ペットの代表格ともいえる猫。
2023年に発表された全国犬猫飼育実態調査の調査結果によると、全国の犬の飼育数が約684万頭に対して猫は約907万頭となっています。また、2023年に新たに飼われた猫は約37万頭で世代や流行問わず、人気の動物です。
そんなペットとしても大人気の猫ですが、日本で飼育されている約80%は雑種であるといわれています。
そこで今回は、雑種の猫の魅力や種類について解説します。
目次
雑種猫とは
「雑種猫」とは、2つ以上の異なる種類の間に生まれた猫のことを指します。主に野良猫同士での交配による繁殖が多く、親猫の種類を特定できないため雑種と呼ばれています。
一方、同じ種類から生まれた猫は「純血種」になります。最近では「ミックス」という言葉もよく聞くようになってきましたが、ミックスは異なる種類の純血種同士の間に生まれた猫のことをいいます。
ミックスはペットショップなどで見かけますが、異なる種類の間に生まれたという意味では雑種と同じです。「雑種=野良猫」というイメージを無くすためにミックスと呼ばれるようになったともいわれています。
雑種猫の魅力とは?
さまざまな種類の猫がいるなか、雑種猫が人気な理由は何なのでしょうか。
見た目の可愛さなども理由として挙げられますが、ここでは2つの魅力について紹介します。
病気に強い
雑種猫は病気に強いといわれています。純血種の場合、種類の身体的特徴や近い遺伝子を持つことから、かかりやすい病気があります。
例として、たれ耳が特徴のスコティッシュフォールドは他の品種の猫より耳の通気性が良くないため外耳炎になりやすい、ロシアンブルーは太りやすい品種のため糖尿病や関節炎にかかりやすいなどです。
しかし、雑種猫の場合は異なる種類の猫の遺伝子を持つため、特定のかかりやすい病気がありません。
環境に適応してきた歴史を持つ
日本の雑種猫は、毛色や模様が違いますが、毛の長さや体格にそれほど差はみられません。
性格を見ても、自由気ままではありますが、環境に適応して人間との距離を保ちながら生活している猫が多いです。
雑種猫の種類や性格について
雑種猫にも種類があります。以下では、雑種猫の種類やその性格についていくつか紹介します。
キジトラ
キジトラは、名前の通りキジとトラが混ざったような模様をしています。茶色の毛をベースに黒い縞模様が入っていることが特徴です。雑種の中では、日本で一番多い種類の猫です。
飼い猫の祖先であるリビアヤマネコに見た目が似ていて、性格はヤマネコのように警戒心が強く、野生の部分と飼い猫のように人懐っこい部分の両方を持ち合わせています。
茶トラ
茶トラは、赤茶色毛をベースに茶色の縞模様が入っています。
遺伝子の関係でメス猫よりオス猫が多く、他の種類の猫に比べて体が大きいことが特徴です。
性格はオス猫が多いため、オス猫の特徴である甘えん坊な猫が多く、人懐っこいので飼いやすいといわれています。
サバトラ
サバトラは、灰色のベースカラーに黒色の縞模様が入っています。
純血種であるアメリカンショートヘアーと似ていますが、サバトラは縞模様でアメリカンショートヘアーはマーブル模様なので見分けがつきます。
キジトラと他の種類の猫が交配して生まれたといわれていますが、他の猫の遺伝子を受け継いでいるので、性格はキジトラと比べると穏やかな猫が多いようです。
三毛
三毛猫は、白・黒・茶色の3色の毛を持っています。日本が原産といわれており、海外では珍しく、高値で取引されています。
性格は、自由を好み、気分屋、警戒心が強いので猫のイメージそのものではないでしょうか。しかし、警戒心がなくなると甘えてくる三毛猫も多いようです。
白猫
白猫は、名前の通り全身真っ白な毛で覆われています。白猫は色素細胞が少ないため、白い毛が生えています。目の色素細胞も少ないので左右違う目の色の「オッドアイ」を持つ猫が他の種類の猫と比べると多いことが特徴です。
性格は、独立心があり賢いです。また、白いので外敵から狙われやすかったという歴史があり、警戒心が強くなったともいわれています。しかし、飼い猫の場合は独占欲や嫉妬心が強くなる猫も多いようです。
黒猫
黒猫は、白猫と対照的に全身真っ黒な毛で覆われています。その見た目から「神秘的」や「不吉」など、さまざまなイメージを持たれている方も多いです。
しかし、クールな見た目とは違い性格は人懐っこくて甘えん坊で他の猫と比べると警戒心は薄いといわれています。
サビ
サビ猫は、黒と茶色の毛が混ざっている猫です。三毛猫の一種で、メス猫が多く、オス猫は非常に珍しいことが特徴として挙げられます。
性格は、賢くて優しく、他の種類の猫と比べて協調性があります。また、メス猫が多いこともあり、メス猫の特徴である警戒心が強い猫が多いといわれています。
雑種猫を飼うメリット
雑種猫は、純血種と比較して、どのようなメリットがあるのか気になるかも多いらっしゃるでしょう。以下では、雑種猫を飼うメリットを2つ紹介します。
お金がかかりにくい
雑種猫は、純血種と比べてお金がかかりにくいといわれていますが、その主な理由として3つ挙げられます。
1つ目は、血統書を作る必要がないからです。2つ目は、病気になりにくいからです。前述していますが、雑種猫は異なる品種の遺伝子を持つため、体が丈夫で病気にかかりにくく、通院や服薬を行うリスクが低いといわれています。
3つ目は、ペットショップで購入するケースがないからです。施設や、野良猫からペットにするケースが多く、お金をかけずに入手できます。
寿命が長い
雑種猫は、純血種の猫に比べると寿命が長い傾向にあります。
雑種猫の平均寿命は14.3歳です。対して純血種の猫は、寿命が長いといわれているペルシャ猫の平均寿命が13.9歳、アメリカンショートヘアーとラグドールは13.5歳となっています。
病気になりにくいこと、それに加えて自然の中で生き抜いてきたことで危機察知能力が長けたことが平均寿命を延ばした理由と考えられています。
雑種猫を迎える方法
雑種猫はペットショップで見かけることはありません。
では、雑種猫を迎えるにはどのような方法があるのでしょうか。その方法を3つ紹介します。
野良猫を保護する
野良猫が懐いてくれたり、どこかで捨てられていたり、外敵から狙われて危険だったり、保護する必要があれば野良猫を引き取ることも向かえる方法のひとつです。
野良猫を保護した場合は、すぐに動物病院で診察を受けて健康状態をチェックしましょう。
動物愛護センターに問い合わせる
動物愛護センターでは、定期的に譲渡会が行われています。地域によって開催時期が異なるので、事前に確認してから申し込みが必要です。審査や講習会の受講などもあるため、自治体のホームページをチェックしましょう。
里親募集に応募する
里親を募集しているWebサイトも多くあります。
全国各地の情報を見ることができるため、譲渡会に参加できない場合はWebサイトから里親募集に応募することも検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
本記事では、雑種猫の魅力や種類などについて解説してきました。
純血種も魅力的なところが多く人気ですが、雑種猫にもさまざまな種類があり、病気にかかりにくいなどの魅力もたくさんあります。
雑種猫を飼い猫として迎える場合や道で猫を見かけたときは、模様や性格に注目してみると面白いかもしれないため、ぜひ試してみてください。