「犬が年を取って歩き方がおぼつかない。そのうち怪我をしたらどうしよう」と悩んでいる方は、多くいらっしゃるのではないでしょうか。

犬との生活は思わぬ怪我や病気が付きものであり、老犬になると特に怪我などのリスクは高まります。

本記事では老犬が怪我をする理由と、その対策についてご紹介します。少しでも健康に愛犬と過ごしたいとお考えの飼い主様は、ぜひ最後までご覧ください。

老犬の怪我に多い3つの理由

老犬の怪我に多い3つの理由

老犬が怪我をする理由は、大きく分けて3つあります。主に認知症などの病気によるものや、足腰の筋力低下、視力の低下、により怪我が起こります。それぞれの詳細については、以下の項目をご確認ください。

認知症などの問題

老犬の怪我には、認知症や脳の問題が原因の場合があります。脳の老化により判断力が鈍ったり、物事を忘れたりといった状態になるからです。また、迷子になる、狭いところに入りたがる、入った後に出られなくなるといった行動も見られるでしょう。

そのため、無意味に家の中を歩きまわる回数が増えてきます。歩きまわる時間が増える分、家具などにぶつかって怪我をする可能性も高まります。そのほか、踏ん張りが効かなくなり、怪我をしてしまう場合もあるでしょう。

足腰の筋力低下

身体的な能力の衰えにより、怪我をする可能性が高く、特に足腰の筋力低下は怪我に直結します。

足腰の筋力が低下すると、立ち上がる・座るなどの動作が安定しなくなり、怪我をしやすくなります。また、歩行の安定性もなくなるため、歩いている最中に転ぶ確率も高まるでしょう。階段などの場所では段差を超えられない、つまずくなどもあります。

原因としては年を取るにつれて犬も運動量が低下するため、筋力を動かす機会が減少し、筋力が次第に低下するからです。シニアになるにつれて、運動や食事の見直しをする必要性があります。

視力の低下でぶつかる

老犬が怪我をする理由には、視力も関係します。目の老化や病気により、今まで見えていたものが見えにくくなるため、予期せずぶつかり、怪我をしてしまいます。

また、部屋の中だけではなく、外でも木の葉や枝にぶつかって怪我をする場合もあるでしょう。普段の散歩ルートに障害となるものはないか、避けられるようなコースはあるかなども確認すると、怪我をする可能性が下がります。

老犬に多い怪我の種類について学ぶ

実際に老犬はどのような怪我に気を付けるべきか、老犬に多い怪我の種類についてもご紹介します。特に多い怪我は、関節炎や椎間板ヘルニアなど、足腰に関する怪我です。

また、犬種別に見た場合は、以下のような怪我が多くあります。

犬種怪我
小型犬脱臼・関節炎・椎間板ヘルニア・前肢骨折など
大型犬前十字靭帯断裂・股関節形成不全症など

いずれの怪我も年齢に関係なく、発症する可能性はあります。しかし、老年期は若い時と比較して、怪我をする可能性が上がるため、少しでも異変が見られた場合は適切に処置をする必要があります。

老犬の怪我を予防する対策2つ

怪我を防ぐためには、怪我をしやすい理由に合わせて対策を取る必要があります。今回は老犬の怪我を予防するために、運動やスキンシップ、床への対策をご紹介します。怪我をする前に、ぜひ日々の生活の中で取り入れていきましょう。

遊びやマッサージなどで刺激を与える

脳の病気や認知症などによる無駄な徘徊を減らすために、遊びやマッサージなどで刺激を与えましょう。

マッサージで血流を促す、筋肉をほぐすとリラックス効果を得られ、落ち着いて過ごせるでしょう。また、遊びの時間が増えると脳が刺激され、活性化されます。

そのほか、脳を活性化させて徘徊を減らすには、以下のような方法も取り入れましょう。

  • 散歩のコースや時間帯を変更する
  • 知育おもちゃなどを使用する
  • 人やほかの犬と交流する時間を増やす

マッサージをする際は、軽く叩いたりさすったりして、様子を見ながらケアを行いましょう。

床が滑りにくくなるよう対策する

犬の年齢に関係なく、滑りやすい床は足腰の怪我の原因となります。特に足腰の筋力が低下している老犬には、床材が大きく影響します。そのため、滑りにくい素材の床材やカーペットを使用して、滑らずに歩ける環境を用意しましょう。

しっかりと踏ん張れるように、クッション性のあるペットマットや滑り止めシートの活用が最適です。また、足の裏の毛や爪が伸びていても、歩きにくい状態になりますので、適度に手入れしてあげましょう。

床と同時に犬の足の状態にも気をつけておくと、怪我をする可能性はより下がるでしょう。

老犬の怪我を防ぐにはアイテムも活用する

先述しているように、老犬の怪我を防ぐには日々のケアのほか、アイテムの活用が重要です。以下ではサークルやハーネス、スロープなどのアイテムをご紹介します。愛犬に合ったアイテムを導入し、怪我を未然に防ぎましょう。

サークルやビニールプール

仕事や家庭の用事で、愛犬を家でお留守番させる必要もあります。その際、徘徊による怪我を減らすために、サークルやビニールプールの利用を検討しましょう。

愛犬のサイズに合わせてサイズを変えられるほか、使わない時は折りたためるものも多く、場所を取りません。

素材はメッシュなど、ぶつかっても痛くない柔らかい素材のものを購入しましょう。また、ビニールプールを利用する場合は、底面に滑り止めになるものを引く必要があります。

視力が低下した犬用のハーネス

視力が低下した犬には、前側にガードが付いているハーネスなど、専用のハーネスを利用しましょう。頭の上部分にリングが付いているため、家具や木などに頭をぶつけずに過ごせます。

睡眠やご飯の邪魔をしないデザインも多く、愛犬が快適に過ごせるようになっています。さらに、ハーネスやベストタイプは、リードをそのまま付けられる場合が多いため、すぐに散歩にも出かけられるでしょう。

サイズに不安がある場合は、オーダーメイドで作ると、より愛犬がストレスなく過ごせるようになります。

スロープや緩衝材を活用する

家の中で怪我をしないためには、床材のほかにスロープや緩衝材の設置も行いましょう。数段の段差がある場所や、ソファ・ベッドなど日常的に上り下りをする箇所はスロープを付けると怪我をしにくくなります。ジャンプや上り下りによる負担で足のほか、腰を痛める可能性があるためです。

また、万が一愛犬が家具にぶつかっても怪我をしないために、テーブルの足や家具の角には緩衝材を付けましょう。厚みのある専用シートはもちろん、宅配の際に使うプチプチなどでも対策は可能です。

必ず動物病院を受診する

必ず動物病院を受診する

愛犬が怪我をした・病気かもしれないと思った場合は、必ず動物病院を受診しましょう。

自己判断をすると大きな問題を見過ごす可能性もあり、放置や間違った対応をしてしまった結果、より大きな怪我や病気に発展する場合もあります。必ず獣医師に相談をしたうえで、適切な処置や対策について相談しましょう。

まとめ

まとめ

老犬の怪我は認知症などの病気のほか、足腰の筋力低下や視力低下が大きな原因です。また、老犬は特に関節炎や椎間板ヘルニアなど、足腰に関する怪我が多い傾向にあります。

少しでも怪我を防ぐには、日頃からスキンシップなどで刺激を与えるほか、足腰に負担の少ないスロープなどを活用して、快適な空間を作りましょう。

どんなに老犬に気を遣っても、最期のときはいつか訪れます。天国に飛び立つときも心地の良いように送り出すようにしましょう。

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