小型犬の中でも活発で愛らしいチワワは大人気の犬種ですね。これからチワワを飼いたいという方が気になることのひとつが、チワワの寿命ではないでしょうか。すでにチワワと暮らしている飼い主様の中にも、何歳くらいからシニア犬になるのかなど、気になる方も多いかと思います。

チワワの平均寿命は約14歳です。今回の記事では寿命の他に、シニア犬と呼ばれる年齢の目安、老化のサインやかかりやすい疾患、長生きしてもらうためのポイントなどをご紹介します。

チワワは長生きする犬種?

チワワは長生きする犬種?

チワワが長生きな犬種かどうかを知りたい方への参考として、チワワの平均寿命と、これまでに一番長生きしたチワワの年齢をご紹介します。

チワワの平均寿命

ペットの保険会社アニコムが出した「家庭どうぶつ白書2022」(https://www.anicom-page.com/hakusho/book/pdf/book_202212_2_4.pdf)によると、2020年度のチワワの平均寿命は13.8歳でした。同じ「家庭どうぶつ白書2022」において、2020年度の犬全体の平均寿命は14.1歳なので、チワワの寿命は平均的だと言えます。

チワワという犬種そのものが、他の犬種と比較して特別長生きというわけではありませんが、飼育環境などによって平均寿命よりも長生きさせることは可能でしょう。

日本国内におけるチワワの最高齢は25歳

平均寿命はすでにご紹介しましたが、もっとも長生きのチワワは何歳くらいなのでしょうか?日本国内のチワワの最高齢は25歳だと言われています。残念ながら詳細は不明で、事実かどうかの確認は難しいのですが、25歳というと、人間と置き換えた場合は約114歳です。不可能ではないかもしれないと思わせてくれる情報ですね。

ギネス公認の最長寿チワワは、アメリカフロリダ州の「トビーキースちゃん」です。トビーキースちゃんは、ギネス認定された2022年3月16日時点で21歳66日ということです。

チワワの老化のサイン・かかりやすくなる疾患

チワワの老化のサイン・かかりやすくなる疾患

ここではチワワが高齢期に差し掛かったかどうかを見極める老化のサインや、老化に伴ってかかりやすくなる病気についてお伝えします。

高齢期の見極め方とは?老化のサイン

犬の場合、老化がまず見た目に出ることがあります。毛や皮膚の変化としては、毛やひげなどが白くなってきたり、毛艶がなくなってきたり、皮膚がなんとなくたるんで見えてきたり、イボのようなものができたりすることです。目が白く濁ってきたり目ヤニが増えたり、歯が抜けたり口臭が出ることもあります。

体全体も痩せて見えるようになることもあれば、太ってきているように見えることもあります。感覚機能の衰えによって、呼んでも反応しなくなることや、フードの好みが変わることなどがあります。

筋力の衰えなどから、立ち上がるのに時間がかかったり、遊ぶ時間や散歩の時間が減ることもあるでしょう。さらに老化が進むと、だんだんと活動時間が減り、寝ている時間が増えます。トイレの失敗が増えることも少なくありません。

シニア犬になったチワワがかかりやすくなる疾患

上でご紹介したような老化のサインが見えはじめたら、病気への注意も必要になります。シニア犬は色々な病気にかかりやすくなりますが、特に代表的な病気を3つご紹介します。

チワワなどの小型犬のシニアで一番多いのが「僧帽弁閉鎖不全症」という心臓の病気です。この病気は進行性ですが、早期で発見して治療を開始すれば平均寿命くらいまで生きることも可能です。

気管が潰れて呼吸がしづらくなる「気管虚脱」もチワワなどの超小型犬に多い病気です。呼吸困難の改善のためには手術が必要な場合もあり、手術の成功率はタイミングが早いほど高いと言えます。

足腰の病気の代表としては膝の「おさら」の部分がはずれてしまう「膝蓋骨脱臼(パテラ)」が挙げられます。若い犬でも発症しますが、シニアになり体重が増えたり筋肉が弱ってくると症状が顕著に出ることがあります。

チワワに長生きしてもらうために!飼い方のポイント

チワワに長生きしてもらうために!飼い方のポイント

愛犬にはできるだけ長生きしてもらいたいですね。ここではチワワの長生きのためのポイントをご紹介します。

定期的に動物病院で健康診断を受ける

健康診断では、獣医師が犬の体や耳の中、口の中などの状態を見て確認する「視診」や心臓や肺の音に異変がないかどうかを確認する「聴診」、血液検査やレントゲン検査などを行います。これらの検査によって、病気になる前段階の異変や、病気のごく初期の段階で気づくことができるのです。

上でご紹介した「僧帽弁閉鎖不全症」などの進行性の病気は、症状が出る前から治療を行うことが重要です。若い時から1年に1回程度の健康診断が理想的ですが、特にシニアになってきた場合、1年に1回~2回の健康診断は欠かせません。

快適に過ごせる環境を整える

チワワはメキシコが原産地だと言われることもあります。それほど寒さに強い犬種ではない一方で、夏の熱中症にも注意が必要です。チワワにとって快適な温度は25℃前後なので、日常生活ではエアコンを利用しましょう。寒い日の外出には、服などでしっかり防寒対策することも大切です。

チワワの中には警戒心がかなり強いタイプの子もいます。寝床が落ち着けない場所にあるとストレスを感じることもあるため、良質な睡眠のためには寝床をリビングの隅など少し静かな場所に設置しましょう。寝床だけでなく、チワワがストレスを感じた時に、安心して隠れることができるような専用のハウスなどを用意するのもおすすめです。

食事・運動管理を徹底する

動物病院を訪れるチワワの中には、肥満の子も少なくありません。肥満はあらゆる病気の原因となるため、愛犬を肥満にさせないことが長生きの秘訣でもあります。肥満防止のためには、フードは専用のものを体重に見合った量だけ与えましょう。

すでに肥満気味の場合、その体重に合わせてフードを与えるとカロリーオーバーとなります。チワワの理想体重である2Kg程度を目安にすると良いでしょう。ただし、急にフードを減らすとかえって健康を損ねることもあります。まずは獣医師に相談して、適切な方法でダイエットしましょう。

シニア犬は若い頃ほどカロリーを必要としない一方で、良質なタンパク質などが必要になります。適切な栄養を与えるために、シニア用フードに切り替えることが大切です。カロリーに関してはメインの食事だけでなく、おやつや歯磨きガムなどについても考慮する必要があります。

チワワの飼育方法として、ペットショップなどで「体が小さいので散歩は必要ない」と説明されることもありますが、実際には肥満防止や、精神的なストレス解消のためにも散歩は大切です。

ストレスを与えないようにする

ストレスは様々な病気の大きな原因となります。ストレスによって下痢や嘔吐、食欲不振、脱毛などの体調不良が出ることも少なくありません。チワワはもともと臆病な面があるためストレスには弱いとも言われているため長生きのためにはストレスフリーな生活が理想です。

チワワにストレスを与えないためには、大きな音や声などで怖がらせないようにしましょう。また、意外かもしれませんが後ろから抱きしめる行為はチワワとってはマウンティングされているように感じ、本能的にストレスを感じることがあります。

飼い主様次第では長生きも可能!

今回の記事ではチワワを新しくお迎えしたい方や、すでにチワワと暮らしている飼い主様に向けてチワワの寿命や老化のサイン、シニア犬で気をつけるべき病気や長生きさせるためのポイントなどをご紹介しました。

チワワは表情も豊かで、愛情をかけると嬉しそうにこたえてくれるのが魅力ですね。長生きのための配慮は必要ですが、それ以外では犬の飼育の初心者でもお迎えが可能な犬種です。お迎えを迷っている方などは、今回の記事をぜひ参考にしてみてください。