「ハムスターを飼う前に、必要な準備は何だろう」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。ハムスターは比較的飼育しやすい動物ですが、迎え入れるためには準備が必要です。
本記事では、ハムスターを飼う前の事前準備や、お迎えした際の慣らし方について解説します。今からハムスターのお迎えを考えている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
ハムスターの種類
ハムスターにも種類があり、種類により特性が異なります。ご家庭で飼育されているハムスターは主に6種類です。以下では、各種類の特性について解説します。
ジャンガリアンハムスター
ジャンガリアンハムスターは、体長7〜12cm程度の小さな体で、大きな目が特徴です。ペットショップでも一番多く見る種類で、ご家庭でも家族に迎え入れる方は多くいらっしゃいます。
ジャンガリアンハムスターは好奇心旺盛で人馴れしている品種であるため、初めてハムスターと暮らす方にもおすすめ種類です。落ち着いた性格であるため飼いやすい種類といえるでしょう。
ただし、ジャンガリアンハムスターは警戒心が強いため、無理にさわるとストレスを与える可能性があるため時間をかけて慣れていってください。
ゴールデンハムスター
ゴールデンハムスターは体長12cm〜20cm程度で、ジャンガリアンハムスターと比べても大きめの品種です。ハムスターといえばゴールデンハムスターをイメージする方もいらっしゃるでしょう。
ゴールデンハムスターでもオレンジ色の毛色が代表的ですが、ホワイトやブラック、グレーなどの毛色を持つ子もいます。
ゴールデンハムスターは人懐っこい性格であるため、すぐに人間に慣れてくれるはすです。そのため、初めてハムスターを飼う方にも向いているでしょう。
キンクマハムスター
キンクマハムスターはゴールデンハムスターと同じくらいの大きさで、単色の毛色を持つ品種です。キンクマハムスターは穏やかな性格ですが、他のハムスターと比べても縄張り意識が強いため、多頭飼育には向いていません。
ロボロフスキーハムスター
ロボロフスキーハムスターはペットとして飼育されているハムスターのなかでも小さく、体長は10cm程度です。世界最小のハムスターと呼ばれており、ゴールデンハムスターと比べても半分程度の大きさしかありません。
ロボロフスキーハムスターはお腹が白く、背中には模様があります。警戒心が強い生き物で臆病であるため、飼い始めはストレスを与えないように無理に触ろうとはせずに徐々に慣れていきましょう。
チャイニーズハムスター
チャイニーズハムスターは、他の種類よりも胴や尻尾が長く、目が大きい品種です。人懐っこい性格で賢く、初心者の方でも飼いやすいです。
他のハムスターとは異なり、高いところに登ることを得意としています。そのため、金網のケージではなくプラスチック製のものがおすすめです。
キャンベルハムスター
キャンベルハムスターはジャンガリアンハムスターと同じくらいの大きさで、見た目もよく似ています。しかし、キャンベルハムスターはジャンガリアンハムスターよりも気が強く、警戒心も強い特徴があります。
そのため、飼い始めは飼い主様を噛むことも珍しくありません。
ハムスターを飼う前の準備
ハムスターを飼う前に、まずは環境を整えてあげましょう。以下では、ハムスターを飼う前の準備について説明します。
ハムスターを飼う前に必要なもの
飼育環境を整えてあげると、ハムスターが快適に生活できるだけではなく、飼い主様のお世話もラクです。以下で、ハムスターの飼育環境を整えるために必要なものをご紹介します。
飼育ケージ
ハムスターを飼うためには、ケージが必要です。ケージの種類は、下記のとおりです。
- 金網タイプ
- プラスチックタイプ
- 水槽タイプ
- クリアタイプ
体が小さなハムスターですが、1日に長い距離を動き回ります。そのため、高さがあるケージよりも、広々したものにしましょう。
床材
ハムスターの健康と快適さを考慮して、床材を選びましょう。吸湿性と保温性に優れている床材を選ぶことで、ハムスターの健康を守れます。床材は、排泄物や食べかすで汚れると、臭いや病気の原因になります。そのため、頻繁に交換しましょう。
ハウス
ハムスターは、土の中に巣穴を作ります。ケージの中では巣穴は掘れないため、ハウスを入れてあげましょう。ハウスの種類は、以下のとおりです。
- 陶器製
- 木製
- プラスチック製
- 布製
特徴を押さえて、ハムスターが安心して過ごせる場所を作ってあげましょう。
給水器
給水器には、お皿式と吊り下げ式があります。ハムスターが誤って水に落ちる危険がなく、体が濡れにくいため、吊り下げ式がおすすめです。
また、水の交換は毎日行い、清潔な水を与えましょう。水が汚れると、雑菌が繁殖し、ハムスターの体調を崩す原因になります。
トイレ
ハムスターは、決まった場所で用を足す習性があります。そのため、トイレを設置し、場所に慣れさせると、トイレ以外の場所で用を足す回数が減り、掃除がラクです。ケージ内も清潔に保てます。
トイレ砂
ハムスターは、砂浴びをすることで体を清潔に保ち、感染症や皮膚病を予防しています。また、毛並みを整える効果もあります。
回し車
ハムスターは、1日に数十kmも歩きます。そのため、狭いケージ内で飼育すると運動不足になり、ストレスをためてしまうかもしれません。
運動不足とストレス解消のために、ケージの中には必ず回し車を置いてあげましょう。回し車は、ハムスターの体の大きさに合わせて、安全なものを選んでください。
ハムスターを飼うのに必要な費用
犬や猫の場合、生体を購入するために数万~数十万円、また飼育費用も年間で数十万円はかかると言われます。一方、ハムスターは生体代も安く、1匹1,000〜3,000円程度で購入が可能です。
飼うために必要なものの値段も、約5,000〜15,000円程度で済みます。収入が少ない人でも、無理なく飼うことが可能なペットです。
ハムスターの飼い方
必要なものがそろったら、飼い方を学んでおきましょう。頻繁に必要なお世話から、週に一回程度でも大丈夫なお世話について、ご紹介します。
毎日必要なお世話
ハムスターをお迎えした際には、以下のお世話が必要になります。ハムスターの生死にも関わるため、確認しておきましょう。
えさの交換
ハムスターは、頬袋にえさを入れて溜め込む習性があります。そのため、えさは毎日交換しましょう。えさは、同じ量を決まった時間に与えてください。 また、ハムスターがハウスに持ち帰ったえさにカビが生える可能性もあります。そのため、ハウスの床材やトイレにえさが落ちていないか、こまめに確認しましょう。
水の交換
夏場には雑菌が繁殖しやすいため、毎日、水を交換してください。水の交換をする際には、水の量が減っていないか、給水器が壊れていないかチェックしましょう。
また、水入れは、ハムスターが飲みやすく、下から水が飲めるタイプのものを選ぶと良いでしょう。
トイレ掃除
ハムスターは、同じ場所で用を足す習性があります。そのため、トイレは毎日こまめに取り替えましょう。
一度にする量は少ないですが、放っておくと悪臭につながります。また、トイレの汚れが気になる場合は、トイレ砂を頻繁に交換しましょう。
週に一回程度必要なお世話
以下では、毎日必ずしも必要ではありませんが、週に一回しておくとハムスターも快適に過ごせるお世話についてご紹介します。
床材の交換
ハムスターは、トイレ以外にもケージの床やハウスなどの場所で、用を足します。そのため、床材は週に一回程度、交換しましょう。床材の種類により、消臭効果が期待できます。
ケージやハウスの洗浄
床材を交換しても、糞尿の匂いがケージやハウスに残っている場合があります。そのため、ケージやハウスも、週に一回程度は洗浄しなければいけません。
ケージやハウスを洗う際は、中性洗剤で洗いましょう。木製の用品は洗剤が染み込んでしまうため、水洗いして天日干しで消毒しましょう。
家でハムスターを迎えた時の慣らし方
基本的にハムスターは、臆病な動物です。初めて家に迎えた時は、ハムスターが新しい環境に適応するまで、ゆっくりと慣らしてあげましょう。以下では、ハムスターを迎え入れてから慣らすまでの手順について解説します。
お迎えして1〜3日
最初は、ケージに入れてできる限り触らないでください。ハムスターが新しい環境に慣れるまで、時間を与えてあげましょう。ケージは暗くて風通しの良い場所に置いておくと、ハムスターも次第に安心します。
また、ケージ内にハムスターを入れる際は、お店でもらった箱のまま入れてハムスターが自分から出てくるのを待ちましょう。出てくるまでの間、じっとケージの中を見るとハムスターは警戒してしまうため、遠目に静かに見守るようにしてください。
お迎えしてから3日〜1週間
声かけをしながら、ケージ越しに餌をあげたり、おもちゃを動かしたりして、ハムスターとコミュニケーションをとりましょう。ハムスターが餌やおもちゃに興味を示し始めたら、少しずつ手を近づけてみてください。
いきなりケージに手を入れて無理に触ろうとするとハムスターは警戒し、飼い主様に噛みついてしまうこともあります。そのため、いきなり触らないようにして飼い主様がいることを気づかせ、慣れてもらうまでじっと待ちましょう。
また、お迎えしたばかりのハムスターはトイレの位置を覚えておらず、ケージ内のあちこちで排尿します。そのため、汚れている部分があればこまめに掃除してあげるようにしてください。
お迎えしてから1〜3週間
ハムスターが餌やおもちゃに興味を示し、手を近づけても逃げなくなったら、撫でたり、手のひらに乗せたりしてみましょう。手を噛まれても怒らず、優しくすることが大切です。
また、お迎えから1週間経ったらケージを掃除してあげましょう。ハムスターが落ち着いていない応対であれば、飼い始めから2週間後でも問題ありません。
ケージを掃除するには、ハムスターを安全な場所で待機させておく必要があります。最初は手に乗ってくれることは少ないですが、おやつで気を引いて他の場所に移しましょう。
ハムスターがなりやすい病気
ハムスターは犬や猫と比べても専門性が高い動物であるため、診察してくれる動物病院が少ない傾向にあります。そのため、事前にハムスターがかかりやすい病気を確認しておきましょう。
皮膚病
ハムスターの毛が抜けていたり、体を痒がっていたりする際は、皮膚病の可能性があります。ハムスターが皮膚病にかかると、脱毛やかゆみ、赤い湿疹やフケ、かさぶたなどの症状が現れます。
飼育環境が不衛生だったり、細菌に感染したりダニが寄生したりすることで皮膚病を発症します。皮膚病は人間に感染することもあるため、皮膚病だからといって甘くみずに動物病院に連れて行ってあげてください。
結膜炎
ハムスターの目に、目やにや涙が大量に出ている場合は、結膜炎の可能性が考えられます。結膜やまぶたが赤く腫れあがり、目が開けられないこともあるため、動物病院で薬を処方してもらうようにしましょう。
結膜炎の原因の多くは、細菌が侵入したり、アレルギー反応が起こっていたりする可能性が考えられます。
結膜炎の治療方法は、抗生剤や抗炎症剤などの薬を点眼するか、飲み薬としてハムスターに服用させることで症状が緩和します。
不正咬合
ハムスターは、前歯が伸びすぎてかみ合わせが悪くなることにより引き起こされる病気です。ハムスターは前歯が伸び続ける動物であるため、不正咬合になりやすい傾向にあります。
不正咬合の症状は、伸びた歯により口の中を傷つけて痛みや違和感などにより食欲が低下することです。
不正咬合は薬で治療できないため、定期的に歯科用のカッターで歯を切ることで対処します。歯を切る治療は無麻酔でできるため、ハムスターにとっても負担が少ないでしょう。
腫瘍
ハムスターは、腫瘍ができやすい動物です。ハムスターに腫瘍が多い原因ははっきりわかっていませんが、高齢になると腫瘍が発生しやすい傾向にあります。
ゴールデンハムスターよりもジャンガリアンハムスターに多く発生するため、遺伝的な要因があるともいわれています。
腫瘍は初期段階で症状を感じることはできません。しかし、腫瘍が大きくなってくると元気がなくなったり、食欲が低下したりすることがあるため、早めに動物病院へ連れて行くことが重要です。
ハムスターの飼い方の注意点
ハムスターは生き物を飼ったことがない方でも家族に迎えやすい動物です。しかし、一緒に暮らすためには気をつけておくべきポイントが5つあります。以下では、ハムスターを飼う際の注意点について解説します。
多頭飼いは避ける
ハムスターの多頭飼育は避けましょう。ハムスターのなかでも飼育しやすいゴールデンハムスターは縄張り意識が強く警戒心も強いため、同じケージで飼育すると激しく喧嘩する可能性があります。
相手を傷つけて血が出てしまうほど争う可能性があるため、複数匹飼いたい場合は分けて飼育することをおすすめします。
適切な室温を保つ
ハムスターを飼育する際は、22度程度の室温を保ち、直射日光やエアコンの風がケージに当たらないようにしましょう。夏場は熱中症になる可能性があるため、エアコンや冷たいマットを使用してください。冬は暖房とペットヒーターを併用して体を温めてあげましょう。
ハムスターは冬場に10度以下の寒さになると冬眠や疑似冬眠をしてしまい、うまく目覚められず命を落とす可能性があります。そのため、季節ごとに適切な温度に保つようにしましょう。
頻繁に触らない
ハムスターをケージに入れて飼育する際は、頻繁にハムスターに触らないようにしましょう。頻繁に人間に見られたり、触られたりするとハムスターはストレスを抱えてしまいます。
ハムスターがケージや飼い主様に慣れてきたら、優しく声をかけて餌を与えてみましょう。ハムスターとの信頼関係を築ければ、スキンシップも取れるようになります。
脱走対策をする
ハムスターは脱走することもあるため、事前に対策しておきましょう。脱走して行方不明になってしまうと、捕獲するのが困難です。姿が見えなくなり、自宅の何処かでなくなっていたという事例もあるため、脱走しないように対策しましょう。
ケージがしっかり閉まっているか、劣化して隙間がないか、勝手に開かないかなどをよく確認して、ケージをクリップなどで留めておくもの効果的です。
与えてはいけない食べ物を理解する
ハムスターに与えてはいけない食べ物を事前に確認しておきましょう。
ハムスターにあげても大丈夫だろうと考えて、与えてはいけない食べ物をあげると命に関わる可能性があるため注意が必要です。与えてはいけない食べ物は以下のとおりです。
- たまねぎ
- チョコレート
- アボカド
- どんぐり
- ニラ
- にんにく
- たまご など
ハムスターには、基本的にペレットを与えるようにしましょう。果物やヒマワリの種は、糖分やカロリーが多いため食事代わりに与えるのは避けてください。
飼い方を学び、責任を持ってハムスターをお迎えしよう
ハムスターは、比較的飼いやすいペットとして人気があります。しかし、ハムスターも生き物であり、飼育には適切な環境が必要です。そのため、飼うために必要なことをしっかりと確認しておきましょう。
また、ハムスターは寿命が短いため、お迎えの際には葬儀についても考えておくとよいでしょう。
COCOペットでは、ハムスターの葬儀に関するご相談を24時間365日受け付けています。24時間365日お問い合わせを受け付けているので、お気軽にご連絡ください。