「猫ともっと仲良くなりたいけれど、どうやって接すれば良いのかわからない」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

元々、猫は警戒心が強い動物です。正しい接し方で警戒心を解かなければ、愛猫との関係性が悪化しかねません。飼い主様が愛猫と良好な関係性を築くためには猫の警戒心について正しく理解し、接する必要があります。

本記事では猫が警戒している時の特徴や、猫の警戒心を解く方法を紹介します。猫の警戒心や接し方に悩んでいる方は、参考にしてください。

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猫が警戒心を抱いている時の特徴

猫を含め、動物は様々な感情を行動や身体の変化で表現し、猫が警戒している時にも、身体や行動に特徴的な変化が表れます。

そのため猫の警戒心のサインを飼い主様が読み解くことが、警戒心を解く第一歩です。相手を知らなければ、良好な関係性は築けないため以下を参考にしましょう。

背中が反っている

猫が背中を反らす行動は、相手に警戒心を抱いている合図です。相手の行動が理解できず、困惑しながら警戒している時によく見られます。猫が何かに驚いた時に見られる仕草のひとつでもあります。

反射的に見せる行動であり、感情を高ぶらせながら警戒している証拠です。この状態で猫にとって不快な接し方をすると、引っ掻くなどの反撃をされかねません。

猫が背中を反らして警戒している場合は、飼い主様が一定の距離を保って落ち着くまで待ちましょう。

毛が逆立っている

猫の警戒心を表す仕草の中で、毛が逆立っている状態は最も有名でしょう。猫が毛を逆立たせる時は警戒心の中でも、恐怖や怒りの感情が大部分を占めています。猫がひとつの興奮状態にあると言えます。

また、毛を逆立たせる仕草は、低いうなり声を上げて威嚇する時にも見られる行動です。警戒心が強い状況のため、飼い主様は猫を刺激させないようにしましょう。

イカ耳になっている

イカ耳とは猫の耳が横に寝た状態を指します。「上から見た形がイカのように見える」、「怒(いか)っている状態」などから名付けられていますが、一説に過ぎません。

猫のイカ耳は基本的に怒りや恐怖の感情を表しますが、周りの物音をよく聞くために聞き耳を立てている状態でもあります。総合的に警戒心を持っていると判断できるため、見つけたら注意しましょう。

しかし、安心や充足を感じている時にもイカ耳になることがあるため、一概に警戒しているとは言えません。目力やひげの状態なども加味しながら判断すると良いでしょう。

姿勢が低い

猫が頭を低く保ち、姿勢全体を低くしている時はかなり警戒心が強い状態です。同時に毛を逆立たせることも多く、唸り声を発しながら威嚇する仕草もよく見られます。

低い体勢は次の行動へ瞬時に移るための準備です。興奮して逃げるように走り回るほか、飼い主様に攻撃するような行動が考えられます。

警戒して怯えているというより、敵対心を持っている状態に近いと言えます。精神的な負担にもなるため、必要以上に刺激しないようにしましょう。

猫が触らせてくれない6つの理由

猫が触らせてくれない6つの理由

猫が触らせてくれない、触られるのを嫌がる場合、これから紹介する6つの理由が原因として考えられます。心あたりがないかチェックしてみましょう。

信頼関係が足りない

猫を飼い始めたばかり、保護したばかりの頃は、新しい環境に慣れず警戒心が高まることがあります。

このようなときは、まだ信頼関係が足りないことが理由です。そのため、コミュニケーションを取りながらゆっくりと信頼関係を築いていくことが大切です。焦らずにじっくりと絆を深めていきましょう。

触られるのが苦手な性格である

猫のなかには生まれたときから警戒心が強く、触られることが苦手な性格の子もいます。飼い主のことは好きでも、抱っこされるのが嫌いな猫もいます。

この場合は「抱っこされるのは苦手な性格」と割り切って、その他の方法でコミュニケーションを取りましょう。

触られる部位が苦手である

人間にも触ってほしくない部位があるように、猫にも苦手な部位があります。特に前足や後ろ足、お腹、しっぽを触られるのが苦手な猫が多いようです。

個体差はありますが、猫を触るときはなるべくこの部位を避けるようにしてください。

ストレスを感じている

猫は運動量が足りないときや、嫌がることをされたときにストレスを感じることがあります。またグルーミング中や食事中など、猫が集中して何かをしているときに触られることを特に嫌がります。

溜まったストレスをそのまま放置しておくと、免疫力が低下し病気になってしまうこともあるため、注意が必要です。

飼い主の柔軟剤・香水の匂いが強い

猫は嗅覚が優れているため、強い匂いが苦手です。強い匂いは毒だと感じることもあるため、もし柔軟剤や香水などを使用している場合は控えましょう。

なかでも猫が苦手とするのは、ハーブ系・柑橘系・メンソール・香辛料・タバコなどの香りです。

体調が悪い・病気である

猫の体調が悪かったり病気にかかっていたりすると、触られるのを嫌がることがあります。

食事量や排せつ量、機嫌など日頃の体調をチェックし、もし気になることがあれば病院で診察してもらいましょう。体調がもとに戻れば、いつもどおり触らせてくれるはずです。

猫の警戒心を解く方法

猫の警戒心を解く方法

抵抗されることなく猫を触るためには、前述の内容を考慮したうえで猫の警戒心を解くことが必要です。警戒心を解くために気をつけることを紹介します。

目線を合わせない

猫はじっと見つめてくる相手に対し、本能的に警戒心を抱く特性があります。目を合わせる時間が長いと、戦いの前兆と思い威嚇してくることもあります。

猫から目線をそらすことで「敵意がない」と思わせることができるので、お試しください。

動くときは「ゆっくり」「低い位置で」を心がける

猫の目線から見ると、人間が立った状態は怖いものです。そのため、猫の身長に合わせた低い位置まで身をかがめて接することを心がけましょう。

また、お年寄りが飼っている猫は、性格が穏やかな子が多いといわれています。それは、お年寄りの動作がゆっくりしているからと考えられます。いきなり動くと猫が警戒してしまうため、猫の前ではゆっくり動くようにしましょう。

高めのトーンで話しかける

女性が話す高めのトーンは、猫に恐怖を与えにくいといわれています。そのため、猫との相性は男性よりも女性のほうが良いとされています。

猫と話すときは、いつもよりも声のトーンを高めにすることを心がけてみましょう。

コミュニケーションをとる

猫と仲良くなるためには、やはり十分なコミュニケーションが必要です。忙しくてもお気に入りのおやつをあげたり、おもちゃで遊んであげたりして仲良くなりましょう。

猫に触らせてもらえるようになる4つのコツ

猫に触らせてもらえるようになる4つのコツ

猫の警戒心が薄まってきたら、いよいよ猫に触れるチャンスです。ただし、仲良くなったと思っていきなり触ってしまうと、猫もびっくりしてしまいます。

猫に触らせてもらえるようになるコツを4つ紹介しますので、ぜひ実践してみてください。

タイミングを見極める

猫が何かをしている最中(グルーミング中、食事中、昼寝中など)に触ることは、猫が嫌がるためやめましょう。

猫のほうから近づいてきたり、飼い主の隣でリラックスしたりしているときは「触ってもOK」のタイミングです。

指の匂いをかがせる

先述のとおり猫は匂いに敏感です。猫が近づいてきたら、まずは指の匂いをかがせましょう。

そうすることで、猫に自分の情報を与え「この人は安心だ」ということを理解してもらうことができます。

正面から撫でる

猫を触るときは正面の位置から手を出して撫でるようにします。顎・顔周り~背中にかけて撫でるのがおすすめです。

しかし、猫のなかには頭を触られることで警戒心を覚える子もいますので、反応を見て撫でる部位を変えましょう。また、手のひらで撫でられるのを嫌がるときは、手の甲を使ってみてください。

触るのをやめてほしいサインを見極める

猫に触れるのが気持ちいいからといって、ずっと撫でていると猫がストレスを感じてしまうことがあります。噛みつかれてしまうこともあるので気をつけましょう。

猫が「触るのをやめてほしいサイン」を出したら、すぐに撫でるのをやめましょう。具体的なサインは次のとおりです。

  • 目を開く
  • 耳を後ろに向ける
  • しっぽをふる
  • 毛を逆立てる

個体差もありますので、日頃の様子をよく観察することが大切です。

関連記事:【専門家監修】猫がしっぽをふるのはどんなとき?感情の読み取り方

猫と仲良くなるための遊び

猫と仲良くなるための遊び

猫と仲良くなるためには、遊びを通して猫とコミュニケーションを取ることが大切です。間違った遊び方をすると関係性の悪化を招き、猫の警戒心を強めることがあるため注意しましょう。

猫により好き嫌いもあるため一概には言えませんが、1度試してみることをおすすめします。

猫じゃらしで遊ぶ

猫じゃらしは猫の狩猟本能をくすぐる遊びとして、仲良くなるうえでも効果的です。ただ猫じゃらしを振るだけでなく、擬似的な狩猟を意識して不規則に動かしてあげることがコツです。

猫が遊びに対してわがままにならないよう、遊びの始まりと終わりは飼い主様が主体になりましょう。猫がきっかけではなく、飼い主様の意思で遊びのきっかけを作ることが大切です。

また、猫は興奮すると、飼い主様の手を目標にすることがあります。嚙み癖の原因になるため、手に興味を持ち始めたら1度中断してクールダウンさせましょう。

紙袋で遊ばせる

紙袋特有の「ガサガサ」という音を好む猫が多く、不規則な動きをすることから紙袋での遊びが好きな猫は多くいます。小動物の足音にも似ており、狩猟本能をくすぐられる点も好まれる理由のひとつです。

猫は本能的に落ち着くことから、狭くて暗い場所を好みます。そのため、紙袋は遊びの対象だけでなく、リラックススペースとしても効果的です。

紙袋で遊ぶ際は紙の破片の誤飲や紐が絡まるなど、事故には十分に注意してください。最初のうちは特に、飼い主様の目が届く時間だけ紙袋で遊ばせましょう。

猫が安心する環境づくり

猫の警戒心を解くには、猫が安心できる生活環境を作る必要があります。普段の生活に緊張感を与えず、リラックスできる環境作りが飼い主様の使命です。

環境に安心できないと猫は常に緊張状態になり、体調不良を引き起こす原因になります。

キャットタワーを設置する

猫は平面を走るように動くのではなく、上下に運動する動物です。耐荷重などの安全面や上下運動のしやすさから、専用のキャットタワーを設置しましょう。

DIYなどで手作りする方も多くいらっしゃいますが、安全面を考慮するなら市販のキャットタワーがおすすめです。高さや耐荷重に注意しつつ、愛猫に合うキャットタワーを選んであげましょう。

ダンボールを用意する

狭くて暗い場所を好む猫にとって、ダンボールは隠れ家として最適です。猫のリラックススペースとして、生活空間に置いておくと重宝されます。事故で出られなくならないように、出入口は大きめにしておきましょう。

また、爪とぎの際にダンボールの材質を好む猫も多いため、ストレスを発散できる場所としてもダンボールはおすすめです。ボロボロになった際に取り替えやすい点もメリットです。

猫の身体が全体的に収まるよう、ゆとりを持った大きさのダンボールを用意してあげてください。

猫専用の寝床

猫専用の寝床を設置することで、猫のリラックスを促すと同時に快適な睡眠の確保につながります。生活環境や睡眠環境が整っていないと、猫は慢性的な睡眠不足に陥ります。

睡眠不足はあらゆる病気の原因となり、飼い主様としては防ぎたい問題のひとつです。

快適な寝床やベッドは猫により異なりますが、身体が全て収まる広さのものが良いでしょう。ドームタイプやフラットタイプなど、いくつか試しながら愛猫が好む寝床作りをしてください。

まとめ

猫を触ろうと思っても逃げられたり、警戒されたりする背景には、いくつかの理由があります。多くの場合、飼い主の行動を改善することで警戒心を解くことができるので試してみてください。

ただし、猫の性格によるものだと仕方がないこともあります。そんな猫の場合は、無理に触ろうとせず別のコミュニケーションを取るようにしましょう。

今回紹介した警戒心を解く方法を、焦らずに一つずつ試して猫と仲良くなりましょう。