「愛犬が一緒に寝たがるけど、寝てもいいのか?」と悩んでいる方もいらっしゃるのでしょう。
ペットの犬が飼い主様と寝たがっている姿は非常に愛おしく、一緒に寝たくなりますよね。しかし、愛犬と一緒に寝ることでデメリットも生じるため、注意が必要です。
一緒に寝るときは、必ず注意点やデメリットを把握して行いましょう。本記事ではペットの犬と一緒に寝る時の注意点やデメリットについて解説いたします。犬を飼育している方の参考になれば幸いです。
目次
愛犬と一緒に寝ても問題ない
愛犬と飼い主様が一緒に寝ることは、とくに問題ないとされています。なかには、一緒に寝た方が愛犬の安心につながるなどのメリットがあるのも事実です。
一緒に寝ることで、飼い主様と愛犬とのかけがえのない時間を過ごせます。さらに、近い距離でずっと一緒にいるため、愛犬の体調不良などの異変に気付きやすいのもメリットです。
しかし、愛犬と一緒に寝るとノミやダニなどのデメリットもあるため、注意が必要です。十分に注意すればリスクを最小限に抑えられますが、デメリットがあることは必ず把握しておきましょう。
愛犬が一緒に寝たがる理由
愛犬が飼い主様と一緒に寝たがるのには理由があります。以下では、主な理由について3つご紹介します。
ご自身の愛犬はどれに当てはまるのか考えてみてください。
飼い主様の横は安心するから
ペットの犬が一緒に寝たがる最大の理由は、「安心感」です。犬は祖先のオオカミと同様に、外敵を警戒しているため眠りが浅いです。飼い主様と一緒にいて安心したいのでしょう。
飼い主様の匂いが染み付いた布団を好む犬は珍しくありません。犬の嗅覚は人間の数倍以上もあり、飼い主様の匂いを好んでいる犬にとっては居心地のいい場所です。
また、飼い主様の吐息や心臓の音、暖かい体温が心地よく、母犬のお腹の中にいる気分を感じています。同居犬が一緒にくっついて寝るのも同じ理由です。
野生の頃の習性
野生の頃の習性により一緒に寝たがる場合もあります。犬は本来群れで行動する動物です。
とくに寝る時は無防備な状態であるため、信頼している仲間と寝ていました。上記のような習性から飼い主様と一緒に寝たがる犬もいます。飼い主様を仲間や家族として信頼している証です。
ベッドが気持ち良いため
単純に飼い主様のベッドが気持ちよくて、何度も一緒に寝ようとする犬もいます。飼い主様の柔らかい布団の良さを一度覚えてしまうと、やみつきになりやすいです。
飼い主様が不在の時にも布団にいる場合は、布団自体を気に入っているのでしょう。
犬が寝る場所でわかる心理
愛犬と一緒と一緒に寝ているという場合、どの位置で眠っているかにより愛犬の心理がわかるといわれています。以下では、犬が寝る場所で読み取れる心理について解説します。
足元
愛犬が飼い主様の足元で眠っている場合、自分は飼い主様よりも下であると認識しているといわれています。
つまり、飼い主様をリーダーとして信頼しているということです。また、飼い主様に背中を向けて寝ている場合も、飼い主様を信頼しているという証でしょう。
背中は死角になることから、野生のときには仲間同士で背中をくっつけて、眠っている間に背中に襲いかかる危険を防いでいました。
そのため、飼い主様の足元で背中を向けている場合、飼い主様と一緒にいることに満足しており、安心感を得ていることがわかります。
お腹や胸
飼い主様のお腹や胸のあたりで眠っている場合は、自分の仲間として飼い主様を認識している可能性があります。
リーダーとまで感じていない可能性もありますが、どちらにせよ飼い主様を信頼していることがわかります。お腹や胸元を定位置に眠っている場合、愛犬にとって一番落ち着く場所といえるでしょう。
また、胸元の場合、普段から抱っこされている犬の場合、周囲から身を守れる安全な場所として認識している可能性も考えられます。
顔の近く
愛犬が飼い主様の顔の近くで眠っている場合、飼い主様よりも立場が上であると認識しているかもしれません。普段のしつけで飼い主様の言うことをしっかり聞いている場合は、とくに問題ありません。
しかし、言うことを聞かない場合はしつけを見直して徹底する必要があるでしょう。また、顔の近くで眠っている理由として、飼い主様のそばにいたいだけであったり、眠るスペースが顔の近くしかなかったりする可能性もあります。
そのため、過度に心配する必要はないでしょう。
飼い主様から離れた場所
飼い主様から離れた場所で眠っているからといって、飼い主様を信頼していないというわけではありません。
飼い主様を信頼しているから少し離れて寝ても問題ないと感じているのです。飼い主様は、近くで寝てくれないと悲しい気持ちになるかもしれませんが、信頼している証拠であるためとくに心配ありません。
愛犬と一緒に寝るメリット
愛犬と一緒に寝ることは犬にとっても飼い主様にとってもメリットがあります。以下では、愛犬と一緒に寝るメリットについて解説します。
癒やされる
愛犬と一緒に寝ると飼い主様も癒やされるでしょう。愛犬が安心している寝顔を見ながら、ふわふわな毛並みをなでて一緒に眠ることは、飼い主様にとっても幸せな時間です。
日常のなかで蓄積されているストレスも自然と癒やされて、愛犬との信頼関係や愛情が増すでしょう。
愛犬が落ち着いて眠れる
飼い主様と一緒に寝ると、愛犬も落ち着いて眠れるでしょう。警戒心が強い愛犬の場合、飼い主様と一緒に眠ることは安心感を得るための方法の一つです。
警戒心が強いと熟睡することができないこともありますが、飼い主様の近くであれば警戒心が強い犬でも安心して深い眠りにつけます。飼い主様と触れ合いながら眠ると、守ってもらえるという安心感が得られるはずです。
深夜でも愛犬の異常に気付ける
犬と一緒に眠ると、深夜であっても愛犬の異変に気づけます。急病や重大な異変があったとしても、すぐに気づけて対処してあげられます。
とくにペットが高齢で体調が心配な場合や、病気が回復したばかりという場合は飼い主様も愛犬のことが心配でしょう。上記のような場合は一緒に眠るだけでも、お互いに心配を取り除けます。
愛犬と一緒に寝るデメリット
一緒に寝たがる愛犬は可愛らしく、添い寝している時間は幸せを感じます。しかし、愛犬と一緒に寝るとデメリットもあります。
愛犬と一緒に寝たい方は、デメリットを把握したうえで判断しましょう。
アレルギーや感染症のリスクがある
犬と一緒に寝ると布団に抜け毛や汚れが付着して、ノミやダニなどによるアレルギーが発症しやすくなります。さらに、感染症の中には「人獣共通感染症」と呼ばれる、動物も人間も発症する感染症があります。
一緒に寝ることで、飼い主様とペットの犬との間で感染症が移るリスクが高まるでしょう。とくに、どちらかが体調不良で免疫力が下がっているときは注意が必要です。一緒に寝るときは衛生面に気をつけながら、体調管理を徹底しましょう。
怪我につながる
一緒に寝ることで愛犬を蹴飛ばすリスクや、ベッドから落としてしまう危険性があります。
寝相が悪い飼い主様はとくに注意が必要です。小型犬や生まれて間もない子犬の場合は、少しの衝撃で関節を痛め、骨折のリスクがあります。
ベッドへの昇り降りも体に大きな負担をかけるため、注意が必要です。また、飼い主様が寝返りをうったときに、愛犬を怪我させたり、圧迫させたりする可能性も考えられます。
ペットと一緒に眠る場合は、怪我をさせないためにも低くて広いベッドがおすすめです。狭いベッドで無理やり一緒に眠ると怪我をさせるリスクが高まるため、安全な環境で一緒に眠るようにしましょう。
しつけに悪影響
一緒に寝ることで犬は飼い主様を同等の立場であると錯覚し、しつけに悪影響が出ます。野生の犬は、リーダーと離れた場所で寝る習性があります。
同じ場所で一緒に寝るのは同じ立場の仲間同士であるため、一緒に寝ることで飼い主様との上下関係が崩れやすいです。
上下関係が崩れると、飼い主様の指示を聞かなくなり、わがままな犬になる可能性も考えられます。粗相や問題行動を誘発する恐れがあるため、頻繁な添い寝は避けるべきとの意見もあります。
愛犬と一緒に寝る時の注意点
前述したとおり、ペットの犬と一緒に寝ることには、デメリットやリスクがあります。デメリットを最小限に抑えるために、事前に注意点を把握しておきましょう。
落下防止対策をする
愛犬の怪我を防ぐために、ベッドから落ちないような対策をしましょう。具体的な対策は以下のとおりです。
- 高さの低いベッドに交換する
- ベッドの周りに柵を取り付ける
- ベッドに昇るための階段を取り付ける
ベッドの昇り降りは関節に負担をかけ、ベッドからの落下は骨折などのリスクにつながります。愛犬を怪我させないためにも、できる限りの対策が必要不可欠です。
しっかりとしつける
一緒に寝る場合は、しつけを徹底する必要があります。愛犬との上下関係が崩れるのを防ぐために、明確なルールを課しましょう。
たとえば、以下のようなルールを設けると良いでしょう。
- 飼い主様が不在の時は布団に入らない
- 飼い主様が布団を出たら一緒に出る
- 布団の決まった場所で寝る
上下関係が曖昧になりやすいときでも、ルールがあることで犬は飼い主様に服従します。
ノミやダニの対策をする
飼い主様の健康を守るためにも、ノミやダニの対策は必須です。対策せずに一緒に寝るとノミやダニがシーツに付着して、飼い主様やご家族に広がる恐れがあります。
犬と一緒に寝る場合最低でも、1週間に1回はシーツを洗濯するよう徹底しましょう。また、ノミやダニ対策用のシャンプーや薬剤を使用することも有効です。
愛犬を清潔に保つためにも散歩の後は足を拭いて、定期的にグルーミングするなど、汚れをよく落としてあげてください。かかりつけの獣医と相談し、ノミ・ダニ予防薬を使用するのも手段の一つです。
愛犬と一緒に寝るのをやめる方法
愛犬に怪我をさせないためにも、愛犬と一緒に寝るのをやめようと検討している方もいらっしゃるでしょう。愛犬と一緒に寝るのをやめるためには、3つのポイントがあります。
以下では、愛犬と一緒に寝るのをやめる方法について解説します。
犬の寝床を整える
犬と一緒に寝るのをやめるためには、新しい寝床を整えてあげましょう。愛犬のベッドを選ぶ際は、柔らかすぎずしっかりと身体を支えられる素材を選んでください。
また、ベッドをどこに設置するかも重要です。家族が多くの時間を過ごすリビングや静かな寝室など、愛犬が安心できる場所に設置してあげるといいでしょう。
最初は、一匹で新しい寝床を利用して眠るのは難しいかもしれません。しかし、定期的にベッドを設置している場所で時間を過ごしてあげると、寝床に安心感を覚えて心地よく眠れるようになるでしょう。
新しい寝床を整える場合は、ベッドを設置する場所とベッドの素材、寝床でのスキンシップを行うと愛犬も熟睡できるようになります。
クレートトレーニングを行う
クレートトレーニングとは、犬が狭く囲まれているクレートでも静かにリラックスできるように過ごすトレーニングです。犬にとってクレートは安心できる自分だけの場所となります。
クレートトレーニングを行うことにより、飼い主様が留守の間でも安心して過ごせるようになるでしょう。クレートトレーニングを行う際は、クレートを安心できる場所であると認識してもらうことが重要です。
クレート内に愛犬のお気に入りのおもちゃや好物を置き、クレートのなかにいることで起こる楽しい経験を覚えさせるようにしましょう。クレートトレーニングを行うことにより、愛犬は一人の時間でも安心して過ごすことができます。
犬と一緒に寝ない時間を作る
いつも一緒に寝ていた場合、突然一人で寝かせてしまうと愛犬にストレスを与えてしまいます。愛犬を不安に感じさせないためにも、引き離す時間を徐々に伸ばしていくことが重要です。
ケージやクレートトレーニングのときと同じように、一緒に眠らない時間を毎日少しずつ増やしていくと、飼い主様と眠らないことに慣れていきます。
また、子犬が一人で眠るのを不安がっているときは、飼い主様の匂いがついているものを近くにおいてあげるといいでしょう。飼い主様の匂いにより安心して眠れるようになるはずです。
愛犬と一緒に寝る時は注意が必要
今回は犬と一緒に寝る時のデメリットや注意点について解説しました。犬が一緒に寝たがるのには理由があり、主に安心感や野生の頃の習性が起因しています。
しかし、愛犬と一緒に寝ることにはデメリットもあるため、注意点を把握したうえで行うべきです。とくにノミやダニによるアレルギーや感染症、怪我などには十分注意してください。
また、こうして多くの飼い主様が家族のように大切に思っている犬たちも、いつか別れの時が訪れてしまいます。悔いなくお別れするためには、生前の元気なうちから終活や葬儀について考えみてはいかがでしょうか。