「私の愛犬は今の環境を幸せに感じているかな」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人間に感情があるように犬にも「安心」「喜び」「怖い」「怒り」といった感情があります。そのうえで、犬は一体何に幸せを感じるのでしょうか。
本記事では、犬の幸せを理解する方法として犬の行動に焦点を当てて解説していきます。愛犬の小さな行動にも注目しながら参考にしてください。
目次
犬の幸せとは?
飼い主様が犬を家族の一員と思うように、正しいしつけと心からの愛情を示していれば犬も飼い主様を家族のように思います。
飼い主様側から見る幸せとは異なる?
「もっと広い場所で過ごさせてあげたい」「面白いおもちゃや美味しいごはんを食べさせてあげられたら…」と思いを抱いている飼い主様もいらっしゃるかもしれません。
しかし、犬の一番の幸せは飼い主様と一緒に過ごすことです。広い遊び場やおもちゃ、豪華な食事、高度な芸、速い足を持つことだけが幸せではありません。
犬は感情のコントロールが苦手で短期記憶力は10秒しかないのです。そのため、一時の喜びよりも飼い主様との絆こそが犬の幸せといえるでしょう。
犬が幸せなときに見せる8つの行動やしぐさ
犬が幸せなときに見せる行動やしぐさは、主に8種類あります。愛犬が幸せに感じている際にサインを出しているのであれば、サインを読み取って応えてあげたいという飼い主様もいらっしゃるでしょう。
どんなときに幸せを示す行動をとるのか、以下で詳しく解説します。
前足を伸ばして頭を下げてお尻を上げる
前足を伸ばして頭を下げてお尻を上げるという行為は「プレイバウ」と呼ばれるものです。一見、ただの伸びをしているように見られますが、犬は飼い主様にかまってもらえて幸せに感じています。
興奮して楽しんでいる証拠であり、飼い主様を遊びに誘っている場合が多いため一緒に思いっきり遊んであげてください。
お腹を上にして寝転がる
お腹を上にして寝転がるという行動は、飼い主様を信頼している証です。動物にとってお腹は自分の急所のひとつになります。自分の弱みを臆することなく見せる行動は、飼い主様のそばは安全で安心するといっているようなものです。
目を細めて口角を上げる
目を細めて口角を上げるしぐさは、人間でいうところの「笑顔」になります。野生であったころの犬は感情を顔で表すことがありませんでした。しかし、人間と過ごすうちに人間社会でいう「笑顔」が犬にも見られるようになったのです。
飼い主様に向かって、にっこりと笑ったような顔を見せるときは犬が幸せを感じている瞬間です。優しく撫でたり、褒めたりしてあげましょう。
相手の口を舐める
犬が相手の口を舐めるこの行動は、子犬が成犬に甘えるのと一緒です。飼い主様に構って欲しくて甘えたい気持ちになっている状態といえます。愛犬が口を舐めだしたら時間があるときは、いつもより多めに遊び、一緒に過ごす時間を取ってあげてください。
寄り添ってくる
遊んでいても飼い主様が呼べば寄り添ってくる場合、飼い主様との信頼関係が十分に構築されている証です。離れていても「あの人が僕/私の家族だ」と犬の頭に刻み込まれているため、飼い主様に寄り添ってきます。
保護犬や過去にトラウマを持つ犬であれば、人に寄り添えるまでになったのは奇跡です。犬との絆が強くなった証拠でもあるので、寄り添ってきた愛犬を思いきり褒めてあげてください。
溜息をする
溜息と聞くとネガティヴなイメージを持ちがちですが、犬の溜息にはべつの意味もあります。リラックスして深く息を吐く溜息は、犬が安心している証拠です。もちろん、疲れているときやストレスを感じているときにも溜息をつきます。
愛犬をよく観察して、幸せを感じている溜息なのか、ストレスサインの溜息なのか判断してみましょう。
お尻をくっつけようとする
無防備にお尻をくっつけようとすることは、飼い主様を信頼し安心している証拠です。犬にとってお尻は死角であり、お尻をくっつけようとすることは敵に背を向ける危険な行為になります。
そのため、飼い主様にお尻を向けようとするしぐさは心からリラックスして「この人(飼い主様)の隣は何があっても大丈夫だ」と思っている証となります。
睡眠時間が長くリラックスしている
睡眠時間が長くリラックスしている犬は、今いる環境に幸せを感じています。飼い主様と適度な距離をとり、自分のテリトリーでぐっすり眠ることができているならば犬にとってこのうえない幸せでしょう。
自然界で生きている野生の犬では、外敵から身を守るために常に気を張っていなくてはいけません。そうしなくてもいい状態は犬にとって幸せなことです。
しかしながら、飼い主様とベッタリくっついている場合は、依存しきっていて離れることが非常につらくなる「分離不安」に陥ることもあります。リラックスしているといっても適度な距離感を保つことが大切です。
犬を幸せにするために必要なこと
犬を幸せにするために飼い主様は、主に7つのことをしてあげられます。多種多様な人間が存在するように、犬にも多種多様な性格の個体が存在するのです。「自分の愛犬と他の犬は異なる」ということを念頭において接してあげてください。
飼い犬の知識を身につける
まずは何よりも飼い主様が飼っている飼い犬に関する知識を身につけましょう。犬は犬種ごとに異なる性格と能力があります。大型犬、中型犬、小型犬だけでなく、同じ小型犬でも社交的な子からおとなしい子まで幅広いです。
飼い犬を理解したうえで、よく観察をして愛犬が喜んでいるか嫌がっているかを行動やしぐさで判断できるようになりましょう。
飼い犬に合ったしつけをする
飼い犬を理解したところで、次は飼い犬に合ったしつけをしましょう。犬によってしつけの仕方は異なり、個体ごとにしつけを覚える速度も違います。
複数の犬を飼っている場合も犬ごとにしつけの仕方は異なるため、焦らずに飼い犬に合った、しつけ方法を見つけていくことが大切です。
適度なスキンシップを取る
愛犬が嫌がらない程度のスキンシップを怠らないことが大切です。過度に構いすぎると2-8で紹介したように、飼い主様が不在のときに分離不安を起こすようになってしまいます。
飼い主様と愛犬。それぞれのパーソナルスペースを保ちながらスキンシップをとりましょう。
恐怖心を与えない
愛犬に幸せになってもらうためには、何よりも恐怖心を与えないことが重要です。犬にとって幸せを感じる瞬間は「安心感があること」「リラックスできること」などがあげられます。
また、大好きな飼い主様と過ごせることが何よりも幸せに感じる瞬間です。しかし、飼い主様が愛犬を叱ったり、傷つけたりするような様子が見られる場合、ペットは恐怖心を抱き、飼い主様との信頼関係を築くことも困難になります。
そのため、しつけが大切であっても恐怖心を与えるのではなく、たくさん褒めてあげるようにしてあげてください。
毎日のお世話を丁寧に行う
ペットを飼ううえでは当然のことですが、毎日のお世話を丁寧に行うことが愛犬の幸せにつながります。愛犬を大切におもっている方であれば、日頃から愛情を伝えて楽しく過ごしてもらいたいと感じているはずです。
毎日新鮮で栄養バランスが取れたエサと水を与えたり、体のケアをしてあげたりするだけでも、犬は幸せを感じてくれるでしょう。日常の何気ない積み重ねで幸せを与えられるため、まずはお世話を丁寧に行うようにしましょう。
日頃から愛情を伝える
愛犬を大切に思っている飼い主様が犬にとって一番の幸せともいえるでしょう。犬は飼い主様と一緒に過ごしたり、出かけたりするだけでも愛犬は楽しさを感じて幸せにつながります。
毎日愛犬と特別なことをする必要はありませんが、たまにいつもとは異なる散歩コースに行ってみたり、新しい場所にお出かけに行ってみたりするだけでも、愛犬は喜んでくれます。
幸せそうに感じている様子が確認できれば、犬が喜んでくれるようなことを積極的に取り入れるといいでしょう。
見つめ合う
愛犬と飼い主様が見つめ合うことは、双方に幸せが感じられます。愛犬が口角を上げて笑顔を見せながら見つめてくる場合は、飼い主様に愛情を表現している証拠です。
また、舌をだして飼い主様を見つめている場合、愛犬と飼い主様は信頼関係が築き上げられており幸せに感じているといえるでしょう。
犬と見つめ合うと幸せホルモンが分泌される
2015年に発表された論文では、人間と犬が見つめ合うと双方にオキシトシンが分泌されることが報告されました。
オキシトシンとは、脳の視床下部から分泌されるホルモンであり、神経伝達物質を指します。幸福に関わる物質であり、犬をなでたり、コミュニケーションを取ったりする際にもオキシトシンが増加するといわれています。
オキシトシンの代表的な役割は、幸福感を与えることとストレスを軽減することです。
飼い主様がオキシトシンから得られる効果
オキシトシンはペットと飼い主様どちらにも分泌されますが、飼い主様がオキシトシンから得られる効果は主に2点あります。以下では、各効果について解説します。
体調が良好になる
オキシトシンは、体調が良好になる効果があります。オキシトシンはストレスを軽減する効果があり、ストレスを軽減することで身体に生じる不調を改善できます。
また、リラックス効果をもたらすため、血圧の安定や心拍の低下に寄与します。また、免疫機能の向上にも関与し、病気の予防や回復を助ける効果が期待できるでしょう。
犬と過ごす時間は身体的な健康だけでなく、精神的安定も得られるため、全体的な生活の質向上につながります。
人間関係が良くなる
オキシトシンが分泌されることで人間関係が良くなることがあげられます。過去に行われた実験では、オキシトシンの体内量が増加すると、人への信頼感や自分に寄せられる信頼に応えようとする行動が増えることが確認されました。
また、オキシトシンには他人の特徴や人柄を覚える「社会性記憶」を向上させることが報告されています。そのため、交流を重ねるごとに他者への理解と信頼が深まるでしょう。
飼い主様も幸せになるペットの魅力
犬や猫などのペットといっしょに暮らすと、ペットだけでなく飼い主様も幸せを感じられます。以下では、飼い主様も幸せになるペットの魅力について解説します。
話し相手になってくれる
ペットは大切な家族であり、飼い主様の話し相手になってくれます。とくに、ペットに話しかけることは、一人暮らしの場合でも良き話し相手になってくれて寂しさを軽減してくれるでしょう。
ペットは人間ほど表現が豊かではないですが、しっかりした表情を持っており、飼い主様の言葉にも反応してくれます。例えば、飼い主様が話しかけたら耳を傾けてくれてくれたり、尻尾を振ったりすることで応えてくれたりするでしょう。
ペットとコミュニケーションすることで、飼い主様の心の健康に良い影響を与えて孤独感を和らげてくれるはずです。
寄り添ってくれる
ペットは飼い主様の気持ちに寄り添ってくれます。ペットは飼い主様の感情を敏感に感じ取り、言葉が通じなくても存在感で癒やしてくれたり、一緒に喜んでくれたりします。
特に犬や猫は、昔から人間とともに生活してきたため、人の勘定に対する共感能力が高いといわれています。飼い主様が悲しいときにそっと寄り添ってくれたり、嬉しいときに一緒に喜んでくれたりするペットの存在は飼い主様を幸せにしてくれるでしょう。
友人や家族との会話のきっかけになる
ペットと過ごすことで友人や家族との会話のきっかけになるだけでなく、ペット仲間やSNSで繋がりが増えて、新しくコミュニティを築けるでしょう。
ペットの話題で盛り上がったり、職場や学校の人と話をするときにも良いきっかけになったりして、話の輪を広げられます。また、本来なら知り合うことのなかった人とのコミュニケーションが取れる可能性があるため、交友関係を広げたい方にも良いきっかけになるはずです。
ペットの魅力を通して、家族や友人との会話もはずに、日常生活でも幸せを感じることが増えるでしょう。
責任感が高まる
ペットのお世話を通して、飼い主様は責任感を高められるでしょう。自分を頼ってくれる存在がいることで、必要とされていると実感できるはずです。
また、ペットがいることで「ペットを守りたい」「ペットを幸せにしてあげたい」と考えるようになり、自然と責任感が生まれます。
安心感が得られる
ペットを飼うことは、飼い主様にとって大きな安心感を得られるでしょう。日常生活において、ペットとの触れ合いや存在感が飼い主様の精神も安定させてくれるはずです。
ペットからの無償の愛情や忠誠心は、ストレスや不安を軽減し、心の支えとなるでしょう。特に、一緒に過ごす時間や散歩などの週間は、飼い主様にとって癒やしの時間となるはずです。
ペットがそばにいるだけでも孤独感が和らぎ、安心感を与えてくれます。
活動的になる
ペットを飼うことで自然と活動的になります。特に犬の飼い主様は、散歩や遊びを通して日常的に運動する機会が増えます。
運動が増えることは健康維持につながるだけでなく、ストレスの軽減にも寄与してくれます。ペットとアクティブな生活を過ごすことで、心身の健康をサポートし、総合的な幸福感を高められるでしょう。
犬の幸せを理解して愛犬をもっと幸せにしよう
本記事では、犬の幸せについて行動からわかることを紹介しました。犬は人間が思っている以上に感情豊かで信頼を寄せてくれる生き物です。愛犬が生きているときも、亡くなったときも後悔しないように目一杯の愛情を注いであげましょう。
訪問火葬のCOCOペットでは、飼い主様と愛犬の幸せが最期まで続くように100%以上のご対応をしてまいります。ペットに関するご質問がございましたら、24時間365日いつでもご相談ください。