火葬を終えたペットの遺骨について、「慣れ親しんだ自宅の庭に埋葬すればゆっくり眠れるのでは」と考える方もいるでしょう。そこで気になるのが、「遺骨を庭に埋めるのは問題にならないか」ではないでしょうか?

結論からいえば、ペットの遺骨は自宅の庭に埋めても問題はなく、埋葬してお墓を作ることも可能です。ただし、近所トラブルなどを避けるためにも、適切な場所を選び正しい方法を用いる必要があります。

そこで今回は、ペットの遺骨について埋葬方法や庭に埋める際のポイント、注意点を解説します。

ペットの遺骨を庭に埋めるのは問題ない?

冒頭でも述べたとおり、ペットの遺骨を庭に埋葬することは、法律的に見ても特に問題はありません。人の場合は「墓地埋葬法」という法律が定められていますが、ペットの遺骨に関してこの法律は該当しません。

ただし埋葬方法を誤ると、土から露出してしまい外見上の問題が起こる可能性があります。また、動物が苦手な方もいるため、埋葬が近所トラブルにつながる恐れがある点にも留意しましょう。
ペット供養として埋葬を選択する場合は、周囲に配慮しつつ正しい方法を守ることが大切です。

また、埋葬可能なのは、基本的に持ち家の庭など自身が管理している家や土地となります。公共の場所(公園や河川敷など)や海岸、山中に許可なく埋葬するのは法律で禁じられているため注意すべきです。
賃貸物件の場合も、管理者の許可を得ずに埋葬するのは控えましょう。

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ペットの遺骨の埋葬方法

ペットの遺骨の埋葬方法

続いて、正しい埋葬方法について解説します。

まず、約30センチ~1メートル程度の深めの穴を掘りましょう。
穴が浅いと、雨によって土が流れてしまう可能性や、近所の動物によって遺骨が掘り返されてしまう恐れがあるためです。

穴が掘れたら、遺骨を置いて埋葬します。その際、首輪やおもちゃなどの副葬品を一緒に埋めないように注意しましょう。これは副葬品が土に還らない材質であった場合、後々トラブルにつながる可能性があるためです。

埋葬後は、土をしっかりかぶせて他の地面と馴染むように慣らします。ただし、平坦ではなく少し土が盛り上がる程度に慣らすことがポイントです。地面が下がるのを防げるため、遺骨の上にかぶせた土が雨でも流れにくくなります。

すべての工程を終えたら、埋葬した場所に墓石を置きましょう。墓石は必須ではないものの、墓石が目印となるだけでなく、野良猫や野鳥などに掘り返されるリスクを回避しやすくなります。

庭にペットの遺骨を埋葬する際のポイント

庭にペットの遺骨を埋葬する際のポイント

続いて、庭にペットの遺骨を埋葬する際に心がけたいポイントについて見ていきましょう。

埋めるのに適した場所を選ぶ

埋葬の際は、埋めるのに適した場所を見極めることが大切です。
埋葬場所は同時にペットのお墓となるため、日当たりや風通し、水はけ、人の目などを考慮し快適で安らかに眠れるような場所を選ぶとよいでしょう。

例えば、日当たりや風通しの良い場所、水はけの良い場所、土が適度に湿度を含む場所などが挙げられます。遺骨をより早く還すためには、土に含まれる湿度の高さが重要です。

加えて、第三者の目に触れにくい場所や踏まれない場所、ペットが生前お気に入りだった場所も考慮して選びましょう。

遺骨と骨壺は別にして埋める

遺骨と骨壺は、可能であれば別々に埋めるのがポイントです。
骨壺に入れたままでも問題はないものの、遺骨が土に還るまでに時間がかかってしまいます。そのため、骨壺は別に穴を掘り、遺骨の近くに埋めるとよいでしょう。

遺骨を土に直接置くことに抵抗がある場合は、化学繊維の含まれない布や紙などで包んで埋めるのがおすすめです。

適した場所がない場合は「プランター葬」も検討する

埋葬に適した場所が見つからない、敷地スペースが狭くて埋葬できない、マンションなど賃貸住宅に住んでいるという場合は、「プランター葬」を検討してみるとよいでしょう。

プランター葬とは、その名のとおりプランターに園芸用の土や腐葉土、肥料などを入れて遺骨を埋葬する方法です。また、その上に草花を植えて供養することもできます。

プランター葬を選ぶ場合は、遺骨の大きさに合ったプランターを用意し、植える草花は遺骨への影響を考慮して根が伸びすぎないものを選びましょう。ただし、犬や猫など体が大きい動物はプランター葬には不向きです。ハムスターなど小動物に適した埋葬方法である点に注意してください。

ペットの遺骨を庭に埋める際の注意点

最後に、ペットの遺骨を庭に埋める際の注意点を解説します。

現在、賃貸に住んでいる方はもちろん、持ち家でも今後引越しなどで手放す予定があるという方は、庭での埋葬は避けましょう。
持ち家を手放したあと、次の住人が庭の遺骨を見つけてしまった場合、トラブルに発展する可能性があるためです。

また、遺骨が土に還るまでは、小動物の場合で数年~数十年かかり、犬や猫の場合はそれ以上の年月がかかるケースも少なくありません。そのため、「長い年月供養し続けられるかどうか」をきちんと考え、難しい場合は別の供養方法を検討するのも手段の一つです。

別の供養方法としては、自宅内での保管やペット霊園の納骨などがあります。現在の居住環境はもちろん、将来の予定や「近くで眠っていて欲しい」などの希望に合った方法を選択するとよいでしょう。

まとめ

ペットの遺骨を庭に埋葬することは、法律上問題はありません。ただし、適切な場所を選ぶとともに、正しい埋葬方法を守り遺骨が早く土に還れるようにする必要があります。

また、賃貸住宅や将来持ち家を手放す予定がある場合は、ペットのお墓が後々トラブルに発展する可能性もゼロではありません。そのため、長く供養を続けることが難しい場合はペット霊園での供養などを検討してみてください。

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