「猫に野菜を与えても問題ない?」と悩んでいる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
猫の主食はキャットフードですが、キャットフードだけでは必要な栄養素を補えない場合があります。そんな中で、必要な栄養を補うために適した食材が野菜です。しかし、肉食性の猫に対して野菜を与えるには注意すべき点が多くあります。
本記事では、猫が食べても大丈夫な食材と食べてはいけない食材について理由も併せて紹介していきましょう。
目次
猫と野菜の関係性とは?
猫は本来肉食性の動物なため、野菜を摂取しても体の中で思うように吸収することができません。さらに、人間にとっての栄養バランスと猫にとっての栄養バランスは異なります。
例えば、猫は炭水化物よりタンパク質が必要であり、栄養素のひとつであるβカロテンをビタミンAへと変換することができません。
つまり、猫には単体で摂取すべき栄養素が多いのです。愛猫へ栄養バランスの良い食事を提供するために、野菜を上手く活用しましょう。
猫が食べても問題ない野菜12選
猫が食べても大丈夫な野菜を12個厳選しました。与える際には加熱やすりつぶすなどの調理が必要になる野菜もあります。与え方を間違えないように、気をつけてあげてください。
アスパラガス
アスパラガスは疲労回復や免疫力向上に効果的なアスパラギン酸が含まれており、猫に与えても問題ありません。ただし、アスパラガスの葉には中毒性物質があるため、必ず茎のみを加熱し細かく刻んだものを与えましょう。
枝豆
枝豆はビタミンやタンパク質が豊富で猫に与えても良い野菜です。塩分過多を防ぐために調味料を使用せずミキサーなどで擦りつぶしてから与えてあげてください。
かぼちゃ
かぼちゃは鉄分やビタミン類、カリウムなどが豊富に含まれており、動脈硬化予防や老化予防に役立つ野菜です。高カロリーなため、少量またはおやつ程度の量を必ず加熱して与えてください。
キャベツ
キャベツはキャベジンと呼ばれる胃腸に良い物質が含まれており、猫に有害な物質は入っていません。加熱して細かく刻んだものを与えると良いでしょう。
きゅうり
きゅうりは猫に有害な物質は入っていないため、生のまま与えても問題のない野菜です。水分が約95%もあり、低カロリーのため肥満気味の猫にも与えることができます。
ゴーヤ
ゴーヤには猫に有害な物質は入っていないため、与えても良い野菜です。与えるときは、必ず加熱した後に細かく刻んでください。
大根
大根は鉄分やカリウムのほか、ビタミン類も豊富に含まれている野菜です。約90%が水分であり、猫にとって有害な物質は含まれていません。白い部分は生のままで与えても良く、葉っぱの部分は茹でて与えてください。
消化を良くするためにすりおろすと、より食べやすくなります。しかし、甲状腺に問題がある猫には与えない方が賢明です。
とうもろこし
とうもろこしは猫に有害な物質は含まれておらず、加熱してすりつぶしてから与えることができます。ただし、カロリーが高い野菜のため、与えすぎには注意してください。
トマト
トマトは抗酸化作用のあるリコピンやビタミンCが豊富に含まれているため、猫に良い影響を与えます。ただし、熟していないトマトは猫にとって毒になるため与えてはいけません。
熟したトマトのみを与えることに注意しつつ、酸味が苦手な猫のために必ず加熱してあげましょう。
にんじん
にんじんはβカロテンや食物繊維、ビタミンA、カリウムなどが豊富に含まれており、猫の健康に良い野菜です。与えすぎに注意し、加熱した状態のものをあげてください。
白菜
白菜は約95%が水分であり、カルシウムやカリウム、ビタミン類も少量含まれている野菜です。生の場合は消化不良を起こすことがあるため、加熱をしてから与えましょう。
ただし、猫によって相性があるため、下痢や皮膚の赤みなどの症状が現れた場合は与えないでください。
ピーマン
ピーマンは猫に対する有毒物質は含まれていない野菜なため、与えても問題はありません。茹でた後に細かく刻んで与えるのがベストです。
ただし、ナス科の植物のため、ナス科の植物にアレルギー反応を示す猫には与えないようにしましょう。
猫が食べてはいけない野菜5選
人間に馴染みのある野菜でも、猫にとっては危険な野菜もあります。代表的なものとして挙げられるのは、以下の5つの野菜です。中には、触れるだけでも猫に害を及ぼす食材もあるため取り扱いは、十分に注意してください。
アボカド
アボカドに含まれるペルシンは、猫に限らず他の動物にとっても毒になる物質です。摂取すると呼吸困難や嘔吐などの症状が出て最悪の場合、死に至ります。口に入れただけでも症状が出る場合もあるため、アボカドを猫に近づけないようにしましょう。
じゃがいもの芽
じゃがいも自体は消化に良い食べ物ですが、じゃがいもの芽は毒性を持っており、猫にとって危険です。食べた場合は呼吸困難や麻痺の症状が起こり、最悪の場合は昏睡状態になって死ぬこともあります。
じゃがいもは備蓄野菜としてご自宅に保管している方も多くいらっしゃるでしょう。備蓄の際には芽が出る前に食べきるか、芽が出た場合は直ぐに処分してください。
ニラ・ニンニク類
ニラ・ニンニク類に含まれる「アリルプロピルジスルフィド」という物質は猫の赤血球や血液中のヘモグロビンを変化させ、赤血球を破壊します。その結果、猫はハインツ小体溶血性貧血という重度の貧血になってしまうのです。
ニラやニンニクは調味料にも含まれています。誤って与えないように注意してください。
玉ねぎなどのネギ類
玉ねぎなどのネギ類も中毒を起こし、下痢や血尿を発症することあります。最悪の場合は死に至ることもあるため、決して与えないようにしましょう。
生のほうれん草
生のほうれん草はシュウ酸を多く含んでいるため、尿結石につながる恐れがあります。与えるときはアク抜きをしっかり行うことを忘れないでください。
生のほうれん草
生のほうれん草はシュウ酸を多く含んでいるため、尿結石につながる恐れがあります。与えるときはアク抜きをしっかり行うことを忘れないでください。
猫に野菜を与えるときの2つの注意点
猫に野菜を与えるときは、「主食にしない」「野菜の量を調節する」という2点を必ず守りましょう。猫にとって野菜は副食にすぎません。愛猫のためにも正しい野菜の与え方を実行してください。
主食にはしない
猫にとって主食はキャットフードであり、野菜は主食のトッピングやおやつになります。野菜のみを与えることのないように注意しましょう。
野菜の量を調節する
食べても良い野菜だからといって大量に摂取させてはいけません。野菜は1日のカロリーのうち10%以内に抑えましょう。愛猫の体重から1日に必要なカロリーを覚えておくことが大切です。
愛猫が長生きできるように食事には細部まで気を遣っていこう
本記事では、猫が食べても大丈夫な野菜と食べてはいけない野菜を理由も併せて紹介しました。大前提として、猫と人間では栄養バランスが違うことを理解しましょう。間違った野菜の与え方をすれば病気になりかねないのです。
愛猫がいつまでも元気でいられるように、野菜を含めて健康に気をつけた食事を与えられるようにしましょう。
COCOペットでは、コラムにて猫に関する情報を発信しており、猫の正しい食生活を学ぶことができます。