「飼い猫のおならが臭いと体調面で不安になる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

猫のおならは基本的に臭いですが、より臭くなるようであれば病気の可能性もあります。

そこで本記事では、猫のおならの特徴や臭くなる原因について解説します。おならが臭くなる病気や症状についても紹介しているので、最後まで読めば、猫のおならを健康管理に使えるようになるでしょう。

猫もおならをする!その理由とは?

猫もおならをします。おならは、お腹の中にたまった空気やガスが肛門から放出される生理現象で、おならをする理由は人間と同様です。

おならに含まれるガスのほとんどは、口から取り込んだ空気です。空気の量が多いほど、おならが出やすくなるでしょう。

また、食べ物が消化管内で消化される際に発生したガスもおならとして放出されます。このガスによりおならのにおいは左右されます。

猫のおならの特徴

以下では、猫のおならの特徴として、においや音について解説していきます。

猫のおならは基本的に臭い

猫のおならは基本的に臭いことが多いです。

猫は肉食のため、魚や肉などが餌に含まれていることが多いでしょう。肉類に含まれる動物性タンパク質は、腸内の悪玉菌によって分解され、硫化水素やアンモニア・インドール・スカトールといったガスを発生します。これらのガスが、臭いの原因です。

猫のおならは音がしないことが多い

猫のおならは、多くの場合、音はしません。

猫は人間や犬よりも、食事のときに空気を飲み込む量が少ないといわれているため、おならの量が少なく、音がしにくいようです。そのため、急に臭いにおいがしたら、猫がおならをしたかもしれません。

猫のおならがより臭くなる原因5選

猫のおならは臭うことが多いですが、場合によってはより臭くなることがあります。以下では、猫のおならが通常時よりも臭くなる5つの原因について解説します。

食事

猫のおならは、食事により臭くなることがあります。

食事に含まれるタンパク質や硫黄成分が多いと、腸内でにおいの素となるガスを発生し、おならが臭くなります。

タンパク質が多く含まれる食品には肉・魚肉・卵・豆類などがあり、これらは硫黄成分が多いため、おならが臭くなりやすい食品として認識しておきましょう。

ストレス

ストレスにより、猫のおならが臭くなることがあります。

ストレスは、猫の自律神経のバランスを崩す原因です。自律神経のバランスが崩れると胃腸の血流が悪化し、腸内環境のバランスが崩れます。腸内環境が悪化すれば、悪玉菌が増えるため、臭いガスが腸内に発生しやすくなります。

腸内環境

猫のおならは、腸内環境によっても臭くなることがあります。

例えば、消化不良が起こると、腸内でガスが発生しやすくなります。また、腸内環境のバランスが崩れることで、悪玉菌が増加。においの原因となる悪玉菌が増加することで、おならのにおいが臭くなります。

加齢

加齢により、猫のおならが臭くなることがあります。

猫も歳をとると、消化吸収能力が落ちます。消化吸収能力が落ちれば、消化不良や腸内細菌のバランスを崩すこともあるでしょう。どちらもおならを臭くするため、加齢もおならを臭くする原因になるのです。

病気

猫のおならは、病気により臭くなることもあります。

特に消化器系の病気にかかれば、消化不良や腸内細菌のバランスが崩れることもあるでしょう。そのため、悪玉菌の増加も関わり、おならのにおいが悪化してしまうのです。

猫のおならを臭くする病気

病気がにおいの原因となることもあるため、以下ではおならを臭くする代表的な病気について解説します。

腸閉塞(イレウス)

腸閉塞により、猫のおならは臭くなります。

腸閉塞とは、異物などによって腸が詰まってしまい、消化管に入った食物が排出されない病気です。腸が詰まるため、ガスの発生源となる食物が腸内にとどまるため、おならが臭くなります。

腸閉塞になるとおならが臭くなるだけでなく、お腹の張りや嘔吐が併発することも。症状が悪化すれば腸破裂で命に関わることがあるので注意が必要です。

感染性の胃腸炎

感染性の胃腸炎でも、猫のおならは臭くなります。

胃腸炎になると通常の消化機能が保てなくなるため、腸内環境のバランスが崩れることも。腸内環境のバランスの崩れは、悪玉菌の増加を引き起こし、においの悪化につながります。

胃腸炎を引き起こすのは、細菌やウイルス・寄生虫の感染など、原因はさまざまです。

慢性的な下痢

慢性的な下痢も、腸のおならを臭くします。

下痢は、消化不良を引き起こしている状態です。消化が悪くなるため、おならの量が多くなり、においも悪化するでしょう。また、腸内環境のバランスが崩れるのも、においの悪化につながります。

慢性的に下痢を起こしている場合は、嘔吐も伴うことがあります。

膵外分泌不全症

膵外分泌不全症により、猫のおならは臭くなります。

膵外分泌不全症とは、膵臓が機能低下することで消化酵素の分泌が低下し、消化不良となる病気です。消化管に入った食物が消化不良のまま腸に入るので、栄養素が吸収されず、おならのにおいが臭くなる原因となります。

こんなときは病院へ!おなら以外の注意したい症状

猫のおならは臭いのが一般的なため、気になるところがなければ、病院の受診は必要ないでしょう。

一方、急におならが臭くなったり、回数が多くなったりするならば、消化不良や腸内環境のバランスが崩れている可能性があります。以下のような症状が伴うのであれば、特に注意が必要です。

● 元気がない
● 食欲がない
● うずくまって動かない
● お腹を触ると痛がる・膨らんでいる
● 便が出ない

上記症状があれば病気の可能性もあるため、動物病院への受診の目安としてください。

猫のおならの予防法・対処法

猫のおならのにおいや回数に対する予防法や対処法については、以下のポイントをおさえておきましょう。

● 飲み込む空気の量を減らす
● 腸内環境を整える
● ストレスを減らす

飲み込む空気の量を減らせばおならの回数が減るため、食事や食器への工夫が必要です。

腸内環境を整えれば悪玉菌が減り、においの改善につながるため、消化のよい食事などに変更しましょう。ストレスをかけない環境整備をすることも、おならのにおいや回数を改善します。

猫のおならは臭うことを理解し、健康管理に活用しよう!

猫のおならについて解説してきました。猫のおならが臭くなる原因は、以下の5つです。

● 食事
● ストレス
● 腸内環境
● 加齢
● 病気

猫のおならは臭いのが一般的ですが、より臭くなるなら病気の可能性もあります。元気や食欲がないなど他の症状があるなら、動物病院の受診を検討しましょう。

猫のおならの予防・改善方法を取り入れ、猫に快適な暮らしを実現してください。