「愛犬に噛み癖があり困っている」という飼い主様も多くいらっしゃるでしょう。犬が噛むのには理由があり、後々大きな問題になりかねません。
本記事では、犬の噛み癖の原因や日常生活に与える影響などについて解説します。また、改善方法も紹介するため参考にしてください。
目次
犬の噛み癖の原因とは
犬が噛み癖を持つ原因はさまざまですが、主な要因を理解することで効果的な対策が可能になります。以下では、犬の噛み癖の原因を5つ解説します。
ストレスや恐怖による防衛反応
犬は、ストレスや恐怖を感じると、防衛反応として噛むことがあります。例えば、引っ越しや飼い主様の生活スタイルの変化、運動不足、病気などが原因でストレスを感じると、噛み癖が悪化することがあります。
また、「動物病院で痛い思いをした」「爪切りで皮膚が切れた」など、過去のトラウマが引き金となり、噛むことで防衛しようとする場合もあるでしょう。ストレスや恐怖による噛み癖は、飼い主様が理解し、適切に対処する必要があります。
本能的欲求によるもの
犬には狩猟本能があり、本能的な欲求から物を噛むことがあります。狩猟本能に基づき、物を噛んで遊ぶことは犬にとって自然な行動です。
遊びの一環として物を噛む場合もありますが、急な接触や驚きから攻撃的に噛むこともあります。このような本能的な行動は、飼い主様が理解し、適切な遊びやトレーニングで調整することが重要です。
口の中がむずがゆいため
子犬が成長過程で歯が生え始めると、口の中がむずがゆくなることがあります。この時期、子犬は何かを噛むことで不快感を和らげようとします。歯の生え始めによる不快感が原因で噛み癖がつくこともあります。
この自然な成長過程に対しては、適切な噛むおもちゃを提供することで対応することができます。
誤ったしつけ
誤ったしつけが原因で噛み癖がつくこともあります。例えば、子犬の頃から甘噛みを放置していた場合、成犬になっても噛み癖が治らないことがあります。
また、体罰などの誤ったしつけによって、恐怖心から噛むようになることもあります。しつけの方法には注意が必要で、ポジティブな強化を使った正しいトレーニングが推奨されます。
飼い主様に甘えている
飼い主様に対して甘えたい気持ちが強い犬が、興奮して噛んでしまうこともあります。犬にとっては、噛むことが遊びの一環であり、悪いことだと認識していない場合があります。
この場合、適切な遊び方や興奮をコントロールする方法を教えることで、噛み癖を改善することが可能です。
犬の噛み癖が日常生活に与える影響
犬の噛み癖は、日常生活にさまざまな影響を与える可能性があります。以下で、3つ具体的な影響を解説します。
手入れが疎かになる
犬の噛み癖があると、ブラッシングなどの手入れが疎かになることがあります。飼い主様が「噛まれるかもしれない」と恐れて、愛犬のケアを避ける傾向があります。その結果、犬の毛が絡まったり、皮膚の健康が損なわれたりすることがあります。噛み癖を改善し、定期的な手入れを行うことで、愛犬の健康を維持することが重要です。
犬同士のトラブルや関係悪化を引き起こす
噛み癖がある犬は、飼い主様だけでなく、動物病院の獣医師やトリミングサロンのトリマーにも噛み付く可能性があります。噛み癖があると他の犬や人との接触が難しくなり、社会性が低下することがあります。
また、他の犬に対しても攻撃的に噛み付くことがあり、犬同士のトラブルを引き起こす原因になります。社会性を保つためにも、噛み癖の改善が必要です。
大きな怪我につながる
犬の噛み癖がひどいと、人間や他の犬に大きな怪我を引き起こす可能性があります。小型犬の子犬の場合はまだしも、成犬の噛む力は強く、場合によっては大怪我につながることがあります。
特に大型犬は、強い噛む力を持ち、本気で噛まれると深刻な怪我になることがあります。他人や他の犬に怪我をさせた場合、大きな問題行動として扱われ、最悪の場合は処分の対象になることもあります。
犬の噛み癖を直す2つの改善方法
犬の噛み癖を改善するためには、適切な方法を用いることが大切です。以下で噛み癖を直すための2つの改善方法を紹介します。
噛むおもちゃを使ったトレーニング
噛むおもちゃを使ったトレーニングは、噛み癖を改善する有効な方法です。まず、犬が噛むべきおもちゃを用意し、遊びながら噛むことを促します。
犬が飼い主様や家具を噛んだ場合は、遊ぶのをやめて部屋を出ることで、「噛んではいけないものを噛むと遊んでくれなくなる」と学習させます。この方法を家族全員で徹底することが重要です。家族がバラバラに対応すると、トレーニングの効果が半減する可能性があるため、全員が一致した対応を心がけるようにしましょう。
感情的にならず冷静な気持ちを保つ
噛み癖がある犬と暮らすと、感情的になってしまうことがありますが、感情的な反応は避けるべきです。体罰や叩くなどの行為は逆効果であり、犬に恐怖心を植え付けるだけです。
注意をするときも冷静に、噛んではいけない理由を毎日のトレーニングで少しずつ教えるようにしましょう。運動不足が原因である場合は、散歩を増やすことも効果的です。
また、口輪を使って物理的に噛むのを防ぐ方法もありますが、その場合はサイズが適切であることが重要です。
噛まれてしまったときの対処法
犬に噛まれてしまった場合の対処法は、落ち着いた対応が求められます。まず、大きな声を上げずに冷静に「ダメ」とコマンドを出すことが大切です。
痛みで難しいかもしれませんが、大声を出したり興奮したりすると、犬はそれを遊びの一環と勘違いすることがあります。また、手を引いたりすると、「引っ張りっこ」と勘違いされることもあります。
噛み癖を悪化させないためには、声色を変えて厳しく接することが必要です。
愛犬の噛み癖を直して楽しいペットライフを過ごそう
犬の噛み癖は、不必要なトラブルや怪我を招く可能性がありますが、適切な対策を講じることで改善が可能です。飼い主様が個人で対処できる場合もありますが、専門のドッグトレーナーに相談するのも一つの方法です。
お気に入りのおもちゃや噛むおもちゃを使うことで、ストレス発散になり、噛み癖が直ることもあります。問題を深刻に考えすぎず、できることから対策を考え、楽しいペットライフを送ることが大切です。