「猫の脱水症状はどうやって見分ければいいの?」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

脱水症状は一見すると、直ぐには見分けにくいものです。しかし、些細な変化を見逃してしまえば、愛猫の命を危険に晒しかねません。本記事では、猫の脱水症状の原因や応急処置の方法、脱水の見分け方について解説していきます。

猫が脱水症状になる原因とは

猫が脱水症状になる原因とは

猫が脱水症状になる原因は、「下痢」「利尿剤の摂取」「熱中症」などです。また、腎臓病や糖尿病なども体に必要な水分を体内から排出させてしまう病気が関わっていることもあります。

脱水症状の裏にある重篤な病気を見逃してしまわないように、猫の脱水原因をある程度突き止められるようにしておきましょう。

下痢

一時的な食欲不振や食事内容により下痢を発症して、脱水状態になることがあります。下痢とともに嘔吐も続くと脱水症状がよりひどくなることがあり、特に子猫やシニア猫は危険な状態です。

2〜3日以上下痢が続く場合は動物病院を受診してください。また、下痢が続いている間は常に水分が不足しているため、水分補給を欠かさないようにしましょう。

利尿剤の摂取

利尿剤を摂取していると脱水症状になりやすいです。心臓疾患の治療に利尿剤を用いることがあり、獣医師の指示のもと服用している猫も多いでしょう。

利尿剤を摂取している間は、医師の指示通りに服用させてください。独自判断で勝手に止めてはいけません。

熱中症

熱中症により脱水症状が現れることは多いです。夏の暑さだけでなく、冬の時期の暖房も熱中症になり得ます。また、季節の変わり目による気温差も熱中症の原因となりますので、熱中症による脱水は一年中気をつけるべきだと考えてください。

猫の脱水症状の応急処置

猫の脱水症状の応急処置

猫の脱水症状の応急処置として、「水分補給」「水分にミネラルを混ぜる」「ウェットフードに変える」などの対処法があります。

猫の体に足りない水分を補うことが最初の応急処置です。病院に行く際も水分を与え続けることを忘れないようにしましょう。

水分補給

たっぷりの水分補給をさせるためにドライフードにも水分を与え、新鮮な水を用意することが大切です。愛猫の1日に必要な水分摂取量は日頃から確認しておきましょう。

給水をしやすいようにウォーターサーバーを設置する工夫も良いです。猫にすぐさま新鮮な水を与えることができます。あまりに重篤な脱水症の場合は、病院にて点滴で対処することもあります。そうならないためにも、水分補給をきちんと行なってください。

水分にミネラルを混ぜる

電解質も補給する必要があるため、水分にミネラルを混ぜることも必要です。応急処置として経口補水液を与えてあげてください。自力で飲めない場合は、スポイトなどで飲ませてあげると良いでしょう。

熱中症など病気の場合は急を要するため、早めに動物病院を受診し獣医師に診せる必要があります。熱中症は人間と同じく、猫にとっても命を左右する危険な病気であることを心に留めておきましょう。

ウェットフードに変える

日々の食事をドライフードの7倍の水分が含まれるウェットフードに変えることもおすすめです。しかし、突然いつものフードが水っぽくなったら、食べてくれない猫もいるでしょう。そのため、いきなり食事を変更するのではなく徐々に変えると良いです。

食事で手軽に水分補給ができるのは、忙しい暮らしのなかで猫をお世話する飼い主様にとっても好都合です。慣れるまで少し時間はかかりますが、ウェットフードの種類も豊富にあります。愛猫が好きなウェットフードを見つけてみてください。

猫の脱水症状の見分け方

猫の脱水症状の見分け方

猫の脱水症状の見分け方には、「歯茎が乾いている」「目や口が乾いている」「皮膚の弾力がない」などがあります。普段の愛猫の様子を知らないと分からないことばかりです。日頃から適度なスキンシップを取るように心がけておきましょう。

歯茎が乾いている

口の中を覗き、歯茎に水分がなく乾いている場合は脱水の恐れがあります。歯茎を押さえても反応がない場合は要注意です。

通常は、歯茎を押さえると白からピンクに色が変化します。色の変化が見られず、白からピンクへ色が戻るのに時間がかかる場合は脱水症状のサインと考えましょう。

目や口が乾いている

猫の目や口が乾燥して粘液がネバついている場合は、脱水症状の可能性が高いです。愛猫の目をチェックして、いつもより十分な潤いがないと思ったら脱水を疑ってください。

皮膚の弾力がない

皮膚の張りを確認する「ツルゴールテスト」と呼ばれるものがあります。背中の肉をつまんで弾力がなく、2秒以内で元に戻らない場合は脱水症状の危険ありと判断しましょう。

皮膚の弾力性も常日頃から猫の様子を観察していないと分かりません。脱水症状を起こしていないときに、スキンシップをしつつ猫の皮膚をつまみ、弾力具合を確かめておくことが大切です。

猫の脱水症状を予防するには

猫の脱水症状を予防するには

猫の脱水症状を予防する対策として、「常に清潔な水を用意しておく」「普段から水分の減りを確認する」などが挙げられます。猫はあらゆる変化に敏感な生き物です。

飲み水の匂いから小さなストレスまで、過敏に察知してしまいます。猫の気持ちに寄り添って、脱水症状を起こさない工夫をしていきましょう。

常に清潔な水を用意しておく

猫は匂いに敏感なため、長時間放置した水など不衛生な水では飲んでくれない場合があります。そのため、常に清潔な水を用意しておくことが大切です。

水飲み用のボウルも清潔な状態にしておきましょう。飲水場所の環境を整えることは、猫が安心して飲み水を飲んでくれることにつながります。

普段から水分の減りを確認する

普段から愛猫の水分補給具合をチェックしておくことが大切です。猫の1日に必要な水分量は、体重1kgで約44~66mlとされています。

愛猫の体重から計算した水分摂取量を目安に「いつもよりお水の減りが少ないな」と感じたら、ほかにも病気の症状が出ていないか確認してください。

夏に限らず猫の脱水症状には注意しよう

夏に限らず猫の脱水症状には注意しよう

本記事では、猫の脱水症状の原因や応急処置の方法、脱水の見分け方について解説しました。一年を通して猫の脱水症状には気をつけてあげてください。人間でも水分補給は忘れがちになりますが、猫は自分で気づくことができません。

飼い主様が責任を持って注意し観察することが重要です。ペットの健康を守ることも飼い主様の大切な役目であり、愛猫との絆を深めることにもつながるでしょう。