猫は可愛らしく、何か動物を飼いたいと考えたときに真っ先に思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、猫は自由でそっけないと感じられる面もあります。
その自由気ままさも魅力であるものの、「甘えん坊な子を飼いたい」という方は飼うか悩んでいるかもしれません。
今回の記事では、猫に甘えん坊になってもらうコツと、甘えん坊な猫と接する際の注意点、甘えん坊な猫の特徴をご紹介します。愛猫に甘えられたい方はぜひ参考にしてください。
目次
猫に甘えん坊になってもらうコツ
猫の性格は性別や種類、環境などにより変化するため、コツをつかめば甘えん坊になってもらうことも可能です。以下では、猫に甘えん坊になってもらうためのコツを4つ紹介します。
オス猫を選ぶ
オスは本能に忠実な性格で、何かを要求することに長けています。そのため、飼い主に対して餌が欲しい、遊んで欲しいなどという欲求を甘えた仕草でストレートに伝えてきやすい傾向があります。
また、去勢をしたオス猫は攻撃性が軽減されるため、甘えん坊になりやすいようです。ただし、去勢手術は本来の身体機能を強制的に停止させるものです。甘えん坊になって欲しいからといって行なうものではないことは心得ておきましょう。
なお、メス猫は、自立心が強く落ち着いている傾向がありますが、家族のなかでも特定の人にだけ甘えん坊になることがあります。
甘えん坊になりやすい猫種を選ぶ
猫のなかには甘えん坊になりやすいといわれている猫種もあります。例えば、アメリカンショートヘアーは穏やかな性格でありながら、人懐っこく遊ぶのも好きで甘えん坊になりやすいといわれています。
また、メインクーンは古くから人と暮らしていたこともあり、懐きやすく甘えん坊な仕草も見せてくれやすい特徴があります。
賢いといわれているスコティッシュフォールドも、人やほかのペットと過ごすのが得意で、甘えん坊になりやすいでしょう。なお、猫にはさまざまな毛色があり、オレンジ色に赤褐色の縞模様が入った茶トラは甘えん坊になりやすいといわれています。
人と関わる機会を増やす
猫の性格はおもに子猫のときに形成されるため、子猫の時期に人とかかわる機会を増やすと甘えん坊になりやすいといわれています。特に社会化期と呼ばれる生後7週齢頃までに、多くの人とかかわるのがポイントです。
猫は人とのかかわりを通して優しさを認識し、物怖じせず安心して接することができるようになります。そして甘えた仕草も素直に表現できるようになるのです。
甘えん坊になって欲しい場合は子猫のときにお迎えし、散歩などの際に家族以外の人とも触れ合う機会を作るとよいでしょう。
構いすぎない
猫に甘えん坊になってもらうには、構いすぎないことも必要です。猫は元々単独で生活する習性をもつ動物です。そのため、飼い主様と遊んだり触れ合ったりする時間も好きですが、一人で過ごす時間も大切にしています。
常に構い続けていると、猫はストレスを感じることもあるため、猫は静かに過ごしたいと感じているときはそっとしておくことが重要です。猫のペースを尊重して暮らすことで、自然と甘えん坊な一面を引き出せるでしょう。
甘えん坊な猫の種類
猫により個体差はありますが、比較的甘えん坊な猫の種類があります。甘えん坊な猫と一緒に暮らしたいとお考えの方は、以下の猫の種類を参考にしてみてください。
アメリカンショートヘアー
アメリカンショートヘアーは、猫のなかでも人懐っこい性格で初めて飼う人も飼いやすい種類です。好奇心旺盛で遊ぶことを好み、身の回りのお世話をしてくれる飼い主様に甘える子もいるでしょう。
また、人懐っこい性格により、飼い主様以外の人や他のペットとも仲良くできる性格であることから、子猫のときから人や他のペットに慣れさせれば社会性を身につけられます。
そのため、飼い主様にだけ甘えん坊過ぎることなく、適度に甘えるようになり飼いやすいといえるでしょう。
スコティッシュフォールド
垂れ耳が特徴であるスコティッシュフォールドも甘えん坊な子が多い傾向にあります。スコティッシュフォールドはマイペースで冷静な性格です。
しかし、飼い主様と遊ぶことは大好きであるため、飼い主様が構ってあげるとそばに寄ってきたり、膝の上に乗って甘えたりする行動がよく見られるでしょう。
ソマリ
ソマリは神経質な性格で他の猫と一緒に過ごすことを苦手としていますが、人間との関係は良く、飼い主様に甘える様子も度々見られます。ソマリは、頭が良く運動神経も良いため、初めて猫を飼う方もしつけやすい特徴があります。
また、飼い主様と一緒に過ごす時間が大好きであるため、適度にかまってあげることで信頼関係も築きやすくなるでしょう。
甘えん坊な猫と接する際の注意点
猫が甘えてくるのが可愛いからといって、構いすぎるのは良くありません。構いすぎると分離不安症になるおそれがあります。
分離不安症になると、飼い主から離れると不安を感じ、大きな鳴き声を上げたり、物を壊したりといった問題行動を起こすようになります。飼い主と過ごす時間が長いほど発症しやすいため、どれだけ可愛くても我慢をして、過剰に構うのは控えましょう。
また、甘えん坊な猫に接する際は、慢性ストレスにも注意が必要です。猫はストレスを感じやすく、特に甘えん坊な猫は、構ってくれないだけでもストレスになることがあります。
慢性的にストレスを感じる状態になると、神経質になったり攻撃的になったりすることも珍しくありません。
部分的な脱毛や嘔吐、下痢などの症状が表れる場合もあります。少し撫でたり、一人遊びができる環境にしたりするだけでも、慢性ストレスは回避できます。
こんな特徴が見つけられたら実は甘えん坊
以下では、甘えん坊な猫によくある特徴を6つ紹介します。
スキンシップが多い
猫は甘えん坊になるとスキンシップが多くなります。膝の上に乗ったり頭を擦りつけたりする場合、甘えん坊の仕草であることが多くあります。
飼い主が移動するたびに、足もとにまとわりついて甘えてくることもあります。体の上に乗り、足踏みをするのも甘えた仕草の一つです。
また、スキンシップを求めてくる際のしっぽの振り方から、猫の感情を読み取ることも可能です。詳しくは以下のページで詳しく解説しています。
関連記事:【専門家監修】猫がしっぽをふるのはどんなとき?感情の読み取り方
邪魔をしてくる
猫がパソコンの上に乗ったり、本を読んでいるときに本と顔の間に入り込んだりして、飼い主の邪魔をすることはよくあります。
飼い主の邪魔をするのは、構ってほしいサインかもしれません。作業の手を止められるのであれば、一度猫と遊んであげましょう。しばらくすると満足して邪魔をしなくなるかもしれません。
喉を鳴らす
何かをねだるときに、甘えて喉をゴロゴロ鳴らす猫もいます。猫は基本的にリラックスしているときや何かを要求するとき、不安なときなどに喉を鳴らしますが、音程や見せる仕草に違いがあります。
リラックスしているときは中低音で喉をゴロゴロ鳴らし、目を細めたりお腹を見せたりして甘えてきます。
なお、何かを要求するときは、リラックスしているときより高い音で喉を鳴らします。また、ストレスを感じているときは低い大きな音で喉を鳴らし、威嚇したり毛を逆立てたりすることも覚えておきましょう。
飼い主様の身体を揉む
猫が飼い主様に甘えるとき、飼い主様の身体を前足で揉むことがあります。飼い主様の身体を揉む行動は、母猫のミルクを飲んでいたときに前足でミルクがよく出るように行っていた行動と同じようです。
成長して成猫になっても、甘えたいときや眠たいとき、お腹が減っているときに前足でフミフミする様子が見られます。猫が前足でフミフミするのは、母猫のように信頼している相手のみです。
そのため、愛猫に身体を揉まれている場合はたくさん構ってあげましょう。
飼い主様を舐める
猫は甘えているときに飼い主様をペロペロと舐める仕草を見せます。猫にとって舐める行動は、毛づくろいや愛情表現の意味を持ちます。
普段から毛づくろいが好きな猫や甘えん坊な性格の猫は飼い主様を舐めることが多いようです。
ただし、ペロペロと舐めている様子が多かったり、口臭があったりする場合は病気が潜んでいる可能性があります。いつもと様子が違う場合は、動物病院で相談してみましょう。
飼い主様を甘噛みする
愛猫が飼い主様に甘噛みしていることも愛情表現の一つです。いきなり猫に甘噛みされてしまうと、怒っているのかな?と心配になる飼い主様もいらっしゃるでしょう。
しかし、猫の甘噛みは愛情表現であり、子猫の頃から母猫や兄弟猫に甘噛みする習性があります。そのため、飼い主様に甘噛みしているときは、甘えている可能性が考えられます。
ただし、甘噛みしている行動すべてが甘えからきているわけではありません。甘噛みしてきた場合は、他に理由がないか確認しておきましょう。
猫が甘えたくなる飼い主様の特徴
愛猫が甘えてくれないとお悩みの場合、原因は飼い主様にあることも考えてみましょう。猫に甘えてもらうためには、具体的にどのようなことをすれば良いのでしょうか。以下では、猫が甘えたくなる飼い主様の特徴について解説します。
優しい
人間が優しい人を好きなのと同じように、猫も優しく接してくれる飼い主様が大好きです。いつも笑顔で優しくなでてくれる飼い主様であれば、猫も甘えたくなるでしょう。
猫は相手の気持ちに敏感な動物であるため、飼い主様が優しく接してくれていることも理解しています。猫に甘えてもらうためには、日頃から優しく接してあげてください。
お世話をしてくれる
猫は日頃からお世話をしてくれている飼い主様のことをよく見ています。家族の中でも特定の人にしか懐かないというのも、よくお世話してくれていることに気づいているからです。
猫の性格により異なりますが、多くの猫はよくお世話してくれる人に甘えます。猫に甘えてもらいたいとお考えの方は、積極的にお世話をしてあげるようにしましょう。
声が高くて小さい
猫は、高くて小さい声の人を好む傾向にあります。低くて大きな声の飼い主様は、猫は捕食動物を連想して苦手になる可能性があるため注意が必要です。
そのため、猫は声が高い女性に甘えることが多いようです。男性の飼い主様は、猫に話しかける際は高く小さな声を心がけると良いでしょう。
動きがゆっくり
猫は動きがゆっくりしている飼い主様のほうが近づきやすく、甘えやすいと感じているようです。猫の性格や種類により異なりますが、急激に素早い動きを見せると猫は驚いてしまいます。
そのため、猫が飼い主様に甘えようとしている場合は、なるべくゆっくりした動きで構ってあげてください。
匂いがしない
猫は犬には劣りますが、人間よりも優れた嗅覚を持ちます。そのため、飼い主様から変な匂いがすると感じると近づきたがらないでしょう。
猫と人間では匂いの感じ方が異なるため、人間が匂いと感じるものは猫にとっては変な匂いに感じ、人間か臭いと感じるものを猫は好む場合があります。
香水や芳香剤などは猫にとっては刺激臭となるため、猫と一緒に過ごす際は使用しないように気をつけましょう。
嫌がることをしない
猫にとって嫌なことをする飼い主様には、当然ながら猫は甘えたがりません。猫が嫌がることをよくする場合は、猫との信頼関係も築けなくなります。一度信頼関係が崩れてしまうと、信頼を取り戻すのは困難です。
そのため、日頃から猫が嫌がることはしないようにしましょう。
猫が嫌がる歯磨きや爪切りなどは、猫の健康を保つためにも必要です。猫が嫌がっている場合は、歯磨きや爪切りが終わった後に褒めておやつを与えるなどすると、良いイメージを持ってくれるでしょう。
愛猫が甘えてくるときは構ってあげるようにしよう
「甘えん坊の猫と一緒に暮らしたい」という方は、甘えん坊になりやすい猫種やオス猫を選ぶと一緒に暮らせる可能性が高まるため、ぜひ一度検討してみましょう。
また、猫は一緒に暮らし始めた後、人と接する機会を増やすと甘えん坊になりやすくなります。ただし、接する機会を増やしすぎると、分離不安症や慢性ストレスを起こす可能性があるので注意してください。