「猫もごはんを食べ過ぎると健康に良くないのかな」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
人間と猫は異なる動物ですが、どちらとも食べ物を適量以上に食べ過ぎると健康を害してしまいます。猫の場合は過食気味になる背景が複雑な場合もあり、飼い主様が普段の食事の様子をこまめに観察することが必要です。
本記事では、猫が食べ過ぎてしまう原因や食べ過ぎを防止する対策方法、食べ過ぎによる病気にかかる可能性を解説していきます。
目次
猫が食べ過ぎてしまう原因とは
猫が食べ過ぎてしまう主な原因は、以下の4つです。いずれの原因も猫の生涯で必ずといっていいほど訪れる事柄になります。だからこそ、常日頃から猫の食事風景には気を付ける必要があるのです。
去勢・不妊手術後のため
飼い猫の多くが去勢手術や不妊手術を受けて育ちます。去勢・不妊手術後にはホルモンバランスが変化してしまい、食欲旺盛になってしまう猫が多いです。術後による運動力の低下や発情時のままならなかったストレスからの解消も食欲増加の原因になります。
人間と同じく術後の体というものは不安定になりがちです。さらにいえば、去勢ならび不妊手術の場合は生殖器を取り除いているため、心身ともに影響が出ます。去勢・不妊手術の後は猫の食欲に気をつけてあげてください。
ストレス
人間と同じく猫もストレスを感じると過食気味になります。例えば、複数の猫を飼っている場合は飼い主様のスキンシップ不足などが原因でストレスを感じ、ごはんを食べ過ぎてしまうことがあるのです。
ほかにも、引っ越しなどの環境変化もストレス原因のひとつになります。猫にとって居心地の良い環境から離れることは、非常に大きな不安をもたらすものです。多頭飼いや、最近引っ越しをしたばかりの飼い主様はこうした猫のストレスを和らげるようにしてください。
効果的な方法としては、猫が嫌がらない程度にスキンシップを増やすことです。ただ傍にいる時間を増やしてみるのも良い方法になります。愛猫に合ったストレス解消法を試してみてください。
妊娠中のため
猫は妊娠中にお腹の子猫を育てるため、食欲旺盛になる場合が多いです。しかし、いくら子猫のためとはいえ、必要以上に食べ過ぎてしまうと、かえって母体にも子猫にも悪い影響を与えてしまいます。
愛猫が妊娠したときは、定期的に体重を記録しましょう。妊娠中の標準体重よりも明らかに肥満気味になってきたら、獣医師に相談してください。
保護猫のため
悲しいことですが、保護猫の場合は十分な餌を与えられずにいた経験を持つ個体もいます。そのため、ごはんが出てきたら「次にいつ食べられるか分からない」と考え、食べられるだけ食べようとしてしまうのです。
保護猫を引き取って育てている飼い主様は、保護猫のストレス改善に努め、今いる場所が安全であることを猫自身に理解してもらうようにしましょう。食事の心配は要らないと猫が気づくまで時間がかかるかもしれませんが、根気強く対応してください。
愛猫の食べ過ぎを防ぐ4つの対策
猫の食べ過ぎを防ぐには、以下の4つの方法が適切です。いつもより猫の食事に気を使わなくてはいけませんが、愛猫の健康のためになります。日々少しずつ工夫を凝らしていくよう心がけましょう。
餌を与える回数を増やす
人間のように1日3回の食事ではなく、餌を与える回数を増やしてみてください。そのかわり、1回の食事量を減らします。合計の食事量が愛猫にとって適した量であれば良いのです。
餌の回数を増やすことで満腹感が満たされやすくなります。また、与える時間を決めておけば生活リズムを正すことにもつながるため、健康習慣のためにも試してみてはいかがでしょうか。
おねだりを無視する
猫の食べ過ぎで意外と多いのは、飼い猫のおねだりに負けて飼い主様がおやつを与えすぎてしまうことです。愛猫の可愛いおねだりに負けてしまう気持ちは理解できますが、おやつの与え過ぎは愛猫の健康を害してしまいます。
すでにごはんを食べ過ぎている猫には、心を鬼にしておねだりを無視してください。何よりも猫の健康を第一に考えることが大切です。そのぶん家で一緒に遊ぶ時間を増やすなど、猫とのコミュニケーションを多く取っていきましょう。
満腹感を感じるフードに変更する
満腹感を感じられるフードに変更することも、猫の食べ過ぎを抑えることに効果的です。キャットフードの前に猫用のスープを与えるなど、愛猫が楽しく満足できる食事方法にしてみましょう。
乾いたドライフードよりも3倍ほど低カロリーで水分の多いウェットフードに変更しても効果があります。愛猫の好き嫌いを確認しながら試してみてください。
愛猫の体重に適したフード量にする
猫それぞれの体重によって適したフード量があります。定期的に猫の体重を測り、適したフード量を調節することが大切です。適切なフード量やフードの中身は子猫や成長期の猫、老猫と年齢により異なります。
飼い主様の愛猫の年齢に合ったフードを与えることも重要です。フードの量や中身に不安を覚える場合は、獣医師に相談しながら1日に与える量を決めると良いでしょう。
食べ過ぎによる猫の病気とは
食べ過ぎにより、猫が病気にかかる可能性もあります。なかでも、代表的な病気は以下の3つです。最初のうちは軽い症状でも、放っておくと重度の病気にかかりやすくなります。初期の症状を見極めて、少しでも疑いがある場合は動物病院に行きましょう。
関節炎
食べ過ぎにより体重が増えることで関節に負担がかかり、関節炎になることがあります。ほかにも、靭帯の切断や椎間板ヘルニアなどより酷い症状に悪化することも多いのです。
猫は痛みを隠す癖があるため、気がついたら足が酷く腫れていたということも多々あります。飼い主様は愛猫の食事とともに体自体も注意深く観察してあげることが大切です。
肥満
食べ過ぎの代表的な病気といえば、肥満が挙げられます。食欲旺盛で過食気味になれば当然必要以上に体重が増えて肥満体となり、肥満に伴う病気のリスクが上がることになるのです。
肥満でかかりやすい病気としては糖尿病が多くみられますが、その他の病気にもかかりやすくなります。猫は犬よりも体の変化に気づきにくい体型をしているため、日々の観察や体重を測ることが大切です。
心臓病
食べ過ぎにより皮下脂肪が増加して、心拍数が上昇すると心臓病のリスクが上がる危険性があります。皮下脂肪の増加から血圧の上昇も考えられるため、心臓への負担は相当なものになるのです。
ほかにも脂肪によって気道が圧迫されてしまうこともあります。喉を詰まらせたようなくしゃみをするようになったら、危険信号と判断して動物病院を受診してください。
愛猫のきもちも大切に健康的な食事を提供しよう
本記事では、猫の食べ過ぎに関する原因と対策方法、病気の可能性に関して解説しました。愛猫にたっぷりとごはんを食べさせたい気持ちは、飼い主様ならば誰にでもあるものです。
しかし、それが猫の病気につながってはいけません。獣医師と相談しつつ愛猫に適した食事量や栄養バランスを考えることが大切です。
COCOペットでは、コラムにて猫の情報を発信しており、猫の正しい食生活と健康習慣に関する知識を得ることができます。