「老犬になってきてシャンプーを嫌がるようになってきた」とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

シャンプーが老犬にとって負担が大きいことは事実です。しかし、嫌がるからといってシャンプーをしないことは衛生面・健康面から見て良くありません。

本記事では、老犬でもシャンプーしやすいドライシャンプーやシャンプーの種類などを解説します。老犬のシャンプーにお困りの方は、ぜひ参考にしてください。

ドライシャンプーとは

ドライシャンプーとは

ドライシャンプーとは、水を使用せずに犬の体を洗えるシャンプーのことです。洗い流さないタイプのシャンプーのため、シャンプーを嫌がる犬でも簡単に皮膚や被毛をきれいにできます。

水を使用しなくても身体を清潔にできることから、体力が衰えている老犬にも最適でしょう。日常のお手入れやブラッシングの際、お尻周りのお手入れにもドライシャンプーが役立ちます。

老犬へのドライシャンプーのメリット

ドライシャンプーを使う最大のメリットは、負担が少ないことです。老犬になれば足腰も弱くなってきて、体力も落ちてきます。

以下では、老犬がドライシャンプーを使用するメリットを解説します。

水を使わない

ドライシャンプーは水を使わずに使用できます。種類は色々ありますが、馴染ませてくしでとかすだけ、ふき取るだけのものが多いです。

例えば、水が苦手な犬の場合、お風呂にいれることも嫌がり、身体を清潔に保つことがより難しくなります。しかし、ドライシャンプーを使用すれば、お風呂に移動する必要もないため負担が少なく手軽にシャンプーできます。

部分的に洗うことができる

通常のシャンプーでも部分的に洗うことはできますが、シャワーで洗い流す必要があるため、洗いたい部分以外も濡れてしまいます。

ドライシャンプーは水を使わないため、乾かす手間もなく洗いたい部分だけを洗うことができるため便利です。

寝たきりの老犬でも使用できる

老犬になると足腰が弱くなり、寝たきりになることも考えられます。万が一愛犬が寝たきりになってしまっても、ドライシャンプーであればすぐにシャンプーできるため、ペットや飼い主様の負担を減らせます。

ドライシャンプーは、通常のシャンプーより短時間で終わらせることができ、体力が落ちてきていても無理なくシャンプーできる点でもメリットです。

ドライシャンプーのデメリット

老犬へのドライシャンプーのメリット

ドライシャンプーにはデメリットもあります。簡単にシャンプーできますが、使い方を間違えると思っているほどの効果がでません。

デメリットを知ってドライシャンプーを上手く活用できるようにしましょう。

ひどい汚れは落ちにくい

老犬の通常のシャンプーは2ヵ月に1回が目安となっていますが、ドライシャンプーは通常のシャンプーよりも洗浄力が弱いものが多いです。

皮脂汚れもシャワーよりも落としにくいため、頑固な汚れや長い間で溜まった汚れなどはきれいに落ちきらない可能性があります。

種類により使い方が違う

通常のシャンプーは、ブラッシング→全体的に濡らしシャンプー→洗い流す→乾かすといった手順ですが、ドライシャンプーは種類により使い方が違います。

使い方を十分に理解しないまま使用した場合、汚れが落ちないどころか逆に皮膚トラブルを引き起こしてしまうので注意が必要です。

ドライシャンプーがおすすめの犬

ライシャンプーがおすすめの犬

ドライシャンプーは、通常のシャンプーと比べると手間がかからないため時間短縮して使用できます。ドライシャンプーが向いている犬は以下のとおりです。

寝たきりの老犬

水を使ったシャンプーは体力を大きく使うため、寝たきりの老犬には身体への負担がかかります。

老犬はとくに体力が衰えているため、足腰が弱っている老犬の場合はストレスを抱えるかもしれません。また、寝たきりの老犬の場合、犬を清潔にするためには飼い主様も負担がかかります。

そのため、ドライシャンプーを活用すれば飼い主様も老犬も負担なく身体を清潔にできるでしょう。

体の一部をきれいにしたい犬

全身シャンプーをするほどは汚れていなくても、体の一部の汚れが気になり、結局お風呂に入れることになったということもあるでしょう。しかし、ドライシャンプーであればピンポイントで部分洗いできるため、全身を濡らすことなく身体をきれいにできます。

お散歩後の足の裏やお腹、食事後の口周りなど、気になるときにいつでも汚れをとれるため常に清潔を保てるでしょう。

シャンプーが苦手な犬

シャンプーが苦手な犬にはドライシャンプーが最適です。シャンプーが苦手な犬の多くは、水に濡れることを嫌っていたり、シャンプー後のドライヤーが苦手だったりする場合があります。

しかし、ドライシャンプーは水に濡れることもドライヤーをすることもないため、シャンプーが苦手でストレスを感じている犬にも向いているでしょう。

ドライシャンプーの種類と使い方

ドライシャンプーの種類と使い方

ドライシャンプーは主に4種類にわけられ、それとは別に重曹もドライシャンプーの代わりにできます。

しかし、使い方を間違えてしまえばトラブルにつながるため注意が必要です。そうならないためにそれぞれの特徴と使い方をご紹介します。

泡タイプ

泡で出てくるタイプのドライシャンプーです。ペットの体毛や地肌にしっかりと馴染ませ、タオルでふき取ることで汚れを落とせます。

使い方は、泡を手やタオルに取り、均等に塗り広げ、マッサージするように、体毛だけでなく地肌にもしっかりと馴染ませます。乾いたタオルでふき取り乾燥させれば完了です。

泡により身体が濡れすぎてしまった場合は、乾いたタオルでしっかり拭き取ってあげてください。最後にブラッシングで被毛を整えましょう。

パウダータイプ

粉を振りかけて使うタイプのドライシャンプーです。ペットの身体にパウダーを振りかけ、ブラッシングすることで汚れを落とせます。

使い方は、パウダーを直接ペットの身体に振りかけ、体毛の根元から毛先まで行き渡るように馴染ませたら、パウダーを落とすようにしっかりとブラッシングしてください。

商品により、丁寧にブラッシングしなければパウダーが消えない可能性もあるため注意が必要です。パウダーは1ヶ所にたくさんかからないようにして、落としきれないときは固く絞ったタオルなどでふき取るようにしましょう。

スプレータイプ

ミストで出てくる一番水分量の多いドライシャンプーです。水分量が多いため、あまり大量につけすぎると、ペットの体温を下げてしまい寒いと感じさせる可能性があります。

使い方は、ミストをペットの身体に吹きかけ体毛や地肌に馴染ませます。直接吹きかける場合、できるだけ犬から遠く離れずに部分的にかけ、犬の目に入らないように気をつけましょう。

ミストを直接吹きかけられるのを嫌がる場合は、飼い主様の手にミストを取り馴染ませてください。ブラッシングをして乾燥させますが、濡れすぎたときはタオルでふいても構いません。

シートタイプ

汗拭きシートのようなふき取りタイプのドライシャンプーです。一番手軽に使えるものですが、一番洗浄力が低いのもこのタイプになります。

使用する際は、シートを取り、ペットの身体をふいてブラッシングすれば完了です。他のものと違い、表面しか汚れを落とせないため、体毛が短い場合や肉球などの汚れであれば比較的きれいにできるでしょう。

重曹

重曹もドライシャンプーの代わりにできます。食用の重曹を使えば安全にドライシャンプーできるでしょう。

やり方は、重曹の量は少なめにして身体に振りかけ、ブラッシングするだけです。ブラッシング後は、乾いたタオルで重曹が残らないように拭きとるようにしましょう。

身体に重曹が残ったままでいると皮膚トラブルになる可能性があるため注意が必要です。

老犬に合うドライシャンプーの選び方

老犬に合うドライシャンプーの選び方

老犬にドライシャンプーを利用する際は、老犬に合った商品を選ぶことが重要です。適切なドライシャンプーを使用するだけでも、より高い効果を期待できます。以下では、老犬に合うドライシャンプーの選び方について解説します。

目的に合わせて選ぶ

ドライシャンプーを使用する目的に合う商品を選ぶことが重要です。

例えば、においが気になっている場合は消臭成分が入っているもの、毛がパサついているときは保湿成分が入っているもの、脂っぽい汚れは洗浄成分が入っているものを選ぶと良いでしょう。

また、皮膚病でお悩みの場合は、獣医師に相談して皮膚に優しい成分のドライシャンプーを選んでください。事前にどのような目的でドライシャンプーを使うかを決めておくと、商品を選ぶ際に迷いなく利用できるでしょう。

体質に合っているものを選ぶ

ドライシャンプーは、愛犬の体質に合っているものを選びましょう。犬でも敏感肌であったり、アレルギーを持っていたりする場合があるため、ドライシャンプーが肌に合わない可能性があります。

敏感肌の子には低刺激で無添加、またはオーガニックのものがおすすめです。敏感肌でなくても弱酸性のものは犬に優しいため、愛犬の体質に気をつけて適切なものを選びましょう。

入っている成分が安全か確認する

ドライシャンプーを選ぶ際に重要なのは安全性の高さです。ドライシャンプーは普通のシャンプーとは異なり、洗い流す必要がないため、安全性な成分が含まれているものを選ぶ必要があります。

例えば、防腐剤として使用されている「パラベン」や界面活性剤として使用される「アウレス硫酸Na」などは、犬にとって刺激が強いです。

上記のような刺激的な成分が入っている場合は、皮膚炎を悪化させたり、皮膚を赤くしたりする可能性があるため注意しましょう。また、ドライシャンプーは水で流す必要がなく、きれいになっているように見えてもシャンプーの成分は多少なりとも残ってしまいます。

匂いがつくことが気になって舐めてしまう可能性もあるため、身体の中に入っても安全なもので作られているか必ず確認するようにしてください。

また、種類がたくさんあるドライシャンプーですが、どのタイプのものを使用しても目や耳などの粘膜に入らないように気をつけましょう。入ってしまった場合はすぐに洗い流し、異常が表れたときは獣医師に相談してください。

においが強くないか確かめる

ドライシャンプーを使用すると、良いにおいになるイメージを持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし、犬は嗅覚が優れているため、においがついているものは刺激になる可能性があります。

とくに、人工香料は刺激が強いため、無香料のドライシャンプーを選ぶことが重要です。しかし、においがついているシャンプーを使用したい場合は、アロエやカモミールなどの刺激が弱い天然成分を選ぶようにしてください。

必要な量から選ぶ

ドライシャンプーを選ぶ際は、どのくらいの量が必要かも確認しておきましょう。量が多すぎるものを選んでも試用期間が長すぎると、品質が落ちて犬の身体にも影響があります。

そのため、どれくらいの量を使用するか把握し、量に対する試用期間について調べることも大切です。

ドライシャンプーを使用するときの注意点

ドライシャンプーを選ぶときの注意点

ドライシャンプーは手軽にシャンプーできることが利点ですが、使い方以外にも注意が必要です。注意点に気をつけてドライシャンプーを選んでみてください。

使用前に愛犬に合っているかテストする

ドライシャンプーを全身に利用する前に、愛犬の体質に合っているかテストしましょう。ドライシャンプーは商品により洗浄力が異なります。

例えば、ドライシャンプーには皮脂や汚れを落とすことができる界面活性剤が多く含まれているシャンプーがあります。

界面活性剤の成分が多く含まれている場合、皮膚の弱い犬に使用すると皮膚のバリア機能がなくなり、皮膚が赤くなったりフケがひどくなったりするでしょう。

ドライシャンプーにより汚れや皮脂がきれいに落ちたとしても、皮膚の状態が悪化してしまうと犬にとってもストレスになってしまいます。皮膚炎を引き起こさないためにも、使用前にテストを行ってください。

もし使ってみたいドライシャンプーがある場合、片方の前足の一部に利用して1日様子を見ましょう。異常がない場合は全身に使用しても問題ありません。一気に全身でテストしてしまうと皮膚が赤くなった場合に被害が大きくなるため、注意が必要です。

使い方を確認する

ドライシャンプーをする際は、使い方をよく確認しましょう。使い方を事前に確認しておかなければ、使用方法を誤って効果が発揮されない可能性があります。

例えば、最後に拭き取らなければいけないのにそのまま放置したり、拭き取る必要がないものを拭き取ったりして汚れが落ちきれないかもしれません。

間違えた使い方をしてドライシャンプーが残ったままになると、皮膚に炎症を起こしてしまいます。老犬の身体に負担にならないためにも、事前に使い方を確認してください。

しっかり拭き取る

泡タイプやスプレータイプのドライシャンプーの場合、ドライシャンプーをした後はきれいに拭き取る必要があります。

最後に拭き取らなければいけないタイプのものは、シャンプー液が体に残って皮膚炎を起こしたり、かゆみがでたりする可能性があります。炎症が起こっていなくても、身体にドライシャンプーが残り、そのまま乾燥すると被毛が固まってしまうでしょう。

被毛をきれいに保つためにも、しっかりドライシャンプーを拭き取ったらブラッシングをしてきれいに整えてあげてください。

使用後に異常がないか確認する

犬用のドライシャンプーは、犬の身体に優しい成分で作られています。しかし、犬の身体により体質は異なるため、体質に合わなければ異常を起こすことがあります。

そのため、ドライシャンプーを使用した後は異常がないか確認してあげましょう。また、皮膚トラブルがある犬に使用すれば、皮膚トラブルを悪化させる危険性があるため、注意が必要です。

異常が出た場合は、すぐに動物病院へ連れて行ってあげましょう。

ドライシャンプーは災害の備えになる

ドライシャンプーは災害の備えになる

日本は地震大国といわれるように地震の多い国です。地震に加えて、気候変動に伴い台風や大雨による水害も多発しています。災害が起きれば、避難をしなければならない状況になることもあるでしょう。

そのため、自分自身だけではなくペットにも防災の備えをしておく必要があります。ドライシャンプーは災害時の水不足でも使用できるため非常に便利です。

ペット用の防災ドライシャンプーも販売されているため、購入の検討をしてみてはいかがでしょうか。

老犬の清潔を保つためにドライシャンプーを正しく使用しよう

老犬が衛生面での健康を保つためにシャンプーはとても大切です。寝たきりになってしまってもドライシャンプーならペットも飼い主様も負担が少なくシャンプーできるでしょう。

ドライシャンプーの正しい使い方、安全性などを十分に理解して活用してください。COCOペットではおもに葬儀や火葬を取り扱っていますが、ペットの健康や暮らしなどのお悩みを解決できる「お役立ち情報」を発信しています。