老犬と一緒に暮らしている人のなかには「老犬の喜ぶことを全力でしてあげたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
老犬になると今まで喜んでいたことも、反応を示さなくなる場合もあります。本記事では老犬が喜ぶこと、老犬のためにできる環境作りなどをご紹介します。
老犬と一緒に暮らしている方、これからシニアに差し掛かる愛犬がいる方は、ぜひご確認ください。
目次
老犬の喜ぶこと5選
老犬になると今までとは異なり、喜んでいたことに反応しなくなる場合もあるでしょう。老犬が喜ぶこと、そのためにできることを、以下でご紹介します。いずれもすぐに取り入れられるため、できるところから始めてみましょう。
スキンシップを増やす
年齢に関係なく、犬は飼い主様との触れ合いを喜ぶ動物です。スキンシップをした際には、オキシトシンという幸福ホルモンが分泌されるため、幸せな気持ちになれます。
スキンシップによって、犬の身体の変化も感じ取れるようにもなります。老犬になると身体が変化するため、触れるのを躊躇う場合もあるでしょう。しかし、犬にも飼い主様にも良い効果があるため、積極的なスキンシップがおすすめです。
積極的に声をかけて褒める
スキンシップと同時に、積極的な声かけと褒めてあげるのも効果的です。声をかける場面や言葉としては、以下が良いです。
- 朝や夜の挨拶として触れながら声をかける
- ありがとう、大好きだよと伝える
- 犬の視界に入って笑いかける
身体の老化によって、犬も不安を感じます。そんなときは、側にいてくれてありがとう、いい子だねと積極的に伝えて不安を解消させてあげましょう。
マッサージをしてあげる
スキンシップの一環として、マッサージを取り入れましょう。足回りや身体全体の筋肉の変化に気づきやすくなるため、老犬にはおすすめのスキンシップ方法です。以下のようにして、マッサージを行いましょう。
- 温かいタオルで撫でる
- 指先の部分を回す
- 顔や皮膚のマッサージ
指先の部分は、固くなると腰や股関節への負担が大きくなります。少しでも足腰を良好な状態に保つには、優しくほぐしてあげましょう。マッサージの際は力を込める必要はなく、撫でたり触れたりと軽い力で十分です。
ハーネスやバギーで散歩を補助
老犬になると足腰に問題を抱えて、散歩が難しくなる場合もあるでしょう。しかし、運動はストレス解消のほか、筋力維持のために大切です。そのため、少しでも快適に散歩できるよう、ハーネスやバギーで散歩の補助を行いましょう。
例えばハーネスやバギーの活用で、散歩道の途中にある身体に負担の大きい段差や坂を気にせずに歩けるようになります。うまく活用すれば、歳をとっても散歩ができる楽しさを感じられるようになります。
ごはんやおやつをシニア用に変える
年齢の変化に応じて、ごはんやおやつをシニア用に変えましょう。成犬用のままのフードやおやつは、シニアの身体には負担になる場合があるためです。噛みやすいように粒の大きさを変えたり、消化しやすいように固さを変更したりしましょう。
また、おやつにもシニア用のものがあるため、健康効果があるものや飲み込みやすいものへ切り替えると、健康につながります。ごはんの切り替えで食欲が増加する可能性もあるため、積極的に取り入れましょう。
老犬のための環境を整える
老犬が喜ぶことを行うのはもちろん、快適に過ごせるように、老犬のための環境を整えましょう。床や段差に対する対処、温度や光など気にかけておきたい点はいくつかあります。ぜひ、老犬の健康のためにもご一読ください。
滑りにくい床に変更する
床材は犬が足腰の怪我をする原因のひとつです。フローリングのままでは、足が滑ってしまい、転びやすくなります。若いうちは問題がなくても、シニアになるにつれて踏ん張りが効かなくなり、負担が大きくなるでしょう。
怪我をさせないためには、マットを敷いて対策をすると良いです。特に、滑りにくいタイルマットやコルクマットがおすすめです。カーペットも良いですが、爪がひっかかる可能性もあるため、なるべく避けましょう。
家の中の段差や角を減らす
歳をとるにつれて、足腰が弱るのはもちろん、視力の低下なども起こります。よく目が見えておらず、家の角にぶつかって怪我をする可能性もあるでしょう。また、足腰が弱り、段差で転ぶ・腰を痛めるといった場合もあります。
そのため、ソファなどの段差がある場所に乗ろうとしている場合は、スモールステップを設置すると良いでしょう。
腰への負担が軽減するため、快適に過ごせるようになります。スモールステップは、若いうちから取り入れておくと、スムーズに使ってくれるようになるでしょう。
また、家の角や出っ張りなどの場所には、緩衝材や気泡シートを活用しましょう。ぶつかってしまっても、怪我をする可能性を下げられます。移動ができる家具の場合は、模様替えも効果的です。
温度や光をコントロールする
老犬は温度の変化に対して、順応する力が弱くなります。そのため、今までは問題なかった気温でも、シニアには暑すぎる・寒すぎるとなる場合があります。温度計や湿度計などを活用して、老犬が快適に過ごせる温度を把握しましょう。
また、犬自身が微調整をできるような環境作りも大切です。ひんやりするグッズやあたためるグッズも活用し、落ち着いて過ごせる場所を作りましょう。
ゆっくりと休めるよう、夜には明るい電気を付けないようにするといった工夫も大切です。
老犬の身体の変化を知る
老犬になると、身体にどのような変化が起こるのか、具体的には知らない方もいらっしゃるでしょう。以下では、シニアになると起こる身体の変化の一部をご紹介します。身体の変化によって、少しずつ生活環境を整えていきましょう。
名前を呼んでも反応がない
今までは些細な音でも反応していた犬も、シニアになるにつれて耳が遠くなります。そのため、名前を呼んでも反応しない場合があるでしょう。苦手な雷や花火などの音に対する反応が鈍くなった時も、老化が進んでいる特徴のひとつです。
寝ている時間が増えてきた
犬は基本的に、寝ている時間が多い動物です。成犬の平均睡眠時間は12〜15時間のため、ほとんどを寝て過ごしています。しかし、老犬になると寝ている時間はさらに増えていきます。
また、睡眠時間の増加のほか、睡眠が深くなる・起こしても反応が鈍いといった場合も老化してきている特徴です。場合によっては、昼夜が逆転したり寝場所の好みが変わったりもします。病気の可能性もあるため、気になる点がある際は、病院へ相談しましょう。
白い毛が増えた
犬が歳をとった際に、目に見える変化として、毛が白くなる点があります。若いうちから、身体や顔に白い毛が混じることはありますが、多くの場合はシニアになってから白くなり始めます。
退色などもあるため、毛の変化があった際はシニアになりつつあると思いましょう。
遊びに対して興味を持たなくなった
老犬になると、若い時と同様に遊ぶことが少なくなります。遊んでいても、すぐに飽きるなどの変化が見られるでしょう。また、身体がうまく動かないなどの原因により、あまり新しい物事に対して、興味を抱かなくなります。
しかし、遊ばない、興味を持たないからといって、そのままではいけません。適度な刺激によって、若々しい気持ちを取り戻す場合もあります。おやつ当てや宝探しといった、簡単なゲームで身体や脳に刺激を与えると健康につながるでしょう。
歩くスピードが遅い・よくぶつかる
老犬は足腰の低下とともに、歩くスピードが落ち、全体の筋力も落ちてしまうため、首が下がり、俯いた状態で歩く時間が増えていきます。身体が動かしにくいなどの理由から、散歩に行くのを嫌がるなどもシニア犬もいるでしょう。
また、視力も低下するため、家具などにぶつかる頻度も高まります。近くにある家具にぶつかる、おもちゃなどを見失うようになったら、視力が低下してきていると考えましょう。
まとめ
老犬が喜ぶことや、老犬が快適に過ごすための環境作りについてご紹介しました。老犬の不安を取り除き、日々積極的に交流をするのが、老犬の喜びにつながります。毎日声をかけ、スキンシップをとりましょう。
しかし、老犬が快適な環境を整えても、いつかはお別れする時がきます。心残りなく送り出せるよう、COCOペットではペットの終活に関するご相談も承っています。お気軽に、お問い合わせください。