愛猫の肉球はプニプニでつい触ってしまう部位ですが、異変を感じたことはないでしょうか。実は肉球は健康状態が現れる部位でもあり、日々観察したほうがよいのです。そして、皮膚と同じく、ケガが必要となります。

本記事は、猫の肉球ケアは必要なのか・健康的な肉球を維持する方法について紹介します。床と接する肉球は、ケガや異変が起こると歩くときや走るときに痛みが生じますから、適切なケアをして健康状態を維持しましょう。

肉球のケアが必要な理由

肉球のケアが必要な理由

肉球はその場所だけ被毛が生えておらず、地面に接する場所なので皮膚として強いイメージを持つでしょう。しかし、実際は他の皮膚と同様肉球もターンオーバーを行い、古い皮膚は捲れているのです。

肉球もターンオーバーが何らかの原因で正常に行われない場合は、乾燥してひび割れしたり、炎症が起きたりする可能性もあります。

また、猫は足をよく舐めます。外で凍結防止剤や滑り止めが足に付き、その足を舐めてしまうため、飼い主様が知らない間に体内に有害な物質を取り入れてしまっている可能性があるのです。

このような危険から守るためにも、定期的に猫の足の裏は拭くようにしましょう。

猫の肉球で分かる健康の変化

猫の肉球で分かる健康の変化

続いて、猫の肉球で分かる健康の変化について紹介します。猫の肉球は健康状態によって、色や温度が変化します。少しでもいつもと肉球の状態が違うと感じた場合は、猫の健康状態をチェックしましょう。

肉球が冷たい・熱い

猫の肉球は体温により温度が変化します。猫の平熱は38.5℃なので、通常時の肉球は飼い主様からしたら少しあったかい温度だと覚えておきましょう。肉球がいつもより冷たく感じる場合は、体温が下がっています。

冬場に冷たく感じた場合は、気候や冷たいフローリング、床の影響かもしれませんが、あったかい場所で温めても温度が上がらない場合は低体温症をおこしている可能性があります。

一方、いつもより熱く感じる場合は、眠たい場合もありますが、夏場であれば熱中症を起こしていたり、体調不良になっていたりするかもしれません。肉球が熱くぐったりしていたら、病院に連れていきましょう。

肉球がカサカサしている

肉球は他の皮膚同様に乾燥することもあります。肉球がカサカサしているときは乾燥肌になっている場合もありますし、脱水症状を起こしているかもしれません。他にも、以下のような原因でカサカサになります。

  • 過度なグルーミング
  • 摩擦・擦れ
  • 栄養不足
  • ストレス
  • 遺伝
  • 薬の影響
  • 感染症・皮膚病

他の健康状態を考慮しながら、カサカサ状態が続くようであれば病院へ連れていきましょう。

腫れている

肉球が腫れている場合は、火傷や傷・細菌やカビの感染を起こしている可能性があります。何らかの炎症により腫れるのですが、エイズウイルスや白血病ウイルスに感染している場合も、肉球が腫れるため注意しましょう。

また、形質細胞皮膚炎という病気の場合もあります。形質細胞皮膚炎の初期症状は、肉球がうろこ状にただれ、次第に腫れていきます。初期症状の段階では、痛みや痒さがないため、見逃しやすい病気です。

ケガの有無

肉球の主なケガの症状は、以下の4つです。

  • 出血
  • 炎症
  • 火傷
  • 魚の目

猫同士のケンカや何かを踏んでしまったときは出血するケガをしてしまうでしょう。炎症により出血することもありますが、その場合は肉球のただれなども見られます。

シニア猫の場合は、爪とぎ回数が減ることで伸びた爪が肉球に刺さり出血していることもあるため、爪の状態もこまめにチェックしてあげましょう。また、歩き方が不自然な場合は魚の目もできてしまう場合もあります。

いつもと色が違う

猫の肉球は体調によって色が変化します。肉球の色がいつもと比較して青紫・紫色になっている場合は、止血異常を起こしているかもしれません。肥大型心筋症の疑いもあるので、他の異変がないか確認しましょう。

一方、白・薄い色になっていた場合は、貧血かもしれません。貧血を起こしている場合、歯茎や下も白い色になっているので確認してみてください。

普段よりも赤みがある場合は、外傷や皮膚炎によりただれているかもしれません。もともとの色が黒・小豆色の肉球だと、色の変化がわかりづらいため、毎日肉球を観察することが体調不良のサインを見逃さない重要なポイントです。

足の裏を触ることに慣れてもらう方法

足の裏を触ることに慣れてもらう方法

猫の肉球ケアをするには、まず足の裏を触ることに慣れてもらわなければいけません。猫にとって肉球は神経が集中している敏感な場所なので、触れることが苦手な子が多いです。

そのため、いきなり肉球のケアをしようとしても嫌がるでしょう。日ごろから遊ぶついでに自然と触れたり、肉球のマッサージをしたりしてあげると徐々に慣れていきます。

また、子猫のうちから肉球に触っておくと、触られることに慣れた猫になります。

肉球のケア方法

続いて、猫の肉球のケア方法を紹介します。猫の体を支える肉球は、爪や皮膚の状態を常に健康にしておく必要があります。保湿方法や爪、肉球周辺の被毛のケア方法までまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

足の裏の状態を確認

肉球ケアの前に、足の裏にケガや異変がないか確認しましょう。また、乾燥していないかヒビ割れていないかも確認してください。異変があった場合は、適正な対処をしましょう。必要な場合は、動物病院へ連れていくことも検討してください。

肉球を清潔にする・肉球周りの毛をカット

肉球の汚れをウェットシートなどで拭き取り清潔な状態にした後は、肉球に被っている周りの毛をカットしましょう。被毛が肉球に被さっていると、滑りやすくなりケガのリスクが高まります。

爪切りよりも肉球周辺の被毛のカットは猫が嫌がるため、最初の慣れていない段階ではトリミングや動物病院を利用することもおすすめです。飼い主様が毛をカットする場合は、ハサミではなくバリカンを使うと安全にカットすることができます。

爪切り

猫は爪とぎを自分でしますから爪切りをする必要がないと思われがちですが、爪とぎの爪は非常に鋭利です。爪が伸びすぎると、肉球に刺さり化膿してしまう可能性もあります。

飼い主様が爪切りをしてあげることで、鋭利な部分をカットし、猫も飼い主様もケガをするリスクを軽減させることができます。

爪切りは意識が集中しにくい後ろ足から行うと、うまくいきやすいです。肉球を軽く押すと、爪が出てきます。体の外側の爪から切っていき、最後に親指の爪をカットしましょう。

乾燥部位には保湿

肉球が乾燥している場合は、保湿ケアをしてあげましょう。脱水を起こしている可能性もありますから、水分補給をさせることも大切です。

猫は足をよく舐めますから、可能な限り自然由来の保湿アイテムを使用してあげてください。

  • アロエベラジェル
  • ヒマシ油
  • エプソムソルト
  • オリーブオイル
  • ワセリン

肉球の乾燥は、単なる乾燥肌だけではなく皮膚炎や栄養不足、病気の疑いもありますから、なかなか治らない場合は病院へ行きましょう。

病院へ連れていく肉球の症状

病院へ連れていく肉球の症状

続いて、病院へ連れていく肉球の症状の特徴を紹介します。肉球が乾燥していると思い、保湿ケアをしているのになかなか症状が良くならない場合は、細菌・イースト菌・真菌感染を起こしている可能性もありますし、病気が隠れているかもしれません。

また、傷や炎症が治らない場合も、動物病院へ連れていきましょう。自然と治ると放置していると、取り返しがつかないことになるかもしれないため、異変を感じたら早めの受診が大切です。

猫の肉球ケアをして健康を維持させよう

本記事は、猫の肉球ケアについて紹介しました。猫の肉球は、健康状態を表す大切な場所です。足の裏ですし、猫が触られることを嫌がる場所なので、ケアが難しいですが、コツを掴み健康な状態を維持しましょう。