大切なペットを失ったときは、深い悲しみに包まれてしまうものです。ただし、つらくても埋葬方法をどうするべきかを考えなくてはなりません。
ペットのおもな埋葬方法には土葬と火葬があり、いずれの場合も法律の遵守はもちろん、倫理的な面でも配慮が必要です。
今回は、ペットが亡くなった場合に埋葬を行なう必要性と、2つの埋葬方法である土葬と火葬の詳細なやり方、埋葬時の注意点を解説します。
火葬と埋葬の違いを今すぐ知りたい方は、COCOペットにお問い合わせください。記事よりも詳しく内容をご説明させていただきます。
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目次
ペット埋葬の必要性とは?
埋葬とは、遺体や遺骨を土に埋めて自然に還すことです。遺体を直接土に埋める土葬や、火葬したあとに遺骨を土に埋める埋骨などが埋葬に該当します。
埋葬をすることで、大切なペットへの敬意や感謝の気持ちをしっかりと込める機会が得られるほか、飼い主様であるご自身も少し心の区切りがつくかもしれません。
飼い主様は、家族の一員だったペットの最期を、責任を持って見届けなければなりません。そのためにも、ペットが亡くなったときには適切な埋葬が必要です。
なお土に還すわけではないため、埋葬には当たりませんが、火葬したあとに遺骨をペット霊園や特定の施設に納める納骨という方法もあります。納骨も埋葬と同じように大切なペットを適切に供養できる方法の一つです。
関連記事:ペットが亡くなったら最初にすることは?ご遺体の安置方法などするべき対応
ペットの2つの埋葬方法
ペットの埋葬方法は、おもに土葬と火葬の2つです。適切な方法でお別れするためにも、各葬送方法について解説します。
土葬
土葬は、ペットの遺体を焼かずに直接土に埋める埋葬方法です。人間の場合と異なり、ペットの土葬は法律で禁止されていませんが、自宅の庭など私有地でなければ行なえないなど一定のルールがあります。
火葬
ペットの火葬は、単に遺体を焼くのではなく、遺骨を取り出す目的で行なわれます。かつては土葬が一般的でしたが、現在ではペットを家族の一員と見なすことが増え、火葬が主流となりました。ペットを火葬する場合、自治体の施設や民間のペット葬祭業者に依頼できます。
ペットを土葬するためのステップ
ペットの土葬に必要なものと注意点をステップごとに詳しく解説します。
ステップ1.埋める場所を決める
ペットを土葬する際は、法律上自宅などの私有地でのみ埋葬が許されています。私有地以外に埋葬すると法律違反となるため、注意が必要です。
また、土葬は遺体を直接土に埋める埋葬方法であるため、衛生面への配慮も必須です。
- 将来的に手放す予定がない私有地であること
- 近くに水源や畑がないこと
- 隣の家と距離が離れていること
上記の3つの条件を満たす土地が、衛生的な観点からみた土葬に適した場所といえます。
ステップ2.土葬に必要なものを用意する
土葬を滞りなく進めるために、事前に必要なものを準備しておきましょう。準備するものは、シャベルやスコップ、軍手、自然素材でできたタオルや手ぬぐい、石灰、モニュメントなど墓石となるものです。
自然素材とは、麻、綿、絹などの土に還る素材のことで、遺体を包むために使います。石灰は有機物の分解を促し、殺菌や防臭の効果もあります。ホームセンターや園芸店などで購入しておきましょう。
ステップ3.土葬をする
道具の準備が整ったら、土葬を開始します。まず穴を掘り、底に石灰を半分敷き詰めます。このとき、穴はできるだけ深く掘ることが重要です。また、掘る前に水をまいておくと、土がやわらかくなり掘るのが楽になります。
次に、遺体を自然素材のタオルなどで包み、穴にそっと寝かせてあげましょう。寝かせたら遺体の上に残りの石灰をかけ、少し多めに土を盛ります。最後に墓石となるものを置けば土葬は完了です。
なお、化学素材で作られたものは土に還りにくく、土壌汚染につながることもあります。そのため、ポリエステルやプラスチックなどでできた首輪やおもちゃを一緒に埋葬することは避けましょう。
プランターに土葬するためのステップ
プランター葬は自宅で土葬できない方におすすめの方法です。以下では、各ステップについて解説します。
ステップ1.鉢底ネット・鉢底石を入れる
まずは、プランターの底に鉢底ネットや鉢底石を敷いてください。土が排水穴からこぼれるのを防ぐとともに、通気性と排水性を保つための重要な役割を果たします。
鉢底石は、水はけを良くして過剰な水分が滞らないようにする効果があります。ペットのご遺体を入れる前に、鉢底ネットと鉢底石を入れるようにしましょう。
ステップ2.プランターの1/3まで土を入れる
ペットのご遺体が適切に土に包まれるように、プランターの1/3まで土を入れましょう。入れた土が基盤となり、ご遺体を安定して支える役割を果たします。
土は柔らかく、通気性がいいものを選べばご遺体の分解が促進されます。
ステップ3.土の上にご遺体を置く
準備した土の上にペットのご遺体を優しく置きましょう。ご遺体が土と直接触れることがないように、布や毛布などで包むと良いでしょう。布や毛布は土に還りやすいように自然素材のものを選んでください。
ご遺体を置いた後、そっと手を合わせて感謝の気持ちや思い出を振り返りながら行いましょう。
ステップ4.土を入れて植物を植える
ペットのご遺体を埋めた後、プランターに新しい土を入れて植物を植えましょう。ペットのイメージに合う植物を選び、適切な深さまで植えて育てましょう。植物は、長く育てやすいものを選ぶと良いです。
植え付けた後は、適量の水を与え、しっかりと根付くように管理してください。ペットとの思い出を忘れないために、またいつでも思い出せるように植物を育てるといいでしょう。
ペットを火葬するためのステップ
ペットを火葬するための具体的なステップを解説します。
ステップ1.ペットの火葬方法を選ぶ
ペットの火葬には、自治体に依頼する方法と、民間のペット葬祭業者に依頼する方法があります。
また、民間のペット葬祭業者であれば、複数の火葬方法が用意されているので、よく確認して後悔のない火葬方法を選びましょう。
自治体
自治体に依頼する場合は、申し込み後にペットの遺体を引き渡すだけです。依頼の手間が少なく、費用も安価で済みやすい方法ですが、その分しっかりとした供養をしたい方には不向きです。
自治体の火葬においてペットは、あくまで一般廃棄物として扱われます。高温でほかのペットなどとも合同で火葬され、遺骨も残らないのが一般的です。自治体ごとに規定が違うため、自治体への火葬を検討している場合は、住んでいる地域の規定を確認しておきましょう。
民間のペット葬祭業者
ペット葬祭業者に依頼すると、さまざまな火葬方法を選択できます。例えば、合同火葬、一任個別火葬、立会い個別火葬などがあります。選んだ方法によっては、火葬に立会ったり、骨壺に遺骨を納めたりすることが可能です。
感謝の気持ちを込めて大切なペットを見送りたい場合は、民間のペット葬祭業者に依頼するほうが適しています。
ステップ2.遺骨の供養方法
火葬をペット葬祭業者に依頼した場合は、一任個別火葬や立会い個別火葬を選ぶことで、遺骨が返骨されるため、供養方法も選べます。
自宅に置く
ペットの遺骨を自宅に安置して供養します。これは手元供養とも呼ばれ、日常生活のなかで毎日供養できる点がメリットです。なお、最近では、ペット用の仏壇や自宅で供養するためのアイテムが豊富に販売されています。
埋める(埋骨)
自宅の庭などの私有地にペットの遺骨を埋葬します。土葬の際と同様に、私有地以外に埋葬すると法律違反となる点には注意しましょう。
なお、骨壺に入れた遺骨を埋めると、土に還るまでの時間が長くなる可能性があります。早く土に還したい場合は、遺骨を直接埋めるほうがよいでしょう。また、ペット霊園で埋葬するのも選択肢の一つです。
施設に納骨
納骨とは、火葬後に遺骨を施設に納めることです。納骨先としてはペット霊園や納骨堂が挙げられます。埋葬する庭がない方や賃貸で暮らしている方、自宅に遺骨を安置するスペースがない方は便利です。
ペットを土葬するメリット
ペットのサイズにもよりますが、小動物であれば自宅の庭にご遺体を埋葬できます。まずは、ペットを土葬するメリットについて確認しておきましょう。
身近に感じられる
ペットを土葬すると身近に感じられることがメリットに挙げられます。お寺や霊園、納骨すると、場合により会いに行くのに時間がかかり、遠方であれば移動にも手間と時間がかかります。
しかし、自宅の庭に埋葬すれば、いつでも都合のいいタイミングで大切な家族であるペットを供養してあげられるでしょう。亡くなった後もペットを身近に感じたい方や寂しくないようにそばにいてあげたいと感じている方におすすめです。
コストが抑えられる
ペットを土葬するとコストが抑えられる点でもメリットです。お寺や霊園、納骨堂にご遺骨を納めた場合、火葬だけでなく管理費が必要となり、費用がかかります。
特に、自宅の庭や許可を得た私有地で行う場合、葬儀費用や供養料が発生しないため、金銭的な負担が軽減されます。また、特別な設備やサービスが必要ないことから、経済的な供養方法としてよく選ばれるでしょう。
経済的な事情で他の選択肢が難しい場合でも見送れる方法であるため、土葬がおすすめです。
ペットを土葬するデメリット
ペットの土葬はメリットもありますが、デメリットもあります。事前にデメリットを理解しておかなければ、後悔するかもしれません。以下では、ペットを土葬するデメリットについて解説します。
異臭や害虫が発生するリスクがある
ペットを土葬すると、異臭や害虫の発生リスクがあります。適切な深さで埋葬しなければ、腐敗による異臭が地表に漏れ出すことがあります。異臭は、近隣に不快感を与えるだけでなく、ハエやネズミなどの害虫を引き寄せる原因です。
害虫は病原菌を媒介する可能性があり、健康被害を引き起こすリスクがあります。そのため、土葬を選択する際は、埋葬方法や場所の選定に注意が必要です。
引っ越しの際にご遺体を移動しなければいけない
ペットを土葬する場合、引っ越しの際にご遺体を移動しなければいけません。長年住み慣れた場所に大切なペットを埋葬することは、飼い主様にとっても心の慰めになります。
しかし、自宅にご遺体を土葬すると引っ越しすることが難しくなります。また、ご遺体を移動するためには、法的手続きや専門的な知識が必要であり、ご遺骨を掘り起こすことも精神的に負担となるでしょう。
土葬は将来的な問題を引き起こす可能性があるため、慎重に考えるようにしましょう。
ペットを埋葬する際のポイント
ペットのご遺体を土葬する際は4つのポイントがあります。トラブルを防ぐためにも、埋葬する際のポイントについて理解しておくことが重要です。以下では、各ポイントについて解説します。
日当たりのいい場所を選ぶ
ペットを埋葬する際は、日当たりのいい場所を選ぶようにしましょう。日当たりがよく風通しのいい場所は、ご遺体が自然に土へ還る役割を果たします。
逆に、日陰で水はけの悪い場所にご遺体を埋葬してしまうと、ご遺体の分解が遅れて異臭や虫が発生する原因です。また、ご遺体を埋めた後にモニュメントや墓石の代わりに植物を埋める場合でも、花が健やかに育つために日光が必要です。
深く穴を掘る
ペットを埋葬する際は、深く穴を降ることが重要です。ご遺体の腐敗が進めば腐敗臭が発生し、異臭につられて野生動物やカラスなどがご遺体によってくることがあります。
ペットのご遺体が荒らされないようにするためにも、穴は1〜2メートル程度の深さを目安に掘りましょう。深さが1メートル以上あれば、動物に土を掘り返されたり、悪臭が外に漏れたりする心配は少なくなります。
ご近所とのトラブルを防ぐためにも、土葬の際は穴を深く掘ってから埋葬しましょう。
ご遺体はタオルで包む
ペットを埋葬する際は、ご遺体をタオルに包んでください。ご遺体をタオルで丁寧に包んであげると、腐敗臭を抑えて周囲の環境への影響を最小限に抑えられます。
特に大型の犬や猫の場合はバスタオルがおすすめです。タオルを使用する際は、綿や麻、絹などの天然素材を選択してください。
ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は、土中に残りやすく湿気がこもる可能性があります。天然素材のタオルを選べば、環境への配慮もできるでしょう。
土を高く盛る
ペットを埋葬する際は、ご遺体を埋葬した場所の土を高く盛るようにしてください。ご遺体を安置し、土を埋め戻した後は、シャベルでしっかりと押し固め、最後に地面から約30cmこんもりと山のように高く盛りましょう。
土を高く盛るのは、埋めた場所がわかるようにするだけでなく、雨風や時間の経過による土の沈下を防ぐためです。土が沈むと、都度土を追加して地面がへこまないようにしてください。
ペットを埋葬する際の注意点
ペットを埋葬する際には、埋葬場所や土へ還るまでの時間など主に3つの注意点があります。
埋葬場所
ペットの埋葬場所を選ぶ際は、法律違反にならないよう注意し、周囲の人に迷惑をかけない場所を選びましょう。
たとえば、土に埋めたペットが感染源となり、飲料水に使われる水源が汚染されてしまった場合、刑法142条により罰せられる可能性があります。そのため、埋葬の際は、川、池、湖などの水辺から離れた場所を選んでください。
また、私有地であっても、住宅が密集していたり、高温多湿の時期だったりといった、埋葬する場所や時期によっては、悪臭や虫などの問題を考える必要があります。
土へ還るまでの時間
土葬や埋骨をしてから遺体が土に還るまでには、長い時間が必要です。ペットをそのまま土葬した場合、土に還るまで30年から40年かかる可能性があり、遺骨を埋めた場合でも、数年から数十年の時間がかかります。
そのため、遺体が土に還る前に引っ越しなどで埋葬地から離れたり、飼い主様が亡くなられたりすると、新しい住人が骨を発見してトラブルになることがあります。土葬や埋骨を私有地で行なう場合は、将来的な面も視野に入れておきましょう。
犬の場合は手続きが必要
生後91日を過ぎた犬について、飼い主様には市町村への登録が義務づけられています。そのため、もし飼っていた犬が亡くなった場合は、亡くなってから30日以内に「死亡届」を提出しなければいけません。
手続きは、市町村役場や保健所などで受け付けています。悲しみの深い時期ではありますが、忘れないようにしましょう。
ペットの土葬を正しく行ってお別れしよう
ペットとの別れは悲しいものですが、いつかは最期のときが訪れます。その際、どのように見送るかを決める必要があります。住んでいる環境や個人の考え方に応じて、土葬か火葬を選択しましょう。
土葬を選ぶ場合、適切な埋葬場所の選定と衛生面への配慮が必要です。火葬の場合は、自治体に依頼する方法と民間のペット葬祭業者に依頼する方法があります。
民間のペット葬祭業者に依頼をすれば、最期の立会いや埋骨、納骨などの供養方法が選べるため、ペットへの敬意と感謝を込めたお見送りがしやすくなります。大切な家族であったペットとのお別れで後悔が残らないように、埋葬方法はよく検討してお選びください。
COCOペットでは、飼い主様が大切なペットと悔いなくお別れできるようなサポートを行っております。豊富な火葬方法から飼い主様のお気持ちに寄り添ったプランを提案します。
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