「いつか犬を飼ってみたい」「犬を飼って癒されたい」そんな風に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、初めて犬を飼うとなると「どのようなことに気をつければいいのかわからない」「ちゃんとお世話できるのか不安」と思う方も多いと思います。

今回の記事では、犬を家に迎えるための心構えや準備、実際に飼い始めてから気をつけるべきことを項目別に解説します。

犬を飼う時に気をつけること(心構え編)

犬を飼う時に気をつけること(心構え編)

まずは犬を飼う時に気をつけるべき心構えについて解説します。

最期まで責任を持って飼う覚悟を持つ

一番大切なことは、迎え入れた犬を最期まで責任を持って飼う覚悟を持つことです。犬は人間と同じ命を持っている生き物であり、犬を飼うということは家族が増えるということです。

犬の平均寿命は15年ほどであるため、多くの方は10年以上、愛犬と一緒に過ごすことになります。また、老犬になれば、介護が必要となる場合もあります。

一時の感情に流されず、どのような時であっても愛情を持って育て続けられる覚悟があるのか、飼う前にしっかり考えておきましょう。

毎日お世話をする時間があるかどうかを確認する

犬のお世話に休みはなく、毎日お世話をする必要があります。エサをあげたりお散歩に連れて行ったりなど、お世話をする時間があるのかどうかよく考えましょう。

犬を飼うと、自分の趣味のために使っていた時間の一部を愛犬のために使う必要が出てくるかもしれません。また、旅行や出張で長期間家を空けなければいけない場合は、誰かに預けるかペットホテルに預ける必要もあります。

関連記事:一人暮らしでも犬は飼える?迎える前に確認すべきポイントをチェック

お金がかかることを理解する

犬を育てるためには多くの費用がかかります。具体的にかかる費用は、エサ代やペットシーツ代、トリミング費用などが挙げられます。

また定期的な予防接種や健康診断も必要です。愛犬が突然のケガをしたり病気になったりして治療費として数十万円必要となるケースもあります。ワクチン接種代や医療費などがかかることもあらかじめ理解しておきましょう。

犬を飼う時に気をつけること(準備編)

犬を飼う時に気をつけること(準備編)

続いては、犬を飼う時に気をつけてほしい準備について確認しておきましょう。

犬を飼う前に家族と相談する

犬を飼う前に必ず家族と相談するようにしましょう。前述したとおり、犬を迎えるということは新しい家族が増えるということです。そのため、家族として迎え入れるためには家族の同意は必要不可欠です。

また、犬を飼う前に誰がどのようなお世話を担当するのか、役割分担を決めておくとよいでしょう。飼った後のことを具体的に家族で話し合っておくことで、本当に飼っても問題ないのかが見えてくるはずです。

飼育環境を整える

犬を迎える前には、飼育環境も整えておきましょう。具体的には、まず犬用のケージやハウスを用意します。犬は自分の縄張りをつくりたがる動物であるため、あらかじめ犬のための居場所を作っておきます。

また、犬に入ってほしくない場所や危険な場所には柵を設置しましょう。用意する柵は犬用の柵で問題ありませんが、大型犬の場合は、人間の子ども用の柵を用意してもよいかもしれません。

さらにタバコやアクセサリーなど誤飲しやすいものは、犬が届く場所に置かないようにしましょう。誤飲が原因で体調が悪くなることがあります。

なお、犬の放し飼いは原則禁止されています。そのため、庭などで飼う場合は必ずリードや柵などを用意するようにしてください。

しつけをしっかりと行なう準備をする

しつけは飼ったその日からスタートします。事前にしつけに関する本やインターネットで勉強して知識を身に付けておくのがおすすめです。そうすることで、飼ったその日から慌てずにしつけを始められます。

キチンとしつけができるか不安な方は、一度トレーナーに相談してもよいでしょう。なお、子犬が社会に出ていく準備を行なう時期は、生後4週から12週頃までです。

この時期にしつけをしっかりと行ない、飼い主様のことをリーダーと思ってくれるようにしましょう。生後6ヵ月頃までには、愛犬と飼い主様の間で信頼関係が築けていることが理想です。

犬を飼う時に気をつけること(飼育編)

犬を飼う時に気をつけること(飼育編)

以下では、実際に犬を飼育する際に気をつけるべきことをご紹介します。

お散歩の際のフンは必ず持って帰る

愛犬をお散歩に連れて行った時は、フンを必ず持ち帰りましょう。必ず飼い主様が責任持って処理する必要があります。また、公共の場所などでおしっこをした場合は、においを消すために水をかけるようにしましょう。

不妊・去勢手術を検討する

犬を飼い始めたら、不妊・去勢手術に関してどうするかを考えましょう。メスの場合は、生後6~8ヵ月で避妊手術を検討するのが一般的で、オスの場合は早ければ生後2ヵ月頃から去勢手術の検討をするケースもあります。

不妊・去勢手術をすることで、望まない妊娠を防いだり、精巣がんや乳がんのリスクを減らしたりする効果が期待できます。ただし繁殖能力がなくなる、太りやすくなるなどのデメリットもあることを覚えておきましょう。

メリットとデメリットを踏まえ、どのような飼い方をしたいのかよく検討し、納得した上で決めることが大切です。

犬はどこで探すべき?

犬はどこで探すべき?

犬を家族にお迎えする際は、どこで探すべきなのでしょうか。以下では、犬と出会う方法について解説します。

ペットショップ

ペットショップでは豊富な犬種を実際に見て、触れながら犬を選べます。異なる犬種やサイズ、性格の犬が集まっているため、飼い主様と性格が合う犬と出会えるかもしれません。

さらに、スタッフは犬の健康状態や性格について熟知しているため、家族に迎える前に犬に関する情報を十分に得られるでしょう。

また、ペットショップでは、必要なペット用品やフードを同時に購入することもでき、初めて犬を迎える飼い主様も安心して犬を迎える準備ができます。

ブリーダー

特定の犬種を家族に迎えたい場合は、ブリーダーに相談しましょう。信頼できるブリーダーは、特定の犬の健康状態や性格、血統をしっかり管理して、遺伝子的な問題を最小限に抑えるように努めています。

また、犬種の特徴や飼い方のコツ、個別の子犬に関する具体的な情報も教えてもらえるはずです。ブリーダーの元に足を運び、自分の目で犬の健康状態を確認してからお迎えしましょう。

里親制度

里親制度とは、元の飼い主様がペットを飼えなくなって手放したり、野良になってしまったりした犬や猫などを引き取る方法です。里親制度により犬を引き取ることは、殺処分される犬を減らすことにつながります。

里親を志願する場合は、譲渡会に参加してペットを探してください。譲渡会は直接会場まで足を運んで犬と触れ合えるため、相性の良い犬と出会える可能性があります。

また、里親期間は、保護団体からアドバイスやサポートが受けられて安心です。万が一、引き取った後に犬が環境に合わなかった場合は、保護団体が再び引き取ってくれる仕組みとなっています。

初めて犬を飼うときの犬種の選び方

初めて犬を飼うときの犬種の選び方

初めてペットを飼う場合は、一目惚れした犬を飼いたいとお考えの飼い主様もいらっしゃるでしょう。しかし、犬を飼う際は見た目だけでは選ばないように注意してください。犬種を選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。

必要な運動量で選ぶ

犬は、成長するにつれて必要な運動量も増えていきます。そのため、飼い主様が散歩に時間を割けなかったり、長い距離を歩く体力がなかったりする場合は、小型犬を選ぶようにしましょう。

ただし、小型犬でもある程度運動量が必要になる場合があるため、事前に必要な運動量がどれくらいか確認しておくと安心です。

しつけのしやすさで選ぶ

しつけのしやすさで犬種を選ぶことも重要です。とくに、初めて犬を飼う場合はしつけに自信がない飼い主様もいらっしゃるでしょう。しつけのしやすい犬を迎えるには、性格のおとなしい犬種がおすすめです。

犬により個体差がありますが、性格がおとなしい犬であれば、飼い主様のいうことも守ってくれるでしょう。

抜け毛の量で選ぶ

犬は春や秋の季節の変わり目になると、犬の毛が生え変わる換毛期を迎えます。そのため、毛が多く長い犬種の場合、ブラッシングや抜け毛の負担が大きい傾向にあります。

犬の抜け毛が気になる場合は、抜け毛が比較的少ないシングルコートの犬種を選びましょう。犬の被毛はオーバーコートとアンダーコートの2種類あり、オーバーコートのみの毛並みを持つ犬種をシングルコートとよびます。

シングルコートの犬種の代表例は、マルチーズ、ヨークシャ・テリア、プードルなどです。上記のような犬種は、比較的抜け毛も少ないでしょう。

無駄吠えをしないかで選ぶ

無駄吠えが多いかも犬種を選ぶにあたり重要なポイントです。警戒心が強い犬の場合、無駄吠えが多く、吠えないようにするしつけが必要になったり、近所迷惑になったりする可能性があります。

まったく吠えない犬は存在しませんが、吠える頻度が少ない犬は存在します。ただし、犬の性格によっても無駄吠えがあるかは異なるため注意が必要です。

犬を飼う時に必要なお世話グッズ

犬を飼う時に必要なお世話グッズ

犬を初めて飼う際は、必要なお世話グッズを準備する必要があります。犬を飼ったことがない方は、何が必要かわからずお困りの方もいらっしゃるでしょう。以下では、犬を飼う際に必要なお世話グッズについて解説します。

ドッグフード

ドッグフードは毎日のお世話に必要なアイテムの一つです。ドッグフードを購入する際は、犬に必要な栄養素をバランスよく摂取できる総合栄養食を選びましょう。

豊富な種類があり、好き嫌いが分かれるため、お迎えする際に普段食べているフードを聞いて同じものを与えるのも一つの手段です。また、新しいフードを与える際は、年齢ごとに合うフードを与えましょう。

食器・フードボウル

食器も日常生活において重要なお世話グッズです。ドッグフード用と飲水用の2種類の食器を準備しましょう。食器は手入れしやすく安定感があるものや重みがある陶器の食器がおすすめです。

飲水はケージなどに取り付ける給水器もありますが、うまく水分補給できない可能性もあります。そのため、まずはボウルで水分補給させるといいでしょう。

トイレ

犬が快適に用を足せるように、トイレも準備してください。犬の体がギリギリ入るサイズのトイレを選ぶとおしっこが周りに飛び散ったり、成長してからサイズが合わなくなったりする可能性があります。

そのため、犬のサイズに対して余裕があるトイレを選んでください。最初は、トイレの場所を覚えていないため、粗相することもあるかもしれませんが、しつけていくうちにトイレの場所を覚えるようになるでしょう。

ケージ

ケージは人間と犬の生活空間を分けるための柵のことをいいます。犬の活動範囲を事前に定めておくことで、飼い主様にとっても犬にとっても落ち着いた環境を整えられます。

ケージは天井のついた箱型のタイプが多く、空間をしっかり分けるには最適です。天井のないサークルも存在しますが、天井がないと犬が飛び出すリスクもあるため、犬のサイズや性格に合わせて選ぶようにしましょう。

クレート

クレートは犬を持ち運ぶためのケースを指します。動物病院に通院する際や飼い主様とお出かけする際の必需品です。また、災害時にもクレートがあれば愛犬の安全を確保できます。

クレートも犬のサイズに合わせて最適なものを選びましょう。

犬用おもちゃ

犬がストレスなく過ごすためにも、犬用おもちゃは必需品です。犬により興味を持つおもちゃは異なるため、一つだけおもちゃを用意しても興味を示してくれない可能性があります。そのため、犬用のおもちゃを用意する際は、複数個購入しておくと良いでしょう。

壊れたおもちゃの破片や部品は誤飲することもあるため、犬が噛んでも簡単に壊れない丈夫なおもちゃを選んでください。

犬が快適に過ごせる環境を整えてあげよう

今回の記事では、犬を飼う時に気をつけることについて心構え編、準備編、飼育編と3つの項目に分けて紹介しました。

犬を飼うためにはお金がかかる、自分のための時間が少なくなることを理解しておきましょう。そして迎えたあとは、しつけをしっかりと行うほか、飼い主様もお散歩の際にマナーを守ることが大切です。

犬を飼うことは、新しい家族を迎えるということです。愛犬が最期を迎えるまで愛情と責任を持ってお世話をする覚悟があるのか、検討してから飼うようにしましょう。