「柴犬は寒さに強いのかな…」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。柴犬は日本犬ということもあり、日本の寒い冬でも外を元気に走り回っているイメージがあります。
しかし、日本犬といえども寒さを感じないわけではありません。柴犬たちも寒い冬には防寒対策が必要です。
本記事では、柴犬の冬の寒さ対策に適したおすすめの防寒グッズや健康管理方法を事細かに紹介します。
目次
柴犬は冬に強い犬種
柴犬は日本古来の犬種であり、海外でも高い人気を誇る犬です。1936年には、天然記念物の指定を受けた日本犬種の中の一種にも選ばれました。柴犬は古くから山地で狩猟犬として活躍していたため、中型犬ながらも寒さにも耐えうる体格をしています。
また、日本原産の犬種なため、柴犬は日本の四季折々の気候にも適するような体格です。被毛は短毛ながらも2種類の毛を持つダブルコートになっており、夏毛と冬毛に生え変わる換毛期があります。
その結果、体温調節をしやすい身体へと自ら衣替えしているのです。しかし、現代に生きる柴犬は先祖のようにどんな気候にも完璧に耐えられるとは限りません。日本の近代化が進むにつれて、柴犬の暮らす環境も変化してきたからです。
室内飼育の柴犬は寒さに弱い？
柴犬は本来屋外で飼育することが多い犬種でしたが、近年は室内での飼育も多くなってきました。室内飼育の場合、適温が保たれた部屋で過ごすことが多いため、寒さに弱くなる柴犬も増えている傾向にあります。
室内飼育だからこそ、愛犬の体調変化を見逃さないようにしましょう。
換毛期を逃してしまう場合も
上記で述べたように、柴犬は２種類の毛を持つダブルコートの犬種です。ダブルコートの場合、年に２回毛が生え変わる換毛期があります。しかし、室内飼育をしていると気温の変化がわからず、換毛機能に不具合が生じることがあります。
そのため、換毛期が長く続くこともあれば、生え変わる前に換毛期が終わってしまうこともあります。なかには真冬に夏毛になることもあるため、柴犬のブラッシングを欠かさず行い、被毛のチェックを怠らないようにしてください。
寒暖差で体調を崩してしまう
室内飼育では常に暖かく快適な場所で過ごすことが多く、気温の差を感じ取ることが少なくなります。その結果、室内飼育育ちの柴犬は寒暖差に慣れていません。冬の散歩など、少しの寒暖差で体調を崩してしまうこともあります。
喉にダメージを受けて気管支炎になりやすく、心臓発作も起きやすくなるのです。特に子犬や老犬の場合、ほんの少しの外気温との差が命取りになります。暖かい場所から寒い場所へ移動する際は愛犬の体調をよく観察し、防寒対策をして出かけましょう。
柴犬が冬に寒がっている2つのサイン
柴犬が冬に寒がっている代表的な2つのサインがあります。以下では、各サインについて解説します。
体を丸める
柴犬が体を丸めているときは、寒さから体温を逃さないようにしているときです。屋外飼育の場合も室内飼育の場合も同じため、体を丸めるようになったら寒さ対策が必要になります。
体を震えさせている
体を震えさせているときも寒がっているサインのひとつです。体の筋肉を動かし熱を発生させて体全体を温めようとしている証拠になります。
特に、全身を小刻みに震えさせている場合、体温低下が始まっているため要注意です。すぐに毛布などで温めてあげるようにしましょう。
柴犬のおすすめ防寒グッズ5選
冬の柴犬におすすめの防寒グッズは主に5つあります。いずれも室内犬ならび屋外犬に適した防寒グッズになります。どのような防寒グッズが良いか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
厚めの毛布
厚めの毛布は、室内犬でも屋内犬でも使用することができます。室内犬の場合は毛布をハウスに、屋外犬の場合は犬小屋に置いてあげてください。
温かい毛布にくるまることで寒さを凌ぐことができます。人間が冬に寝支度をするように、湯たんぽなどを活用するのも良いでしょう。
ペット用の冬服
最近では可愛いペット用の服が豊富にあります。屋外犬はもちろんのこと、室内犬も散歩に行くときに着せてあげると良いでしょう。
裏起毛やキルトなど保温効果のある素材で出来たペット用の冬服があります。服を着るのが苦手な柴犬もいますので、着せる際には焦らずに優しく着せてあげてください。服を選ぶ基準として、保温以外に「着せやすい」という点を重視しても良いでしょう。
こたつ
猫だけでなく柴犬もこたつが大好きです。寒さが厳しくエアコンでは対処しづらい場合には、こたつを活用してみてください。
ただし、こたつに入りすぎると熱中症になります。体調を崩さない程度にするため、こたつ布団だけを使わせるなどの工夫をしましょう。
湯たんぽ
冬場も柴犬に心地よく過ごしてもらうためには、湯たんぽがおすすめです。お湯を入れたり、電子レンジで温めたりするだけで繰り返し使用できるため、手軽に利用できて非常に便利です。
柴犬が眠る直前に湯たんぽを用意してあげれば、朝まで暖かく過ごせるでしょう。また、ペットのために開発されたペット用の湯たんぽもあるため、ぜひ使用を検討してみてはいかがでしょうか。
パジャマ
眠るときも暖かく過ごせるように、寝る際に着用するパジャマも販売されています。日頃から洋服を着ることに慣れている柴犬の場合、パジャマを着ることにも抵抗がないでしょう。
パジャマは全身を保湿でき、さらに朝まで暖かく眠れておすすめです。パジャマには豊富なデザインが展開されているため、愛犬に合うパジャマを選んであげると良いでしょう。
ただし、洋服を着ることになれていない犬であれば、洋服を着用することをストレスに感じてしまいます。そのため、無理に着用はさせず、まずは短い時間から徐々に慣れさせて、嫌がっている様子を見せたら脱がせるようにしましょう。
室内飼いの柴犬の冬の寒さ対策
室内飼いの柴犬は寒さに対応する能力が下がっているため、寒さ対策を徹底することが重要です。以下では、室内飼いの柴犬の冬の寒さ対策について解説します。
寒くても定期的に外に出す
室内飼いで柴犬を飼っている場合、寒さに適応できるように寒い時期でも外に出して遊ばせたり散歩させたりしましょう。定期的に外で遊ばせることにより、寒さに順応できるようになります。
寒いからといって室内にいさせてしまうと、柴犬の換毛期がスムーズに行われなくなることもあるため注意が必要です。あえて寒い日に柴犬を外に出して適応させることも大切です。
水分補給をこまめにする
冬に室内飼いされている柴犬は、夏場よりも水分が少なくなることがあります。水分の摂取量が減ると病気につながる可能性があるため、注意が必要です。
夏場は暑さから自ら水分補給をすることが多いですが、冬場は寒さにより自分から水分補給することも減っていきます。また、人間と同じ環境で暮らしていると室内が乾燥することもあるため、定期的に水分補給を促すようにしましょう。
室内外の寒暖差を和らげる
定期的に寒い外に出すことも重要であると前述しましたが、寒暖差には注意が必要です。暖かい部屋にいた柴犬を、そのまま寒さが厳しい外に出すと体調を崩してしまう可能性があります。
そのため、いきなり外に連れ出すのではなく、まずは暖房が効いていない場所で寒さに慣れさせてから外に出すと良いでしょう。柴犬の体調を崩さないためにも、寒暖差には十分注意してください。
外飼いの柴犬の冬の寒さ対策
外で飼われている柴犬の場合、冬場はどのような対策を取れば良いのでしょうか。室内で飼われている柴犬よりも寒さに慣れていることから、寒さに強い傾向にありますが、寒さを感じないわけではありません。
以下では、外飼いの柴犬の冬の寒さ対策を紹介します。
風よけを設置する
外飼いの柴犬に少しでも寒さを感じさせないためには、風よけや小屋を設置してあげましょう。室内飼いの柴犬よりも寒さに強いですが、冬の冷たい風には適応できません。
そのため、冷たい風から身体を守れるように、風よけができる場所を設置してあげる必要があります。特に、柴犬のために犬小屋を設置してあげることが効果的です。
毛布やフリースを敷く
犬が自ら暖を取れるように、防寒効果を持つ毛布やフリースを犬がいる場所にしいてあげるのも効果的です。冬の寒さは、空気中から伝わるだけでなく、地面からも寒さは伝わります。
地面から感じる寒さを防ぐためにも、毛布やフリースを敷いてあげると柴犬も心地よく過ごせるはずです。もっとしっかり寒さ対策をしてあげたいとお考えの場合は、犬用の小屋のなかにペット用ヒーターを設置してあげると良いでしょう。
室内と併用する
寒さが厳しく柴犬が外で過ごすのが難しい場合は、外飼いを一時的にやめて室内飼いにするといいでしょう。
外飼いだから室内に入れては行けないというわけではないため、特に寒さが厳しいシーズンは柴犬が体調を崩さないように室内に入れてあげてください。ただし、室内に入れられない理由がある場合は、玄関に避難させるだけでもいいでしょう。
柴犬の冬の健康管理とは
柴犬の冬の健康管理のために効果的な行動は、大きく分けて3つあります。
室内飼育でも屋外飼育でも必要なことです。柴犬の健康管理のために行うようにしましょう。
散歩前はウォーミングアップを
冬は寒さにより筋肉が縮まってしまい、関節炎になりやすいです。そのため、冬に柴犬の散歩をするときは散歩前に少し温度の低い廊下や庭で過ごすなどのウォーミングアップをさせましょう。
また、暖かい部屋や犬小屋からいきなり寒い外へ連れ出すのは寒暖差による体調不良も引き起こしがちです。ウォーミングアップで関節と一緒に体を温めたのちに散歩へ連れ出してあげてください。
老犬や子犬は必ず室内に入れる
上記でも述べた通り、心臓が弱い老犬や身体が未発達な子犬は少しの寒さや寒暖差が命取りになります。冬には必ず室内に入れてあげるようにしましょう。
特に老犬は成犬の時と同じく外で飼っている人が多いかもしれません。室内犬よりは多少寒さに耐性があるとはいえ、身体は成犬のときよりも衰えています。冬の間だけ室内で過ごせるように準備してあげてください。
ブラッシングを欠かさない
血行をよくするブラッシングも冬の健康管理に役立ちます。毎日欠かさず行いましょう。ブラッシングによって保温効果も高まるため、健康な成犬で屋外飼育の場合もブラッシングは欠かさず行う方が良いです。
また、ブラッシングを行うことにより柴犬が換毛期を正常に行える助けとなります。余計な被毛を除去することで換毛機能が促進されるのです。散歩などの外出で換毛機能を正常に保つことと同時にブラッシングも欠かさないようにしてください。
柴犬の冬の寒さに対する注意点
寒さが厳しい冬になると、今までと同じ生活では寒さ対策が不十分である可能性があります。大切な愛犬が冬でも安心して過ごせるように、以下では各注意点について解説します。
寒いときも運動する
冬場の寒い時期でも、散歩や運動は積極的に行うことが重要です。室内飼いの柴犬はそもそも運動不足にもなりやすいです。
そのため、寒さへの対応力をあげるだけでなく、筋肉をつけるためにも運動をさせることは重要です。冬の間運動をしない犬よりも、しっかり散歩をした犬は寒さに強くなるといわれています。
そのため、冬場の寒い時期でも定期的に運動させるようにしましょう。
シャンプー後は暖かい場所で乾かす
冬の寒い日でも月に1回はシャンプーが必要になりますが、シャンプー後は暖かい部屋でドライヤーをしてあげてください。
シャンプーにより身体が濡れるとどんどん体温が奪われていき、寒さを感じると体調を崩す可能性があります。ドライヤーで乾かす際は暖かい部屋でしっかり身体が乾かし、完全に乾いていることを確認しましょう。
また、乾かしたあとにブラッシングしてあげると、被毛に空気の層を作り出してくれます。
ご飯の量を増やす
冬場は身体に脂肪をつけて寒さに強くするためにも、ご飯の量を増やしてみましょう。冬は体温を維持するために脂肪を燃焼させてしまい、痩せやすくなります。そのため、自然と痩せてきた様子が見えた場合は、食事量を増やしてみましょう。
また、冬は脂肪を溜め込みやすい季節でもあります。したがって、しっかり管理しなければ体重が増える可能性もあるため、一定に保てるよう管理してあげることも重要です。
快適な室温を理解する
冬に暖房を使用する際は、柴犬が快適に感じる20度前後に室温を設定してあげてください。人間が適温に感じる26度程度では、犬は暑さを感じる可能性があります。
犬が暑さを感じた場合は、自分で体温調節ができるように部屋の一角に暖かい風がこない涼しい場所を設けておくと良いでしょう。また、窓や部屋のドアを開けておくのも効果的です。
乾燥に気をつける
冬場は乾燥に気をつけることが重要です。犬は乾燥に弱く、特に冬場は空気が乾燥しやすいため、のどや鼻、目の乾燥、脱水症状を引き起こす可能性があります。
また、乾燥状態が続くと免疫力が低下し、病気につながるリスクも高まるため、40%〜50%程度の湿度を保つようにしましょう。
湿度を保つためには加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に置いたりするだけでも効果的です。
冬も愛犬と元気に過ごすための努力を忘れずに
本記事では、柴犬の冬の寒さ対策に必要なおすすめ防寒グッズや健康管理について紹介しました。日本犬で日本の気候に適した身体を持つ犬種だからといって油断してはいけません。現代では、犬が過ごす環境も急速な勢いで変化しています。
本来は屋外飼育が普通だった柴犬も室内飼育に変わり、外気温や寒暖差もひと昔前とは比べようもなく異なるのです。日々の気候や気温に注意し、屋内飼育ならば暖房器具を動かして、屋外飼育ならば厚手の毛布を犬小屋の床に敷くなどして寒さ対策をしましょう。
飼い主様たちの少しの工夫と健康を見守ることで、柴犬たちは心地よく幸せに過ごすことができます。愛犬と少しでも長く暮らせるように冬の寒さ対策を忘れずに行ってください。
大好きなペットにはいつまでも元気でいてほしいですが、いつか必ずお別れの時がやってきます。いざその時が来ると、急な悲しみで冷静な判断ができなくなることも珍しくありません。
そのため、ペットが元気なうちから、ペットの看取りや葬儀などをどうするのかを考えておくことで、後悔のない最期の時を過ごすことができます。
また、悔いなくきちんとペットとお別れをすることは、心の整理と準備ができることによりペットロスの緩和にもつながるでしょう。
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