「動物介護士を目指しているけれど、詳しい仕事内容や資格の必要性がわからない」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

動物介護士という仕事を知り、将来動物を介護したいとお考えの場合、仕事内容や必要な資格を知らないと不安になりますよね。

本記事では、動物介護士の仕事内容や取っておきたい資格について解説します。将来、動物介護士を目指しているという方はぜひ参考にしてみてください。

動物介護士とは

動物介護士とは

動物介護士とは、病気や高齢により介護が必要なペットのケアを総称している職業です。動物介護士は動物の健康管理だけでなく、しつけや食事管理、トリミングなど身の回りのケアも行っています。

また、病気や認知症などを持つ動物のケアも必要なため、動物に関する基本的な知識だけでなく動物の病気に関する知識も必要です。

動物介護士の平均年収

動物介護士の平均収入は、150〜200万円といわれています。一般的な月収は13〜15万円といわれていますが、働く場所により大きく異なるため事前に確認しておくことが大切です。

国税庁による「令和3年分民間給与実態統計調査」では、日本の平均年収は443万円とされています。そのため、動物介護士は平均よりも低めに設定されていることがあるでしょう。

動物介護士の将来性

動物介護士は、年々、注目度が集まっています。

近年ではペットの高齢化も進んでおり、老人ホームや動物病院などをはじめとする介護事業が必要とされています。そのため、動物介護士の需要も高まりつつあるといえるでしょう。

動物介護士の仕事内容について

動物介護士の仕事内容について

ペットの病気の兆しを察知することも動物介護士の大切な仕事内容です。ペットは人間のように言葉を話して体調の変化や病状を伝えられません。

そのため、ペットの行動と病気について幅広い知識を持つ動物介護士がペットの異変をいち早く気づいてあげる必要があります。また、高齢のペットは自分で身繕いすることが困難になり、汚れが溜まりやすく、皮膚や耳の病気にも繋がります。

シニア期や自分で身繕いすることが困難なペットが快適に過ごせるようにしてあげるのも、動物介護士の役目です。

動物介護士は、毛や爪の手入れ、アロマセラピー、トリートメントなどの技術を用いて、ペットが快適に過ごせるような環境を提供しています。動物介護士は、高齢ペットや身動きが取れないペットなどにも適切な施術をしてあげられるでしょう。

動物介護士が活躍できる場所について

動物介護士が活躍できる場所について

動物介護士は、認知度が少ない職業ではありますが、活躍できる場所が多々あります。以下では、動物介護士が活躍できる具体的な場所について解説します。

動物病院

動物介護士は、資格取得をすれば動物病院で勤務ができます。動物病院の場合、獣医により診察が行われるため、無資格でも働けます。しかし、動物介護士に関する資格を持っていれば、即戦力となり就職にも有利になるでしょう。

入院が必要な犬や猫のケアにも動物介護士の資格を活用できるため、動物病院で就職したいとお考えの方は取得しておくことをおすすめします。

ペットホテル

動物介護士は、ペットホテルで勤務可能です。ペットホテルは、飼い主様が出張や旅行などで家を不在にする際に使用されることがほとんどでした。

しかし、現在では老犬や病気を持つペットに対する介護としてお預かりできるホテルも増えています。ホテルによりサービスは異なるため、事前に確認しておくといいでしょう。

ペットシッター

動物介護士はペットシッターとして働くことも可能です。仕事が忙しい方やペットのお世話まで手が回らないという方は、ペットシッターを利用する傾向にあります。

ペットシッターは、フリーランスとして、また会社に所属して働けます。安定した収入を得たい方は、会社員として働くことがおすすめです。

動物介護士資格の種類

動物介護士資格の種類

動物介護士には、民間資格があります。以下では、動物介護士の資格の種類について解説します。

ペット介護士

ペット介護士は、群馬県のドッグコミュニティパークは「世界の名犬牧場」と通信講座大手の「がくぶん」により認定される資格です。がくぶんの通信講座「ペット介護士養成講座」を修了すると資格認定を得られます。

小動物介護士

小動物介護士は、一般社団法人 日本ペット技能検定協会による認定資格です。協会が指定したカリキュラムを修了して、筆記試験に合格すると資格を取得できます。指定カリキュラムは、通信講座で受講できます。

ドッグヘルパー

ドッグヘルパーは、一般社団法人 日本キャリア教育技能検定協会(JCSA)が認定している資格です。

協会が認定した「ドッグヘルパー講座」を修了して、添削課題や一定水準の知識と技術を習得すると資格を取得できます。

老犬介護士

老犬介護士は、一般社団法人 日本キャリア教育技能検定協会(JSCA)による資格です。検定協定の「老健介護士養成専門講座」を修了して、認定課題で一定水準の知識と技術を満たすと資格を取得できます。

また、マスターライセンス取得後に実技スクーリングに参加すると、JSCA認定インストラクターライセンスの資格も取得可能です。

動物介護士の国家資格はない

動物介護士の国家資格はない

動物介護士には国家資格はありません。2024年時点では、動物介護士に関する資格はすべて民間資格です。しかし、動物介護士に似ている「愛玩動物看護師」という資格は、2022年5月1日に国家資格とされています。

動物介護士の資格を取るメリット

動物介護士の資格を取るメリット

動物介護士の資格は国家資格ではありませんが、取得しておくことで得られるメリットが主に4つあります。動物介護士の資格を取る際は、事前にメリットを理解しておけば資格取得のモチベーション向上にもつながるでしょう。

動物介護の専門知識を得られる

動物介護士の資格を取得すれば、専門知識を得られます。動物介護士の資格では、流動食の作り方や徘徊行動の対処法など、動物に介護に関する知識を習得できます。

万が一、動物介護において起こり得る問題に対する対処法を説明してもらえるため、幅広い知識を身に着けられるでしょう。動物介護士の資格は独学でも習得できますが、まずは資格勉強を通して必要な知識をピックアップして勉強することをおすすめします。

スキルアップを目指せる

動物介護士の資格を習得すればスキルアップを目指せます。動物も人間と同じように老化や病気、けがにより介護が必要になる時期があります。また、介護に特化していなくても、動物と関わる仕事をする際に知識が役に立つ時が来ます。

そのため、現在すでに動物介護士として働いている方は、動物介護の知識を役立てられるはずです。

例えば、ペットショップで働く際は、老犬を飼う飼い主様がお悩みを持っている場合に、健康維持や介護に役に立つペットフードやグッズを的確に提案できます。

ペット飼育にも役立つ

動物介護士の知識は、自宅でペットを飼う際にも役立ちます。現在ペットと暮らしている場合や今後ペットといっしょに暮らそうとご検討している方も動物介護の知識は必ず役に立ちます。

最初は元気で活発な動物でも、歳を重ねると老化が進み、若い頃はできていたことでもできなくなることが増えていくでしょう。動物介護士の資格があれば、老化のサインや介護が必要な症状をいち早く発見し、適切なケアを行ってあげられます。

ペットの健康維持や快適な老後を過ごしてもらうためにも、動物介護の勉強は役に立つでしょう。

仕事の幅が広がる

動物介護士の資格勉強で得た知識は、動物と関わる仕事の幅を広げるためにも向いています。動物介護士の資格を取得することで、ペットショップや動物病院、ペットホテルなど動物に関係する施設でも勤務できます。

さらに、動物愛護団体や動物保護施設でのボランティア活動などにも知識を活かせるでしょう。動物介護士の資格を取得するだけでも仕事の選択肢が広がり、自分の興味やスキルに合わせて仕事を選択できます。

物介護士に向いている人の特徴

物介護士に向いている人の特徴

動物介護士になりたいと考えていても、自分に動物介護士が向いているかどうかよくわからないと心配な方もいらっしゃるでしょう。以下では、動物介護士に向いている人の特徴について解説します。

思いやりがある人

思いやりがある人は動物介護士に向いているでしょう。動物介護士は、主にペットが快適に過ごせるように手助けしてあげる仕事です。

ペットに少しでも気持ちよく過ごしてもらいたい、ペットにしてあげられることを積極的にしてあげたいと思いやりがある方は、動物介護士がおすすめです。

洞察力がある人

洞察力がある人は、動物介護士に向いているでしょう。動物たちは人間のように話すことができないため、少しの異変や違和感を察知してあげることが大切です。

日々の食事や排泄、運動量の変化など、普段と違うところがないかを、よく確認してあげられる洞察力がある人に動物介護士がおすすめです。

動物が好きな人

動物介護士は、名前のとおり動物のお世話をする仕事のため、動物好きの人に向いている仕事です。

動物介護士は、介護が必要な老犬や病気を持つペットなど、動物と向き合う必要があります。また、介護スキルだけでなく、動物や病気に関する知識が必要です。動物の命と向き合って、一生懸命勉強できる方に動物介護士が向いているでしょう。

動物介護士以外に動物と関われる仕事

動物介護士以外に動物と関われる仕事

動物介護士以外でも動物に関われる仕事は豊富にあります。動物に関わる仕事につきたいけれど、具体的にどのような職業があるかわからない方は以下を参考にしてみてください。

獣医師

獣医師は、動物の診療と治療を専門にする医師です。動物のけがや病気を的確に診断し、治療法を提案します。ペットとして飼われている猫や犬などの代表的な動物だけでなく、牛や豚などの動物の健康をまもることも獣医師の仕事内容の一つです。

また、治療の他にはワクチン接種や食肉衛生検査などの仕事も、獣医師の重要な役割です。

愛玩動物看護師

愛玩動物看護師は、獣医師をサポートしながら動物の健康を維持する職業です。動物病院で診療をする際の動物は緊張状態であるため、動いてじっとしてくれないことが一般的です。

愛玩動物看護師は動物が安全に治療を受けられるように固定したり、手術の助手をしたり獣医師のサポートを中心に行います。

愛玩動物看護師は国家資格を取得する必要があり、より的確に採血やマイクロチップ装着などの医療行為のサポートが行えます。ただし、愛玩動物看護師は動物に対して医療行為はできず、診療やワクチン接種などの行為は獣医師の仕事であることを理解しておきましょう。

調教師

動物調教師は、動物園やサーカス、サファリパークなどの動物たちの飼育や調教する仕事です。馬や警察犬、盲導犬、ショーに出演するイルカや猿など、各ジャンルにつき専門の調教師がいます。

調教師のなかでも豊富な種類があり、ご自身に合う職業につくことが重要です。調教師は、動物に関する幅広い知識が必要であるため、専門の学校で知識を得ると良いでしょう。

自然保護官

自然保護官とは、国立公園の保護と管理や野生動物の保護などを行う仕事です。自然保護官の仕事内容として挙げられるのは、国立公園の管理です。国立公園は、自然保護を中心に行い、公園内にある動植物を保護しています。

また、破壊された自然を復活させるために、NPO団体や地域住民と一緒に公園内の清掃活動も実施されています。

盲導犬訓練士

盲導犬訓練士とは、視覚障害者の方が外出する際に補助できる盲導犬を育てる仕事です。また、盲導犬歩行指導員は、盲導犬のお世話の方法や歩き方を視覚障害者の方に指導する役割を持ちます。

盲導犬が障害物や段差、曲がり角など目が見えないと困難である道でも的確に補助してくれるため、行動しやすくなるでしょう。盲導犬訓練士は、視覚障害者の方の行動をより安全安心にできるようにサポートする盲導犬を育てるやりがいある職業といえます。

警察犬訓練士

警察犬訓練士は、警察の捜査のサポートをする警察犬を育てる仕事です。警察犬だけでなく、災害救助犬や麻薬探知犬などの育成も行っており、人間よりも優れた嗅覚を最大限に活かして訓練されます。

警察犬は人々の命を救う、または犯人逮捕に貢献する重要な役割を持ちます。警察犬訓練士が育てた犬が多くの命を救うことになることは、やりがいにもつながるでしょう。

動物園の飼育員

動物園の飼育員は、主に動物園やサファリパークで暮らす動物のお世話をします。多くの動物は生まれた環境とは違う場所で育つことになるため、健康に暮らすためには飼育員のサポートが必要です。

動物に餌を与えたり、動物が暮らす環境の掃除をしたり、病気になった際の対応なども動物のお世話を中心に行います。また、多くの人に動物の魅力を知ってもらうために、動物の整体に関する説明や特徴を発表する場もあるため、対象動物の知識を得ることが重要です。

水族館の飼育員

水族館の飼育員は、水族館で過ごす生き物のお世話をすることが主な仕事内容です。多くの水族館では、魚類と海獣類で飼育担当が分けられており、担当の生き物のエサやりや健康管理を行います。

水槽内を巡回して病気を持った子がいないか、また体調が悪い子がいないかを見極めることも飼育員の重要な役割です。

また、水族館では生き物の生態や特徴をお客様に解説することもあります。そのため、海で暮らす生き物全般の知識を持っていることが前提条件となるでしょう。

トリマー

トリマーとは、犬や猫の毛や爪のカットやマッサージ、ブラッシングする職業です。「ペット専用の美容師」とも呼ばれており、毛のお手入れだけでなく、飼い主様ではお手入れが難しい歯磨きやシャンプー、耳掃除なども行い、健康維持をサポートします。

トリマーは、飼い主様が希望するスタイルにカットできるよう、専門的な技術が必須です。

また、トリマーはペットの身の回りをお手入れするだけでなく、飼い主様からのしつけや健康管理に関する相談に対してアドバイスすることも仕事内容の一つです。トリマー資格を取得する際に得た知識から、飼い主様にアドバイスすると飼い主様の不安解消にも貢献できるでしょう。

動物介護士を目指すには資格を取得しよう

本記事では、動物介護士の仕事内容や必要な資格について解説しました。

動物介護士は、高齢のペットや病気を持つペットをサポートする仕事です。ただ介護をするだけでなく、しつけや病気の早期発見をしてあげることも大切で、技術だけでなく病気に関する豊富な知識も必要です。

動物介護士に国家資格はありませんが、民間資格を取得可能です。資格を取得すれば、就職にも有利になりやすく知識を深めることもできるため、取得しておくといいでしょう。