養素も含まれています。

対象年齢シニア
原産国オーストラリア
カロリー100gあたり:60kcal

常温であれば1年間保管ができるため、ストックを用意しておけるのも嬉しい点です。

ペットフレンド やさしいミルクの時間 シニア用

「ペットフレンド やさしいミルクの時間 シニア用」は、国産の粉ミルクです。ミルクにはラクトフェリンが配合されているため、免疫力の向上もサポートしてくれます。

対象年齢シニア
原産国日本
カロリー100gあたり:415kcal

粉タイプのため、飲ませる場合は5倍のお水やぬるま湯に溶かす必要があります。さらに、溶かして飲ませるのはもちろん、フードにふりかけて与えられます。

ニチドウ ゴートミルク

「ニチドウ ゴートミルク」は犬だけではなく、猫やうさぎなどさまざまな動物が飲める粉ミルクです。ヤギミルクの素材の持ち味を生かすため、超低温殺菌法で作られています。

カルシウムが吸収されやすいよう、ビタミンD3を配合するほか、葉酸も含まれています。

対象年齢全年齢
原産国アメリカ
カロリー100gあたり:450kcal

保存料や抗生物質、成長ホルモン剤などは含まれていないため、安心してペットにミルクをあげられます。

まとめ

本記事では、シニア犬向けの牛乳や、あげる際の注意点などをご紹介しました。牛乳は水分と栄養を同時に摂取できるため、シニア犬が取り入れておきたいアイテムです。しかし、場合によっては体調不良を起こすため、注意しながら与えましょう。