猫に元気がなく、普段見られないおかしな行動をとっていると「心の病気かな?」と不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

猫もストレスや不安を感じ、心の病気になることがあります。

そこで本記事では、猫の心の病気や症状について解説します。心の病気の予防法も紹介しているので、あわせてお役立てください。猫の心の病気を理解し、大切な家族である猫の心をケアしていきましょう。

猫の心の病気とは?

猫の心の病気とは、ストレスや不安に起因する問題行動です。猫が室内で飼われることが多くなったことで、猫本来の狩猟本能が満たされず、ストレスがたまることなどが原因と考えられています。

猫は心の病気にかかることで、今までにない攻撃性や不適切な排泄といった問題行動を見せるでしょう。猫が通常する行動でも、執拗に繰り返すようであれば、心の病気かもしれません。

猫も人間と同様、ストレスや不安を感じることで、心の病気を発症することがあると認識しましょう。

猫が心の病気のときに見せるサイン

猫が心の病気のときに見せる代表的な5つのサインについて解説します。サインを把握し、猫の心の病気を見逃さないようにしてください。

周りへ攻撃する

猫が心の病気にかかると、周りへ攻撃することがあります。

猫が強い恐怖や不安を感じたとき、飼い主様を含む身近な人や猫に対して噛みつく・ひっかくといった行動を見せることがあります。また、大きな音などの刺激により興奮し、周囲の人や猫を攻撃することも。

ささいなきっかけで猫が周囲へ攻撃するようになったのであれば、それは心の病気のサインかもしれません。

トイレ以外で排泄する

猫は心の病気により、トイレ以外で排泄することがあります。

トイレ以外での排泄である「粗相」をするのであれば、トイレに対してストレスを感じている場合があります。また、室内でマーキングをするようであれば、不安を感じていることも考えられるでしょう。

ストレスや不安は心の病気の原因でもあるため、粗相やマーキングといったサインを見逃さないようにしましょう。

同じ行動を繰り返す

猫は心の病気により、同じ行動を執拗に繰り返す場合があります。

たとえば、猫が毛づくろいで自身をなめるのは正常な行動です。しかし、自身をなめる行為を執拗に繰り返すようであれば異常です。このような状態を「常同障害」と呼びます。常同障害はストレスや不安により引き起こされ、同じ行動を繰り返します。

猫がいつもしている行動であったとしても、繰り返しおこなっているのであれば、心の病気のサインかもしれません。

活発さや元気がなくなる

猫は心の病気になることで、活発さや元気がなくなることがあります。人間の心の病気のひとつである「うつ病」に似ているといえるでしょう。ストレスや不安から猫のモチベーションが削がれ、行動が見られなくなってしまいます。

今までよりも猫の活発さがなくなったなら、心の病気かもしれないと考え、適切に対応しましょう。

身体的症状が表れる

猫が心の病気にかかると、以下のような身体定期症状が表れることがあります。

● 震える
● 食欲が過剰になる
● 食事を拒否するようになる
● 体重が減少する
● 下痢をする

上記は心の病気以外でも見られる症状ですが、心の病気のサインになることも覚えておきましょう。

猫の心の病気「分離不安症」とは?

猫の心の病気のひとつに「分離不安症」があります。分離不安症とは、愛着のある飼い主様などから離れるときに強い不安やストレスを感じ、問題となる症状が表れる心の病気です。

大きな音など強くストレスを感じたトラウマや、引っ越しや飼い主様の生活パターンが変わる環境の変化が原因で発症することがあります。

以下では、分離不安症の具体的な症状や対処法、なりやすい猫の特徴について紹介するため、参考にしてください。

分離不安症の症状

分離不安症では、以下のような症状が猫に見られます。

● 過度に自身をなめることによる炎症や脱毛
● 過食や拒食
● 下痢
● 留守番中の嘔吐

また、普段より攻撃的になったり、粗相・マーキングをしたり、留守番中に鳴き続けたりすることも。飼い主様が帰宅時に過度に喜び飛び跳ねるようであれば、心の病気である分離不安症の可能性があります。

分離不安症の対処法

分離不安症が疑われる猫には、以下のような対処法が有効です。

● 猫に快適な環境を整える:ストレスや不安の原因を取り除く
● 過剰に構わない:在宅時と不在時の差を減らす
● 外出時はそっと出かける:開出することを猫にアピールして刺激しない
● 外出時に好きなおもちゃやおやつを与える:外出時にはいいことがあると思わせる
● 留守番時の失敗を叱らない:猫の不安をあおらないようにする

上記を組み合わせ、猫に不安を与えないように対応することが大切です。

分離不安症になりやすい猫の特徴

分離不安症のなりやすさには、猫の品種による差はないといわれています。一方、若い猫がなりやすく、1歳までに経験したことが原因で発症することが多くあるようです。

また、以下のような猫も分離不安症になりやすいため、注意が必要です。

● 甘えん坊な正確
● 早期に離乳
● 飼い主様1人のみと生活
● 引っ越しなどにより環境変化を経験

猫を心の病気にさせないための予防法

猫の飼い主様であれば、心の病気は避けたいものです。そこで、猫を心の病気にさせない3つの予防法について解説します。ポイントをおさえ、猫の心の病気を予防しましょう。

快適な環境を整える

猫にストレスや不安を感じさせないため、猫にとって快適な環境を整えましょう。

トイレなどの猫用グッズは、普段からストレスなく使えているか、見直してください。普段の猫の生活をよく観察し、不自由していないポイントを探すことが大切です。

また、猫が外を見られる場所を用意し、カーテンを開けておきましょう。猫は外の景色を見ることで、良い刺激を得られます。

遊ぶ時間や場所を確保する

猫が遊べる時間や場所を確保しましょう。

室内で飼われている猫は狩猟本能が満たされないことが多く、ストレスを感じやすくなっています。そのため、おもちゃなどを使って適度に遊んであげることで、刺激を与えることが大切です。

また、猫自身が運動できるように、上下運動できるようなタワーを用意してあげるのも効果的です。

攻撃されても叱らない

猫に攻撃されても、叱らないようにしましょう。叱られることが猫のストレスになり、心の病気の原因になってしまうこともあります。

攻撃した原因などを取り除き、叱らなくてよい環境を作ることが大切です。

猫に寄り添い、心の病気をケアしよう

猫の心の病気について解説してきました。

猫もストレスや不安によって、心の病気にかかることがあります。以下のような心の病気のサインがあれば、見逃さないようにしてください。

● 周りへ攻撃する
● トイレ以外で排泄する
● 同じ行動を繰り返す
● 活発さや元気がなくなる
● 身体的症状が表れる

猫を心の病気にさせない予防法も紹介しているため、予防法を生活に取り入れ、猫の心のケアをして快適な生活をおくってください。