シニア犬と暮らしていると「シニア犬の足腰の弱さが気になる」と心配に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際、シニア犬は運動量が減り、足腰が弱くなります。本記事では年齢を重ねるとともに落ちてしまう犬の筋力について、筋力がなくなった時に困る点や自宅でできる筋トレ方法についてご紹介します。
目次
シニア犬の筋力が落ちると動作が遅くなる
シニア犬は人間と同様に、若い頃よりも筋力が低下します。以下では、筋力低下による影響について3つご紹介します。
立ち上がるのに時間がかかる
筋力が低下すると、立ち上がるまでに時間がかかるようになります。また立ち上がっても、ふらつく、立ち上がれないといった症状も見られます。
そのため、トイレや水を飲むのを我慢してさらに動かなくなるため、より体力が落ちると悪循環になるでしょう。筋力がなくなると思うように体が動かせなくなり、犬自身のやる気もなくなってしまうため、適度な運動が大切です。
食欲が低下する
筋力が低下すると体を動かす時間が減るほか、食事の体勢を維持するのも難しくなります。さらに、食べるのに体力を使うため、食欲が減っていくケースも多くあります。
体を動かす時間が減ると消費カロリーも減るほか、基礎代謝も落ちるため、肥満となる可能性が高くなるでしょう。食事を取らないと体力も低下し、病気にかかる可能性もあります。
トイレの失敗が増える
足腰の筋力が低下すると、トイレの失敗が増えます。トイレに行こうとして間に合わない、体勢が維持できずに排泄物の上に尻餅をついてしまうといった失敗があります。またトイレシートで足が滑って、はみ出てしまうなどもあるでしょう。
トイレの失敗を減らすためには、トイレシートの範囲を広げるほか、トイレをする際に補助をしてあげるなどの方法があります。
筋力が弱ってきた時の特徴や見分け方
筋力が弱っているかどうか、どこを見て判断するのかわからない方もいらっしゃるでしょう。以下では、筋力が弱くなってきた時の特徴や見分け方をご紹介します。
シニア犬の筋力が弱ってきた時の特徴
シニア犬の筋力が弱ってくると、以下のような特徴があります。
- 足の筋肉がなくなり、細くなる
- 横たわる時にドサっと横たわる
- 起き上がるのに時間がかかる
- 散歩に行きたがらない、歩くのが遅くなった
- 座った時に足を横に流す
- 腰や尻尾が下がる
筋力がなくなるため体のサイズが小さくなる、動きがゆっくりになる変化が見られます。
シニア犬の筋力が弱っているかの見分け方
年齢を重ねていくにつれ、どのような変化があるのか、筋力に問題がないかどうかの確認は大切です。まずは散歩の時などに、歩いている時の姿勢に変化がないか確認しましょう。
あらゆる角度からスマホで写真を撮ると、客観的に犬の状態を確認できます。また、歩き方に問題がないか意識的な確認も大切です。目線はまっすぐになっているか、足の動きに問題がないか、日々の散歩で確かめましょう。
シニア犬が自宅でできる筋トレメニュー
シニア犬のトレーニングは、自宅でも手軽にできます。以下では、5つのトレーニングをご紹介します。
ボールまたぎ
ボールやバーなどをまたぐと、後ろ足のトレーニングになります。タオルを丸めたボールや、サランラップの芯をつなげたものをいくつか用意し、おやつを使って1つずつまたぐように誘導しましょう。
後ろ足が上がらない場合、置いたものを蹴飛ばしてしまいます。始めはゆっくりと行い、慣れてきたら柔らかい床や高さを足すなどしましょう。
スクワット
スクワットといっても、人間のような動きとは異なり、座る、立つ動作の繰り返しがスクワットです。この動作の繰り返しは、前足に負荷がかかりにくく、後ろ足をしっかりと鍛えられます。
余裕がある場合は、伏せも混ぜると、より体をしっかりと動かせるでしょう。
おやつの時に行うなど、気軽に取り入れられます。上手にできた場合は、おやつと一緒にしっかりと褒めてあげると、犬も楽しんで取り組めるようになります。
クッションの上を歩く
シニア犬の筋力をつける方法として、クッションなどの柔らかい場所を歩くトレーニングがあります。小型犬の場合はクッション、大型犬の場合はマットレスなどで問題ありません。
不安定な場所を歩くとバランスを取ろうとするため、体幹が鍛えられます。すでに足がふらついている場合は、前足のみや後ろ足のみをクッションに乗せて、少しずつ負荷をかけるようにしましょう。
手上げ・足上げトレーニング
立ったままの状態で片足をあげる運動も、筋力を鍛えるトレーニングになります。例えば右前足でお手をすると、対角線の左後ろ足の筋肉を刺激します。足が弱っていて上がらない場合は、下からゆっくりと持ち上げてあげましょう。
足を上げていない対角の足はもちろん、バランスを取ろうとするため、体幹のトレーニングにもつながります。前足も後ろ足も偏りがないよう、ゆっくりと行いましょう。
マッサージ
筋力をつけるメニューとは少し異なりますが、運動をした後はケアも大切です。足のマッサージを行うと、怪我を予防できるほか、身体の状態を直に触れて確認ができます。普段から少しずつ触れておくと、小さな変化にも気づけるようになるでしょう。
マッサージは肉球を優しくほぐす、大きな筋肉をさすってあげるなどで十分です。怪我を防ぐためにも、毎日数分でも取り入れてみましょう。
シニア犬が屋外でできる筋トレメニュー
シニア犬向けのトレーニングは、屋内はもちろん屋外でもできることがあります。普段の散歩コースを変更する、ストレス解消も兼ねてスイミングなどの方法があるため、ぜひ一度ご検討ください。
足の力が必要な場所で散歩
普段の散歩コースでアスファルトのみを歩いている場合、ほかの場所を歩くようなコースを取り入れましょう。芝生や砂浜、坂道などは足に力が入るため、自然と筋力を鍛えられるようになります。
普段と違う散歩コースは、犬にとっても刺激となり、楽しく散歩に出かけられるようになります。バギーやハーネスなどを活用しながら、散歩をしましょう。
スイミング
泳ぐのが得意な子や泳ぐのが好きな子の場合は、スイミングを取り入れてみましょう。水の中は浮力があるため、関節に負担をかけずに体を動かせます。水中でバランスを取ろうとするため、体幹も鍛えられるでしょう。
ただし、体力低下によって溺れる可能性があります。念の為ライフジャケットを着用し、すぐそばで見守るようにしましょう。
まとめ
本記事ではシニア犬の、筋トレについてご紹介しました。犬は筋力が低下すると、姿勢の維持が難しくなり、日常生活でも動かなくなるなどの影響が出てきます。健康な生活を送るためにも、足腰の筋トレを取り入れましょう。
しかし、どれだけトレーニングを頑張っても犬には寿命があります。一緒に筋トレをしていた犬がいなくなるのはペットロスを引き起こしますが、終活をすることでやわらげられます。