犬は裸足で歩き回るため、ケガや肉球トラブルが起こらないか、心配している方もいらっしゃるでしょう。実は肉球には、唯一汗腺があり、痛みや熱さを感じやすい場所です。

そのため、肉球はさまざまなトラブルを引き起こしやすくなっています。本記事では、犬の肉球ケアに最適なクリームを紹介すると同時に、肉球の役割や肉球トラブルの種類を詳しく紹介していきます。愛犬の肉球トラブルに不安がある方はぜひご覧ください。

犬の肉球をケアできるクリーム

犬の肉球をケアできるクリーム

人間の肌をケアする保湿剤があると同時に、犬の肉球をケアできるクリームがあらゆるところで販売されています。

種類がたくさんあるため、購入したことがない方は、どれを選べばいいか分からないかもしれません。以下では、おすすめの肉球クリームを紹介するので、参考にしてください。

ペットクール オーガニックシアバター

ペットクールオーガニックシアバターという肉球クリームは、その名の通り、化学物質を使っていなく、植物エキスを使ったオーガニックな肉球クリームです。そのため、愛犬に塗ったあとに舐めてしまっても安心です。

なめらかな肌触りである上に、肌に浸透しやすいタイプで、長時間の保湿が可能となっています。肉球の炎症や、肉球の乾燥などから保護してくれるでしょう。肉球クリームとして販売されていますが、肉球以外の皮膚に塗っても、従来の効果が得られます。

マッシャーズ シークレット 肉球保護クリーム

マッシャーズシークレット肉球保護クリームは、長年愛されている肉球クリームです。元々カナダ発祥のもので、犬ぞりで活躍する犬たちに向けて開発されました。寒い地域で愛用されている肉球クリームのため、乾燥に効果があります。

さらに、塗ると滑りにくくする効果もあります。フローリングや凍った地面が滑って不安な方は、これを塗るだけで安心できるでしょう。天然由来の成分で作られているため、肉球に塗ったあと、舐めてしまっても問題ありません。

国産天然みつろう肉球クリーム

国産天然みつろう肉球クリームは、日本産でオーガニックな素材で作られた肉球クリームです。素材や配合にこだわり、1年の歳月をかけて開発されました。亜麻仁油などの、保湿効果がある成分が入っているため、高い保湿効果が期待できます。

寒い時期の乾燥や、老化による乾燥、夏場の火傷、摩擦などなど、さまざまな場面で使用できます。少々クリームが固めなので、体温で溶かした上で、使用するといいでしょう。保湿効果の他にも、血行促進効果が期待できます。

そもそも犬の肉球の役割とは

見た目がとても可愛らしい肉球ですが、肉球には毛が生えておらず、他の体の部位より硬い皮膚で覆われています。犬にとって重要な役割を果たす部分なので、以下で詳しく解説します。

滑り止め

肉球をよく観察してみると、凹凸があってザラザラしているでしょう。これは乳頭といった小さな突出物で、それがたくさん集まって肉球が形成されています。このザラザラとした感触のおかげで地面に摩擦が発生し、ブレーキのような役割を果たします。

肉球があるおかげで、滑りやすい雪の地面や、氷の地面、フローリングを、ある程度すべらずに歩くことができるでしょう。ブレーキのような役割があるため、熱を感じやすくなっています。火傷には注意しましょう。

衝撃を吸収する

肉球を触ってみると、柔らかくて弾力があります。これは、肉球自体が脂肪で出来ているためです。こういった柔らかい構造をしているため、走る時やジャンプをした時の衝撃を、ある程度抑えることが可能です。

また、犬は大昔、肉食で狩りをしながら生活していました。そのため狩りが必須だったのですが、その時に肉球が足音を消してくれます。さらに、肉球にはたくさんの神経が通っているため、地面のあらゆる変化を探知することが可能です。

温度調整

犬は汗腺が退化しており、汗をかけない動物です。しかし、肉球にはエックリン汗腺という唯一の汗腺があり、肉球だけ汗をかくことができます。汗は水分なので、肌に触れれば熱くなった肉球が少し冷めるでしょう。このことから、肉球は温度調整ができます。

さらに、肉球の汗腺にはアポクリン汗腺があり、臭いがついている汗をかきます。そこから出る汗はマーキングの役割も果たしています。人間は、緊張によって汗をかくことがありますが、犬も同様に、緊張によって汗をかくことがあります。

肉球にはトラブルもある

肉球にはトラブルもある

前述した通り、肉球はさまざまなトラブルを起こします。肉球は常に地面についている部分のため、一度トラブルやケガを負ってしまうと、治るまでに時間がかかってしまいます。どういったトラブルが起こるのか、把握しておくことが重要です。

肉球が乾燥してしまうことも

肉球は汗をかくため、ある程度保湿することができます。しかし、冬の乾燥した期間や、アスファルトなどの地面を長時間歩いていると、肉球が乾燥してしまいます。肉球が乾燥しすぎてしまうと、ひび割れや痒み、痛みを引き起こすため注意が必要です。

乾燥によるひび割れを起こしてしまうと、そこから出血し、最悪傷口から最近が侵入して感染症を引き起こす場合もあります。老犬になると、肉球に分厚い層ができてしまい、あかぎれを引き起こすこともあります。

ケガ

肉球は丈夫な皮膚でできていますが、切り傷や火傷といったケガを負ってしまう可能性は十分にあります。特に、地面に落ちているゴミを踏みつけてしまうと、ケガをしてしまうでしょう。犬は人間とは違って靴を履かないため、何か踏まないか注意が必要です。

夏になると気温があがり、アスファルトやマンホールの蓋がとても熱くなります。そこを踏んでしまうと、肉球に火傷を負ってしまいます。また、冬にまかれる融雪剤でも火傷を負ってしまいます。

皮膚疾患

人間にも見られるアトピー性皮膚炎は、犬の肉球にも見られます。肉球の表面より、指と指の間に症状が出ると言われています。過度にストレスを感じた場合や、アレルギーの原因になるものに触れた際に発症します。

また、指と指の間に汚れが溜まってしまうと、指間炎を発症してしまいます。シーズーやビーグルといった体質的にオイリー肌になる犬種になりやすいため、注意が必要です。そういった皮膚疾患を防ぐために、肉球は常に清潔にしておくことが重要です。

肉球トラブルを防ぐ方法

肉球のトラブルは、犬にとって大きな負担になってしまいます。いつまでも柔らかい肉球をキープするにはどうしたらいいのでしょうか。続いては、肉球のケアの方法を2種類紹介しますので、ご覧ください。

肉球を洗う

肉球を清潔に保つことは何よりも重要です。散歩から帰ってきたら必ず汚れがないかチェックし、濡れたタオルで綺麗に拭きましょう。あまり強く擦ると、逆に肉球にダメージを与えてしまうので、優しく拭くべきです。

汚れがひどい場合は特にしっかりと拭くべきですが、タオルが濡れすぎないようにしましょう。指の間に生えている毛が長い場合は、汚れが絡まってしまう可能性もあるため、ハサミやバリカンで毛を手入れしましょう。

肉球クリーム

肉球のひび割れや乾燥を防ぐために、肉球クリームを使いましょう。肉球の保湿、皮膚の異常を素早く修復することができます。肉球の保湿をすることで、肉球トラブルを前もって予防することができます。

肉球クリームを塗る際は、肉球の表面に優しく塗り、指の間にも塗るようにしましょう。愛犬がクリームを舐め取ってしまう場合は、散歩や出かける前に塗ると効果があります。

犬の肉球をケアしてトラブルを防ごう

犬にとって肉球は、普段生活する上でかなり重要な部位です。肉球のトラブルが起こってしまうと、楽しいはずの散歩やお出かけが苦痛になり、ストレスになってしまうでしょう。しっかりとケアをして、愛犬と健康的な生活を送りましょう。