犬の早食いが心配で悩んでいる飼い主様はいらっしゃいませんか。犬といえばフードを与えると一瞬で食べ終わってしまうイメージがありますが、実は早食いによるデメリットや危険性があるのです。
本記事は、犬の早食いによるデメリットや原因、対策を紹介します。また、早食いしやすい犬種や早食いにより起きる可能性のある症状など気になる情報をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
早食いをしやすい犬種がある
犬は全体的に早食いのイメージがありますが、特に早食いしやすい犬種があるのです。
- ビーグル
- レトリーバー種
- テリア種
- ブルドッグ種
上記の犬種は食への執着心が強く、食欲旺盛です。犬の早食いの定義は、咀嚼や休む時間なく、食器から顔を一度も離さずに食べ終えてしまうことを指します。もし愛犬がこのような食べ方をしている場合は早食いなので、危険回避するためにも防止する対策を取る必要があるでしょう。
犬の早食いによるデメリット
続いて、犬の早食いによるデメリットを紹介します。犬は早食いをするものだからと安易に考えていては危険です。愛犬が早食いの定義に当てはまる飼い主様は、デメリットをチェックし早食いの危険性を理解しましょう。
嘔吐
早食いをすると、ごはんと一緒に過剰な空気を飲み込んでしまいます。空気を飲み込みすぎるとゲップも多くなり、嘔吐にも繋がってしまうのです。また、ごはんを一気に大量に摂取すると、胃に大きな負担をかけます。
胃が処理しきれない量のごはんを体内に入れてしまうことから、吐き出すことになります。せっかく栄養のあるごはんを与えても嘔吐してしまうと、栄養も体に吸収されないため、栄養失調になってしまう可能性もあるのです。
しかし、嘔吐したからといってすぐ病院に連れてく必要はなく、嘔吐した後にいつも通り元気であれば様子をみましょう。
空気を飲み込み消化が遅れる
早食いをし、一気にごはんを取り入れてしまうことで消化不良を起こします。嘔吐の他にも下痢になりやすくなり、必要な栄養素を体に吸収させず出してしまうのです。
特に消化器官が未発達である子犬や、消化機能が衰えているシニア犬は早食いによる消化不良を起こしやすいです。嘔吐や下痢を長引かせてしまうと、栄養失調が起き健康状態が悪くなります。
喉や食道に詰まらせる
人間と同様に、犬も早食いにより喉や食道に食べ物を詰まらせてしまう危険があります。体の構造上、犬は食べ物をあまり噛まずに食べてしまいます。
そのうえ、早食いをしてしまうと、いくら小粒のドッグフードだとしても一気に大量に飲み込むと喉に詰まらせます。
また、唾液を含んだドッグフードは体の中で少し大きくなるため、喉を通過したとしても食道で詰まってしまう可能性もあるのです。シニア犬の場合はむせる力も弱っているので、最悪の場合呼吸困難に陥る可能性があります。
早食いにより起こる可能性がある症状
続いて、早食いにより起こる可能性がある症状について紹介します。繰り返す早食いによりいくつかの危険な症状が起こるかもしれません。こちらで紹介する症状を発症した場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
誤嚥性肺炎
特にシニア犬の早食いに多く見られる症状が誤嚥性肺炎です。早食いをすると、一気に食べ物を飲み込むことで、誤嚥性肺炎を起こしてしまうかもしれません。飲食物の誤飲により起き、以下の症状が起きます。
- 咳こむ
- 呼吸が荒い
- 異常な呼吸音(ゼーゼー・ヒューヒュー)
- 元気がない
- 発熱
- 呼吸困難
- チアノーゼ
- 食欲がない
こちらの症状が起きた場合は、獣医師に診てもらい指示に従いましょう。
胃拡張・胃捻転
胃拡張・胃捻転は大型犬が早食いをしたときに起きやすい症状です。早食いにより一気に食べ物が胃に入ることで、胃が膨れ上がってしまい胃拡張になります。
胃拡張が起きると、胸~腹部が大きく膨らみ、指で叩いてみるとサッカーボールと同じ感覚に感じます。一方、胃拡張を起こしたまま運動をすると胃が捻じれる胃捻転が起きるのです。
胃拡張・胃捻転は以下の症状が出て、そのままにしておくと数時間で死に至る可能性もあるのです。
- 吐き戻しができず大量のよだれが出る
- 呼吸困難
- 粘膜が白くなる
- 脈圧の低下
上記の症状が現れたらすぐに病院へ連れていきましょう。
歯周病
唾液には歯周病を防ぐ働きがありますが、早食いをするとあまり噛まずに食事を終えてしまうため、口腔内に唾液がいきわたりません。
唾液が足りないと雑菌が繁殖し、歯垢や史跡が溜まります。そして、そのままの口内環境にしておくと歯周病になってしまいます。
歯周病は悪化すると歯が抜け落ちてしまいますから、早食いは犬にとって重要な歯の健康寿命も縮めてしまうのです。さらに、歯周病菌が下顎まで侵入してしまうと、下顎の骨も腐食し、抜歯だけでは済まない事態に陥るのです。
犬の早食い対策方法
多くのデメリットや病気を引き起こす可能性がある犬の早食いを、以下の対策で改善してあげましょう。実践できそうな方法はぜひ取り入れてみてください。
ごはんを手で与える
犬のスペースで食事をさせてもコントロールできませんから、飼い主様が一口分を手のひらに乗せてごはんを与えてみましょう。一口分の量も、食べるスピードもコントロールできるのでおすすめです。
飼い主様にもらうことで、食べ物への執着心が薄くなる効果もあります。また、犬用のスプーンも販売されているので、手が汚れることが苦手な方はスプーンを利用してみるのも一つの手です。
しかし、一口ずつ飼い主様が与えるのは手間や時間がかかるので、毎日持続する必要はなく、時間があるときでも実践してみると効果がみられるようです。
ごはんの置き場所を増やす
犬の早食いを防止する効果的な対策として、ごはんの置き場所を増やす方法があります。ごはん用の食器を複数用意し、ごはんを少量ずつ入れます。
食器を分けると、食器から顔を離すタイミングが何回かできますから早食いを防止することができるのです。ドライフードを食べる子であれば、シートの上にばらまいて与える方法もおすすめです。
しかし、低くかがむ体制になるため、毎食シートにばらまくのは避けたほうが良いでしょう。
ごはんをふやかす
ドライフードは早食いをしやすいですから、お湯でふやかしてみる方法も効果的です。ドライフードをお湯でふやかすと、一粒が大きくなりますから、少ない量で満足度が高くなります。
また、早食いによる消化不良も防ぐことができるので、おすすめの方法となります。
ふやかしたドライフードを嫌がる場合は、犬用のスープの上にドライフードを浮かせる方法も試してみてください。スープに浮かせることで食べづらくなり、早食い防止につながります。
食事の回数を増やす
1日1回の食事だと、かなりの空腹状態でごはんを食べることになるため、早食いに拍車がかかってしまいます。そのため、食事の回数を成犬であれば1日2回に増やしてみましょう。
また、子犬の場合は1日3~4回に増やすことで早食い防止に効果があります。食事の量はこれまでと同じで大丈夫ですから、1回分の量を少なくし回数を増やしてあげてください。
さらに、早食い防止の食器も販売されています。溝が深めで食べづらい設計となっているので、他の方法と合わせて試してみましょう。
愛犬の早食いを防止し危険から守ろう
本記事は犬の早食いによるデメリットや病気・対策について紹介しました。犬はごはんをよく噛む習性がないため、丸呑みしてしまうこともあり、早食いをする子は多いです。
しかし、早食いは消化を遅らせてしまったり、歯周病の原因になったりと良いことがないため、紹介した早食い防止方法で改善してあげましょう。