「長い間犬を飼っていて一緒に暮らしてきたけど、新しく子犬もお迎えしたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、老犬と子犬を一緒に飼っても良いのか、気になる方もいらっしゃるでしょう。本記事では、老犬と子犬を一緒に飼うことは可能なのか、両者が幸せに暮らすためにはどうしたら良いのかについて解説します。
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目次
老犬と子犬を一緒に飼うことは可能だが相性の良し悪しがある
結論からいうと、老犬が暮らす家に新しく子犬をお迎えして、一緒に飼うことは可能です。ただし、犬同士の相性には良し悪しがあるため、十分注意しなければなりません。
老犬と子犬の相性が良い場合
老犬と子犬の相性が良ければ、一緒に暮らすことで双方に良い効果がもたらされるでしょう。老犬は、元気に活動する子犬に影響を受け、はつらつと意欲的に動けるようになるケースがあります。
心身ともに元気になり、見た目まで若返ることもあるのです。また、子犬の存在が刺激となり、認知症の予防にもなると考えられています。
一方、子犬のほうも先輩である老犬のふるまいをまねて、生活のルールを学ぶことがあります。
また、犬は寂しがりやで、ひとりで留守番することに不安を感じる生きものです。老犬と子犬を一緒に飼うことで、飼い主がいないときの孤独を和らげる効果も期待できます。
老犬と子犬と一緒に暮らすことにより、飼い主様も癒やされることが増えるはずです。
老犬と子犬の相性が悪い場合
先住の老犬と新しくお迎えする子犬の相性が悪い場合には、一緒に生活することは難しいかもしれません。
年をとって体が衰えた老犬は、新しい環境になじむことが難しくなります。慣れた環境で静かに暮らしたい老犬のもとに元気な子犬をお迎えしてしまうと、老犬の生活ペースが崩れ、ストレスを抱えてしまうでしょう。
また、老犬は体力が衰えており、元気で活発な子犬を迎えると、老犬は立場が弱くなりやすいです。相性が悪いことにより、長い時間一緒に過ごしている先住犬が苦しむ姿を見ると、新しい犬を迎えたことに後悔するかもしれません。
関連記事:老犬(シニア期)はいつから?体や行動の変化や飼い主が意識すべきことを解説
相性のいい犬を迎えるには
老犬の負担にならないためにも、できるだけ相性のいい子犬を迎えたいと考える飼い主様もいらっしゃるでしょう。
しかし、犬の相性には実際に迎えてみなければわかりません。以下では、相性のいい犬を迎えるためにできることについて解説します。
実際に暮らしてみる
犬同士の相性を確かめるためには、実際に一緒に住んでみるといいでしょう。あまりにも相性が悪い場合は部屋を分けて育て、できるだけお互いが顔を合わさないように工夫するようにしましょう。
相性がいい場合は、そのまま同じ部屋で一緒に過ごしても問題ありません。
トライアル期間を設ける
保護犬で子犬をお迎えする場合、トライアル期間を設けることができます。トライアルで犬をお迎えするのはかわいそうと感じる飼い主様もいらっしゃるでしょう。
しかし、トライアル期間を設けることは飼い主様にとっても先住犬にとっても重要です。また、保護犬の場合、保護団体も大切な犬を他人に譲渡することを不安に感じているため、譲渡相手がしっかりと育ててくれる人かをトライアル期間で確かめています。
上記のような理由から、トライアル期間を設けるのは重要であるといえるでしょう。トライアル期間を終えて、犬の相性が良く、一緒に暮らしても問題なさそうであれば、そのままお迎えるすことが可能です。
老犬と子犬が一緒に暮らすメリット
相性がいい犬の場合、老犬と子犬が一緒に暮らすことでメリットがあります。犬だけでなく、飼い主様にもメリットがあるでしょう。以下では、老犬と子犬が一緒に暮らすメリットについて解説します。
認知症を予防できる
犬も人間と同じように、老化が進むと身体の機能が徐々に衰えていきます。身体だけでなく、脳の認知機能も衰えていくため、認知症を発症する老犬も多くいます。
認知症を予防したり、進行を遅らせたりするためには、脳に刺激することが重要です。老犬とゆったりとした日常を送ることも悪くはないですが、いつもと同じ光景、いつもと同じ生活は脳への刺激が少ないでしょう。
なんの変化もない日常でも、子犬を迎え入れるだけで老犬の脳を刺激してくれるはずです。子犬は慣れていないことが多くあり、元気で活発であるため予想ができない行動を取ることもあります。
子犬と一緒の生活は、飼い主様にも老犬にもいい刺激になり、脳が活性化されるでしょう。そのため、認知症を遅らせるためにも子犬を迎えることを検討してみてはいかがでしょうか。
先住犬が元気になる
子犬と一緒に暮らすと老犬の脳にも刺激があり、元気がなかった老犬が元気になる可能性があります。
また、年老いて忘れてしまっていた遊ぶことへの興味や気力をどんどん取り戻していき、遊ぶことへの楽しさを思い出すことも珍しくありません。
老犬だけでなく、おとなしい性格の犬も子犬を迎えることで活動的になることもあります。活発な子犬を追いかけたり、一緒に遊んであげていたりする姿を見ると、飼い主様もきっと癒やされるはずです。
生活ルールを覚える
老犬と子犬が一緒に暮らすことは、子犬にもメリットがあります。一般的に、犬の世界では生後3週間〜13週間までが「社会化期」と呼ばれており、社会化期に子犬は生活ルールを覚えていきます。
社会化期に親元から離された子犬は社会化が不十分になる可能性があり、恐怖心や警戒心が強い性格になったり、問題行動が目立つようになったりすることがあるでしょう。
しかし、老犬と一緒に暮らすことにより、生活ルールを学んでいくことができます。多くの場合、老犬は子犬よりも落ち着いた性格であるため、子犬は老犬の姿を見て興奮したときの落ち着き方や無駄吠えを抑える方法などを覚えていきます。
老犬に頼るだけでなく、飼い主様がトレーニングすることも重要ですが、犬同士だからこそ学べることも多くあるため、子犬にとってもいい影響になるでしょう。
ペットロスを軽減できる
悲しくて考えたくないという方もいますが、いつかは必ずお別れのときがやってきます。大切な犬が亡くなった場合、精神的にも身体的にも不調が現れる可能性が高く、ペットロスに陥ることも珍しくありません。
しかし、老犬が旅立つ前に子犬を迎えておくと、ペットロスを軽減できるかもしれません。もちろん、どの犬もたった一人の家族であるため、代わりはありません。
そのため、シニア犬が亡くなっても子犬がいるから大丈夫ということはないでしょう。しかし、シニア犬が旅立ってしまっても、子犬がいるだけで飼い主様の気持ちを落ち着かせてくれる場合があります。
ペットロスは、大切な家族が亡くなった悲しみから出る感情でごく自然なことです。
ただし、ペットロスが重症化してしまうと精神疾患につながる可能性もあるため、重症化しないようにすることが重要です。ペットが亡くなってさみしい場合でも、若い犬が飼い主様の心の支えになってくれるでしょう。
老犬と子犬が一緒に暮らすデメリット
老犬と子犬が一緒に暮らすことはメリットもありますが、もちろんデメリットも存在します。
事前に老犬と子犬が暮らすデメリットを理解しておくことは、先住犬や飼い主様の負担を軽減するためにも重要です。以下では、老犬と子犬が一緒に暮らすデメリットについて解説します。
老犬がストレスを抱えることがある
高齢になると体力が落ちていき、若い頃よりも身体がうまく動かせないことも増えていきます。そのため、高齢犬は体を動かした後に十分な休息が必要です。
一方、子犬は元気いっぱいで活動的であり、老犬に相手になってもらうと老犬は好きなタイミングで休息が取れない場合があります。
元気いっぱいな子犬と一緒に過ごすことは、老犬にとって刺激になりますが、生活リズムが大きく変化する原因でもあるでしょう。急激に生活リズムが変化すると老犬がストレスを抱えることもあるため、注意が必要です。
老犬が寂しがる
子犬を迎えると老犬に比べてお世話がより必要であることにより、飼い主様が子犬につきっきりになることが増えるでしょう。
飼い主様が子犬にばかり構ってしまうと、老犬はさみしがってしまうかもしれません。他にも先住民がいる場合は慣れていますが、今まで飼い主様からの愛情を一人で受けてきた犬の場合は注意が必要です。
飼い主様の負担が増える
大切な命を育てるため、お世話を怠らずに日々犬の様子を見てケアする必要があります。しかし、多頭飼いするとなるとお世話の量も倍になり、費用も増えるため、飼い主様の負担が増えてしまうでしょう。
年齢差がある多頭飼いである場合、ご飯の与え方やお散歩の方法、ケアの方法などが子犬と老犬で異なります。
そのため、お世話が増えることを負担に感じる場合、子犬と老犬と一緒に暮らすことにデメリットを感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、老犬と子犬と一緒に過ごすことは負担以上の幸せを得ることができます。現在、老犬と子犬を一緒に育てようがご検討している方は、無理なくお世話できるかを家族で話し合い、よく考えたうえで子犬をお迎えするといいでしょう。
老犬と子犬、両方が幸せに暮らすために気を付けたいこと
老犬と子犬を一緒に飼うことは、両者の相性が良ければ良い影響をもたらしますが、相性が悪ければお互いがストレスを抱える原因となってしまいます。
今まで一緒に過ごしてきた老犬と、新しくお迎えする子犬、どちらも幸せに過ごしてほしいですよね。両者が幸せに暮らすために、飼い主様はどのようなことに気を付けたら良いのでしょうか。
相性を確認する
子犬をお迎えする前に、先住の老犬と相性が良いか確認しましょう。できれば一緒に住むお試し期間を設け、お互いがストレスなく過ごせているか確かめることをおすすめします。
お試し期間を設けるのが難しい場合には、先住犬の性格を考慮したうえで相性が良さそうな子犬を飼い主様が見極める必要があります。
たとえば、ほかの犬と遊ぶのが好きな優しい老犬であれば、明るく無邪気な子犬を選ぶと良いかもしれません。
なお、体の小さい老犬のもとに大型犬の元気な子犬をお迎えすると、老犬が怪我をしてしまう可能性があります。体のサイズはなるべく近い子犬を選ぶようにしましょう。
介護と子犬育てが重なる場合も考慮
老犬と子犬を一緒に飼う場合、老犬の介護と生まれたばかりの子犬のお世話の時期が重なってしまう可能性があります。
上記のような場合、老犬と子犬の両方を十分にケアしてあげられるでしょうか。介護と子犬のお世話を両立するのは非常に大変です。
家族の協力を得たり、シッターさんを雇ったりしないと回らないことも多いでしょう。そのため、人手やお金に十分な余裕があることを確かめてから、子犬をお迎えするようにしましょう。
信頼関係を崩すようなことはしない
あとから来た子犬にばかり構ったり、子犬にだけおもちゃや食べ物を与えたりするのは、時間をかけて築いた老犬と飼い主の信頼関係を崩す行為です。必ず平等に接し、老犬にはこれまでと同じ愛情を注いであげるようにしましょう。
それぞれの運動量に合わせてあげる
元気いっぱいの子犬は老犬に構ってほしくてちょっかいを出しますが、それが体力の衰えた老犬にとってはストレスになることもあります。
四六時中同じ空間で過ごさせるのではなく、老犬が子犬に邪魔されず静かにゆっくり休めるスペースをつくってあげることが大切です。
遊びたい盛りの子犬とはたくさん遊び、十分に散歩してあげてください。老犬と子犬の両方が負担や不満を感じないよう、それぞれの運動量を考慮してあげる必要があります。
相性の合う老犬と子犬と仲良く暮らそう
老犬が暮らす家に活発な子犬をお迎えすると、刺激を受けた老犬も元気を取り戻し、いきいきと過ごせるようになる場合があります。
しかし、老犬と子犬の相性が合わないと、お互いがストレスや不満を感じてしまいます。老犬と子犬の両方が幸せに暮らすためにはどうしたら良いのか考え、しっかり準備を整えてからお迎えするようにしましょう。
お迎えしたあとは片方だけに愛情を注がず、平等に世話をすることが大切です。また、元気な子犬のペースに老犬が疲れてしまわないよう、配慮することも忘れないようにしましょう。
大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。
そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのか考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができるでしょう。また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、その後のペットロスの緩和にもつながるはずです。
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