猫は自分でグルーミングをするからブラッシングは必要ないと思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし犬と同様に猫にもブラッシングは必要です。

本記事では、ブラッシングする効果やブラシの種類などについて解説します。愛猫を大切に育てるうえで大切なことですので、ぜひチェックしてください。

猫をブラッシングする効果

猫をブラッシングする効果

猫自身がグルーミングをするのになぜ人の手でもブラッシングが必要なのでしょうjか。人の手でブラッシングをすることで得られるさまざまな効果について解説します。

皮膚トラブルの予防

皮膚トラブルの予防

ブラッシングによって皮膚表面と被毛の汚れを取り除き、清潔に保つことで皮膚トラブルの予防につながります。

特に口周りは自分でグルーミングすることが難しく、食べかすが残って細菌が繁殖し炎症が起きやすいので注意しましょう。

また、ブラッシングは皮膚に刺激を与えるので新陳代謝を良くして血行促進効果があります。

健康チェック

猫は体調が悪いと毛並みが悪くなります。そのため、ブラッシングは健康チェックをする時間にもなります。

毛質に変化が見られないか、ノミやダニが付いていないか、触った場所に異常がないかチェックしましょう。チェックする際に特に注意するべきポイントは3つあります。

一部分だけ毛が抜けていないか

皮膚が見えるほど毛が抜けていたら要注意です。皮膚炎やアレルギー、内分泌の病気の可能性もあります。

湿疹やしこりがないか

湿疹も皮膚炎やノミの影響の可能性があります。しこりは脂肪腫や腫瘍、さらに避妊手術をしていないメス猫は乳腺の腫瘍の可能性も考えられます。

ブラッシングしている場所を嫌がらないか

ブラッシング中に痛いところがあれば嫌がります。嫌がる様子が見られれば病気の可能性があるので、動物病院を受診するなど状況に合った対応をしましょう。

毛玉防止

毛玉防止

ブラッシングをすると毛の絡まりが取れるので毛玉の防止ができ、さらに抜け毛もある程度除去できます。

また、猫はグルーミングをすると舌に被毛や毛玉が絡まり、そのまま飲み込んでしまいます。被毛や毛玉は胃で消化されないため、被毛や毛玉を飲み込んでしまうと一部は便で排出されますが、頻繁に吐き出す様子が見られ、最悪の場合は腸閉塞になることもあります。

コミュニケーションをとる

ブラッシングは、飼い主様と猫とのスキンシップをとるための大切な時間です。

猫は家族や仲間内でグルーミングをします。触れ合うことで猫との信頼関係が築くことができ、猫に安心感を与えられるでしょう。また、リラックスした時間を過ごせることで猫と飼い主様のどちらのストレス解消にもつながります。

猫をブラッシングする際のブラシの種類

猫をブラッシングする際のブラシの種類

猫をブラッシングする際はどのような道具で行うのか、ブラシの種類について解説します。

スリッカーブラシ

スリッカーブラシ

スリッカーブラシは、長方形の形をしており、先の細かい針金のようなピンが密集しているブラシです。一度に広い面積をブラッシングできるため、長毛種の猫や換毛期の抜け毛が多い猫に使用するのに適しています。

ただし、スリッカーブラシは素材が固いため、皮膚への刺激が心配な場合はソフトタイプのスリッカーブラシを選びましょう。

ラバーブラシ

ラバーブラシは、シリコンやゴムで作られています。柔らかい素材のため刺激が少なく、抜け毛のみを取り除くことができます。優しくなでるように使うので、ブラッシングが苦手な猫や短毛種の猫に適しています。

ピンブラシ

ピンブラシ

ピンブラシは人間が使うような形をしているブラシです。ブラシの先に丸いピンが付いているので、スリッカーブラシより優しくブラッシングできます。一般的によく使われるブラシで、猫全般に適しています。

子供や猫を飼い始めたばかりで力加減がわからない方は、まずピンブラシを使用してみると良いでしょう。

コーム

コーム

コームは、主にブラッシングの仕上げに使用する金属製のブラシです。仕上げのほかにも毛玉のできやすい部分や細かい部分にも使用します。

粗目のコームと細目のコームがあり、粗目のコームは長毛種の猫に適しています。細目のコームは短毛種の猫に適しており、さらにノミ取りにも使用する場合もあります。顔用、お腹用とあるので用途に合わせて使用するようにしましょう。

猫の種類別ブラッシング方法

猫の種類別ブラッシング方法

猫の種類別ブラッシング方法について解説します。先ほど紹介した長毛種の猫と短毛種の猫それぞれに適したブラシを使用した方法なので参考にしてみてください。

長毛種の場合

長毛種の場合

ピンブラシで優しくブラッシングをして毛玉や毛のもつれを取り除きます。毛玉ができやすい場所は、耳の後ろやわきの下、足の付け根、尻尾の付け根です。

また、長毛種は毛が絡まりやすいですが、無理に引っ張って皮膚を傷めないようにしましょう。

毛流れに沿ってスリッカーブラシを使いブラッシングします。顔周りや足はコームを使用しましょう。

短毛種の場合

短毛種の場合

ピンブラシやラバーブラシで毛流れに沿って優しくブラッシングします。お腹は特に優しくブラッシングを行い、嫌がるようならやめておきましょう。顔周りはコームを使用します。

ブラッシングを嫌がるときの対処法

ブラッシングを嫌がるときの対処法

人に慣れていなかったりブラシそのものが苦手だったりと、さまざまな理由からブラッシングを嫌がる場合もあります。

しかし、ブラッシングは猫と生活していくうえで大切なことです。猫がブラッシングを嫌がるときは次のことを試してみましょう。決して無理はせず行ってみてください。

少しずつブラッシングする

少しずつブラッシングする

まずは短時間から始めてみましょう。慣れてきたら少しずつ時間を延ばすようにします。尻尾やお腹は嫌がる特に嫌がる可能性が高いので、その場合は後頭部や首など触りやすいところから範囲を広めていくとブラッシングしやすくなります。

また、「今日は背中だけ」などとブラッシングする場所を1ヶ所に絞って行うのも効果的です。

ごほうびをあげる

ブラッシングができたらご褒美としておやつをあげてみるのも手段のひとつです。もちろん、おやつのあげすぎは良くありませんが、「ブラッシングをすればおやつをもらえる」と認識できれば落ち着いて受け入れてもらえるかもしれません。

落ち着く位置でブラッシングする

落ち着く位置でブラッシングする

猫にとって落ち着く位置でブラッシングを行うこともポイントです。飼い主様の腰辺りでブラッシングしてみると落ち着いてくれる場合もあります。猫によって落ち着く位置は違うので、よく観察してみましょう。

まとめ

本記事ではで猫のブラッシングの効果や方法について解説しました。

ブラッシングは皮膚トラブルの予防や健康チェックができるので、病気の早期発見にもつながります。また、夏場のブラッシングは余計な被毛を取り除くことで熱中症対策にも効果的です。

やりすぎは抜け毛の原因になるので注意しながら、ブラッシングで愛猫とのコミュニケーションをとっていきましょう。