「愛犬がなんだか最近疲れやすくなっている」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、主な疲れの原因や犬が疲れた時に見せるサインなどについて解説します。現在犬を飼っている方だけではなく、これから飼う予定の方もチェックしてみてください。

主な疲れの原因

主な疲れの原因

犬は大体7歳頃からがシニア期といわれ、体力が低下していきます。活動量も減り、休んでいる時間が長くなっていくので、疲れているのかなと感じることが多くなります。

では、高齢ということ以外の犬が疲れてしまう原因は何が考えられるでしょうか。今回は3つに分けて解説します。

運動による疲れ

運動による疲れ

長時間の散歩やドッグランで走り回るなど、いつも以上にたくさん運動した時は疲れてしまいます。

激しい運動は体力の消耗が激しく疲労が蓄積します。特に子犬やシニア期の犬は青年期と比べると体力がないので、遊んだり散歩していると早い段階で疲れがたまりやすいです。

ストレスによる疲れ

ストレスによる疲れ

病院やトリミングサロン、旅行などいつもと違う慣れない環境は、犬にとってストレスを感じやすく疲れてしまいます。

また、引っ越しや他の動物が新たに家族として加わった場合など、長く過ごす家での環境が変わってしまうこともストレスを溜めやすくなります。人間同様、犬にとって本来家は安心できる場所です。

神経質な犬や警戒心が強い性格の犬は、環境の変化に慣れるまで時間がかかるのでストレスも大きいです。興奮したり不安や緊張すると交感神経の働きが多くなり、息切れしやすく疲れを感じやすくなります。

病気が原因

病気が原因

循環器や血液の病気、骨折、肥満などが原因の可能性もあります。

肺炎や肺水腫、心臓病の場合は咳や息切れなどの症状が現れ呼吸困難になる場合があります。

骨折している場合にでる症状は、元気がない、動かないといった疲れているときと似た様子です。疲れの症状に加えて足をなめるような仕草が見られたら、注意しましょう。

また、肥満になると体が重たくなった分、動くときに余分に体力を使わないといけないので疲れやすくなります。

以上のように疲れは何らかの病気のサインでもあるので、寝ても疲労が回復していないようなら病気が原因かもしれないと疑ってみてください。

犬が疲れた時に見せるサイン

犬が疲れた時に見せるサイン

疲れた時に犬はどんな行動や仕草で私たちに教えてくれるのでしょうか。疲れた時に見せるサインを5つ紹介します。

あくびをする・よく眠る

あくびをする・よく眠る

運動すると酸素不足になり、酸素を多く体内に取り入れようとしてあくびをしたり、激しい運動により疲れているときに眠気が出てあくびをします。

口を大きく開けて長めにあくびをしている場合は、眠い時にするあくびの特徴です。疲れが溜まっている場合はぐっすり眠り、疲労回復する場合が多いです。

また、犬は緊張やストレスを感じるとカーミングシグナル(動物のボディランゲージ)として落ち着くためにあくびをします。

食欲低下

食欲低下

多くの犬は食欲旺盛で食べることが大好きですが、疲れると食欲がなくなり好きなごはんやおやつに対して興味が薄くなる場合があります。

しかし、歯に異常があったり、高齢化していつものごはんの形態が合わなくなったという疲労が原因ではない場合があります。

また、食事はしなくなったけど水を飲んだり、おやつはきちんと欲しがったりしている場合は、いつものごはんに飽きて違うものが食べたいというサインなので、それほど心配する必要はないでしょう。

動作がゆっくりになる

疲れると動作がゆっくりになります。

特に散歩中に見られるサインです。歩いているとふらつきはじめ歩行がうまくできなくなる場合があります。

また、いつもと同じ散歩コースでも足取りが重く、徐々に歩くスピードが落ちて歩き方に軽快さがなくなったり、地面に座り込んでしまったり、最終的には寝そべって動かなくなったりします。

何かに興味を示してじっとしている場合や、「歩きたくない」と寝そべっている犬を見かけると可愛らしく感じますが、そうではなく体調不良の可能性もあるので注意しましょう。

呼吸が荒くなる

運動後は、心拍数が上がるので呼吸が荒くなります。

呼吸が荒くなるのは、熱中症の可能性もあります。犬は人間と違い汗をかけません。その代わりにパンティング(口を大きく開けて呼吸をする)をして体の熱を外に放出して体温を下げようとします。

しかし、疲れ以外に呼吸器の病気や心臓病、鼻づまりが原因で呼吸が荒くなる場合もあるので、激しい運動をしていないのならば動物病院を受診しましょう。普段の心拍数を把握しておくことも大切です。

表情が暗い

表情が暗い

犬は疲れると表情が暗くなります。人間同様に疲れが顔に出てしまうのです。

目がうつろになったり、うとうとしてゆっくり目を閉じたりする仕草は疲れている証拠です。また、名前を呼んだり話しかけたりしても、ちらりとこちらを見るだけだったりして反応が薄くなったりします。

犬が疲れているときに行うこと

犬が疲れているときに行うこと

犬が疲れているときは、どうすれば疲労回復や疲れを溜めないことができるのでしょうか。すぐに取り組める方法について4つ解説します。

その都度休ませる

その都度休ませる

疲れている様子が見られたらその都度休ませることが大切です。

犬は暑さに弱いので暑い日は熱中症や脱水症状を起こしやすいです。こまめに休息と水分補給を行い、日陰や風通しの良い場所に移動して休ませてあげましょう。

また、シニア犬は体力が低下しているので、暑い日関係なく散歩の距離を短くしたり呼吸が荒くなっていれば立ち止まり休息を取り入れます。

休みやすい環境を作る

休みやすい環境を作る

その犬にとっての休みやすい環境作りをしましょう。

静かな部屋を用意したり、室内ならば適切な温度管理をしたりして休ませます。犬は睡眠時間が長いです。平均で12~14時間、子犬やシニア犬の場合は18~20時間眠ります。

必要以上に声をかけたり触ったりして犬の休息を邪魔しないことが大切です。

疲れの原因となっているものの回数を減らす

何かしらのストレスにより疲れが溜まっているのならば、疲れの原因となっているものを取り除かなければなりません。

例えば、散歩中に疲れているのなら、無理に歩かせないようにしましょう。また、トリミングサロンに行くことや、シャンプーが苦手でストレスを溜めてしまうのなら回数を減らし、無理にしなくてよいことは思い切ってやめることも選択肢のひとつです。

病院を受診する

さまざまな対処をしても疲労回復が見られない場合やいつもと違う様子があれば、躊躇せず動物病院を受診しましょう。

特にシニア犬は体に支障をきたしやすいです。何かが起こってからの行動ではなく、事前に医師と相談しておくと、普段の生活で疲れを和らげることができます。

まとめ

休みやすい環境を作る

犬が疲れた時には良く眠ったり、動作が遅くなったり表情が暗くなったりします。犬が疲れた時に見せるしぐさや行動は人間に似ている部分が意外と多いと感じたのではないでしょうか。

犬が疲れた時に見せるサインは、日常生活で見つけることができます。何気ない変化に気づけるように普段から愛犬の行動や表情を観察しておきましょう。