「猫の免疫力ってどうなっているんだろう」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
犬と同じく猫も生きていくために免疫力維持は必要です。現在では家猫になった猫が数多くいます。そのぶん、免疫力低下につながる事柄へ近づいてしまったという側面もあるでしょう。
本記事では、猫の免疫力低下の原因や改善方法、効果的な食事について紹介していきます。
目次
猫の免疫力について
猫の免疫力とは、犬と同じくウイルスや外敵から猫の体を守るために備わっている力です。正常に免疫機能が働いている場合は、皮膚や内臓を健康に保つことができます。
しかし、ひとたび免疫のバランスが崩れると、免疫系疾患や口内炎、腸内不良、皮膚トラブルが起きる可能性が高くなってしまうのです。そのため、猫の免疫力をアップさせることは日常から気をつけていかなければなりません。
猫の免疫力低下に関する3つの原因
猫の免疫力低下に関する原因は、以下の3つです。
● 栄養バランスのない食事
● 老化
● ストレス
屋内で暮らす猫にとっては当てはまることの多い原因ばかりになります。日常のどのような行いが猫の免疫力を低下させているのか、改めて学んでいきましょう。
栄養バランスのない食事
栄養バランスのない食事は、免疫力低下の原因になります。猫も人間と同じく必要な栄養素が多数あるのです。
ビタミン、タンパク質、ミネラルなどが不足した食事は免疫力を低下させてしまいます。同時に腸内環境も悪くさせてしまうため、余計に免疫力が低下してしまう恐れがあるのです。今一度猫の食事を見直してみましょう。
老化
外的な要因というよりも、猫の老化により免疫細胞を作る能力が少なくなっていることが原因の場合もあります。老猫になれば、運動量も成猫と比べて減ってしまい、免疫力が低下するのです。
免疫力が低下すると病気にも容易にかかってしまいます。老化を迎えた愛猫には運動や食事などを全てにおいて注意を傾けるようにしましょう。
ストレス
ストレスも猫の免疫力を低下させる原因のひとつになります。運動不足や環境によるストレスで免疫力が低下し、病気にかかってしまうのです。
外敵から自分の匂いを消すためでもありますが、猫はグルーミングをするなどして自分の体も清潔に保っています。綺麗好きな動物ともいえるでしょう。
そのため、汚染された空気や不衛生なトイレも猫にとってはストレスとなります。猫のトイレはこまめに掃除するなどして、清潔に保つように心がけてください。
免疫力低下でかかりやすい猫の病気とは
免疫力低下でかかりやすい猫の病気には、「猫エイズ」「炎症性腸疾患(IBD)」があげられます。いずれの病気も発症すると苦しい痛みが猫に襲いかかる病気です。
愛猫がひどい痛みを伴う病気にかからないようにするためにも、どのような病気なのか明確に把握しておきましょう。
猫エイズ
猫エイズとは、猫エイズウイルスに感染し食欲不振や発熱、下痢などが発症する病気です。ウイルス感染のため、免疫力低下で感染しやすい体になっている猫がかかりやすい病気といえます。
猫エイズの病期には5つの段階がありますが、潜伏期間が長いために飼い主様も気づかないことが多いのです。しかし、ウイルスに感染しウイルス量が増えてしまうと発熱などの症状が一気に現れます。
大切な愛猫が苦しむ姿は、飼い主様も苦しく見たくないことでしょう。猫エイズにかからないために、普段から愛猫の免疫力アップに努めましょう。
炎症性腸疾患(IBD)
炎症性腸疾患(IBD)とは、免疫の異常によって腸内が荒れて、下痢や炎症を引き起こす病気です。遺伝性や自己免疫によるものなのか、現在でも原因が不明の腸内疾患になります。
炎症性腸疾患(IBD)になると、腸内が炎症を起こして嘔吐や下痢などが3週間以上続くでしょう。こうした症状が見られた場合は、すぐに動物病院を受診してください。
免疫力向上の改善方法とは
免疫力向上の改善方法には、「適度な運動と添加物のない食べ物」「栄養素が揃ったバランスの良い食事」が適切です。すぐにでも実行できることもありますので、飼い主様のペースで猫の免疫力を改善させていきましょう。
適度な運動と添加物のない食べ物
免疫力を向上させるためには、運動と食事が何よりも大切です。運動に関しては、体内へ栄養素や酸素を行き渡らせる役割があります。キャットタワーや猫のおもちゃなどを使って、愛猫に適度な運動を心がけましょう。
食事に関しては、化学物質や添加物の少ない食べ物を用意する必要があります。いつも与えているキャットフードの成分表示を確かめてみてください。
無添加のものならば、そのままでも大丈夫でしょう。しかし、思った以上に添加物が入っている場合は、別のキャットフードにした方が賢明です。
栄養素がそろったバランスの良い食事
栄養素が揃ったバランスの良い食事を心がけることで、さらなる免疫力向上につながります。とはいえ、キャットフードや手作りの食事だけで、すべての栄養素を補うことは難しいでしょう。
栄養素を揃えるためには、サプリメントの使用や水分を加えた食事などが効果的です。サプリメントに関しては、獣医師の薦めるものを選んでみると良いでしょう。
子猫と老猫では免疫力が異なる
子猫と老猫では免疫力が異なります。生まれたての子猫は免疫力が低いため、母猫の母乳によって免疫力を保つことが必要です。
しかし、母猫の母乳による免疫は最大でも6週間しか続きません。さらに保護猫の子猫となれば、母乳を与えられていたかも怪しいものです。こうした子猫の場合は、ワクチンが必要となります。
生後2ヶ月以上でないとワクチンに反応しないため、ワクチンを受けるまでの期間は特に免疫力を高めることに注意しなければなりません。
老猫の場合は、加齢とともに筋肉量が低下し体温が低くなるため免疫力が低下します。バランスのとれた食事や、適度な運動によって免疫力を保つ努力をするべきです。
猫の免疫力をアップさせて長生きしてもらおう
本記事では、猫の免疫力低下の原因や改善方法、効果的な食事について紹介しました。猫の免疫力は少しのことでも低下しがちです。免疫力が低下したせいで、ひどい病気にかかってしまうこともあります。
野良猫が多い昨今、保護猫を家族に迎える飼い主様も多いことでしょう。保護猫が子猫や老猫だった場合、何よりもまず初めに免疫力の向上に努めてください。
もちろん、子猫や老猫だけでなく、成猫でも病気予防と健康のために日ごろから免疫力を高めるための行動が必要です。
COCOペットでは、コラムで猫に関する情報を発信しており、猫の健康に有益な知識を手に入れることができます。猫の飼育の際の参考にしてください。