「最近、猫に触れているときにブツブツや湿疹のようなものを見つけた」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。
もしかすると猫にニキビができているのかもしれません。猫のニキビは性別や種類は関係なくできてしまいます。
本記事では、ニキビができやすい場所やニキビができた時の症状などについて解説します。また、自宅でできるケア方法についても解説しているため、参考にしてください。
目次
ニキビができやすい場所
人間は顔や背中にニキビができやすいですが、猫のニキビができやすい場所は唇や顎です。ニキビは皮膚の疾患で、皮脂腺からの分泌物が多く毛穴が詰まりやすくなり、炎症を起こしてしまいます。
皮脂腺は口周りに多く、猫が上を向いたときによく見えます。できたニキビは黒くなり粒状になり、この時点でニキビに気付くことが多いです。
ニキビができた時の症状
ニキビの症状は大きく軽度・中度・重度の3段階に分けられます。それぞれの段階について以下で紹介します。
軽度の場合
症状が軽度の場合、顎周りにゴマのような黒い粒状のものが見えます。この時点では猫に自覚症状はなく、かゆがったり痛がったりする様子もありません。また、触るとざらついていて、ぽろぽろと取れることもあります。
中度の場合
症状が中度の場合、毛が抜けたり、赤い斑点ができたりします。症状が進行しているため、かゆがったり痛がったりするようになり、かゆみがあるところをこすりつける様子も見られるようになります。
症状が進行すると皮膚が固くなることもあるので、症状が悪化する前に動物病院を受診しましょう。
重度の場合
症状が重度の場合、皮膚がただれて出血することがあります。また、毛が抜けることはもちろん、細菌による感染で化膿する可能性もあり状態は非常に良くありません。この時点で気付いてしまったら、すぐに動物病院を受診しましょう。
ニキビの原因と対策
猫のニキビにはさまざまな原因があります。以下では、原因として考えられることと、その対策について6つ紹介します。ご自身の愛猫を思い浮かべながらチェックしてみてください。
ブラッシングができていない
ブラッシングがきちんとできていない可能性があります。
猫はグルーミングといって自分自身や仲間同士で舐めて毛づくろいしますが、顎や口周りは手入れの届きにくい場所です。そのため、清潔が保てず不衛生な状態が続くと、菌が繁殖しやすくなります。
対策として丁寧にブラッシングをしましょう。特に猫がグルーミングしにくい場所は、汚れが付いていないか飼い主様がこまめにチェックしましょう。
不衛生な状態から感染
食べた後に食べかすが付いたままでいると不衛生です。毛に絡まり食べかすが原因で菌が繁殖し、ニキビにつながるケースもあります。
特にウェットフードは顎や口が汚れやすく、その都度ふき取るようにしないと汚れが取りづらくなります。まめにグルーミングをして汚れないようにする性格の猫もいますが、食べた後はチェックしましょう。
食器に菌が付いている
猫自身ではなく、食器に菌が付いている可能性もあります。ご飯を食べた後に、きれいに食べているからといってそのまま次の食事を用意することはやめましょう。
唾液や少しの食べ残しから菌が繁殖する恐れや、猫の爪や歯で食器に傷がつき菌が入ることもあります。食事をしたらその都度洗うようにして、食器を清潔にしておきましょう。また、水も定期的に交換すると清潔を維持できます。
食器の素材や食材のアレルギー
食べ物や食器の素材がステンレスやプラスチックであることが原因のアレルギーの可能性があります。
猫のアレルギーは人間ほど重症化したり、わかりやすい症状が出にくかったりするでしょう。しかし、アレルギー反応を起こしている場合は、かゆがる、毛が抜けるといった様子が見られます。また、消化器系の症状で軟便や下痢などの症状もあります。
食べ物が原因の場合は、該当する食材を除去し、食器がアレルギーの原因だった場合は食器をガラスや陶器に変えましょう。ガラスや陶器は傷がつきにくいので菌の繁殖予防にもつながります。
ストレスによる
猫に過度なストレスを与えることもニキビの原因になります。ゲージや寝床が変わったり、他に新しい家族が増えたり環境の変化は猫にとってストレスを感じてしまいます。
また、食べ物や猫砂を変えたりすることも神経質な性格の猫にとっては、ストレスになってしまうでしょう。
様子を見ながら段階を踏んで変えていくなど、猫のストレスを最小限に抑えてあげられるようにしていきましょう。
ニキビダニ
ニキビダニは常在菌なので普段の生活での影響はなく無症状ですが、ストレスがかかったり体調不良で免疫が下がったりすると急激に増殖しかゆみが出る場合があります。
対策としては、免疫が下がらないように体調管理とストレスを軽減させてあげることが重要です。
自宅でできるケア方法
猫のニキビの多くは「いつの間にかできていた」というパターンが多いです。できてしまうとできたことに気付かずに重症化してしまうと、そのあとのケアが大変です。
ニキビができてしまう前にできる予防方法と、ニキビができた後のケア方法について紹介します。
丁寧なシャンプーとブラッシング
シャンプーをする際は優しく丁寧に行いましょう。洗い終わったらしっかり乾かします。シャンプーがきちんと落とし切れていないと、悪化の原因になるので洗い残しがないようにしっかり落としましょう。
また、毎日のブラッシングが重要です。ブラッシングする際にニキビができていないか、汚れていないかチェックし、皮膚トラブルを予防しましょう。
生活を見直す
猫の生活習慣の見直しも大切です。ストレスがかかる環境になっていないか、食べ物は合っているかなど今一度見直してみましょう。
ストレスがかかっているようであれば、遊びや運動の時間を増やしたり、ゆっくり休めたりする場所を作りましょう。また、皮脂の多さもニキビの原因になるので食事内容が不安であれば動物病院で獣医師に相談することをおすすめします。
ニキビを自己流で治そうとしない
ニキビを自己流で治そうとすると、かえって悪化するのでやめましょう。ニキビをゴシゴシこすって取ろうと、軽症であっても皮膚を傷付け悪化させてしまいます。汚れている場合はコットンやタオルを濡らして優しく拭き取るようにしましょう。
また、人間用のニキビ治療薬は使ってはいけません。猫に合った方法で治療していく必要があるので必ず動物病院を受診しましょう。
まとめ
本記事では猫のニキビの原因や対策について解説してきました。猫のニキビは、軽度・中度・高度の3段階に分かれ、軽度の場合は自宅でのケアで治る場合もあります。
中度や高度の症状になると、かゆがったり痛がったりする様子が見られ、出血を伴うほど悪化する場合もあるでしょう。
健康的に毎日過ごせるように日頃のケアをきちんと行い、大切な愛猫と充実した生活を送りましょう。