「愛犬がごはんを食べ過ぎているけれど大丈夫だろうか」と思っている人もいらっしゃるのではないでしょうか。
人間と同じく犬も必要以上にごはんを食べ過ぎてしまうときがあります。そして、犬にとっても、ごはんの食べ過ぎは健康に良くありません。食べ過ぎの原因や結果に病気が隠れていることもあるのです。
本記事では、犬がごはんを食べ過ぎてしまう原因や病気の種類、対策方法を紹介していきます。
目次
犬がごはんを食べ過ぎてしまう原因
犬の個性や年齢により、食べ過ぎてしまう原因は異なります。飼い主様の愛犬の特徴と年齢を照らし合わせて、一番可能性が高い原因から適した対策方法を取りましょう。
噛む回数が少ない
犬は野生動物だった頃の名残で早食いをする癖があります。当然噛む回数は少なく、ごはんを丸呑みで食べることもあるぐらいです。消化器官が強いからこそできることですが、いくら消化器官が強くとも食べ過ぎは体に良くありません。
ドッグフードやおやつを与えるときは、丸い容器よりも平らな容器に入れて与えるなどの工夫をしてみてください。また、愛犬が早食いをしていないか、ごはんを食べている様子をよく観察しましょう。
ストレスを感じている
犬はストレスを感じているとごはんを食べ過ぎてしまうことがあります。人間がストレスにより過食気味になることと同様です。ストレスの理由となるのは、環境の変化や飼い主様とのスキンシップ不足など犬によって異なります。
いつもより明らかに突然食べる量が増えた場合は、過食気味になった時期を思い出しましょう。その時期に犬にとってストレスの原因となる出来事があったと思われます。原因を突き止めストレスを解消させてあげましょう。
認知症
歳を取り老犬になると認知症を発症して、ごはんを食べた記憶を忘れてしまうことがあります。ごはんを食べていないと思い込んでいるため、何度もご飯をねだってしまうのです。
認知症の犬の場合は、過食気味なのに対して体は痩せていることが多く見受けられます。食べ過ぎにより内臓に負担がかかっているケースもあるため、認知症が原因の食べ過ぎを疑ったときには必ず動物病院に相談へ行ってください。
野生のときの名残が残っている
犬は野生として生活していたときの名残を現在でも持っている場合があります。野生動物のときは狩りをして食事をしていたため、必ずしも1日が満腹で終わることはありませんでした。
その結果、「食べられるだけ食べてしまおう」という本能があり、その場にある食事を食いだめのように全て食べてしまうことがあります。また、犬は満腹を感じにくい体をしているため食べ過ぎてしまうことが多いのです。
食べ過ぎによる犬の病気
食べ過ぎによる犬の病気はいくつか考えられますが、なかでも代表的なものは以下の4つになります。いずれも最悪の場合、死に至る難病につながるものばかりです。病気の初期段階についても解説するため、見逃さないように気をつけてください。
肥満
食べ過ぎの最も代表的な病気は肥満であり、心臓病や膵炎(膵臓の炎症)、免疫力低下にもつながります。肥満予備軍になっていないか、愛犬の体重を定期的に測るようにしましょう。
標準体重よりも肥満気味になってきたら、獣医師と相談してダイエットの計画を立ててください。日々の運動を増やしたり、おやつを控えたりするなどの対策も必要です。
クッシング症候群
クッシング症候群とは、副腎のホルモン分泌が過剰になってしまう病気です。副腎皮質機能亢進症と呼ばれています。副腎皮質や脳下垂体の腫瘍や薬による副作用が原因です。食べ過ぎは、クッシング症候群の典型的な症状のひとつになります。
ほかにも、左右対象の脱毛や多飲多尿などの症状が特徴的です。クッシング症候群は、すぐさま命の危険が見られるわけではありません。しかし、症状が見られた場合は直ちに動物病院へ行き獣医師の診察を受けてください。
糖尿病
糖尿病とは、インスリン不足によって血糖値が高くなる病気です。認知症と同じく食欲があるのにもかかわらず、痩せてきた場合は糖尿病を疑ってください。しかし、罹患する可能性は認知症と異なり、老犬でなくともかかる恐れのある病気になります。
糖尿病は、肝疾患や白内障などの合併症を引き起こす可能性がある恐ろしい病気です。少しでも疑いがあるならば迷わず動物病院に行ってください。
胃捻転
胃捻転は、胃のなかでガスが大量に発生し胃が拡張してねじれてしまう病気です。大量に食べ物を摂取した場合に起こりやすい病気となります。
例えば、与えられた食事だけでなく、ストックしてあったドッグフードまで盗み食いしてしまった場合に考えられる病気です。お腹が異常に膨らんでいるなどの症状が見られた場合は胃捻転の可能性があるため、すぐに動物病院で診察を受けてください。
犬の食べ過ぎ防止対策3選
犬がごはんを食べ過ぎることを防ぐ対策は3つあります。犬それぞれの性格や年齢により難しい面もありますが、工夫を施しながら地道に続けていくことが大切です。
ウェットフードに変える
ごはんであるドッグフードを水分の多いウェットフードと呼ばれるフードに変えてみましょう。ドライフードよりも炭水化物が少ないため、食べ過ぎによる肥満を防ぐことができます。
市販のドッグフードを2.5倍のお湯でふやかすだけでもウェットフードにさせることが可能です。また、フードの材料を繊維質の多いものにすることも食べ過ぎ防止の効果的な方法になります。
マッサージ
雨などで散歩に行けないときは、運動不足によりストレスを感じがちです。その結果、ごはんを食べ過ぎてしまうことが多くなります。ストレス解消のため、散歩の代わりに室内で遊んであげたり、マッサージをしてあげたりしてください。
食べること以外に集中力を与えることが大切です。遊びもマッサージも話しかけながら行うと愛犬とのコミュニケーションにもつながります。
催促を無視する
愛犬が可愛いあまり、ごはんを催促してくると思わずあげてしまうという飼い主様も多くいらっしゃるでしょう。しかし、食べ過ぎは犬の健康を害することを胸に留めておき、心を鬼にして催促を無視してください。
「ちょっとくらいいいかな」という気持ちが何度も続くと食べ過ぎにつながってしまいます。ごはんの催促を無視する代わりに遊ぶ時間を増やしてあげてはいかがでしょうか。飼い主様との触れ合いが増えることで適切な量の食事を守ることができます。
愛犬の健康のために食べ過ぎを防ごう
本記事では、犬の食べ過ぎに関する原因と病気の種類、対策方法を紹介しました。いくら可愛くても、ごはんを与えすぎて不健康にさせてしまっては意味がありません。
昔は野生動物として生きてきたとしても、今はペットとして生きていることを再確認してください。適切な運動量とストレス解消を図り、適量のご飯を与えることが愛犬の健康につながるのです。
COCOペットでは、コラムにて犬の情報を発信しており、犬の食生活や病気に関しての知識を得ることができます。