「シニア犬の後ろ足の老化を予防したい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

上手く立ち上がれなかったり、後ろ足がプルプル震えて転んでしまったり、シニア犬になれば老化は避けて通れません。

若い頃と違い活発に動くことが少なくなり、後ろ足の筋力が低下しはじめます。不用意なケガや病気により動けなくなり寝たきりになってしまう可能性もあるでしょう。

飼い主様の心配事をなくするためにも原因や対処法を知ることは大切なため、本記事で解説していきます。

シニア犬の後ろ足が踏ん張れなくなる原因

シニア犬の後ろ足が踏ん張れなくなる原因

シニア犬が踏ん張れなくなる理由は老化以外にも、ケガや病気の場合があります。

筋肉の低下、ケガや病気の悪化を防ぐためにもそれぞれにどのような違いがあるのか、見分け方をご紹介いたします。

ケガが原因のとき

物理的にぶつけたり打ち付けたりした場合は、脱臼や捻挫、骨折が考えられます。

骨の関節がずれる脱臼は、激しく転び、骨の可動域を超える動きをした場合に起こり、足を引きずるような動作をしていたり、曲げにくそうにしたりしていたら脱臼の可能性があるでしょう。

捻挫と骨折はどちらも触られることを嫌がりますが、地面に足をつけられるかどうかで見分けることができます。

捻挫の場合は、比較的、地面に足をつけて歩けることが多く患部を押せば痛がります。骨折の場合は、「見た目で腫れているのが分かる」「触れると熱を持っている」などがあり軽く触れても激しく痛がるでしょう。

病気が原因のとき

椎間板ヘルニアや脳疾患が原因で後ろ足の踏ん張りができなくなる場合があります。

椎間板ヘルニアは背骨で起こる病気で、正常な神経を圧迫してしまうため、ふらついたりよろけたりする症状が出ます。足が麻痺して上手く踏ん張れずに、転んでしまうこともあるようです。

脳疾患は先天的な場合もありますが、腫瘍ができたり炎症したりすることで脳に異常が起こりふらつき・よろめきといった症状が出ます。

老化が原因のとき

ケガや病気の可能性が低く、小型犬で15歳前後、大型犬で10歳前後の場合は高齢犬と呼ばれる年齢になります。

一日中座っている、寝てばかりいることが増えるため後ろ足の筋力も衰えてしまいます。

歩くスピードが遅くなったり、今まではできていた長距離の散歩を嫌がるようになったりした場合は老化の可能性が高いでしょう。

シニア犬の後ろ足が踏ん張れなくなった時の対処法

シニア犬の後ろ足が踏ん張れなくなった時の対処法

踏ん張れない理由が、ケガや病気のときと、老化では対処法が異なります。見逃しや、放置を防ぎ適切に対応するためにしっかりと様子を確認しましょう。

動物病院で診察する

すぐに受診できる場合は、動物病院に連れて行き症状を診てもらった方が良いです。

ケガや病気の症状にもよりますが、悪化する場合も考えられるため、速やかに受診することをおすすめします。

ゲージに入れてしまう

異変に気がついた時間帯によっては、動物病院に連れていくことができない場合もあります。

そのような時は、安静する・動きの制限をつけるという意味でケージに入れ、様子を見ることをおすすめします。

適度な運動をする

筋力の低下を防ぐためには、適度に運動をすることが大切です。

散歩の時間は10分程度を目安に砂浜や芝生といった、クッション性が高い場所や足が埋もれるような場所を歩かせる方が良いでしょう。

一日に2~3回に分けて短い時間で少しずつ鍛えることをおすすめします。

滑りにくい床にする

愛犬がフローリングで滑ってしまい、心配している飼い主様は全体の6割と多くいらっしゃいます。

滑って転ぶことはもちろんもこと、滑らないように踏ん張ることでも身体に無理な力がかかりケガに繋がってしまう場合もあるため滑りにくい床にすることは大切です。

食事でのケア方法

食事でのケア方法

運動と同時に身体の中からも栄養を摂取することで、健康維持を目指していきましょう。食事の取り方やシニア犬に摂取して欲しい成分をご紹介いたします。

食事をするときの高さ

どのような食べ物が良いか、どのような栄養を摂取したら良いか、愛犬のために飼い主様のお悩みは尽きませんが、食事をするときの高さもシニア犬には気にして欲しい要素のひとつです。

シニア犬は噛む力や飲み込む力も衰えるため、通常の下を向いたままの食事は取りにくい場合があるでしょう。

ご飯の入ったお皿を背筋が伸びたまま食べられる高さにしてあげることにより、スムーズに食事ができるようになります。

ビタミンC

ビタミンには「脂溶性ビタミン」のビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK。

「水溶性ビタミン」のビタミンB群、ビタミンCがあります。

その中でもビタミンCには、コラーゲンの生成・保持、脂質の代謝、抗酸化作用があり、皮膚の再生も助ける働きがあるため摂取して欲しい成分です。 ビタミンCは体内で生成可能な栄養素ではありますが、ストレスを感じる生活・加齢などにより生成量が減ってしまうので摂取をおすすめします。

コラーゲン

関節に良い成分には、以下があります。

  • グルコサミン
  • コンドロイチン
  • コラーゲン

コラーゲンは骨や軟骨などに含まれる特殊なタンパク質です。新陳代謝を促し老廃物を取り除くといった働きもあります。関節の衰えも深刻になってくるシニア犬は、積極的に取り入れて欲しい栄養素です。

コラーゲンの生成・保持をしてくれるビタミンCと一緒に食事に取り入れることをおすすめします。

踏ん張りにくくなってきたら「肉球マッサージ」

踏ん張りにくくなってきたら「肉球マッサージ」

肉球がある足先は犬にとって急所であり、デリケートな場所です。触っても大丈夫なように日頃からのスキンシップを大切にしておきましょう。

後ろ足の肉球には、足底球(そくていきゅう)中央の大きめの肉球があり、肥満や代謝を促進することができるツボがあります。

趾球(しきゅう)手前にある4つの肉球には、内側から、肝や生殖器・胃・胆のう・膀胱に効果が期待できるツボがあります。

肉球マッサージのやり方は、クリームを塗り、肉球にあまり摩擦がかからないようにしてから行うようにしましょう。

  1. 肉球を広げるように親指で優しく押します。
  2. 肉球の間も指で挟むように優しく揉みます。
  3. 最後に肉球全体を手のひらで包み込んで終わりです。

もし、肉球を触られることを嫌がるときは最後の「肉球全体を手のひらで包む」だけでも効果があるため、お試しください。

まとめ

シニア犬の後ろ足の衰えやケガ・病気を早急に見分け対応することで、寝たきりになるリスクを減らすことができます。

若い頃から適度な運動・適切な食事に気を付けることが大切になりますが、年齢を重ねてからでも愛犬にしてあげられることはたくさんあります。

スキンシップを取り、心を通わせ合うことで、愛犬との楽しい毎日を過ごすことができるでしょう。

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