猫との生活の中で、ときどき「私の愛猫はちゃんと幸せを感じてくれているかな?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
愛猫家の飼い主様たちは猫の幸せな暮らしを一層考えていることでしょう。猫も「喜び」「怒り」「悲しみ」などの感情があります。
本記事では、猫の感情や行動をふまえて、猫の幸せを考えた暮らしについて解説していきます。愛猫とのライフスタイルの参考にしてみてください。
目次
猫の幸せとは?
猫の幸せとは、人間やその他の動物とそう変わりはありません。基本的に、安心できる寝場所と適度な運動ができれば、室内でも猫は幸せだと感じます。
ただ、飼い主様に忠実な犬と違い、猫は自分の思いのままに動く動物です。自由気ままに自分らしく過ごしていることが猫の魅力のひとつであり、愛すべき性格になります。
猫の本質的な性格をふまえて、あまり束縛しない暮らしを提供できるように努力してみましょう。
猫の幸せを表す7つのサイン
猫の幸せを表す主なサインは7つあります。何気ない行動やしぐさばかりですが、よく観察すると猫が非常に安心感を持っていることが分かります。愛猫を常日頃からよく観察してあげてください。
おへそを天井に向けて寝る
おへそを天井に向けて寝ている姿は、現在の環境に安心しきっている証拠です。犬と同じく野生の猫ならば、急所となるお腹をやすやすとは晒しません。
急所を見せて眠るという無防備な姿を晒しているのは、飼い主様とともにいる環境に慣れている証です。飼い主様におへそを向けてアピールしている場合は、優しくなでてあげるといいでしょう。
ヒゲが垂れている
猫のヒゲが垂れている場合はリラックスしている証拠になります。ヒゲが多い猫だと分かりづらいかもしれませんが、よく観察すると怒っている場合はヒゲが前を向いているのです。
ヒゲが垂れているときは現状に満足しリラックスしている証だといえます。目や口だけでなく、ヒゲも日頃からよく観察してみてください。
喉をゴロゴロ鳴らす
喉をゴロゴロ鳴らしているときは、安心し信頼しきっている証拠です。一番知られている猫の行動のひとつでしょう。
人に触れられることに慣れている猫ならば、あごの下を触ってみてください。あごの下は猫が自分の舌では触れられない場所なため、触ってもらうと気持ちが良いようです。もちろん、嫌がられない程度にしてください。
香箱座りをしている
香箱座りとは、前足を体の下にしまっている姿勢のことです。ご想像通り、香箱座りをしているとすぐには動けません。野生の猫にとってはすぐに動けない体勢でいることは外敵から身を守ることができず命の危機を意味します。
しかし、飼い主様を信頼している猫にとってはラクな姿勢であり、飼い主様の傍を安心な場所として理解している証拠です。
しっぽを立てる
犬とは反対に猫はしっぽをピンっと立てているときが幸せを感じているときになります。ピンっと立ったしっぽで飼い主様に「自分はここにいる!」と主張しているのです。
もともとは、子猫が母猫に自分を見つけてもらうための行動ですが、飼い主様にも同じように行います。それほど飼い主様に懐いている証拠ともいえるでしょう。
身体を擦り付けてくる
猫が身体を擦り付けてくる行為は、飼い主様に甘えている証拠です。猫は警戒心の強い動物ですが、心を許した相手には思いきり甘えてきます。猫が身体を擦り付けてきたときは「構ってほしい!」という合図なため、思いきり遊んであげてください。
リラックスした表情をしている
猫の目がトロンとして、リラックスしている表情を見せたときは安心しているときです。よく観察しないと分かりづらいですが、人間が眠たいときに見せるような表情や穏やかな優しい表情をしています。
飼い猫が保護猫やシェルターから連れられてきた子だった場合、はじめからは絶対にしない表情です。過酷な経験をしながら育った子たちはそう簡単に警戒を解いてはくれません。
しかし、徐々に飼い主様との生活に慣れてくるとリラックスした表情を見せるようになります。適度な距離を保ちつつ、毎日のように確認してみてください。
猫の幸せを表すサインに応えてあげるには
猫が幸せを感じているサインを見せてくれた場合、飼い主様はサインに応えてあげる必要があります。信頼関係を築くうえでも、サインに応えてあげることは重要です。以下では、猫の愛情表現に応える方法について解説します。
優しくなでる
愛猫が幸せのサインを出している際は、優しくなでてあげてください。猫は飼い主様になでてもらえると、安心感を得られます。特に猫の頭や背中を軽くなでたり、ゆっくりなでてあげたりすると、猫は心地よさを感じます。
猫が喜ぶなで方を覚えておくと、愛猫との信頼関係を築けるでしょう。ただし、猫がなでられることを嫌がっている場合は、無理になでようとはせず、猫の気持ちに寄り添ってあげることが重要です。
猫のペースに合わせて遊ぶ
猫と一緒に遊んであげることも、猫はさらに幸せを感じるでしょう。猫と遊ぶ際は、猫のペースに合わせて遊んであげてください。
猫はもともと野生動物であり、獲物を狩る本能が今でも強く残っています。そのため、遊びの中に猫の狩猟本能をくすぐるような遊びを取り入れれば、猫の習性を尊重でき、健康にもいいでしょう。
猫が遊び疲れていたり、興味をなくしていたりしたら、しつこく遊ぼうとはせず休憩するか遊びを終了させるようにしてください。猫のペースに合わせて遊ぶことで、猫もストレスを抱えることなく健康的に時間を過ごせるはずです。
声をかける
猫がゴロゴロと鳴いていたり、お腹を見せてくれたりする際は、声をかけてあげましょう。猫に優しく言葉をかけるだけでも、猫に飼い主様の気持ちを伝えられます。
「猫に声をかけても人間の言葉は理解できないだろう」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかし、猫は簡単な言葉であれば理解できます。例えば、「ごはんだよ」「お利口だね」など、簡単な呼びかけは理解している猫も多くいます。
そのため、積極的に声をかけてあげるようにすると、猫も喜んでくれるでしょう。
まばたきを返す
猫がゆっくりまばたきした際は、飼い主様もゆっくりまばたきを返してあげましょう。同じようにまばたきを返してあげると、猫は安心感を得られます。
猫は飼い主様とのスキンシップ以外でも、非言語のコミュニケーションを通して信頼関係を築きます。そのため、飼い主様も愛猫のサインに応えてあげると、さらに信頼関係を強くできるはずです。
また、猫によりアプローチ方法は異なるため、猫の特性に合わせてアクションを返してあげるといいでしょう。
猫にとって幸せなこと
猫にとって幸せなことは、猫の特徴や特性により異なりますが、一般的に6つ挙げあられます。猫に幸せに暮らしてもらうためにも、以下のポイントを参考にしてみてください。
快適な寝床が用意されている
人間と同様、猫にとっても快適な寝床で休息を取ることは幸せに感じます。夏場はひんやりと冷たく心地いいベッド、冬場は暖かく、ふかふかなベッドであれば、愛猫も心地よく過ごせるはずです。
猫にとって睡眠は重要であり、重要な睡眠を幸せかつ快適に過ごしてもらうためにも、季節ごとにゆったり過ごせるベッドを用意してあげてください。
ゆったりとくつろげる
猫は外敵に襲われる心配なく、ゆったりとくつろげる場所で過ごせることを幸せに感じます。飼い主様の膝の上で危険を感じることなくゆっくり過ごせる時間は、猫にとって幸せを感じる瞬間でしょう。
野良猫の場合は外敵に襲われる可能性があるため、ゆっくり過ごすことは困難です。一方、飼い猫であれば警戒心を持つことなく、ゆったりと日向ぼっこしながら安心してすごせることから幸せを感じやすいでしょう。
ご飯を食べられる
狩りをしなくても栄養たっぷりなご飯をたくさん食べられることは、幸せに感じる要素の一つです。敵に狙われることなく、好きな時間に好きな食べ物を食べられるのは、猫にとって幸せな瞬間です。
美味しいご飯をゆっくり食べられるように、飼い主様は健康に気を使った食事を用意してあげましょう。
病気や怪我を気にしてくれる
猫は病気やけがを負ったときに、飼い主様から心配してもらえることにも幸せを感じます。飼い猫でなければ、病気やけがを負っても動物病院に連れて行ってくれることはなく、誰かに助けてもらえることはほとんどありません。
しかし、飼い猫の場合、飼い主様が日頃から猫の健康に気遣ってくれ、体調がおかしければ動物病院に連れて行ってもらえて適切な治療を受けられます。
ただし、猫にとって動物病院の印象があまり良くない場合は、幸せに感じられないこともあるでしょう。しかし、しんどくつらい症状が軽減させられるため、治療が進めば猫も幸せに感じてくれるはずです。
遊んでもらえる
猫にとって飼い主様がたくさん遊んでくれることは、嬉しく幸せに感じます。猫にとって狩りは食料を手に入れる行動だけではなく、ストレスを発散する運動を兼ねて行われています。
飼い猫の場合、狩りをする機会はありませんが、飼い主様と遊ぶと疑似狩猟ができて楽しさを感じると同時にストレスの軽減が可能です。 愛猫が遊んでほしいというサインを出したときだけ遊んであげるのではなく、飼い主様から積極的に遊んであげるようにしてあげましょう。
飼い主様にかわいがってもらえる
飼い主様にたくさん可愛がってくれることは、猫にとって幸せなひとときです。健康的なご飯を与えてくれたり、優しくなでてくれたり、遊んでくれたり、声をかけてくれたりすることは猫も幸せを感じてくれるでしょう。
愛猫をかわいがっていることをしっかり伝えるためにも、たくさん愛情を伝えてあげてください。
猫を幸せにする暮らしに必要なこと
猫を幸せにする暮らしに必要な主な事柄は3つあります。簡単なようで、毎日最期まで続けるのは難しいこともありますが、愛猫のために必ず行ってください。
ひとけの少ない場所にフードや水を置く
猫は静かでひとけのない場所を好みます。そのため、猫が落ち着いて食事ができるように、室内でもあまり行き来しない場所にフードや水を置きましょう。
居心地の良い場所に食糧があることは、動物にとって絶大な安心感をもたらします。室内で猫を飼っている飼い主様はぜひ試してみてください。
隠れ場所付きのキャットタワーを用意する
猫は縄張り意識が強く、恐怖を感じたときには隠れる場所が必要になります。その場合、同時に運動もできる隠れ場所付きのキャットタワーがあると便利です。
猫は静かでひとけのない場所だけでなく、暗く狭いところも好んでいます。キャットタワーには猫がちょうど収まるサイズの隠れ場所があるものも多いです。運動と落ち着く場所、両方を猫に提供することができるでしょう。
手放さずに最期まで面倒を見る
世の中には人間の自分勝手な理由で外に手放された野良猫が増えています。室内で飼われていた猫は外の世界では容易に生きていけず、すぐに命を落としてしまうでしょう。
自分で選んで飼ったからには、最期の瞬間まで責任を持って面倒を見る必要があります。ときには難しいことかもしれませんが、猫の幸せのために大切に飼育するようにしましょう。
飼い主様が猫を飼うことによって得られる幸せとは
猫を飼うことは猫に幸せを与えているだけでなく、飼い主様も愛猫から幸せを与えてもらっているのです。猫を飼うことにより飼い主様が得られる幸せは、主に3つあります。
さみしくならない
一人暮らしで寂しさを感じている方の場合、猫がそばにいてくれるだけでも安心するでしょう。一人暮らしでは不意にさみしくなってしまう瞬間もあるはずです。
しかし、猫がそばにいてくれると、話し相手になってくれたり、帰宅時に出迎えてくれたり、幸せに感じる瞬間がたくさんあるでしょう。
癒やされる
猫が大好きな飼い主様にとって、猫と暮らすことは幸せかつ癒しになります。食事をする姿や幸せそうに眠っている姿、飼い主様に甘えている姿、いたずらする姿などすべての行動が愛おしく思えるでしょう。
猫をなでることは猫にとっても飼い主様にとっても幸せに感じられるため、積極的にスキンシップを取ってあげてください。
家族との会話も増える
猫と一緒に暮らすと、家族との会話も増えるでしょう。猫の様子を共有したり、猫が取ったおもしろい行動を話したり、家族との会話の中心になってくれるはずです。
また、老人の介護施設に動物を迎えるだけでも、入居者同時の会話が増えて健康になるといわれています。そのため、家族と会話が増えると、飼い主様にとって幸せを感じることもあるでしょう。
愛猫が幸せを感じる暮らしを提供しよう
本記事では、猫の幸せを考えた暮らしについて紹介しました。猫を幸せにするには、猫の習性を理解したうえで行動やしぐさだけでなく、暮らしの中に猫が安心して幸せを感じられる工夫をすることが大切です。
そして、何よりも最期まで面倒を見てあげてください。保護猫となっても養ってくれる人が見つからない場合は殺処分される恐れがあります。自分の飼った猫が野良猫となって命を落とす事態にならないためにも、飼ったからには責任を持って最期まで育てましょう。
COCOペットでは、飼い主様と愛猫たちの長いお付き合いを重んじながら、火葬のご対応させていただくことをお約束します。ぜひ最期のときが訪れましたら、何でもご相談ください。