うさぎと暮らす飼い主様にとって「ペレットを食べない」というのは大きな悩みのひとつですね。うさぎの食事の主体は牧草ですが、栄養の補給という目的でペレットは大切です。なぜペレットを食べないのか原因を知りたい方も多いでしょう。
今回の記事では、うさぎがペレットを食べない理由として考えられることや、ペレットを食べないときにチェックすべきこと、食べてもらうための対処法などをお伝えするのでぜひ参考にしてみてください。
目次
うさぎがペレットを食べない!考えられる6つの原因
はじめにうさぎがペレットを食べない時に考えられる主な原因を6つご紹介します。
体調不良
うさぎは繊細な動物で、比較的よく体調不良をおこします。特にお腹のトラブルを起こしやすい動物で、胃腸うっ滞や急性胃拡張などの病気が珍しくありません。お腹の調子が悪い時はペレットだけでなく牧草も食べなくなります。
うさぎには換毛期という季節の変わり目に毛が抜け変わる時期があり、このときは普段よりエネルギーが必要なため体調を崩しやすいと言えます。また、ストレスも体調不良の大きな要因となります。病気以外でも、体のどこかに怪我をしていたりできものができているなどの痛みで食欲不振に陥ることもあります。
不正咬合
不正咬合とは、歯の噛み合わせが悪い状態を示します。うさぎの歯は私たち人間の歯とは異なり、一生伸び続けます。本来は牧草などの繊維質のものをたくさん食べることで歯がすり減るのですが、なんらかの原因で歯がすり減らず、伸び過ぎることで噛み合わせが異常になることがあります。
咬み合わせが悪いと食べ物が食べにくいうえ、伸び過ぎた歯によって口の中や舌などが傷ついて痛みます。その結果、食べ物の好みが変わったり、食べる量が減ったりすることが一般的です。痛みなどによるストレスでお腹の動きが悪くなり、さらに食べられなくなるという悪循環に陥ることも少なくありません。
老衰の進行
うさぎも人間や他の動物と同様に、高齢になると体の維持や運動のために必要なエネルギー量が減少するため、食欲がなくなる傾向になります。
年齢と共に食べる量が減ることは普通ですが、うさぎの場合、食べる量が減ると上でお伝えしたように歯が伸び過ぎる場合があり、不正咬合につながることもあります。
ペレットの質の変化
ペレットの質が変わると食べなくなることもあります。
例えば、これまで与えていたペレットとは異なるものを与えた場合、匂いや味が気に入らずに食べないこともあります。また、ペレットの保存状態が悪くて鮮度が落ちている場合も食べない可能性があるでしょう。
環境の変化
うさぎは環境の変化でも食欲がなくなることがあります。引越しなどでがらりと環境が変化する場合だけでなく、気温の変化などにも敏感です。
うさぎはもともと暑さや湿度が得意ではありません。梅雨の時期のじめじめとした気候や、真夏の暑さなどはエアコンや除湿器を活用して対応すると良いでしょう。
ペレットの量
そもそも与えているペレットの量が多いケースも考えられます。必要量以上のペレットであればうさぎも食べない可能性が高いです。
大人のうさぎの適切なペレット量は、1日あたり体重の1.5%程度です。1Kgのうさぎであれば1日に15gくらいのペレットを与えれば十分なのです。うさぎの主食はあくまで牧草なので、これ以上の量のペレットを与えると、牧草を食べなくなる可能性もあるため注意が必要です。
うさぎがペレットを食べないときにチェックすべきこと
うさぎがペレットを食べなくなった場合、飼い主様はどのような点に着目して観察すれば良いのでしょうか?
糞の状態は正常か
ペレットを食べない時に限らず、うさぎの糞の状態を確認することは大切な健康チェックの一つです。
健康なうさぎの糞は、牧草が主体のコロコロとした球体で、糞同士がくっつくことはありません。また、すべての糞が同じくらいの大きさです。糞の量が少ない、糞の大きさにばらつきがある、糞同士がくっついて数珠状になるなどの場合はお腹の調子を崩している可能性があります。
通常の糞とは全く異なるチョコレートのような茶色い艶のある糞を見つけた場合、それは「盲腸便」かもしれません。うさぎは本来、肛門に口をつけて盲腸便を直接食べるため、飼い主様が盲腸便を見る機会はめったにありません。盲腸便が見られたら体調不良の可能性があります。
牧草は食べているか
ペレットを食べなくなった場合は、牧草を食べる量に着目する必要があります。単純にペレットに飽きたりペレットを体が必要としていない場合、牧草を食べる量は変わらなかったり、以前よりも増えていることもあります。
ペレットを食べなくても以前よりもたくさん牧草を食べているようなケースであれば、健康上の大きな心配はありません。一方で、ペレットを食べないだけでなく、牧草も食べる量が減っている場合は、なんらかの病気が潜んでいる可能性が高いです。
噛み合わせは正常か
上でもお伝えしたように、不正咬合になるとペレットや牧草を食べる量が減ります。うさぎが食欲不振になった場合、飼い主様自身でまずうさぎの歯の噛み合わせを確認しましょう。
前歯が不正咬合になっている場合は飼い主様が見ても歯の噛み合わせが悪いことがわかります。一方で、奥歯の不正咬合は特別な器具を使って口の中を観察しないとわからないため、お家でチェックすることはできません。ただ、よだれが出ているなどの見た目での異常がわかることが多いでしょう。
目・耳・鼻などの周辺が汚れていないか
目や耳、鼻の周辺が汚れているのは体調不良のサインの一つです。普段より目やにや涙が多い、耳から異臭がする、鼻水が出ているなどの異常がないかよく観察しましょう。
目やにや鼻水は、その場では見られなくても周囲の毛がべとついていたり、毛の色が変わっていたら注意が必要です。また、うさぎは顔回りを自分の前足でよく手入れするため、前足の内側あたりがごわごわしたりべとついていたら、目やにや鼻水が出ている可能性があります。
背中を丸めてうずくまっていないか
うさぎが背中を丸めてうずくまっている場合、腹痛を感じている可能性が高いです。特に、うさぎがかかりやすい胃腸うっ滞になっているケースが多く、様子をみているうちに急変して亡くなることも少なくありません。うさぎがペレットや牧草を食べず、丸まってうずくまっている場合は、一刻も早く動物病院を受診しましょう。
うさぎにペレットを食べてもらうためにはどうすれば良い?
うさぎにペレットを食べてもらうためにはどうしたら良いのでしょう?まずは上のチェック項目なども利用して、必要な場合は動物病院でうさぎの健康に問題がないことを確認してもらいましょう。
健康なうさぎであれば、ペレットの種類を変えてみたり、いくつかのペレットを混ぜて与えてみたり、1日の量を小分けにしておいて少しずつ与えるなどの工夫で食べてくれるかもしれません。
うさぎは繊細な動物!ストレスフリーな生活を心がけて
今回の記事ではうさぎがペレットを食べない時の原因やチェック項目、対処法などをご紹介しました。うさぎは大変繊細な動物で、少しのストレスでも食欲をなくしてしまいます。
いったん食欲が落ちると消化管の動きが悪くなり、命に関わる病につながることも多いため、うさぎへのストレスが最小限になるような工夫をしましょう。日常的にうさぎの顔まわりの汚れや糞の量や大きさなども細かく観察し、普段と異なる場合はできるだけ早めに動物病院を受診すると安心です。