柴犬と暮らす飼い主様のなかには、愛犬がどのような病気にかかりやすいのかを知り、健康を守る準備をしたいという方も多いでしょう。柴犬にはいくつかのかかりやすい病気が存在します。今回の記事では、はじめに柴犬がかかりやすい病気の予防法や早期発見のポイントをお伝えします。また、高額になりやすいと言われる動物医療の費用について解説し、安心して通院するためのペット保険選びについてもお伝えします。

柴犬がなりやすい病気と予防方法

柴犬がなりやすい病気と予防方法

愛犬の健康を守るためには予めかかりやすい病気を知って起き、予防することが大切ですね。病気の中には予防法がないものもありますが、早期発見・早期治療が重症化させないコツです。ここでは柴犬がかかりやすい病気と、飼い主様が日常生活のなかで取り入れられる予防法や病気を見極めるポイントについてお伝えします。

食物アレルギー性皮膚炎

柴犬はアレルギー体質の子が多いことなどから他の犬種よりも皮膚病になりやすいと言われています。なかでも食物アレルギー性皮膚炎は柴犬がかかりやすい代表的な皮膚病のひとつです。このあと解説する犬アトピー皮膚炎と両方を併発する子も少なくありません。

食物アレルギー性皮膚炎の予防は、なるべく原材料が少ないシンプルなドッグフードを選ぶことです。アレルギーの原因となるアレルゲンは多種に渡ります。原材料が多いほどアレルゲンとなる食品にあたりやすいため、シンプルなフードがベストなのです。食物アレルギー性皮膚炎の予防のためには人の食べ物を与えるのも控えましょう。

犬アトピー性皮膚炎

犬アトピー性皮膚炎も柴犬がかかりやすい代表的な皮膚病のひとつです。一般的には花粉やハウスダスト、ダニなどがアレルゲンとして挙げられます。犬アトピー性皮膚炎を発症する犬は、もともと皮膚バリア機能が弱いこともわかっています。

飼い主様にできる予防は、できる限りお部屋を清潔に保つことです。また、愛犬の体の清潔も重要です。適切なシャンプーを使用して月1回程度を目安にシャンプーを行うと良いでしょう。

認知症

認知症は柴犬をはじめ日本犬がかかりやすいと言われています。特に柴犬は比較的長寿の傾向があり、認知症を発症しやすいと考えられます。認知症の予防法は、散歩コースを変えたり知育玩具などを使用したりして、普段から脳に刺激を与えることです。認知症に有効とされるサプリメントなどを取り入れるのも良いでしょう。

発症すると完治させることはできませんが、早い段階で治療を行うことで進行を遅らせることが可能です。愛犬に夜鳴きの症状や、同じ場所をぐるぐる回るなどの異常がみられた場合は認知症を疑い早めに受診しましょう。

白内障

白内障は老化と共に目の水晶体が白濁して視力が徐々に低下する病気で、遺伝的に柴犬はかかりやすい犬種のひとつです。老化や遺伝が関与するため予防することが難しい病気なので、できるだけ早期に発見することが大切です。

白内障には1~4のステージがあり、ステージ2以上に進行すると手術を受けない限り治すことができません。またステージ4まで進むと手術での根治も難しくなります。目がなんとなく白濁してきたと感じる程度でも、動物病院で目の状態を確認してもらうことが大切です。

緑内障

緑内障も柴犬がかかりやすい目の病気のひとつです。緑内障は目の中の水が溜まって目の中の圧力が異常に上がることで目の痛みや視力低下を引き起こす病気です。放置すると最終的に失明する可能性もあります。予防方法はなく、発症すると急速に進行するため早期の発見が大切です。愛犬に充血などの目の異常と共に元気消失などいつもと様子がみられた場合はできるだけ早く受診するようにしましょう。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、体を活発にするための甲状腺ホルモンの分泌が低下して元気がなくなる病気です。原因の一部に遺伝的要因が関与されていると言われており、柴犬は好発種のひとつです。7歳程度の中高齢以降の中型犬や大型犬に多くみられ、元気がなくなったり寒がりになったりする他、脱毛や黒ずみなど皮膚症状も一般的です。

この病気には有効な予防法がありません。できるだけ早い段階で投薬によるコントロールをはじめることが重要です。なんとなく元気がない、食事の量は変わらないのに太ってきたなどの異変に気づいたら早めに受診するようにしましょう。

特発性前庭疾患

突発性前庭疾患は、犬の耳の内耳にある前庭や三半規管に問題が発生して平衡感覚を失う病気です。斜頸という頭が傾く症状や、目が細かく揺れるなどの症状が出ることが特徴です。めまいに近い状態になって、嘔吐、震え、よだれなどが目立つこともあります。突発性前庭疾患は、突然発症するため予防法はありません。発症した際はすぐに動物病院を受診しましょう。

柴犬の病気診療は100%自己負担になる

ペットの医療費は高額だという話を聞いたことがある方も多いでしょう。本当は人の医療費も安いわけではありません。しかし人の場合、一般的な診療は保険が適用されて実際の支払いの負担がかなり減額されます。この制度のおかけでほとんどの人がそれほど高額な医療費を心配することなく病院に通えるのです。しかし、動物の場合は保険が適用されないため、動物病院にかかる場合の診療費は100%自己負担となってしまうのです。

動物病院は自由診療である

人の医療においては、保険が適用される保険診療のほかに自由診療と呼ばれる診療があります。再生医療などの新しい治療方法などがこの診療の対象となりますが、動物の医療においては全てが自由診療となります。したがって犬の通院に保険は適用されません。獣医師は各自で料金設定を行いますが、獣医師会などが基準料金を決めることはできず、各動物病院が協定して料金設定を行うことも禁じられているため、病院ごとに診療費の違いが出ることになります。

柴犬が病気になったときの診療費はいくらぐらいかかる?

柴犬が病気になったときの診療費はいくらぐらいかかる?

上でお伝えした通り、動物の医療には基準料金がないため、同じ診療を受けても動物病院ごとに診療費が異なります。そのためあくまで一般的な情報しかお伝えできませんが、おおまかな目安として診療費の解説をします。

柴犬の手術費用

手術を受ける際は入院を伴うため、費用が全体的に高額になります。手術に使用する薬の量や器具が多いため、大型犬は小型犬より費用がかかります。例えば骨折の手術の場合、小型犬で20~30万円程度は必要ですし、骨折の場所や犬種によっては50万円以上かかることもあります。柴犬の場合、中型犬に分類されるため、どのような手術であっても30万円前後の用意が

柴犬の入院費用

犬の入院費は体の大きさによって異なることが一般的です。中型犬である柴犬の場合、1日の入院が4,000円前後の場合が多いでしょう。動物病院によっては5,000円程度かかる場合もありますし、酸素室が必要なケースなどではさらに高額になる可能性もあります。

柴犬の通院費用

どんな病気であっても、一度きりの診療でおわりというケースはあまりありません。経過観察のために最低でも数回の通院が必要ですし、病気によっては生涯に渡る定期的な通院が必要となるため、交通費の見積もりも大切です。柴犬の場合、体の大きさから公共交通機関を利用することが難しいことも多いです。タクシーの費用や、自家用車であれば距離に応じたガソリン代などがかかることも念頭におきましょう。

柴犬のペット保険を選ぶ際のポイント

医療費を心配せずに治療できるように、飼い主様自身でペット保険に加入するのもおすすめです。ここではペット保険の選び方を解説します。

柴犬の発症しやすい病気が保険の対象であるか確認する

保険会社や商品によって保証の対象となる病気や怪我が異なります。柴犬が発症しやすい病気が対象となるかどうかを確認してから加入しましょう。同じ病気での補償金額が一律10万円などと上限設定されている場合もあります。柴犬がかかりやすい病気の中には一生治療が必要なものも少なくないため、保証の上限も確認すると良いでしょう。

手術費のほか入院費や通院費もカバーされているか確認する

上でお伝えしたように、治療には手術以外にも入院費や通院費がかかります。これらもしっかりとカバーしてある保険かどうかを見極めることも大切です。

柴犬が高齢のときの保険料も確認する

ペット保険は一般的に、犬の年齢が上がっていくにつれて保険料も上がります。保険の加入を検討する際には犬の年齢も考慮しましょう。年齢制限がある場合もあり、あまり高齢の場合やすでに持病を持っているなどの場合は、保険に加入できない場合もあるため注意が必要です。

柴犬がかかりやすい病気を知って健康を守る準備を

今回の記事では柴犬がかかりやすい病気や予防法についてお伝えしました。また、動物の医療費についての解説や、目安としての診療費について、いざという時のために保険に加入すると安心であること、保険選びのポイントなどもお伝えしました。柴犬をお迎えしたら、柴犬がかかりやすい病気についてしっかり事前に調べ、健康を守る事前準備を行いましょう。