愛犬が自分や他の犬などに飛びついてしまって困るという飼い主様は少なくないでしょう。

子犬と生活している飼い主様の中には、飛びついてくる子犬は可愛いものの、このままで良いのか悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

結論からお伝えすると、子犬であっても犬の飛びつく行動は放置すべきではありません。

今回の記事では、なぜ犬が飛びつくのかについて解説し、飛びつきを放置してはいけない理由をお伝えします。また、飛びつきをやめさせる方法を具体的にご紹介します。

飛びついてくる犬はどんな気持ち?

そもそも犬はなぜ飛びついてくるのでしょうか。飛びつくという行動は犬の感情表現のひとつです。ここではシチュエーションによって異なる犬の気持ちを解説します。

嬉しくて喜んでいる

飼い主様の帰宅時に玄関まで来て飛びつく犬は多いでしょう。旅行などでしばらく犬と会えなかった時に再会した時も犬は飛びついてきますね。これらは大好きな飼い主様に会えて、嬉しくて興奮している気持ちが飛びつくという行動に出ているのです。

お散歩中に、顔見知りの人や犬に会ったときに尻尾を振って飛びつくような場合や、飼い主様との遊びの途中に飛びついてくるのも嬉しい気持ちの表れです。

構ってほしいと要求している

飼い主様の膝あたりをめがけて垂直にぴょんぴょん飛びついてくる時は、抱っこして欲しい、構って欲しいなどの要求をしている時です。飼い主様が持っている食べ物やおもちゃなどに向かって飛びつくのも、それが欲しくておねだりしている時でしょう。

これらは特に、普段から飛びつくことで要求を叶えてもらっている犬に、より多くみられる行動です。

自分のほうが強いと確認したい

他の犬に飛びつくのは、自分と相手の序列を確認している可能性もあります。遊びに誘う様子ではなく、後ろから飛びついて前足を相手にかけて押さえつけるような行動をする場合は、自分の立場が上であることを示したい気持ちの表れです。犬ではなく人や物に同様の行動を取る場合もあります。

反対に、恐怖心から飛びつくこともあります。見知らぬ人や犬、苦手なものが迫っている時、犬はその場から逃げ出したい気持ちになります。しかし、リードにつながれていたり、他にもなにか怖い存在があったりと、逃げ場がないと判断すると、攻撃や威嚇のために飛びつくことがあるのです。

本能を刺激されている

犬は動くものを追いかける本能を持っています。愛犬がなぜか車や自転車、走っている人など、動いているものに突然ぱっと飛びついてしまう、という経験をしたことのある飼い主様は多いでしょう。

動くものに飛びつくのは犬の本能であり、犬自身としても考えより先に体が動いている状態だと言えます。このような場合は、相手が何もしなければ犬も我に返って何事もなかったような顔をしています。

犬の飛びつきを放置してはいけない3つの理由

犬の飛びつきを放置してはいけない3つの理由

飼い主様にとっては、愛犬が自分に飛びついてくるのは可愛いものですね。特に子犬の飛びつきは愛らしいものです。しかし、子犬であっても飛びつきは放置してはいけません。ここではその理由を3つご紹介します。

飛びつくと相手に危害を与えてしまうため

子犬の頃に飛びつきを許し、習慣化すると、身体が大きくなってからも同じ感覚で飛びつく犬になってしまいます。犬の体格や相手の体格によっては、相手に怪我をさせてしまう恐れがあるでしょう。飼い主様自身が怪我をすることもありますし、他人や他の犬とのトラブルにもなりかねません。

特に、小さな子どもや高齢者に飛びついた場合や、愛犬よりも体の小さな犬に飛びつくと大きな問題に発展することがあります。体の小さな子犬の頃から飛びつきはやめさせる必要があるのです。

犬の足腰に負担がかかるため

犬の飛びつきは、相手だけでなく、犬自身の身体にも負担がかかるものです。本来4本足で歩く犬が後ろ足だけを使って飛びつくのは、脚や腰に大きな負担となります。

膝蓋骨脱臼、股関節脱臼、椎間板ヘルニアなど、様々な病気の原因となるため、愛犬自身のためにも飛びつきはやめさせましょう。

事故に巻き込まれる可能性があるため

上では動くものに飛びつくのは犬の本能であることをお伝えしました。しかし、これを放置すると車やバイクと接触する危険性があります。また、ランニングしている人などに本能的に飛びついてしまった時に、相手が驚いてとっさに蹴ってしまうなどの行動を取る場合もあります。

犬の安全のためには、できる限り動いているものに飛びつく本能も抑えるように行動してもらう必要があると言えます。

犬の飛びつきをやめさせるにはどうしたらいい?

犬の飛びつきをやめさせるにはどうしたらいい?

ここまで、犬の飛びつきはやめさせる方が良いということをお伝えしました。では具体的にどのようにやめされば良いのでしょう。できれば子犬のうちから飛びつかないように教えると良いですが、大人になっても根気よく接することでやめさせることは可能です。

無視する

嬉しさや構ってほしい気持ちからくる飛びつきの場合、飼い主が反応すると喜ばれていると思ってしまい、その行動を繰り返すように学習します。また、「ダメ!」などと叱る行動も、犬は構ってもらえたと受け取るため、逆効果です。

やめさせたい行動を犬がとった時、一番効果的なのは、犬が「その行動をとってもなにも起こらなかった。」と理解することです。犬が飛びついて来ても構わず、その場からそっと離れましょう。

「おすわり」「待て」で落ち着かせる

上では、犬が飛びついて来ても構わず、その場から離れて無視をするということをお伝えしました。しかし、そのままでは犬にとっては、大好きな飼い主様とのコミュニケーションが断たれただけになってしまいます。そこで、犬が落ち着くのを待って、「おすわり」「待て」などのコマンドを与えます。

上手にできたら、すぐに褒めておやつをあげたり遊んであげたりして、ご褒美をあげましょう。これを繰り返すと、犬は「飛びついても何も良いことは起こらない。

おすわりや待てをすると、おやつをもらえるし遊んでもらえる。」というように学習し、飛びつく代わりにおすわりや待てを自発的にするようになります。興奮した時もコマンドで犬が落ち着くようになります。

注意をそらす

知らない人や犬など、相手を怖がっている様子の場合、恐怖の対象から注意を反らすと良いでしょう。コマンドにしっかり従える犬の場合は、コマンドを与えましょう。そうでない場合もおやつなどで犬の注意を怖い相手からそらします。

もし、特定の人や犬が苦手な場合は、散歩コースを変えるなど、その相手と出会わないようにするのも有効な方法です。

犬の欲求を満たしてあげる

犬が欲求を伝えるために飛びつくのであれば、飛びつく前に犬の要求に気づいて満たしてあげるのも大切です。犬をよく見ていると、要求を伝える時は、飼い主様の目をじっと見てアイコンタクトをとってきたり、そっと前足をかけたりと小さな行動で伝えることも多いはずです。

それらの表現で伝わらないと、より注意をひくために飼い主様が反応しやすい飛びつきという行動を取ります。アイコンタクトの段階や、その犬特有の伝え方に気づき、飼い主様が犬の欲求を満たすことで犬は「飛びつかなくてもわかってもらえる。」と学習して飛びつく頻度が減るのです。これは犬が精神的にも安定した状態だと言えます。

犬の飛びつきをやめさせるしつけ方法

犬の飛びつきをやめさせようとしてもなかなか直らない、また大事にならないように事前に飛びつきを防ぎたいとお考えの方もいるでしょう。

犬の飛びつきを未然に防ぐ、やめさせるしつけ方法について解説します。

飛びつき=良いことがあるという関連を断つ

犬が人に飛びついてしまう理由は、飛びついたときになにか良いことが起こったことを覚えていることが挙げられます。

嬉しくて飛びついたことでまってもらえた経験から、攻撃かして飛びかかる場合は相手が去っていき自分が勝ったという経験など、飛びつき=良いことがあるという関連により飛びついています。

飛びつきをやめさせるためにも、飛びつきの後に良いことがあるという関連を切り離さなければいけません。

リードとコマンドで飛びつきを阻止する

犬が飛びつかないように、飛びつく前に制御することが重要です。

初対面の人と会う際は、飛びつきを阻止するためにも室内でリードを着けておきましょう。愛犬が急に飛びついてお互いに怪我を負わないためにも、リードを短く持ち、おすわりなどのコマンドを出して気をそらしてみるのも一つの手段です。

愛犬がフレンドリーで喜びのあまり飛びついてしまう場合は、愛犬が落ち着いた後にコマンドを解除して触れ合わせると良いでしょう。

飛びつかなくても良いことがあると教える

愛犬が飛びつきの後に良いことが起こると理解してしまっている場合は、飛びつかなくても良いことがあることを教えてあげましょう。

愛犬が飛びつきたい気持ちを抑えて飼い主様の指示に従えたら、大好きなおやつを与えたり、たくさん褒めてあげたりすると犬も喜びます。繰り返すうちに、愛犬も飛びつかなくても良いことがあると理解するでしょう。

犬の飛びつきをやめさせる際の注意点

犬の飛びつきをやめさせる際の注意点

愛犬の飛びつきをやめさせるために思わずしてしまいがちな行動で、NG行為が多々あります。無意識のうちにしてしまう行動でも、愛犬に大きなストレスを与えてしまう恐れがあるでしょう。

愛犬にストレスを与えないようにするためにも、犬の飛びつきをやめさせる際の注意点について解説します。

大声で叫んで注意しない

犬が飛びついてしまった際に、「やめなさい!」「だめでしょ!」と大声で叫んで注意することはNG行為です。危険な行為とわかっていると、ついつい大きな声で注意してしまうという方もいるでしょう。

どんなに大声で怒っていても、犬は「反応があって嬉しい」「かまってもらえた」と良いことが起こったと判断してしまう恐れがあります。

犬が勘違いしてしまい起こったことを良いことだと捉えてしまうと、飛びつきをやめさせることはますます難しくなります。また、急に大きな声で叫ぶと犬もびっくりしてストレスを与えてしまうでしょう。

上から撫でないようにする

愛犬を褒める際は、上から撫でないように気をつけましょう。上から撫でると飛びつきにつながる、また手をひらひらとさせてしまうと、「もっとして」と飛びつきを煽っているように捉えられてしまいます。

そのため、褒めてあげる際は、必ず低い位置で下の方から手を出して撫でてあげましょう。下から手を出して撫でてあげると飛びつきの防止にもなります。知り合いに愛犬を撫でてもらう際にも、下から撫でるよう協力してもらいましょう。

うまくできたら必ず褒めてあげる

飛びつきをしつけするトレーニングの後は必ず褒めてあげましょう。うまくいかなかった場合に怒ったり叩いたりする行為は絶対にNGです。

一度怒鳴りつけたり、叩いたりしてしまうとトレーニングが嫌になるだけでなく、飼い主様との関係も悪化してしまいます。

また、トレーニングの時間が1時間以上と長時間続けてしまうと、犬は飽きてしまって言うことを聞かなくなる恐れがあります。そのため、できるだけ短い時間に集中してトレーニングして、うまく行った場合はたくさん褒めてあげましょう。

犬の飛びつきはやめさせられる!根気よく教えよう

今回の記事では、犬が飛びつく理由や、飛びつきを放置してはいけない理由、飛びつきをやめさせる方法についてお伝えしました。飛びつきをやめさせるのは、特に行動がしっかり習慣化してしまった犬にとっては簡単ではないかもしれません。

しかし、犬は必ず学習するため、諦めずに根気よく教えましょう。上でお伝えした方法は基本の部分ですので、その犬に合わせて効果的だと感じる方法を試してみるのも良いでしょう。

大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることもあります。

そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができます。また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、その後のペットロスの緩和にも繋がります。

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