愛猫の乾燥肌に悩まれている飼い主様もいらっしゃるでしょう。フケの量が増えたり、かゆい仕草を発見したりした際は、猫の乾燥肌を疑いましょう。猫は被毛に覆われているため、スキンケアができないのではないかと思われがちですが、効果的な保湿対策があるのです。
本記事は、猫の乾燥肌の原因や対策について紹介します。乾燥肌のサインや乾燥肌と間違えやすい疾患も掲載しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
猫の乾燥肌のサイン
初めに、猫の乾燥肌のサインを紹介します。意思表示が少ない猫の異変は、飼い主様が気づく必要があります。乾燥肌は悪化すると激しい痒みが伴い、他の肌トラブルも招く恐れがあるため、少しのサインも見逃さないようにしましょう。
フケが目立つ
猫の肌のターンオーバーは正常時だと約21日の周期ですが、乾燥肌になると周期が乱れ古い角質だけでなく正常な皮膚も捲れてしまいます。よって、正常時のフケの量より多いフケが見られるようになるのです。
また、肌トラブルにより出現するフケはサイズが大きかったり、脂っぽいものであったり、何らかの異変があります。正常のフケとは様子が違うフケや、量が多いと感じる場合は乾燥肌を疑いましょう。
肉球がヒビ割れている
猫の乾燥肌は皮膚だけでなく、肉球にも現れます。足の裏ですし、肉球は丈夫なイメージがあるため、乾燥を気にしていない飼い主様も多いでしょう。しかし、乾燥が進むと、肉球がひび割れてしまうこともあるのです。
肉球は歩いたり走ったりするとき、常に床やアスファルトに接していて刺激を受けやすいです。そのため、ひび割れてしまうと治りにくいのはもちろん、痛みも感じるでしょうから、定期的に正常な肉球かチェックしてあげましょう。
セルフグルーミング後に被毛がべたついている
猫が乾燥状態になると肌だけでなく、口腔内も乾燥します。正常な状態でのセルフグルーミング後は、被毛が整えられサラサラの仕上がりになります。
しかし、脱水時状態でのセルフグルーミングは、唾液の濃度が高くなるため被毛がべたついた仕上がりになるのです。その場合は、口腔内の乾燥だけでなく乾燥肌も気にしてあげましょう。
また、口腔内が乾いていて、無臭だと問題ありませんが、臭う場合は口内炎がないかチェックしてあげてください。
猫の乾燥肌と間違いやすい疾患
続いて、猫の乾燥肌と間違いやすい疾患について紹介します。乾燥肌の症状と似た疾患がいくつかあり、初期段階では判断しにくいです。乾燥肌だと勘違いして保湿しても一向に治らない場合は、似た疾患の可能性が高いでしょう。
ノミ寄生による皮膚炎
ネコノミなどのノミが寄生したことによって起きる皮膚炎は、症状が乾燥肌と似ています。ノミによる皮膚炎は、ノミに刺された刺激とノミの唾液の成分による化学刺激で激しい痒みを伴うのです。
ノミの皮膚炎が起きると、首周りから背中にかけてブツブツが現れて、痒みが出てきます。ノミに1度でも寄生されると猫が触れていた毛布やカーペット、おもちゃにもノミやノミのタマゴがくっついていることが多いので注意してください。
ツメダニ症
ツメダニ症は、ダニ寄生による皮膚炎です。ツメダニが猫の血を吸うことはないのですが、被毛に寄生すると大量のフケが出るようになります。また、湿疹やかさぶた・脱毛が起き、乾燥肌が悪化したような状態になるのです。
ツメダニは人間の血を吸いますから、猫から人に感染することもあります。飼い主様の皮膚が赤く腫れて痒みが出たり、猫に大量のフケが出たりした場合はツメダニ症を疑いましょう。
ミミヒゼンダニが原因の耳疥癬
耳疥癬は、ミミヒゼンダニが猫の耳に寄生することにより起きる疾患です。ミミヒゼンダニは外で生息する生き物ですから、外に出られる猫や、保護猫・野良猫に寄生することが多いです。
寄生した耳が痒くなるので、耳を引っかいたり、こすったりする仕草を頻繁にみる場合は、ミミヒゼンダニによる耳疥癬を発症している可能性があります。また、症状が悪化すると、首や頭も痒くなり脱毛や耳血腫ができます。
耳の中に黒褐色のカラカラの耳垢が多くある場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
マラセチア性皮膚炎・マラセチア性外耳炎
マラセチアは猫の皮膚や耳にいる酵母様真菌ですが、異常に増殖してしまうと皮膚炎や外耳炎を引き起こします。耳に赤みが出て、痒がっている仕草を見せる場合は、マラセチア性皮膚炎やマラセチア性外耳炎の可能性があります。
マラセチアが増殖しやすい季節は梅雨や台風が頻繁に発生する時期、季節の変わり目なので、妥当する時期に耳を痒がり始めたら、耳をチェックしてみてください。茶褐色や黒っぽい耳垢がある場合は、動物病院に受診してください。
猫の乾燥肌対策
続いて、猫の乾燥肌対策について紹介します。人間よりも皮膚が薄い猫は乾燥しやすいですが、被毛に覆われているため保湿できるのか疑問に思う飼い主様も多いでしょう。
乾燥肌のサインが現れている猫には、適した保湿対策がありますから、こちらで紹介する方法を取り入れてみてください。
月に1度シャンプーをする
猫はセルフグルーミングをする生き物ですから、基本的には頻繁なシャンプーは必要ありません。短毛種であれば年に1~2回のシャンプーで問題ないと言われています。
しかし、ダニなどが付着しやすい長毛種の猫は、月に1度シャンプーをすることが推奨されています。月に2回以上のシャンプーは必要な皮脂なども洗い流してしまう可能性があるため、乾燥肌を促進させてしまうのです。
ブラッシング
シャンプーは頻繁にしなくてもよい猫ですが、ブラッシングはこまめにしてあげましょう。長毛種であれば1日1~2回・短毛種であれば週に3~4回のブラッシングが目安となります。
ブラッシングでは不要なフケが取れますし、被毛の絡みを除去し毛ヅヤを与えることで静電気を起こしにくくします。乾燥対策にもなるのですが、力を入れてブラッシングすると皮膚を傷つけることになるため、優しい力加減が重要です。
保湿
乾燥肌になりやすい猫には保湿ローションや保湿スプレーを使用してみましょう。猫によっては、べたつく仕上がりが苦手な場合もありますから、サラサラタイプの保湿商品だと嫌がらないかもしれません。
また、部屋の湿度も気にしましょう。猫は乾燥すると乾燥肌にもなりますが、高湿度も苦手とします。最適な湿度は50%~60%と言われていますから、室温と湿度どちらも気にかけてあげてください。
食事
猫の健康な皮膚を維持するためには、以下が重要です。
- タンパク質
- 必須脂肪酸
- 抗酸化物質
猫の総合栄養食には、肌健康を維持するタンパク質・必須脂肪酸・抗酸化物質が含まれていますから、購入の際に確認してみてください。
総合栄養食を適量食べていれば、栄養バランスが偏ることはありません。一方、飼い主様の手作りを中心に与えていて、肌に異常が見られる場合は栄養バランスが偏ってしまうこともあります。
ストレス軽減
ストレスが蓄積される環境にいると、肌トラブルを起こしフケが大量に出ることもあります。室内飼育をされている方は、毎日体を動かす遊びを一緒にしてストレス発散をしてあげましょう。また、猫は一人だけの空間やリラックスタイムが必須です。
多頭飼いやお子様がいるご家庭で、猫のゆったりタイムがあまりない場合は、それだけでもかなりのストレスを与えている可能性があるので、部屋付きのキャットタワーなど一人だけの空間が作れる環境を手配してあげましょう。
猫のスキンケアにも気を付けよう
本記事は、猫の乾燥肌の原因や対策について紹介しました。猫は皮膚が薄いため、乾燥肌になりやすいです。乾燥肌になると、フケが大量に出たり、痒がったりする仕草を見せるため、少しのサインも見逃さないようにしましょう。また、乾燥肌になってしまった場合は、すぐに乾燥対策をしてあげましょう。