アメリカンショートヘアはほかの猫種に比べて寿命が短いといわれています。長生きしてもらう方法があるのか気になる飼い主様も多いでしょう。アメリカンショートヘアでも平均寿命を超えて長生きしている子も少なくありません。

少しでも長生きしてもらうためには、アメリカンショートヘアがかかりやすい病気や長寿の秘訣などへの理解を深めることが大切です。今回の記事ではアメリカンショートヘアの寿命やかかりやすい病気、長生きしてもらうための秘訣などをご紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

アメリカンショートヘアの特徴

はじめにアメリカンショートヘアという種の特徴を、体つきと性格の2つに分けてご紹介します。

体つき

アメリカンショートヘアはがっしりと発達した筋肉を持つ中型の猫です。

被毛は短くて固く、びっしりと厚く生えているため、雨の日や寒いでも体を冷やしません。毛色にはさまざまなものがありますが、大胆な縞模様が代表的です。肉球の肉付きが良く、コンクリートにも草むらにも対応します。丸みを帯びた頭で横長に角ばった特徴的なマズルを持っています。

性格

アメリカンショートヘアは好奇心旺盛で活発なため、部屋中を走り回ることもあるほどやんちゃな面を持ちます。高い身体能力を持ち、遊びが大好きです。賢く人懐っこく、人や他の猫、環境などへの順応力が高いため、初めて猫を飼う人でも安心感を持って育てられる種だと言えます。

雄の方が甘えん坊で雌は気まぐれだと言われることもありますが、雄でも雌でも明るい性格で一緒に過ごすと賑やかな毎日を送ることができるでしょう。

【長生きしてほしい】アメリカンショートヘアの寿命は何年くらい?

アメリカンショートヘアの一般的な寿命は12~13歳程度だと言われています。猫全体での平均寿命が14~15歳であることから、アメリカンショートヘアの平均寿命はやや短いと言えますね。

しかし、寿命には個体差があります。また、飼育環境や食事などの影響も大きいため、飼い主様の健康管理によっても変わります。少しでも長生きしてもらうためには猫が快適に過ごせる環境を整えることが大切です。

アメリカンショートヘアがかかりやすい病気

アメリカンショートヘアに長生きしてもらうためには、アメリカンショートヘアがかかりやすい病気をあらかじめ知っておくことも大切です。ここでは代表的な病気をご紹介します。

急性腎不全

急性腎不全は、心臓や尿路系の疾患などによって急に腎臓の機能が低下する病気です。

アメリカンショートヘアに関わらず、猫はもともと腎臓病にかかりやすく、腎不全をおこしやすい動物です。急性腎不全は、発症したら直ちに治療を開始しないと命に関わることもあります。トイレの回数や一回の排尿量などに変化が見られた場合はすぐに動物病院で相談しましょう。

肥大型心筋症

心臓の中の心室という部屋の筋肉が何らかの原因で肥大して全身へ血液を送り出す能力が低下する病気です。

何歳の猫にも起こり得る病気ですが、遺伝も関係していると言われアメリカンショートヘアは好発種のひとつとされています。病気が進行するまで目立った症状は出ませんが、急死するケースもあります。早期発見早期治療が鍵となるので、定期検診を受けることが大切だと言えるでしょう。

脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、健康な猫の皮膚にも存在するマラセチアという酵母による皮膚炎です。マラセチアは本来であれば問題をおこすことはありませんが、アレルギーや、寄生虫、細菌などによる皮膚環境の悪化、不適切な食事、ホルモン異常など様々な原因で異常に増殖すると皮膚に疾患を引き起こします。

脂漏性皮膚炎になると、体がべたつく・フケがたくさん出るなどの症状を呈します。

尿石症

体内のミネラル成分が集結して結石や結晶を作り、尿道や膀胱、腎臓、尿管などの尿路に詰まる病気です。血尿やトイレに行っても尿が出ないなどの症状が出ますが、尿石が詰まる場所によっては尿が全く出なくなり命に関わる場合もあります。

糖尿病

糖尿病は、血糖値を下げるためのホルモンであるインスリンが十分に機能しなくなることで起こる病気です。初期では無症状ですが、血糖値のコントロールができない状態が続くと白内障や腎疾患、肝疾患などの合併症があらわれたり、嘔吐、痩せる、多飲多尿などの症状が出たりします。糖尿病のリスクはストレスや遺伝、肥満などによって高まると言われています。

アメリカンショートヘアに長生きしてもらう秘訣5つ

アメリカンショートヘアを家族に迎えたら、1日でも長く元気に生きてもらいたいですね。ここでは長生きの秘訣を5つご紹介します。

定期的に健康診断を受ける

上でお伝えしたように、アメリカンショートヘアは腎臓や心臓などの病気になりやすいと言えます。これらの病気は初期では症状が出ないことが多いため、気づいた時には進行していることもあります。病気の早期発見、早期治療のためには定期的な健康診断が不可欠だと言えるでしょう。

猫が元気な時でも、1年に1回は健康診断を受けて全身をくまなくチェックしてもらいましょう。また、感染症のリスクは日常に溢れているため、必要なワクチン接種も必ず行いましょう。

完全室内飼いにする

統計的に、完全室内飼いの猫の方が屋外に出る猫よりも長生きだという結果があります。屋外では感染症にかかるリスクやけがをするリスクが高いためです。長生きのためには完全室内飼いが良いと言えるでしょう。

アメリカンショートヘアは好奇心旺盛な性格のため、一度屋外の楽しさを味わってしまうと外に出たがるようになることがあります。途中から完全室内飼いに切り替えると屋外に出られないことがストレスにつながることもあるため、できる限り子猫のうちから完全室内飼いを徹底すると良いでしょう。

食事管理を徹底する

アメリカンショートヘアは太りやすい体質で生活習慣病リスクが高い種だと言えます。上でお伝えした糖尿病などは肥満によってリスクが上がる病気のひとつです。飼い主様による食事管理の徹底で、体重管理を行なうことが健康のためには大切です。食事を与える際は体重に見合った量をきっちり計量して与えましょう。

適度な運動で筋力維持を心がける

アメリカンショートヘアは筋肉量の多い猫です。適度な運動で本来の筋力を維持するように気をつけましょう。運動のためには、おもちゃを利用して飼い主様が遊びに誘ったり、室内にキャットタワーを置いて垂直方向の運動を取り入れたりするのがおすすめです。

ブラッシングやおもちゃ遊びでストレスを溜め込まない

ストレスは健康と密接に関係しています。長生きのためにはストレスを溜めこまないことが大切ですが、室内飼いの猫ではストレスの発散場所が少ないとも言えます。日々のブラッシングやおもちゃ遊びでストレスを解消するように心がけましょう。

アメリカンショートヘアを迎えたら保険の加入も検討しよう

心臓の病気や腎臓の病気、糖尿病などアメリカンショートヘアがかかりやすい病気は長期的な治療が必要なことも多いです。病気にかかった場合は定期的な通院に加え、入院や手術が必要になるなど急に高額な出費が必要な場合も出てきます。

人とは異なり、猫の医療費は全額自己負担なので、飼い主様に十分な金銭的な準備がない場合、必要な治療を受けさせることができなくなることもあります。このような心配を回避するために、保険に加入することも検討すると良いでしょう。

ストレスフリーな生活で長生きを目指しましょう

今回の記事では、アメリカンショートヘアの特徴をお伝えし、平均寿命やかかりやすい病気、長生きのための具体的な注意点などをご紹介しました。アメリカンショートヘアに長生きしてもらうためには、記事の中でお伝えした内容に加え、こまめに水分補給できる環境やリラックスできる寝床を整えることも大切です。今回の記事も参考に、健康管理に気をつけ、できる限りストレスを回避することで長生きを目指しましょう。