ペットとして猫を飼っている方の中には、「愛猫を幸せにしてあげたい」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし具体的にどうすれば良いのかわからないという方も多いと思います。
本記事では、猫が幸せに暮らすために飼い主が心がけるべきことを紹介します。飼っている猫を幸せにしたいと思っている方はぜひ参考にしてください。
目次
猫を幸せにしたい飼い主様が心がけるポイント10選
以下では、猫と幸せに暮らすために飼い主様が心がけるべきことをまとめました。猫を飼っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
猫について知識を身につける
猫が幸せに暮らすためには、飼い主様自身が猫についての知識を身につけることが重要です。もちろん、ペットが家族の一員であることに変わりはないですが、猫と一緒に暮らすということは、別の生き物と生活を共に過ごすということです。
生活リズムや食べ物など、人間と違うことが猫には多々あります。そのため飼い主様は猫について、特に飼うときの注意点を知識として身につける必要があります。
特に病気について、猫は、泌尿器系の病気にかかりやすいため、普段から尿の色や量、ニオイに異常がないか観察しておくことが大切です。
初めて猫を飼う方は分からないことだらけで大変だと思いますが、飼い猫の幸せを考えて正しい知識を身につけることが重要です。
猫と毎日接する時間を作る
猫と毎日コミュニケーションをとることはとても大切です。1日10分ほどでかまわないため、猫と接する時間を作りましょう。
その際、優しく声をかけたり、撫でたりしてあげるのがポイントです。猫が悪さをして叱りたいときも、決して叩いたり大きな声を出したりしないことを心がけましょう。
多くの猫は耳の後ろやあごの下、鼻の両脇を撫でられるのが好きです。撫でながら優しく話しかけてあげましょう。ただし、かまいすぎると嫌がられるため注意してください。
栄養バランスの取れた食事を与える
毎日、栄養バランスの取れた食事を与えましょう。また、栄養バランスだけでなく適切な分量の食事を与えることも大切です。
適量でなかったり栄養バランスが偏ったりしていると、肥満や病気の原因につながることがあります。猫の年齢に合ったキャットフードを買うと良いでしょう。
ペットショップではたくさんの種類のキャットフードが販売されていますが、なんのキャットフードを与えれば良いかわからない場合は、かかりつけの獣医師に聞くのがおすすめです。
猫の健康におすすめの食品や食事のポイントについては、以下の記事で紹介しています。
関連記事:【獣医師が解説】猫の健康によい食品とは?必要な栄養や食事のポイント
清潔な水を与える
猫には、軟水でミネラルの成分が少ない水を与えましょう。日本の水道水は軟水が多いと言われていますが、環境により硬水である可能性も考えられます。
ミネラルバランスが水分により崩れ、腎臓病の原因となってしまうことがあるため、水道水をあげる際も注意してください。
猫が一度でも口をつけた水は、細菌が繁殖しやすいと言われています。そのため、こまめに水を取り替えてあげましょう。少なくても1日に1回は新鮮な水に替えてあげることが大切です。
また、水温にも注意して水を与えてください。冷えた水は、猫がお腹を壊してしまう恐れがあるため、できるだけ常温のものを与えましょう。
室内でも適度に運動できる環境を整える
猫が家の中にいても運動できる環境を作ってあげましょう。
もともと猫は狩りをする生き物のため、運動をすることが好きです。しかし外で運動することは病気や事故の心配があります。猫が安全に暮らしていくためにも、室内に運動できる環境を整えてあげましょう。
たとえば、猫が上下運動をするためにキャットタワーの設置がおすすめです。ストレス発散や肥満防止が期待できます。キャットタワーを置く場所がない場合は、本棚やタンスなどの家具の配置で運動できる環境を作ってあげても問題ありません。
猫が眠れるスペースを作る
生活環境に大きく左右されますが、猫は平均で15~16時間ほど眠ると言われています。子猫の場合、20時間以上眠る猫もいます。
飼い主様のライフスタイルに合わせて日中活動する猫もいますが、基本的に猫は夜行性です。飼い主様と生活リズムが合わない場合、寝る場所を変えてみても良いでしょう。
また、猫のベッド選びも重要です。ほとんどの猫は、体全体がすっぽり入る大きさのベッドを好むため、寝床選びの参考にしてみてください。
段ボールを好む猫も多いため、わざわざ高級なベッドを購入する必要はありません。気に入っている箱に、清潔なタオルを敷いてあげましょう。猫はきれい好きであるため、こまめにタオルを替えてあげる必要があります。
ベッドは、飼い猫が気に入っている場所に設置してあげましょう。猫は、1日の大半を寝て過ごすため、快適な睡眠環境を整えてあげることが大切です。
トイレはこまめに掃除して清潔にしておく
猫が使用するトイレはこまめに掃除してあげましょう。猫はもともときれい好きな動物です。そのため自分が使うトイレが汚れていると、ストレスを感じてしまいます。
トイレの砂は最低でも2週間に1度の頻度で交換し、掃除は毎日行います。トイレが汚い、または気に入らない場合は、ほかの場所で粗相をしてしまうこともあります。
もしトイレ掃除がこまめにできない場合は、トイレを複数用意してあげたり自動トイレを設置してあげたりするのがおすすめです。
猫にとって安心できる場所を用意する
猫にとって安心できるスペースを用意してあげましょう。
猫は、家に誰かが遊びに来たり雷が鳴ったりしたときなどに恐怖を感じることがあります。その際、どこか隠れられる、または落ち着ける場所があると猫は安心して暮らせるでしょう。
猫により気に入る場所は違いますが、キャットタワーや家具の上、周りが囲まれた狭いスペースなどが候補として挙げられます。
事前に猫が安心できる場所を知っておけば、もし猫の姿が見えなくても飼い主も安心して暮らせます。お互いが安心するためにも猫にとって安心できるスペース作りは大切です。
日々猫の健康に気にかける
日々猫の体調を気にかけてあげましょう。
突然体重が減少したり、攻撃的になったり、脚を引きずったりなど少しでも異変を感じたらすぐに動物病院に連れていってあげることが大切です。
ワクチン接種を受けたり、病気にかかった際に動物病院で適切な処置を受けたりすることも、猫にとっての幸せにつながります。健康維持のためにも少なくとも年に2回は動物病院で健康診断を受けるのがおすすめです。
最期まで愛情と責任を持って飼う
猫が最期を迎えるまで愛情と責任を持ってお世話してあげましょう。猫を幸せにするためには飼い主の愛情が必要不可欠です。毎日たくさんの愛情を注いであげましょう。
また、もし猫が病気になったときに看病ができるのか、飼い主が病気になり面倒を見てあげられなくなったとき、代わりに面倒を見てくれる人はいるのかどうかについて、あらかじめ考えておくことも大切です。
考えたくはないかもしれませんが、いつか猫が最期を迎えたとき、どうやって送り出してあげるのが猫にとって幸せなのかを考えても良いかもしれません。亡くなってから十分な時間がないなかで急いで決めてしまうと、後悔する可能性があります。
猫を飼うことは新しく家族の一員として迎えることです。最期まで責任と愛情をもってお世話してあげましょう。
猫と幸せに暮らすために注意するべきポイント
猫と幸せに暮らすためには、猫の習性や生態を理解し、適切な環境を整えることが重要です。以下では、猫と暮らす際に気をつけておくべき注意点について説明します。
猫を飼うのは2匹以内にする
猫は本来、単独で行動することを好む生き物であるため、飼い主様が外出しているときに寂しく感じることはあまりないでしょう。そのため、ひとりの時間を苦に感じないため、心配しなくても問題ないです。
反対に、多頭飼いをして、猫同士の相性が悪かった場合ケンカに発展してしまう恐れがあります。相性が悪い猫同士を飼ってしまった場合、後から仲良くなる可能性はほとんどありません。
ケンカにより家の中が荒らされたり、物を壊されたりといったケースも少なくないです。相性の悪い猫が、お互い同じ空間に居続けることによりストレスを抱えたまま生活することになってしまいます。ケンカによる怪我が絶えなくなってしまうかもしれません。
本来単独での行動をしたい生き物であるため、猫を飼うのは多くても2匹までにし、新しいペットを迎える場合慎重に検討する必要があります。
猫の爪とぎを叱らない
猫が壁や家具などをひっかく理由は、主に以下が挙げられます。
- 爪を鋭くするため
- ストレス発散のため
- 縄張りのアピールをするため
- 飼い主様にかまってほしいため
猫は、爪で自分の身を守ったり、狩りをしたりして過ごすため、爪を鋭く保っていることに重要な意味がありました。
また、猫にとって都合の悪いことが起こるとストレスを感じ、爪とぎを行う場合があります。「転位行動」と言われ、猫が気分を落ち着かせるために行う、本来の目的とは関係のない行動を指します。
また、壁をひっかくことで、猫のニオイを残し自分の縄張りをアピールするためにも爪とぎは行われます。猫が必死に背伸びをして高いところをひっかこうとするのは、縄張りのためです。
飼い主様の目の前で猫がひっかき始めたら、かまってほしいというアピールかもしれません。過去に爪とぎで注目してもらった経験があれば、覚えていてかまってほしいタイミングにひっかいている可能性があります。
飼い主様は、猫が爪とぎをしていても叱らないことが重要です。猫は賢い生き物ですが、叱られたことを理解できません。「かまってくれた!」と認識して余計に爪とぎを行い、逆効果になってしまうこともあります。
しかし、壁や家具をひっかかれてしまうのは飼い主様が困ってしまいます。爪とぎ用のボードを設置したり、こまめに爪を切ってあげたりして対策をしましょう。
猫は本能で爪とぎを行っているため、やめさせることは不可能です。飼い猫の爪とぎを認め、対策をして過ごしましょう。
できるだけ背を向けた状態にしない
猫は、警戒心がとても強い生き物です。背中を向けていると背後から襲われる可能性があると考えているため、一般的に背後を取られない姿勢で過ごします。
飼い主様との信頼関係を築いていけば、安心して自ら背を向けることもありますが、嫌がることの方が多いでしょう。
猫と一緒に過ごすときは、できるだけ正面を向いて接してあげてください。また、ご飯をあげるときは、背後を壁にしてエサを置いてあげると良いでしょう。猫が飼い主様を怖がることなく生活する工夫をして、ストレスなく過ごさせてあげられます。
着替えをむやみに行わない
猫が洋服を着たり、帽子を被ったりしている姿はとても可愛らしいですが、大半の猫は服を着せると嫌がります。グルーミングができなくなったり、行動が制限されてストレスを感じたりするためです。
可愛いからという理由だけでむやみに着替えさせることは避けた方が良いでしょう。
しかし、防寒対策や抜け毛対策などで、服を着せた方が良い場合もあります。ゆっくり着替えさせてあげたり、着替えさせた後ご褒美のおやつをあげたりして、慣れさせてあげることが重要です。
素材やサイズにも配慮して洋服を選んであげましょう。
猫の脱走に気を付ける
猫は脱走しやすい生き物です。半数近くの飼い主様が猫の脱走を経験したと言われています。脱走しやすい場所は、以下が挙げられます。
- 玄関
- ベランダ
- 引き戸
- 空いていた窓
猫は体がやわらかいため、ほんの少しのすき間からの脱走が可能です。しかし、脱走してしまったら交通事故や思わぬ怪我に繋がりかねません。猫が脱走しないための対策が必要です。
玄関に柵を設置したり、ネットを張ったりして飼い猫が勝手に外に出ない対策を行いましょう。
ストレスを与えない
できるだけ猫のストレスに気を付けましょう。
猫は縄張り意識が強く、環境の変化にとても敏感です。引越しや部屋の模様替え、いつも使っていたものを突然別のものに変えるなどにより、ストレスを感じてしまうことがあります。
また、環境の変化だけでなく、音や匂いにもとても敏感です。特に高い音に敏感なため注意しましょう。さらに柔軟剤や芳香剤の匂いも猫にとっては不快に感じてしまう場合もあります。ストレスが原因で体調を崩すこともあるため気をつけてあげてください。
猫と暮らすと飼い主様も幸せになれる
猫好きの方にとって、猫と暮らすことは癒しをもたらします。愛らしい姿、や食事や遊びに夢中になる姿は、心を穏やかにします。
柔らかな毛並みを撫でる感覚は、言葉では言い表せないほど心地よく、日々の疲れやストレスを吹き飛ばしてくれるでしょう。
飼い主様にとって、猫はかけがえのない存在となります。寂しさを感じた時に寄り添い、心を癒してくれるパートナーであり、帰宅時には喜びでお出迎えしてくれる家族です。
猫は人間の言葉で話せませんが、存在は愛情と癒しを与えてくれます。猫と暮らすことで、心豊かで幸せな生活を送ることができるでしょう。
猫が幸せに暮らすために愛情持って接しましょう
本記事では、ペットの猫が幸せに暮らすために飼い主がすべきことを紹介しました。猫を幸せにしてあげるためには、ストレスを与えない、毎日コミュニケーションを取ってあげる、室内に運動できる環境を作るなどたくさんの方法があります。
猫を飼うことは新しい家族を迎えることです。猫が最期を迎えるまで、たくさんの愛情を注いで責任を持ってお世話してあげましょう。
大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいのは全ての飼い主様の願いだと思いますが、いつか必ずお別れの時がやってきます。
いざという時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごせます。
また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、後々のペットロスの緩和にも繋がります。COCOペットでは、生前の終活についてのご相談も承っております。些細なご質問でも、お気軽にご相談ください。