犬が震えていると、病気を心配する方もいらっしゃるのではないでしょうか。震えの原因がわからないと、不安になりますよね。
犬が震えるのは、病気だけが理由ではありません。そこで本記事では、犬が震える原因や病気のときの症状について解説します。震える場合の対処法や予防法も紹介するため、最後まで読めば、犬が震えているときに適切に対応できるでしょう。
目次
犬が震える原因6選
犬は寒さやストレスで震えることもあれば、病気で震えるなど、震えの原因は多岐にわたります。以下では、犬が震える主な6つの原因について解説します。
寒くて震える
犬は寒さにより震えます。寒い環境下では、震えることで体温を上げ、低体温症を防ぎます。この震えは「シバリング」と呼ばれ、病気ではなく、犬にとって正常な反応です。
寒くて震えている場合、犬のからだを温めれば震えがとまります。そのため、寒さが原因の震えであれば、比較的震えの原因は明確にしやすいといえるでしょう。
不安や緊張によるストレスで震える
犬は不安や緊張によるストレスを感じることでも震えます。以下のような場合にストレスを感じることがあります。
- 初めての人や嫌いな人と会ったとき
- 初めての場所など環境が変化したとき
- 工事や雷など大きな音が鳴ったとき
ストレスで震えている場合は、ストレスから離れれば自然と震えはおさまります。
嬉しさによる興奮で震える
犬は嬉しいときなどに興奮した場合にも震えます。
興奮による震えは、犬の激しい感情表現です。そのため、嬉しくて興奮したときに震えているのであれば、興奮がおさまれば自然と震えもおさまります。病気や異常行動ではないため、心配の必要はないでしょう。
高齢など筋力の衰えにより震える
犬は高齢などで筋力が衰えることにより、震えることがあります。
犬も加齢により、脚の筋力が徐々に落ちてきます。筋力が低下すれば、踏ん張りがきかなくなり、震えるようになるでしょう。排便時のりきむような震えが、日常で見ることが多くなるのが特徴です。
注目されたくて震える
犬は注目してほしくて震えることもあります。自分に構ってほしくて震えるのです。
特に、過去の経験で震えているときに飼い主から優しくされたことを自覚していると、「震えれば構ってもらえる」と思い、震えて見せる犬もいます。
この震えは、犬が飼い主の気を引きたいためのアピールなのです。
病気で震える
犬は病気で震える場合もあります。震えの原因となる病気には、以下のようなものがあります。
- 脳障害(てんかん・脳炎・脳腫瘍・水頭症など)
- 中毒症状
- 低血糖
- 臓器の機能障害(肝硬変・慢性腎臓病など)
- 痛み(椎間板ヘルニアなど)
前述の震えに該当しない場合には、病気が原因で震えている可能性があります。そのような場合には、震えを犬の体調が悪いサインとして受け止め、後述で説明するような適切な対応をとりましょう。
犬が病気で震える場合の症状や対処法
犬が病気で震えている場合、震え以外にも症状が出る場合があります。以下では、犬が病気で震えている場合の症状や、そのときの対処法について解説します。
震える以外に見られる病気の症状
犬が病気で震える場合、以下のような症状がからだの不調のサインとして一緒に出る場合があります。
- 発熱
- 嘔吐
- 下痢
- 元気がない
- 食欲がない
- 動かない
- 意識がもうろうとしている
- 激しく呼吸している
- 体重が減っている
- 激しく震える
犬の平熱は37.5~39度くらいです。体温が39.5度以上であれば発熱と考えられます。ただし、食事や散歩の後では体温が高くなっていることが多いため、発熱の状態については慎重に見極めましょう。
また、嘔吐や元気がない・食欲がないことは、乗り物酔いなどの環境により起こることもあります。嘔吐に関しても状況に応じて、不調のサインかどうかを見極めてください。
病気だと思ったら動物病院へ
病気以外に震えている理由がなく、前述の症状を併発しているようなら、動物病院の受診をおすすめします。診察が必要か迷った場合には、獣医師へ電話などして相談するのもよいでしょう。
また、震えているときの動画を撮影しておくと、動物病院受診時により正確な診察が可能です。
犬の震えが病気によるものかと疑問に思ったら、体調が悪化しないよう、早めの動物病院の受診を心がけましょう。
犬が震える場合の対処法・予防法
犬が病気以外で震えている場合、どのように対応したらよいか迷う方もいるでしょう。以下では、震えるケース別の対処法と予防法について解説します。
寒くて震える場合
犬が寒くて震えている場合には、温めてあげましょう。タオルを巻いたり、毛布を敷いたりすることで犬のからだを温められます。
また、寒さによる震えを予防する方法として、部屋の中であれば暖房器具を使って適切な温度に調節しましょう。外出時には服を着ることで体温が下がるのを予防できます。
ストレスで震える場合
ストレスで震えている場合には、ストレス源から犬を離すようにしましょう。それができない場合には、好きなおもちゃやおやつをあげるなどして、安心させてください。
また、大きい音にストレスを感じて震える場合には、普段から小さな音で慣れさせるのも有効です。
興奮により震える場合
犬が興奮で震えている場合には、特に対処は必要ありません。
しかし、興奮で震えることが多い場合には、予防策が必要です。たとえば、落ち着いているときに犬を褒め、興奮しているときに無視することで、犬は次第に興奮して震えることをしなくなります。
筋力の衰えで震える場合
犬が筋力の衰えで震えている場合には、これ以上の筋力低下を避けるため、散歩などの適度な運動を心がけましょう。屋内では、床に滑り止めがあると、脚が踏ん張れるため震えにくくなります。
また、筋力が衰える前から、適度な運動を心がけることで、筋力低下を防止できます。脚に負担をかけすぎない程度の運動を継続しましょう。
注目されたくて震える場合
犬が注目してほしくて震えている場合には、不調のサインではないため、放っておいて問題ありません。
注目されたくて震えるのを予防するには、震えた際に無視するのが効果的です。この震えは犬の構ってほしいというアピールなので、無視を続けていれば震えることもなくなるでしょう。
犬が震える原因を見極め適切に対処しよう
犬が震える原因や対処法について解説してきました。犬は病気を含め、主に以下6つの原因で震えます。
- 寒くて震える
- 不安や緊張によるストレスで震える
- 嬉しさによる興奮で震える
- 高齢など筋力の衰えにより震える
- 注目されたくて震える
- 病気で震える
病気の場合には他の症状が併発することも多く、不調のサインであるため早めの動物病院への受診がおすすめです。
病気以外の場合は、震える原因によって適切な対処法や予防法が異なります。犬がどのような原因で震えているかを判別し、大切な家族である犬の健康を守ってあげましょう。
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