犬が飼い主を噛むことはよくあるため、あまり気にしていない方も少なくありません。特に子犬のうちは可愛らしく思えますし、大した痛みもないことから気にせずにいる方が多いでしょう。

ただし、犬が噛む行為をそのままにしておくと、事故や怪我などの思わぬトラブルにつながる可能性もあります。そのため、犬が噛む理由や犬のしつけ方を覚えておきましょう。

この記事では、犬が噛む理由と犬をしつける際のポイントをご紹介します。

犬が噛むのはどんなとき?

犬が噛む原因として多いのは、おもに次の3つです。

ストレスや危機感を感じたとき

犬はストレスを感じると噛むことがあります。犬がストレスを感じる原因としては、以下のようなものがあります。

  • 知らない人に会ったとき
  • 生活環境が変わったとき
  • 孤独を感じたとき
  • 運動不足

また、お風呂や爪切りが苦手で、噛むことで拒否する意思表示を行なう犬もいます。ただし、その際にお風呂や爪切りをやめてしまうと、犬は成功体験として認識し、噛む行為を繰り返すおそれがあるので注意しましょう。

犬にストレスを感じさせないお風呂の入れ方については、以下の記事もご覧ください。

関連記事:【愛犬のお風呂の入れ方】安全に入れるための注意点と手順

ほかにも、好きなおもちゃや食べ物を取られそうになったときに、防衛本能から噛むこともあります。突然触れようとすると、攻撃されると考えて噛んでしまうこともあります。

飼い主に甘えたいとき

犬は、飼い主に甘えたいときにも噛む場合があります。安心できる相手や信頼できる相手に対する友好的な感情表現でもあり、この場合の噛む行為は一概に悪いとはいえません。

ただし、度が過ぎると怪我をしてしまうこともあります。例えば、おやつが欲しいときや遊んで欲しいときなどに噛んでアピールすることがありますが、すぐに応じずに犬が落ち着いてから対応するとよいでしょう。

怪我や病気のとき

犬は怪我や病気が原因で噛む場合もあります。抱き上げたときなどに怪我をしている所に触れてしまうと、痛みから反射的に噛んでしまうことがあるので注意しましょう。

また、関節炎による痛みや皮膚炎などのかゆみから、イライラして噛んでしまうことも。ストレスが溜まりやすい、甲状腺機能亢進症や副腎皮質機能低下症などの内分泌系の疾患も、噛む原因の一つです。また、噛みつきは水頭症や脳腫瘍など先天的な脳疾患の症状としても表れます。てんかんのときにも発作的に噛みつく場合があります。

普段はおとなしい犬が突然噛むようになった場合、怪我や病気である可能性があるため、早めに動物病院を受診しましょう。

犬が噛むのをしつける際のポイント

しつけによって犬が噛む行為を減らしたい場合は、以下の3点に気を付けましょう。

犬との接し方を見直す

飼い主に原因があり、犬に噛む癖がついている場合があります。例えば、噛まれたときに痛いと叫びながら逃げ回っていたとしたら、犬は面白がって余計に噛む行為をやめない可能性があるのです。このような場合、犬に勘違いをさせないことが重要です。

また、飼い主が犬のそばで寝転がっているときに噛んでくる場合、「自由に噛んでいい」と勘違いしている犬もいます。このような場合は、椅子に座って犬から目線を離すと改善できることがあるでしょう。

構い過ぎることも犬が噛むようになる原因の一つです。撫でられることが好きではない犬もいるため、必要以上に構うことをやめると噛む癖が収まる場合があります。

怒鳴ったり体罰を与えたりしない

犬が噛んでしまった際に、怒鳴ったり体罰を与えたりするしつけ方は危険です。特に叩いたり床に押さえつけたりするのは基本的にやめましょう。

マズルを強くつかむ、狭い所に閉じ込めるなどといった、犬が恐怖を感じる可能性がある行為も控えてください。恐怖心は噛み癖の悪化につながり、ひどくなると手を上げただけで叩かれるのだと勘違いして余計に噛むこともあります。

また、犬は怒鳴られたり体罰を与えられたりすると、別の対象でストレスを解消することがあります。例えば、大人の飼い主が体罰を与えると、そのストレスを子どもに嚙みついて発散する可能性があります。基本的には優しく接することが重要です。

ストレス解消を意識する

犬が噛む行為をしつける際は、ストレスの解消を意識しましょう。ストレスが解消すると、噛む行為をやめてくれる可能性が高くなります。

犬のストレスを解消する方法はいろいろありますが、おすすめは散歩です。普段から散歩をしているのであれば、散歩の回数を増やしたり時間を長めにしたりするとよいでしょう。

天候や飼い主の都合などで散歩の時間を確保することが難しい場合は、室内で遊ばせてもかまいません。ただし、基本的には外に出ることでストレスが発散されるので、なるべく早めに散歩に連れていってあげてください。

また、互いに引っ張り合うようなおもちゃを使うと、犬にとっては全身運動となるうえに飼い主とのコミュニケーションにもなります。ほかにも、大きめのガムを噛むこともストレス解消につながります。

犬が噛むことで起こり得るケース

犬が噛む行為を放置していると、飼い主だけでなく周りの人にも怪我をさせるおそれがあります。成犬になれば噛む力も強くなり、縫わなくてはいけないような大怪我を負わせる可能性もあります。

外出中に犬が他人に噛みつけば、飼い主が法的責任を問われることもあります。仮に過失傷害罪に問われて告訴された場合、30万円以下の罰金または科料が科せられるケースがあります。

また、犬が室内のものを噛んで破損させるおそれもあります。家具が壊れたり洋服が破れたりするほか、ひどい場合には使えなくなることも。噛み癖はブラッシングや爪切りなど、日頃のお手入れを妨害する原因にもなります。

まとめ

犬が何かを噛む原因は、ストレスや危機感、飼い主に甘えたい、怪我や病気などさまざまです。どのような理由であっても噛む行為を放置しておくと、人に怪我をさせる、家の中のものを壊す、日頃のお手入れがしにくくなるなど、トラブルが生じるおそれがあります。

安易に噛む行為はやめてもらうためには、まず犬との接し方に問題がないか、飼い主の行動を見直すことから始めるのがおすすめです。

また、しつける際は怒鳴ったり体罰を与えたりせず、犬のストレスを解消してあげることを意識してください。

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