「大型犬はどのくらい長生きするのか」と考えている方もいらっしゃるでしょう。大切な愛犬には「元気で長生きしてほしい」と思いますよね。

本記事では、大型犬の平均寿命や飼育方法で平均寿命は違うのかなどについて解説します。大型犬を飼っている人はぜひ参考にしてください。

大型犬とは

大型犬とは

大型犬は犬種や個体差によって違いはありますが、一般的に体重が25㎏以上の犬のことをいいます。

サイズごとに成長期の期間も違い、小型犬と中型犬は成長期が8~12か月です。対して大型犬は18~24か月です。また、大型犬は生まれた時の体重から約70~100倍の大きさまで成長します。

具体的にゴールデンレトリバーやシベリアンハスキー、ラブラドールレトリバー、秋田犬などが大型犬に分類されます。

それぞれの体型の平均寿命を比較

犬の平均寿命は14.76歳です。では、犬の体型の違いによって平均寿命は変わるのでしょうか。大型犬・中型犬・小型犬それぞれの平均寿命について解説します。

大型犬の平均寿命

大型犬の平均寿命は13~15歳です。例えば、大型犬の中でもセントバーナードは8~10歳、ドーベルマンは10~11歳、ラブラドールレトリバーは12~13歳と平均寿命にばらつきがあります。

中型犬の平均寿命

中型犬の平均寿命は10~14歳です。中型犬は柴犬やビーグルなど体重が約25㎏未満の犬のことを指します。中型犬フレンチブルドッグは約11歳、コーギーは約13歳が平均寿命です。

小型犬の平均寿命

小型犬の平均寿命は13~15歳です。小型犬はチワワやポメラニアンなど体重が10㎏未満の犬のことを指します。

パグは約13歳、ヨークシャーテリアは約14歳、ミニチュアダックスフンドとトイプードルは約15歳が平均寿命です。比較してみると小型犬になるにつれ平均寿命が延びていることがわかります。

犬種や飼育方法で平均寿命は違うのか

犬種や飼育方法で平均寿命は違うのか

体型によって平均寿命は異なりますが、犬種や飼育方法の違いで平均寿命は変化するのでしょうか。

雑種犬と純血種で平均寿命は違うのか

雑種犬は、いろいろな犬種の遺伝子を受け継いでいるので純血種と比べると病気にかかりにくいため長生きしやすいといわれています。

雑種犬の平均寿命は約13歳です。しかし、雑種の小型犬は13~15歳、中型犬は12~14歳、大型犬は10~12歳となっており、体型によって平均寿命は異なります。

また、雑種犬の受け継ぐ遺伝子によっては、病気にかかりやすいなどリスクもあります。必ずしも雑種だからといって寿命が長いというわけではありません。

室内飼育と室外飼育で平均寿命は違うのか

室内飼育と室外飼育では、室内飼育の方が、平均寿命が2~3年長いといわれており、室内飼育は外の環境の影響を受けにくいので平均寿命が長くなる傾向です。

室外飼育はノミやダニなどの寄生虫が付きやすいため、感染症になりやすかったり、暑い日は熱中症のリスクが上がったりします。さらに、外の騒音などのストレスを受けやすいです。

また、体調が急に悪くなった時に外にいては、すぐに気付けない危険性もあります。上記の理由も踏まえ、一昔前は室外飼育が主流でしたが、近年は室内飼育が増加傾向にあります。

なぜ、大型犬は平均寿命が短いのか

なぜ、大型犬は平均寿命が短いのか

なぜ大型犬は小型犬や中型犬よりも比較的平均寿命が短いのでしょうか。以下で考えられる理由を3つ解説します。

大きさに対して臓器が小さい

大型犬は、小型犬や中型犬に比べ体型に対しての臓器の大きさが小さいです。そのため、激しい運動をした時や、日常的な運動で臓器への負担をかけやすくなります。臓器の活動が増える分、老化が早まるので結果的に平均寿命が短くなるといわれています。

成長スピードが早い

小型犬や中型犬と違い、大型犬は1年あたりの成長スピードが早いです。小型犬と中型犬の1歳は人間の15歳、2歳は24歳にあたり、その後は1年で4歳分ずつ年齢を重ねます。

対して大型犬は、1歳で人間の12歳にあたり、その後は1年で7歳分ずつ年齢を重ねていくので、1歳になるまでの成長は小型犬と中型犬の方が早いですが、大型犬は段々と老化が早まっていくため、寿命が短いです。

遺伝子が関係している

大型犬の寿命には、IGF-1遺伝子という遺伝子が関係しているといわれています。

IGF-1遺伝子は成長ホルモンのひとつです。IGF-1遺伝子は大型犬に多く分泌され、小型犬はIGF-1遺伝子の働きが抑制されています。IGF-1遺伝子が多いと体型は大きくなるものの、短命になる可能性が高まります。

大型犬がかかりやすい病気

大型犬がかかりやすい病気

大型犬は体に対して臓器が小さいので、心臓にも負担をかけやすいので心臓病のリスクも高いです。

また、体重が重いため骨や関節にも負担をかけやすく、人体損傷や股関節形成不全などの関節の病気のリスクも小型・中型犬より高くなります。さらに、腸がねじれてショック状態になってしまう胃捻転も大型に多い病気です。

バーニーズマウンテンドッグは、平均寿命が6~8歳であり大型犬の中でも特に短命といわれていますが、もともと暑い気候が苦手で生活環境のストレスを受けやすいことに加えて、大型犬に多い病気にかかりやすいということが理由として挙げられます。

犬が長生きするために気を付けること

大型犬が長生きするために、飼い主様ができることはどんなことが挙げられるのでしょうか。飼育していくうえで気を付けることについて3つ解説します。

適度な運動

散歩などの適度な運動は体力の維持やストレス発散、免疫力低下を防止します。また、肥満の防止にもなるので骨や関節への負担の軽減、肥満が引き起こすさまざまな病気の予防にもつながります。

1回30分程度を基本にして体力や年齢などを考慮し、それぞれの犬のあった散歩回数と時間を設定しましょう。

食事に気を使う

食事の量や栄養などその犬に合った食事をしましょう。年齢や体の大きさなどによって、食事内容はさまざまです。適切な食事量は肥満の防止にもつながります。

特に気を付けたいのが人間と同じ味付けのものを与えないことです。人間と同じ食べ物は味が濃く、犬への負担が大きくなります。何らかの病気の原因にもなるので基本的には、栄養バランスの取れたドッグフードをあげるようにしましょう。

適切な生活環境

室内で飼育して温度管理をすることや、こまめにゲージやトイレを掃除して衛生管理を行いましょう。例えば、犬にとって最適な室内の温度は21~25℃程度です。

また、ワクチン接種や定期的な病院受診をしましょう。犬の平均寿命そのものは年々延びています。その理由の1つとして医療の進歩が挙げられます。

異変があればすぐに動物病院を受診することや定期的な病院受診は病気の早期発見にもつながるので、特にシニア犬は受診をおすすめします。

まとめ

本記事では、大型犬の平均寿命について解説しました。大型犬は、小型犬や中型犬と比べると平均寿命は短い傾向にあります。また、大型犬の犬種によっても平均寿命はさまざまです。

しかし、飼い主様が適度な運動や食事内容、適切な生活環境に気を配ることも大型犬の寿命に大きな影響を与えます。愛犬が元気で長生きするために、できることから始めていきましょう。