「犬がよく吠えるのでしつけをしたい」という飼い主様は多くいらっしゃるでしょう。犬がよく吠えると自宅だけでなく、近隣に迷惑になることもあります。トラブルを避けるためにもしつけをすると良いでしょう。

本記事では、犬が吠える原因やしつける際の注意点を紹介します。本記事を参考に犬の吠えを無くすしつけをしてみてください。

犬が吠える原因とは

犬が吠える理由はさまざまで、さまざまな感情や状況が関与しています。以下で犬が吠える主な原因を詳しく説明します。

遊びたい気持ちを表す「興奮吠え」

高い鳴き声で「ワンワン」と吠えている場合、犬は遊びたい気持ちを表す興奮吠えをしています。

特に留守番をした後や来客時など、犬が「遊んでもらえる!」と興奮して吠えることが多いです。興奮吠えは、飼い主様や遊び相手の注目を引きたいときに見られる行動です。

ごはんや散歩を求める「要求吠え」

ごはんや散歩を求めて吠えるのが要求吠えです。犬が吠えるのを宥めるためにおやつを与えたり、散歩に連れ出したりすると、犬は「吠えたから要求が叶った」と学習してしまいます。これにより無駄吠えが増え、吠えグセがついてしまう原因になります。

何かを意識した「警戒吠え」

縄張り意識が強い犬は、何かを意識したときに威嚇して吠える警戒吠えをします。特に、インターホンのチャイムや他人、他の犬の気配に敏感に反応します。チャイムのたびに警戒して吠えると近所迷惑になるため、早急な対策が必要です。

寂しさを表す「不安吠え」

寂しがり屋な犬種は、ひとりぼっちになると寂しさと恐怖から不安吠えをします。「クゥーン」といった鳴き声が多く、悪化すると破壊行動を引き起こす分離不安という病気になることがあります。飼い主様の不在が長時間続くと、不安吠えが顕著になるかもしれません。

体調不良を訴える「ストレス吠え」

引っ越しや環境の変化、運動不足によってストレスがたまると、ストレス吠えをする場合があります。

動かずに食欲もないのに吠える場合は、ストレスだけでなく体調不良を訴えている可能性もあります。いつもと違う様子が見られたら、動物病院での診察を検討するべきです。

音に反応する「遠吠え」

救急車やパトカーなどの物音が遠吠えの周波数と近いため、これらの音に反応して遠吠えをすることがあります。また、花火などの大きな音に驚いて吠えることもあります。音に対する敏感さが、遠吠えの原因となります。

犬が吠える時のしつけ方法

犬が吠える時のしつけ方法

犬が吠える問題を解決するためには、適切なしつけが重要です。以下に、効果的なしつけ方法を紹介します。

クレートトレーニング

クレートトレーニングは、来客時やチャイム音に吠える「興奮吠え」や「警戒吠え」に効果的です。クレートを安全で安心できる場所として学習させることで、吠えないようにできます。

クレートにお気に入りのおもちゃやおやつを入れて誘導し、短時間でもクレートに入ったら褒めることを繰り返します。また、クレートに入ったタイミングでタオルをかぶせるなどして外界の刺激を遮断すると、来客時にも安心しておとなしくなることがあります。

社会化トレーニング

「警戒吠え」や「不安吠え」に有効なのが社会化トレーニングです。子犬の時期に他の人間や犬、外の刺激に慣れさせることが最適です。

社会化トレーニングを行うことで、生活環境の変化に慣れ、社会に適応する能力を育むことができます。社会化トレーニングにより、飼い主様との生活に慣れることができます。

コマンドトレーニング

コマンドトレーニングでは、「おすわり」「待て」などの基本的なコマンドを学習させます。コマンドを正しく理解させることで、興奮して吠えるときも飼い主様が静かにコマンドを出せば吠えるのを止めることができます。

コマンドに従った場合はおやつなどのご褒美をあげることがコツです。繰り返し練習することでコマンドの意味を理解し習慣化させることができます。どうしてもコマンドを聞いてくれない場合は、ドッグトレーナーやブリーダーに相談するのも一つの手です。

吠えても無視する

犬が吠えて要求する際には、その要求を満たさずに無視することが重要です。ごはんの時間など、あらかじめ要求がわかっている場合は、吠える前に対策を取ることができます。

ただし、要求がわからない場合も多いため、家族の一員としてかまってあげたい気持ちがあっても我慢し、目も合わせずに無視することがポイントです。そのうち「吠えても要求は通らない」と学習してくれることがあります。

コミュニケーションを頻繁にとる

「ストレス吠え」を防ぐためには、愛犬とのコミュニケーションが非常に大切です。日常的に一緒に散歩をしたり、抱っこをしたりして、コミュニケーションを頻繁に取るようにしましょう。

コミュニケーションは愛犬の様子を観察するのにも最適で、病気に気づいた際にはすぐに獣医師に見せることができます。

犬が吠えるときのしつけに関する注意点

犬のしつけにおいて大切なのは、大きな声で怒鳴ったり、頭ごなしに叱ったりしないことです。叩いたりするなどの暴力的な対応は、もってのほかです。

これらは犬に恐怖を与えるだけで、正しいしつけが身に付きません。愛犬が吠えるときの状況や様子をよく観察し、適切な対応を心掛けることが大切です。

愛犬が吠える理由を見つけてしつけをし直そう

愛犬が吠える理由を見つけてしつけをし直そう

犬は言葉が通じなくても、人間の感情を理解してくれる動物です。焦らずにゆっくりと繰り返しトレーニングを続けることで、無駄吠えをなくすことが可能です。

ただし、飼い主様一人ではどうしても解決できないほど、犬の吠える悩みが大きい場合は無理をせず、専門家に頼ることも検討しましょう。愛犬とのより良い関係を築くために、適切な対応と愛情を持って接することが重要です。