「動物園や水族館で人気のカワウソは、どんな生き物なのだろう」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

カワウソは、可愛らしい見た目ですが、その生態系はあまり知られていません。

本記事では、カワウソの生態について徹底解説します。愛らしいカワウソについての知識を深めていきましょう。

カワウソの生態

カワウソの生態

水の中で暮らすカワウソですが、種類により生態は異なります。以下ではカワウソの生態について種類別に解説します。

カワウソの種類

日本をはじめ、カワウソは世界に13種類います。サイズもさまざまで、小さいカワウソから大きなカワウソまでいます。

13種類のカワウソは、以下の属性に分かれます。

種類名称
ツメナシカワウソ属コツメカワウソ
ツメナシカワウソ
ザイールカワウソ
カワウソ属オナガカワウソ
カナダカワウソ
チリカワウソ
スマトラカワウソ
ニホンカワウソ
ビロードカワウソ
ノドブチカワウソ
ユーラシアカワウソ
オオカワウソ属オオカワウソ

カワウソの生息地

種類別にカワウソの生息地を種類別に解説します。

種類生息地
コツメカワウソアジア(インド南部・中国南部・マレー半島などさまざま)
ツメナシカワウソアフリカ南部
ザイールカワウソアフリカ中西部
ニホンカワウソ日本
オナガカワウソメキシコ・アルゼンチン
ユーラシアカワウソユーラシア大陸・北アフリカ
ノドブチカワウソアフリカ大陸
ビロードカワウソ東南アジア・中東
チリカワウソチリ・アルゼンチン南部
スマトラカワウソ東南アジア(インドネシア・タイなど)
カナダカワウソカナダ・アメリカ
オオカワウソ  南アメリカ大陸

カワウソの生活

カワウソは肉食動物であるため、どの種類のカワウソも魚介類や甲殻類などを食べています。しかし、生息する場所により昆虫や鳥などをエサとするカワウソもいます。

1日の食事量は体重の1割程度。成獣のオスであれば1.5kg、メスであれば1.0kgです。さらに、長い距離を泳ぐため消費カロリーが多く、腸管も短いため、体の割にたくさんの食事を必要とします。

そして、カワウソは狩り場・寝床・休憩場がそれぞれ決まっています。また、単独で行動するカワウソもいれば仲間と共に行動するカワウソもいます。

種類行動パターン
コツメカワウソ仲間とともに行動
ツメナシカワウソ単独行動
ニホンカワウソ単独行動
オナガカワウソ単独行動
ユーラシアカワウソ単独行動(まれに仲間と行動)
ノドブチカワウソ単独行動
ビロードカワウソ仲間とともに行動
スマトラカワウソ仲間とともに行動
カナダカワウソ単独行動
オオカワウソ仲間とともに行動

カワウソの体型

顔が平べったくヒゲがあり、ひょろっとした胴体をしています。そして、胴体と同じくらいの大きな尻尾があります。

また、寒い地域でも耐えられるよう二重構造の被毛に覆われています。

手足

手足には、水かきが付いています。水かきがあることで、水の中でも上手く泳ぐことができるのです。

手足の裏は非常に敏感で、触ることでものを見分けられます。

そして、カワウソは非常に器用で、掴んだり持ち上げたりできます。器用さは陸だけでなく、水の中でも大活躍します。

体重

種類により異なり、カワウソの中で一番小さいコツメカワウソであれば2kg、一番大きなオオカワウソであれば35kgも体重があります。

カワウソの生態上かかりやすい病気

カワウソの生態上かかりやすい病気

カワウソは、特殊な生態ゆえに、かかりやすい病気もあります。以下では、カワウソがかかりやすい病気について解説します。

寄生虫

はじめに挙げられるのが、寄生虫による病気です。

カワウソが食べる魚介類には、寄生虫が付着していることがあり、そのまま魚を食べることで、寄生虫の病気にかかる危険性があります。

特にトキソプラズマ症は、命に関わる病気です。ペットのカワウソに魚を与える場合は、寄生虫対策をしっかり行いましょう。

感染症

魚介類を食べることで感染症にかかるケースも報告されています。イタチ科の動物がかかりやすいディステンパーや、狂犬病が主な例です。

感染病対策として、日本の動物園や水族館では、犬用のディステンパーワクチンをカワウソに注射しています。また、海外では狂犬病のワクチンも接種されているようです。

内臓疾患

カワウソは、内臓系の疾患にもかかりやすく、特に腎臓周りの疾患に注意が必要です。

例えば、腎結石や尿路結石にかかりやすいです。ペットとして飼育する場合、尿路結石対策のキャットフードを主なエサとして与えましょう。

カワウソは個体数が減っている

カワウソは、年々個体数が減っており、絶滅種や絶滅危惧種に指定されている種類もいます。

絶滅危惧種のカワウソ

カワウソは、乱獲や環境汚染の影響で個体数が減少しており、種類によっては絶滅危惧種に分類されます。

そのため、2019年にワシントン条約でカワウソの国際取引が禁止されました。日本でも、例外を除いてカワウソを新規に譲渡・販売することは禁止されています。

絶滅したカワウソ

すでに絶滅したカワウソも実際にいます。日本に生息していた、二ホンカワウソです。

二ホンカワウソは、北海道から九州まで、日本各地に生息していました。しかし次第に個体数が減少し、1979年を最後に見られなくなりました。環境省は、2012年に二ホンカワウソを絶滅種に指定しています。

日本ではコツメカワウソが人気

コツメカワウソが人気の理由

最後に日本でペットとして飼われているコツメカワウソが人気の理由を紹介します。

体が小さい

愛されるポイントとして、体が小さいことです。カワウソの中で一番小さく、その大きさは40〜65cm。その内、尻尾の長さは25〜35cmと、胴体と尻尾がほぼ同じ長さです。

愛らしい顔つき

平べったい顔に離れたクリっとした目。頭には丸く小さな耳がちょこんと付いている容姿に心奪われる人も多いでしょう。寝ている姿も愛おしいです。

ぷにぷにの肉球がある

コツメカワウソには、ぷにぷにの肉球が手足にあります。手足の裏の保護だけでなく、感覚機能としても使われている大事な部分です。

仕草が可愛い

両手で食べ物を持つ姿や、元気に楽しそうに遊ぶといった仕草は可愛いのひと言に尽きます。

カワウソの飼育方法

カワウソの飼育方法

カワウソをペットとして飼う場合、どのように飼育すれば良いのか気になる方もいらっしゃるでしょう。以下では、カワウソの飼育方法について解説します。

エサ

カワウソ専用のエサは販売されていないため、市販のキャットフードやフェレットフードを主なエサとして与えましょう。

魚や甲殻類などは、寄生虫対策をした上で、副食として与えてください。

水浴び

野生のカワウソは1日の大半を水辺で過ごしているため、水浴びを怠るとストレスの原因になります。

特別な事情がない限り、1日2回以上水浴びをさせましょう。

しつけ

カワウソは知能が高く、自分の行動で飼い主様がどのような対応をしたかを覚えられます。上下関係のためにも、しつけはきちんと行いましょう。

何度もしつけることで、トイレも覚えてくれますよ。

カワウソを飼育する際の注意点

カワウソをペットとして飼育する際は、以下の点に注意して飼育しましょう。

エサの寄生虫に注意する

カワウソに与える餌に寄生虫が含まれていないか注意しましょう。生の魚介類は1度冷凍することで寄生虫を死滅させ、安全に与えられます。

寄生虫が体内に寄生すると嘔吐や下痢などの体調不良を引き起こすため、注意が必要です。

飼育費用は予め確保しておく

カワウソは、食事量や水浴びにより、エサ代や水代が多くかかります。飼育費用が高額になるため、カワウソにかける費用をしっかり確保しておきましょう。

カワウソに噛まれないように注意する

カワウソは凶暴な性格で、甲殻類の殻を砕ける強靭な顎を持っているため、噛まれると大怪我につながります。

カワウソを不意に驚かせないよう注意し、噛み癖をつけないようにしましょう。

動物病院を見つけておく

カワウソを診療できる獣医師は少なく、近くの動物病院でカワウソを診てもらえないことがあります。

何かあってからでは遅いため、カワウソを迎える前に、カワウソを診てくれる動物病院を探しておきましょう。

知れば知るほどカワウソの虜に

本記事では、カワウソの種類や生態、飼育方法についてご紹介しました。元気で可愛いカワウソですが、ペットにする場合は、費用や危険性もきちんと考慮しましょう。

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