犬を飼っている人の中には「犬の歯を健康に保つためにはどうすればいいのか」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、犬の歯が抜ける原因や歯が抜ける原因となる病気・怪我についてなどをご紹介します。愛犬の健康を保つためにも、犬を飼っている方はぜひ最後までお読みください。
目次
犬の歯が抜ける原因には何がある?
犬の歯が抜けるには時期のほか、さまざまな原因があります。どういった時期に抜けるのか、それぞれのタイミングごとに分けてご紹介します。
乳歯からの生え替わり
犬が小さい場合は、乳歯から永久歯の生え変わりのために歯が抜ける時期があります。生後8週には乳歯が生えそろい、生え変わりは生後12〜28週齢が目安です。最初は奥歯が抜けて、順次犬歯が抜けて永久歯に生え変わります。
生え変わりの時期は、口の中に不快感を抱いているため、緩和させるためにおもちゃや家具などを噛んでしまいます。事故や怪我を防ぐためにも、柔らかいおもちゃを用意するほか、おもちゃの誤飲などにも注意しましょう。
成犬になってから抜ける
基本的に永久歯に生え変わった成犬の場合、歯が抜ける可能性は低いです。健康的であれば、問題なく歯が揃っているでしょう。
もし、成犬で歯が抜けた場合は、歯に関する問題を抱えている状態です。考えられるのは歯周病や虫歯などのため、一度獣医師へ相談しましょう。
また、歯が折れたり、割れたりする場合もあります。ぶつかったときや硬いものを食べたときに、歯が欠けるなどです。その際も獣医師へ相談し、適切な処置を行ってもらいましょう。
高齢になってから抜ける
高齢になってから、歯が抜ける場合もあるでしょう。しかし、成犬時と同様に高齢になったからといって何か特別な理由がない限り、歯が抜けてしまうことはありません。
もし、転倒や怪我によって歯が折れる、抜けるなどがない場合は歯周病が考えられます。
軽度の歯周病であれば、回復の見込みもありますが、歯が抜けるほどの歯周病は治療も難しくなります。定期的な自宅でのデンタルケアのほか、獣医師に診察してもらい、問題がないかどうかを確認してもらいましょう。
犬の歯が抜ける病気や怪我について紹介
成犬やシニアで歯が抜ける場合、ほとんどが病気や怪我が原因です。しかし、原因となる病気はひとつではありません。以下では、歯が抜ける可能性の高い病気をご紹介します。どのような影響があるのか、ぜひご確認ください。
歯周病
歯周病は歯垢や歯石に含まれる細菌によって炎症を起こし、放置すると歯を支える歯槽骨を溶かします。成犬のほとんどに疾患の兆候があるとされ、歯が抜ける原因として最も考えられる病気のひとつです。
また、歯周病は進行すると歯が抜けるだけでなく、細菌が体の別の場所に影響を及ぼす可能性もあります。歯周病は軽度であれば歯石の除去など、簡単にケアが可能です。
しかし、重度の場合は麻酔を使用した治療が必要になります。日々確認して、症状が悪化しないよう注意しましょう。
口腔内腫瘍
歯が抜ける可能性として、口腔内に腫瘍ができている場合もあります。
メラノーマという悪性黒色腫や扁平上皮癌、線維肉腫などの悪性腫瘍が進行すると歯が溶けてしまうことがあるでしょう。口内にできる腫瘍の全てが悪性というわけではなく、良性な場合もあります。
しかし、種類によっては歯や骨が溶かされてしまうため、異変があった場合はまず獣医師へ相談しましょう。
吸収病巣
吸収病巣は猫に多く見られる病気であり、歯が吸収されて骨に置き換わる病気です。猫と同じような症状は、犬の場合あまり多くありません。しかし、ごく稀に犬でも発生します。症状によっては歯が溶けてしまい、根本からグラつく場合もあるでしょう。
歯根歯折
病気ではありませんが、硬いものをかじった場合やぶつかって怪我をしたなどで、歯が折れた場合を歯根歯折と呼びます。硬いものの中には石やおもちゃなど、身近なものも含まれています。
折れた歯が生え変わることはないため、気づいた時にすぐの処置が必要です。
犬の歯が抜けた時の食事やおもちゃについて
歯が抜けてしまった際、普段と同じような食事では口の中にダメージを与えてしまう可能性があります。ふやかしたドライフードやウェットフードなど、口に優しい状態のものをあげましょう。
おもちゃも歯や口を傷つけてしまう可能性があるため、硬いものではなく柔らかくて安全なものを与える必要があります。プラスチックやゴム製、綿を使用したおもちゃがおすすめです。
犬の歯が抜けないようにするには普段のケアが大切
乳歯から永久歯に生え変わった後、病気で歯が抜けてしまわぬように日々のケアが重要になります。以下では、毎日のケア内容や注意点をご紹介します。
犬の歯を磨く時の注意点
まずは、犬の歯を磨く時に気をつけておきたいポイントをご紹介します。愛犬の歯を守るためにも、以下では3つの内容を解説します。内容を確認し、少しずつ日々のケアとして、取り入れていきましょう。
無理に歯を磨かない
人間とは異なり、犬は日々の生活で自分から歯磨きをする習慣はありません。そのため、飼い主様が犬の歯を磨く必要があります。しかし、最初から完璧な歯磨きは難しく、嫌がる場合がほとんどです。
口周りを触って嫌がる場合は、歯磨きを無理に続けるのはやめましょう。まずは、少しずつ口周りに触れることから徐々に慣れさせ、歯磨きを取り入れていくのがおすすめです。
嫌がらない工夫をする
歯磨きはもちろん、口周りを触られるのは犬にとってストレスとなります。まずは、飼い主様が口周りに触れるのを慣れさせるほか、犬が嫌がらない工夫をしましょう。特にごほうびの用意は、効果的です。
小さなステップから始めていき、できた時には必ずごほうびをあげると、少しずつ口周りに触れるのもスムーズになっていきます。
まずは口周りに触れ、慣れてきたら以下を試しましょう。
- 口をめくる
- 歯に触れる
- 歯茎をマッサージする
- 歯ブラシを触れさせる
犬用のお世話アイテムを利用する
歯磨きをする際は、必ず犬用のデンタルケアアイテムを使用しましょう。人間とは必要な成分などが異なるため、場合によっては悪影響を与える可能性もあります。
また、人間と異なり、犬は自分で口をゆすげません。少しでも健康な状態を保つためにも、犬専用のアイテムを使用してデンタルケアを行いましょう。
また、ケアができるアイテムのなかには、非常に硬いものがあります。あまりにも硬いものは、歯が折れる原因となるため、利用には注意が必要です。
歯石が付いてしまった場合
歯石が付いてしまった場合、歯磨きでの除去はできません。そのため、動物病院で取ってもらう必要があります。毎日のように歯磨きをしていたとしても、知らずに歯石が溜まっている可能性もあるでしょう。
定期的に動物病院で、歯石がないか確認してもらうと安心です。なお、犬は約3〜5日で歯垢が歯石に変化するため、日々のケアを積極的に行いましょう。
まとめ
犬は人間と同様に、乳歯から永久歯に生え変わる時期があるため、子どものうちは歯が抜ける時期があります。しかし、永久歯が抜けた場合は歯周病などの病気や事故が考えられます。歯が抜けてしまった際は、必ず病院を受診しましょう。
しかし大切な愛犬を、お世話をしていても、いつかはお別れの時がきてしまいます。COCOペットでは、少しでも心残りなく送り出せるよう葬儀のお手伝いを行っています。葬儀に関する不安やお悩みがある際は、ぜひお気軽にご相談ください。