犬の乾燥肌に悩まれている飼い主様もいらっしゃるでしょう。犬は大人の人間よりも皮膚が薄く、実は乾燥肌になりやすいのです。乾燥肌になると皮が乾燥することはもちろん、被毛にも影響してしまうため、異変に気づいたら対策をしてあげましょう。
本記事は、犬の乾燥肌の特徴や似ている疾患・対策について紹介します。また、乾燥肌になる原因もまとめたので、心当たりがないかチェックし、大切な愛犬の肌の治安を改善してあげましょう。
目次
犬は乾燥肌になりやすいのか
犬の皮膚は分厚いイメージがありますが、実は人間の1/3~1/5しかなく、非常に薄いのです。人間でいうと赤ちゃんの肌に近いと言われているため、少ない刺激で肌トラブルが起きてしまいます。
皮膚が薄いということは、乾燥もしやすいため、少しの刺激で強いかゆみを感じます。そのため、人間にとってはあまり問題のない乾燥状態だったとしても、犬の肌は乾燥に反応してしまい乾燥肌になってしまうのです。
また、乾燥肌になると掻いてしまい、皮膚に傷がつきます。傷口から細菌が入ってしまうと他の肌トラブルを招く可能性もあるのです。
犬の乾燥肌の特徴
続いて、犬の乾燥肌の特徴を紹介します。以下で紹介する特徴が症状として表れていた場合は、犬が乾燥肌かもしれません。乾燥肌は皮膚が乾燥するだけでなく、激しいかゆみも伴うため、スキンケアをしてあげる必要があります。
被毛の乾燥・パサつき
犬が乾燥肌になると、皮膚だけでなく被毛が乾燥しパサつきます。被毛が乾燥しパサつくと、枝毛や切れ毛が増えます。さらに、被毛が痛むことで静電気が発生しやすくなり毛が絡み合い毛玉ができるのです。
被毛は犬の健康状態と直結していると言われているため、乾燥肌だけでなくホルモンの病気なども疑ったほうが良いでしょう。ブラッシングの時に被毛のツヤがない・なんだかパサついていると感じた場合は、皮膚が乾燥していないか確認してみてください。
肌のかさつき・フケ
肌の乾燥がひどくなると、かさついて皮膚が剝がれやすくなりフケが多くなります。犬の肌のターンオーバーは3週間なのですが、乾燥することで周期が早まり本来なら剥がれ落ちなくても良い皮膚まで捲れてしまうのです。
肌トラブルにより多くなるフケは、脂っぽかったりサイズが大きかったりします。通常時に見られないようなフケが目立つ場合は、乾燥などの肌トラブルが起きている可能性があるでしょう。
また、犬の乾燥肌は肉球でも確認できます。乾燥により肉球がひび割れることもあり、歩く度に使う場所なのでなかなか傷が治りません。
赤み・ひっかき傷・出血
皮脂や角質内部の水分が減少し乾燥すると、外からの刺激に敏感になってしまい痒みが伴います。犬は痒いと我慢することなく掻いてしまうため、皮膚にひっかき傷ができたり、掻きむしったりすることにより出血や赤みがでてしまいます。
皮膚に傷ができると、他の皮膚トラブルに発展する可能性もあるため、赤みやひっかき傷・出血が見られる場合は、乾燥肌を疑いスキンケアに力を入れてあげましょう。
また、傷口から細菌感染を起こしているのか心配な飼い主様は、動物病院にかかるのも一つの手です。
犬が乾燥肌になりやすい部位
以下では、犬が乾燥肌になりやすい部位を紹介します。犬が特に乾燥しやすいのが、皮膚が薄く柔らかい部位や被毛がない部位です。
- 顔まわり
- 首元
- 腹部
- 肉球
- 手足の付け根
上記の部位は乾燥肌になりやすいため、こまめにチェックすることをおすすめします。特に肉球は足の裏で、気づきにくい場所ですが、歩いたり走ったりするとき痛みを感じているかもしれません。
よく使うからこそ早く治してあげたい部位なため、乾燥を見つけたらすぐに保湿をしてあげてください。
犬の乾燥肌の原因
続いて、犬が乾燥肌になる原因を紹介します。犬は人間より皮膚が薄いため乾燥肌になりやすく、普段の生活から乾燥や栄養バランスを意識しなければいけません。以下の項目に当てはまっていないかチェックしてみてください。
匂いや衛生環境を気にしてよくシャンプーをする飼い主様もいらっしゃるでしょうが、頻繁過ぎるシャンプーは必要なものも洗い流してしまっている可能性があります。
短毛・長毛の犬種により適切なシャンプーの頻度は変わりますが、一般的には月に1~2回の頻度で大丈夫です。月に3回以上のシャンプーは必要な皮脂まで洗い流していることもあるので、乾燥肌へと繋がってしまいます。
衛生面を気にされる方は、ペット用ウェットシートで体を拭いてあげたり、こまめにブラッシングをしてあげたりしましょう。
室内・空気の乾燥
犬は人間よりも乾燥肌になりやすいですが、特に乾燥しやすい冬場は肌トラブルが起きやすいです。室内犬であれば、冬場のヒーターや暖房で乾燥してしまいます。
屋外犬でも乾いた空気で乾燥してしまうでしょう。また、夏場でもクーラーで乾燥してしまうため、飼い主様は室温だけでなく湿度も気にかけてあげてください。
部屋の乾燥は乾燥肌だけでなく喉や眼球も乾いてしまうため、ドライアイや呼吸や循環器の疾患を引き起こす可能性もあります。
栄養バランスの乱れ
犬に必要な栄養素は、炭水化物・タンパク質・脂肪となります。他にも、ビタミン・ミネラルも必要です。この栄養素をバランスよく摂取することで、健康体を維持することができます。
五大栄養素のうち皮膚に影響するのは、タンパク質です。タンパク質が足りてしないと、以下のような症状が出ます
- 成長が遅れる
- 体重が増えない
- 毛並みが悪くなる
- 肌トラブルが起きる
摂りすぎも肥満の原因になったり、腎臓に負担がかかりすぎたりなど悪影響があり、適切な量を与えることが大切です。
犬の乾燥肌対策
犬に乾燥肌の症状がある場合は、以下の乾燥肌対策でスキンケアしてあげてください。どの方法も簡単に取り入れることができるため、気になる対策は実践してみましょう。
犬専用の保湿スプレー
愛犬の乾燥が気になる方は、犬専用の保湿スプレーを使用してみてください。肌が乾燥する場合、セラミド不足(脂質)が起きています。不足分は補ってあげることで改善しますから、肌乾燥には保湿が必須となるでしょう。
保湿スプレーは乾燥部位に噴射するだけで簡単にスキンケアができます。乾燥がひどい部分はコットンに保湿スプレーを含ませパッティングしてあげてください。被毛のパサつきにも保湿スプレーが効果的です。
犬の体内から油分を摂取
総合栄養食を与えている場合は、適量を残さない限り栄養バランスが乱れることはありません。それでも皮膚がもともと弱い犬には以下のようなアマニ油を食事に少量含ませてください
- オメガ3系脂肪酸
- リグナン
- 食物繊維
- 必須アミノ酸
- ミネラル
- 植物性タンパク質
アマニ油以外の良質な油でも大丈夫ですから、体の内側からスキンケア対策をしてあげましょう。
シャンプーを見直す
シャンプーは犬の乾燥肌に直結しますから、頻度も重要ですが、使用しているシャンプーによっても感想を促している可能性があります。肌が敏感な犬には、保湿効果がある薬用のシャンプーがおすすめです。
薬用シャンプーといっても多くの商品が販売されているので、どれが合うのかわからない方は、動物病院で獣医師に相談してみましょう。また、保湿ローションも使用してみるとさらに効果が期待できます。
乾燥肌対策をして犬の健康を守ろう
本記事は犬の乾燥肌の原因や特徴から、対策について紹介しました。犬は人間よりも皮膚が薄いですから、肌トラブルを起こしやすいです。
シャンプーのしすぎや栄養バランスが崩れる些細なことで乾燥肌に繋がるので、少しでも乾燥サインを見つけたらすぐに保湿などの対策をしてあげてください。