「猫を飼い始めたら避妊手術をしなければならない」と飼い主様は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。
本記事では、避妊手術をすべきと言われる理由や具体的な時期、手術後のケアについて詳しくご紹介いたします。本記事を通して飼い猫の将来を守るためにとれる選択肢をきちんと把握し、意思決定の一助となれば幸いです。
目次
猫を避妊するメリット
猫は避妊手術をすることにより、3つのメリットを得られるため以下で詳しく解説します。
避妊することで繁殖を防げる
猫は自宅だけでなく、屋外でも活動をする習性があります。そのため、自宅でオスの猫を飼っていなくとも、外にいる個体と交尾をしてしまう可能性があるでしょう。避妊手術を施していることで、もしものリスクに備えられます。
猫が発症しやすい乳腺や子宮の病気を防げる
発情期前に手術をすることで、猫が発症しやすい乳腺腫瘍などの発症率を抑えたり卵巣や子宮など生殖器系の病気を予防できたりします。猫は性ホルモンの分泌量を抑えることで、これら病気を未然に防ぐことができます。
さらに感染症など生殖器系以外の病気の予防にも効果的なため、避妊手術をするメリットであると言えるでしょう。
発情期にする行動を防げる
猫は発情期にマーキングやその他オスを誘惑する行動が増加します。そうすることで自宅が汚れたり、野良猫が滞在することで飼い主様の困りごとが増えたりする可能性があります。
家の中で飼っていたとしても外で妊娠をしてしまう恐れもあるため、そうならないためにも早めに決断することが重要です。
猫を避妊するデメリット
上記では、猫の避妊手術をするべきデメリットについて解説しましたが、デメリットもあります。2つ紹介するので、避妊手術をする際の参考にしてください。
猫が太りやすくなる
避妊手術を受けることで猫は太りやすくなります。ホルモンバランスの変化や代謝の低下が原因で太りやすくなるのです。
手術前にあげていた餌の量を継続してしまうと肥満状態になり、健康リスクが上がるため注意しましょう。特に術後すぐは食欲も低下していることが普通なため、心配して餌を多くあげすぎないことが大切です。
手術による命や体調のリスク
手術は猫の命に関わります。麻酔や薬が合わなかったことが原因で最悪の事態を招いてしまうことも少なくありません。
避妊手術においては健康な猫に対して長くても30分ほどの手術となるため、これらのリスクは他の手術と比べるとかなり低いと言えるでしょう。ただし手術に絶対はないため、紹介したような手術リスクがあることを念頭に入れておかなければなりません。
避妊手術をすべき時期
基本的には生後1年未満での避妊手術がベストだと言われています。なぜなら発情期前に避妊手術をするべきだからです。通常多くの猫は生後半年から1年のうちに初めての発情期を迎えます。
ただし飼い猫の健康状態や飼い主様の皆さんの予定の兼ね合いもあり、初めの発情期に間に合わない場合もあるかと思います。その場合でも1歳になるまでに避妊手術をすることで、病気のリスクを最大限抑えることができるでしょう。
1歳になった後でも手遅れではなく、決断がついたら早めに実行へ移すことが飼い猫を守ることに繋がります。
避妊後は飼い猫にどう接すべきか
実際に手術を終えると飼い猫は心身ともに疲弊し、弱っていることがほとんどです。そのため、飼い主様が最適なケアをすることが大切になってきます。以下では3つの方法から猫へのケアについてご紹介します。
手術後はご飯の量を控えめにする
手術後はご飯の量を控えめにしてあげましょう。手術をすることで猫自体に相当な負担がかかっている状態です。そんな時に無理して多めのご飯や、いつも通りのご飯を食べさせることは避けるべきです。
体調が悪くなってしまうことも多くあり、嘔吐や下痢をしてしまうかもしれません。これらを頭に入れておきながら、いつでも病院へ連れていける環境を整えてあげましょう。
傷口を舐めないような対策をする
術後は患部が気になってしまうものです。猫はとくにその部分をかいたり、舐めてしまったりすることが多くあります。そんな時はエリザベスカラーや術後服など、道具を使用することをおすすめします。
普段身につけないものを身につけていても快適な生活が送れるよう、障害物や段差を減らしたり、道具を使いやすい位置に移動させてあげたり、工夫できる点に関しては最大限気を遣ってあげましょう。
極力猫から目を離さない
最後は身も蓋もないことですが、術後の飼い猫からは可能な限り目を離さないようにしましょう。いつ体調を崩したり、出血したりするかは分かりません。目安として術後3日までは長時間目を離すような状況を作らないようにしましょう。
工夫としては外に出さないなどして移動する空間を制限したり、隠れられる場所を無くしたりです。術前のような万全な体調に戻り、前と同じ生活が送れるようになるまで目を見張っておきましょう。
飼い猫が快適に過ごすためにきちんと手術をしてあげましょう
本記事では飼い猫が避妊手術を受けるべきメリットやデメリット、手術を受ける理想的な時期などについて解説しました。全て重要な要素なため、必ず頭に入るまで読み込み、できるだけ早く最適な判断ができるようにしましょう。
また、猫はどうしても人間と同じように言語でコミュニケーションを図ることができません。飼い主様の皆さんが主体的に情報を集め、納得した上で意思決定を下すことが大切です。困った時はかかりつけの動物病院に相談すると良いでしょう。