犬と暮らす飼い主様の中には愛犬が痩せているように感じて心配な飼い主様も多いでしょう。
痩せてしまう原因や、そもそも愛犬が痩せすぎなのかどうかを知りたい方、痩せすぎることによる問題点を知りたい方もいますね。

今回の記事では犬が痩せる原因と、愛犬が痩せすぎかどうかを確認するための具体的な方法をご紹介します。また、痩せすぎることで起こりうるデメリット、痩せすぎを解消する方法などを詳しくご紹介します。

犬が痩せすぎる原因とは?

犬が痩せすぎる原因にはどのようなことが考えられるのでしょうか。ここでは代表的な痩せすぎの要因を解説します。

食事の摂取カロリーが少なすぎる

摂取カロリーが必要カロリーを下回れば犬は痩せていきます。
ドッグフードの裏には犬の年齢と体重に合わせた推奨量が書かれていますね。推奨量をきちんと与え、犬が食べ残しをしていないことを確認しましょう。

必要カロリーは体重だけでなく、年齢や不妊手術を受けているかどうか、日常的な運動をどの程度しているかによっても異なります。愛犬の年齢や生活習慣に見合ったフードを選び、推奨量をきちんと与えることが大切です。

運動量が過度

過度の運動は、犬を痩せさせます。
それだけでなく、心臓や関節などへの負担も大きくなるため愛犬に必要以上の運動をさせないように注意が必要です。運動量の目安は犬の大きさで決まります。

小型犬であれば1日30分~1時間程度、中型犬は1日2回、30分ずつくらいの運動がおすすめです。
大型犬は1日2回、30分~60分程度の散歩が推奨されますが、いずれの犬種でも年齢や愛犬の健康状態に合わせることが大切です。

筋力が衰える

加齢と共に筋肉量が少なくなると痩せて見えることがあります。加齢による痩せは、緩やかに少しずつ変化していくことが特徴です。犬では7歳くらいからシニアと呼ばれる年齢なので、このあたりの年齢から徐々に筋肉が落ちてくる可能性があります。

犬は年齢と共に様々な病気にもかかりやすくなります。痩せる原因が加齢のみの場合もありますが、病気が関連していることも多いため痩せる以外の変化がないかどうか注意深く観察しましょう。

ストレスがたまっている

ストレスで食欲が落ちると痩せることがあります。
犬のストレスの原因には様々なことが考えられます。引っ越しなどで生活環境ががらりと変わったり、飼い主様の仕事のリズムが変化して留守番の時間が増えるなどは大きなストレスとなるでしょう。

また、例えばお家に赤ちゃんが産まれたなど飼い主様にとっては嬉しい変化もストレス要因となる場合があります。

病気にかかっている

犬の病気の中には、食欲があるのにどんどん痩せるものもあります。
特に消化器系の病気、糖尿病などの内分泌系の病気、腎不全、寄生虫感染などは注意が必要です。また、食べているようでも食べこぼしが多くなったなどの場合は口の中にトラブルがあるケースも考えられます。

犬の痩せすぎはどうやって見極める?

ここでは「愛犬が痩せすぎかな?」と感じた時に行うチェック方法をお伝えします。

BCSから判断する

犬が痩せすぎかどうかはBCS(ボディ・コンディション・スコア)で判断できます。
これは環境省が出している「飼い主のためのペットフード・ガイドライン」(full.pdf (env.go.jp))に記載されている方法で、犬の外観と触った時の感触で体型を5段階に分け、BCS3が標準でBCS1~2だと痩せだと判断します。

BCSのチェック手順

具体的なBCSのチェック手順をご紹介します。環境省のガイドラインのイラスト(6.pdf (env.go.jp))を見ながら確認するとわかりやすいでしょう。

① 身体を横及び真上から見て腹部の吊り上がりと腰のくびれ具合を確認します。

BCS3では横から見た時に腹部は少し吊り上がり、上から見ると肋骨の後ろが少しくびれます。
腹部の吊り上がりが明瞭、上から見て腰のくびれも明瞭であればBCS2で、腹部の吊り上がりやくびれが顕著であればBCS1となります。

② 肋骨に触れ突起が感じられるか確認します。

BCS3は触れた時にわずかな脂肪を感じながら肋骨が触れます。
肋骨が簡単に触れればBCS2、肋骨が見えればBCS1となります。

状態から判断する

腰が8の字のようにはっきりくびれ過ぎているのは痩せすぎの可能性があります。

全体的に骨が浮き出て見えるのも痩せすぎです。
お腹がかなりへこんでいるのも痩せすぎだと言えます。愛犬の犬種の理想体型を確認して見た目を比較すると良いでしょう。

犬が痩せすぎるのはよくない?

肥満と同様、痩せすぎも健康に悪影響を与えます。
一番心配なのは栄養不足です。痩せすぎの犬は栄養不足によって免疫が低下し、病気になりやすくなります。皮膚や被毛などに栄養がいきわたりにくくなり、トラブルもおこりやすくなるでしょう。

筋力不足で活動しにくくなり、食欲が落ちるという悪循環に陥ることもあります。痩せすぎの状態が続くと心臓や肝臓など重要な臓器の機能が低下する可能性もあります。健康のためには痩せすぎは解消する必要があるのです。

犬の痩せすぎを解消するにはどうしたらいい?

愛犬が痩せすぎている場合、どのように解消すべきでしょうか。ここでは犬の痩せすぎの解消方法をお伝えします。

病院で診てもらう

まずは病気の可能性がないかどうか動物病院を受診すると良いでしょう。
特に短期間で急激に痩せた、突然ぱたりと食べなくなった、食欲は落ちていないのにどんどん痩せる、吐いたり下痢をしているなどの場合は病気の可能性があります。

受診してみて犬の健康状態に問題がないと判断されても、定期的に健康診断を受けることは犬の長生きのためにも大切です。普段から動物病院通いに慣れておくといざという時に犬に過度なストレスを与えずに通院できるようになります。

犬の食事を見直す

犬のフード選びを見直すことも大切です。
健康で若い犬なら高カロリー、高タンパク質のフードを選ぶと良いでしょう。また、消化の良いフードや犬の好みに合ったフードを選びましょう。

ただし、例えば腎臓の悪い犬の場合、高タンパク質フードは与えることができません。また、高齢犬に高カロリーフードを与えると肥満の心配もあります。フード選びは犬の年齢や健康状態も考慮して動物病院で相談しながら行うと良いでしょう。

犬の生活リズムを整える

1日1回は外に出て日光に当たり適度に運動を行いましょう。
運動で犬の食欲を刺激して、帰宅後に食事の時間を取るのが良いリズムのひとつだと言えます。

外に散歩に出られない日でも、食事の前に飼い主様が遊んであげたりコミュニケーションの時間を取ると犬の食欲が出やすいでしょう。

犬のストレスをためないようにする

犬の様子をよく観察し、ストレスを感じているようであればできるだけその原因を取り除くようにしましょう。引っ越しなど環境の変化は原因そのものを取り除くことは難しいため、室内でお気に入りの場所を整えるなど安心できる過ごしやすい環境を用意することも大切です。飼い主様からの愛情表現も犬を安心させるでしょう。

適切な生活習慣で健康的な体型を目指そう。

今回の記事では犬の痩せすぎの原因や、痩せすぎかどうかを見極めるためのチェック方法、痩せすぎによって起こりうるトラブルや痩せすぎの解消方法をお伝えしました。

肥満と異なり、犬の痩せすぎにはあまり注意が払われないこともありますが、健康のためにはその犬の理想体型を維持することが大切です。適切なフードを適量与え、無理のない運動を行い、できる限りストレスを取り除くことで愛犬の健康を守りましょう。